[傷口を押さえられたのは、カップをサイドテーブルへ置いた後か。
はしる痛みに咄嗟にアイリスの身体を撥ね退けることが出来ず、呻いて身をよじった。
はだけられた胸元に赤が見えるのに小さく舌打ちをし、取ってつけた薄笑みを向ける]
…おやおや…流石は『華』の。積極的な方だ…
しかし貴女は何か勘違いをされているようですね。
[くつ、と喉を鳴らして、アイリスが退けた後で胸元を隠すようにシャツの前を合わせ]
この刺青は私の酔狂で入れたもの。
どこの印でもありませんが…何とお考え違いになったのでしょう?
己の尾を噛む蛇は、永劫の印。
それにあやかりたいと思いましてね。
[《∞》を暗に示すものとして己が刻んだ証は、組織の印―とはおそらく違う。
しかしそれを真似て刻む者はいただろうし、どこで知られていたかは知る由もない。
ただ己の身にそれがあることを感づかれたのは、間違いなく己の油断がゆえ]
(+15) 2010/03/26(Fri) 00時頃