[微笑みの裏から突き刺す一言につい笑ってしまった。>>3:128
微笑を花として取繕うのに、言葉は裏切り、その差異を愛でた。]
慈善事業を気取る気は更々ねぇよ、
お前さんが覚えがねぇなら、俺の戯言よ。
またお綺麗に微笑んで流しゃ良い。
[ただ、手繰り寄せる指先は離さなかった。
咽返りそうな情交の中、真実を晒す金華の前。偽りだらけの花と蝶が視線を交わし、指を強く握りこんだ。]
―――だが、聞き流せねぇなら、もう諦めろ。
[色に濡れても眼差しの強さ変わらず、引いた指の節へと口付けを落とす。罅が入って、砕けた先を知らない。揺れる心が求めるを知らない。
けれども、やはり、彼の焔に似た髪色は嫌いでなかった。]
誰に言われず、誰に愛でられず、誰の目にも留まらずとも。
――― 造花なんて、寂しい振りするんじゃねぇよ。丁助。
[言葉の最後、そっと彼の節に歯形を残した。*]
(0) 2014/09/21(Sun) 02時半頃