― 客席 ――――辰…兄…、…?[身体を抱く、暖かい腕。あやふやな視界に映った人影の名を、桜色の唇は思いつくままに零した。見下ろす形の相手からは、その唇の奥。紅い舌先に金が埋め込まれているのがちらりと見えたか。ぼんやりとした漆黒を何度か瞬けば、見上げるその姿は鮮明になってきて。]…あ、……。[その姿を認めると、咄嗟に漆黒を逸らした。そしてゆっくりと状況を把握して。]『…ごめんなさい もう だいじょうぶ。』[小さく告げて、そのまま起き上がろうと。]
(+111) 2010/04/13(Tue) 22時半頃