[イアンの欲望は、切実な願いは、グロリアに肯定される。
最も激しい波が背骨を突き抜ける瞬間、視界が弾け──せつなの二人だけの世界が、白の闇で満たされた。
グロリアの裡のかたちを永遠の記憶に留めようとするかのように、最後に腰を動かす。
放出に脈動するペニスは嗚咽のように余韻に震える。
抱きしめた腕がそっと緩むのは、凶器のようだったそれが徐々に硬度を失い、呼吸がおだやかになる頃。ぬぷりと快楽の余韻を残しながらひきぬかれるそれは、酷く無防備だった。
零れ続けたグロリアの涙、濡れた睫毛に見蕩れながら。空いた手でそっと乱れた金の髪を撫でる。]
──…、グロリア。
[今、この場で殺されても構わない。
その想いが純粋であるのは、どれ程の間だろう。
やがて身なりを整えて、ドレスを纏い、貌をつくり、イアンを置いて部屋を出て行くグロリア。枷や鎖こそないものの、彼女の付き人達は女主人の命令を守るべく、イアンに衣服を与えようとしない。]
(+90) 2010/04/11(Sun) 03時半頃