[取り出した携帯端末に表示されていたのは、先程手に入れたばかりのアドレスと"彼"の名前。思わず口元が緩んだのは、男の意識の外だったけれど。
――だけれど、その文面>>66を見たのなら。柔らかく細められた男の目は、怪訝そうに見開かれる事となっただろう。]
――……殴られた?
["兄に殴られた"、と。その一文を見るなり、男の眉は至極不満げに寄せられる。
しかしすぐにそれの――殴られた理由を理解したのなら。嘆息と共に、こめかみを指で押さえはしただろうか。]
……"責任"、か。
そんな物は…幾らでも取ってはやるさ。
…帰りに氷を買っていくか。
[彼が、家を出ると言うのなら。それはきっと、渡したあの紙に書かれた場所へと――自分の居るこの場所へと、向かう為だろうから。
彼が自分を追い掛けてくれるのだと言うそのメールの文を、何度も、何度も目で追い。焦がれる想いを誤魔化すように、運ばれて来た淹れたちの珈琲を、一口口に含む。]
(+8) 2014/10/07(Tue) 23時半頃