─二日目─
[寝苦しさに、毛布の中で身を捩る。
次の瞬間、はっと菫色の瞳が見開かれた。表で、屋根から滑り落ちた雪の塊がドサドサと音を立てる。
まだ薄暗い中、ケイトはベッドから身を起こした。借りた寝巻きの中の素肌には、こんな気温なのにじっとりと汗が滲む。なんだか、酷く嫌な夢を見た気がする。]
──…え、と、…夕べは、どうしたんだっけ…
[お祭りの最中で、風と雪が酷くなって。
避難した叔父の宿屋で、宿泊客とランタン職人がひと騒動起こしたのだ。
それから、吹雪で窓が割れたのをアラン達と片付けて、結局外に出れそうもないから、叔父が各々に部屋を割り振って────]
…ああ、そうだ…私、目眩が酷くて、先に休んでたんだった…
[食堂には顔馴染みばかりが居た気がする。
一緒に避難したジリヤ。ドロテア。アランと、ヨアヒム。ヴェスパタインを抑えてたのはリーで、そばに女の子が居たような。
それから、オスカーと話してた…シメオン。]
(0) 2015/05/27(Wed) 04時頃