― モンスターカフェ「フィオーレ」隔絶空間内部 ―
……あー…これは。
ガチめにマズイかもわからんね?
[バックヤードの床に胡坐をかいた輝也は、手にしたモップを前方の空間に突き出した。モップの穂先は1mほど進むと、空間に走る奇妙な亀裂に突き当たり、亀裂に触れた先から粒子状に分解されて消えてゆく。亀裂の向こうには、冷蔵庫と倉庫のドアが蜃気楼のように朧げに揺らいでいた。(>>5:+334)
主だった食料と水は、まだ冷蔵庫と倉庫に貯蔵されたまま。
とはいえ、モップの成れの果てを見た以上、この亀裂を越えて行く気にはなれなかった。
監禁された当初はなんともなかった。冷蔵庫や倉庫の中を覗き、パスタやソース、水と紅茶パックなどをいくらか失敬して腹ごしらえもできた。ところが、突然の奇妙な地鳴り(>>183)と同時に、この隔絶空間の内部にかの亀裂が生じ、冷蔵庫と倉庫への道が絶たれてしまったのだ。]
(+197) 2022/09/15(Thu) 02時半頃