― ループ三回目の回想 ―
[あたしは昨夜を思っている。
願い川近くの公園で、花火をした。
様々に花火が燃える音がきこえる。
地べたや緑の芝生をいろんな色の光が照らしていた。
あたしはみんなの手元の光を眺めて座り込んでいた。
愛海先輩の『やりたいこと』のひとつの花火を、一緒に楽しむのが難しかったのを謝るのはやめておいた。
多分それは根岸のおかげだ。
不安な時は不安でいいといってくれた。
あたしはあたしに自信がない。
あたしはあたしを恥ずかしいと思われないように演じるべきだと思っていて、でも、あたしという存在は生まれてこのかたずっと恥ずかしいような人間にしかなれていない。
だから無理をしてでも取り繕うことがあたしのルールだったけど、昨日はやめた。
『秋山先輩が死んでしまうかもしれない』と思っている。
ループなんてなくて、このまま秋山せんぱいの一生が終わってしまうことを思っている。
あたしはあたしに自信がないから『ループがきて、秋山先輩が明日生きている』ことを信じられない。]
(0) 2019/09/06(Fri) 01時頃