【墓】 露店巡り シーシャ

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[水の音がする。
嗚呼いっそ、沈んでしまえばこんな苦しみも、訳の分からない焦燥も、胸の内側を掻き毟るような痛みもなくなるのだろうか。

シシャは、あの悪魔が虹色の天使が飼う“感情”をおすそ分けしているなど知らない。
知らないが、気配が“同じ”だとは分かる。

喰われて、堕ちて、
輪郭が曖昧になるような感覚。
その癖激情ばかりがはっきりと身を焼いている。]


……、ぁ、…？


[びくり、と、体を強張らせる。
腕が伸びてきた。
包むように抱きしめられる。
この形を、知っている。]

(+312) 2020/01/16(Thu) 00時頃