『 エー、皆様、ゴキゲン如何ですかァ 』
[間延びした声が響き渡った。
前回より幾分か落ち着いたトーンで話し始めた女は、広間に横たわる幾つかの身体を横目で眺めながら、言葉を紡ぐ。]
『 えーっとオ、先ほど、【巡田信也】サンが脱落なさってェ
……残りは7人ですネ! 』
[わざとらしく、指折り数えて宣言する。]
『 皆さん、活発に動いてくれているようで、何よりデ―― 』
[スクリーンの中、女は胸をなで下ろす。
なかなか楽しいことになってますし、とは、ほんの小さく呟いて。
広間に誰かいたなら、辛うじて聞こえただろうか。]
『 そういえば、もうお気づきだと思いますケド……この【匣】、なかなか親切な構造になっていると思いませン?
例えばこの広間や、1階のダイニング!広い部屋には、出入口が複数用意されてますし、階段もたくさんあるし、
1階2階は、行き止まりだって、少ないデショ? 』
(0) 2014/06/26(Thu) 00時頃