人狼議事

197 獣ノ國


【墓】 良家の息子 ルーカス

[そうして、そのまま返信は行わぬままに男はタクシーを拾って乗り込む。行き先を伝え、シートへと身を預けて窓の外を見たのなら、そこに広がるのは見慣れぬ景色。
最後にあの國で見た車からの景色は、あの図書館からの景色だっただろうか。]

……――――。

[そっと動かした唇が紡いだ名は、静かな車内に響く事は終ぞ無く。ぼんやりと外を見つめながら、夜が明けるまでのあの時へと、ゆるりと意識を向ける。
ポツリポツリと、幾つの話をしただろう。此方の話に相槌を打つ彼の姿>>6を浮かべたのなら、その指先にはあの柔らかな髪の感触すらも蘇った気がして。それを掻き消すように――逃さぬように、男は強く、拳を握った。]

……泣いていたな。

[去り際に彼が初めて見せた、その涙>>7。此方の言葉を拾った運転手には"何でも無い"、と手で制しておきながら、また意識はあの夜の時間へ。
演技に自信を持つ彼が、あの時だけは笑顔すらも演じられなかった事。その事に胸に痛みと…ほんの、ほんの僅かな充足感を覚えたのは、男にしか知り得ないだろう。]

(+5) 2014/10/07(Tue) 13時半頃

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