226 【突発誰歓】君の瞳に花咲く日【RP村】
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タルト! 今日がお前の命日だ!
2015/06/13(Sat) 02時頃
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/* これわたシーシャ出てくる余裕もうないな。 ない。うん。
(-0) 2015/06/13(Sat) 02時頃
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/* >>+2 館内見取り図とは…? 窓、とか、無さそうな村建て的想定、が…
(-2) 2015/06/13(Sat) 02時半頃
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/* ひ、ひなちゃああああああ
(-9) 2015/06/13(Sat) 12時半頃
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『 白やぎさんからお手紙着いた 黒やぎさんたら読まずに食べた 仕方がないのでお手紙書いた さっきの手紙のご用事なあに
黒やぎさんからお手紙着いた 白やぎさんたら読まずに食べた 仕方がないのでお手紙書いた さっきの手紙のご用事なあに 』
(22) 2015/06/13(Sat) 14時半頃
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― 失われた最後の頁>>2:131 ―
その本の中には他愛ない日常の欠片が詰まっていただろうか。
――最後の頁にたった一行だけ。 名前の一つも、宛先もない言葉がつらつらと並ぶ。 " "は見るのすら厭うた"シーシャ"の文字。
『 誰が忘れてしまっても私だけは忘れない。 あなたを。 あなたの記憶と一緒に。 』
届かぬ手紙が" "の目に触れることはもう、ない。
(23) 2015/06/13(Sat) 14時半頃
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― 「その日」の夜 ―
["また"誰かがいなくなったことを「 」は知らない。 唯、道の半ばを過ぎるときにほんのりと香った " "の匂い>>5にすっと赤い目を細めただけだった。
いなくなる。わすれる。おぼえていない。 昨日いなくなったのは?一昨日は?一年前は? ぐちゃぐちゃと記憶が溢れて、零れる。
歌を唄う人。彼女は黒い手袋をしていたっけ。 本と文字を愛する人。感情を言葉に置き換えていた、人。 騒々しいピエロも、それを慕っていた人の姿ももうない。 涙の代わりに鉱石の零れる無表情な顔。 落ちた涙の色は何色だった?――その目の色は?
歩くたび、ぽろり、ぽろりと記憶の砂は落ち、欠け、消える。 それから、遠く、遠くに運ばれるものを見て。淡い色を見て。]
(24) 2015/06/13(Sat) 14時半頃
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「 みいらちゃん? 」
[口を衝いた言葉の意味が分からずに首を傾げた。 それは、名前だったか、アダ名だったか。 それとも、両方を兼ねるものだったか。 分からずのまま、ふいと顔を背ければ歩き出す。
道程の半ばで或る少女もまた、いなくなったことを知る。 無邪気な笑顔の愛らしい少女だった。 最後に顔を合わせたのは――いつだっけ。 喧騒の中に混じる"タルト"という単語。少しだけ、思い出す。
ぱきん。
また、何かが剥がれ落ちていくような音がした。]
(25) 2015/06/13(Sat) 14時半頃
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[ がり がり
がり。
その夜。 「 」は廊下の一角で壁を傷付ける。 今までと同じように、深い爪痕を残し、"記録"する。 けれど、その中身は空っぽ。
壁にキズが増えても、赤い赤い色が腕を伝っても、 爪の間に塗料が食い込んでも、一言も上げず、唯
その行為にどんな意味があったのかも分からず、 爪痕が何を残すのかも分からず、 ただ ただ 壁を削り取ることをやめない。
「 」が最後に失くしたものは――…]
(26) 2015/06/13(Sat) 14時半頃
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[壁の傷痕は醜く爛れ、やがて気触れる。 赤い歪な模様の残る壁を残して、「 」は立ち去る。
紅い雫すら落ちない指先が痛みを感じることはない。 「 」の右手のひらにはもう何もない。
「 」はふらふらと自室へ戻る。 左手の中に鈍色の鍵をしっかりと握ったまま。*]
(27) 2015/06/13(Sat) 14時半頃
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*[ 誰かが言いました。
『 どうして二人で仲良くできないの? 』
「 そうするしかないからだよ。 」
『 どうしてあの子はいなくならなくちゃいけないの? 』
「 かみさまがそう決めたからだよ。 」
『 かみさまはおねがいを叶えてくれないの? 』
「 かみさまは何時も見ているだけなんだ。 」
『 そんなかみさまなんて、しんじゃえ。 』 ]*
(28) 2015/06/13(Sat) 14時半頃
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/* 長くなりそうだったので一旦落として続きをだな…(袖捲り捲り
>>22 シーシャはオレも私も相互不理解なんですよなあ
(-10) 2015/06/13(Sat) 14時半頃
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― 泡沫の夢 ―
夜更け、自室へと戻った青年は眠りに就く。 そして、夜明けが訪れるまでの間、泡沫の夢を見た。
それは"私"でありながらシーシャではない過去。 「 」の失くした記憶とそこに宿る感情。
唯一の"希望">>1:301を信じようが信じまいが、 何も信じられなくなる日がいつかくる。 何もかも忘れて自分でなくなる日がいつかくる。
いつの日か青年の中にはひとりきり。 青年はシーシャになる。 そして、ある日突然"私"も"オレ"も消えてしまう。
(29) 2015/06/13(Sat) 16時頃
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目蓋の裏に誰かの口笛が泳ぐ。 閉じた窓の外で夜風がさやさやと音を立てる。
青年は眠り続ける。 離れたふたつの意識は溶けて一つになる。 失われた記憶は混じり合いひとつになる。 別れた感情は欠けたまま、戻らない。
明け方には消えてしまう泡沫の中に浮かぶのは かけがえのない思い出と、忘れないでという言葉。 そして――青い翅持つ誰かとの約束。
青年は眠る。 未だ醒めぬ意識のうちで羊が一匹 跳ねた。*
(30) 2015/06/13(Sat) 16時頃
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/* 私は副人格なので主観、青年は主人格なので三人称、シーシャという三人称は主人格のものなので青年の自覚が欠けてからは使わないようにしました、と。
(-11) 2015/06/13(Sat) 16時半頃
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― 翌朝 ―
[眼開けば、頭の深部を突き刺すような頭痛が走って、シーシャは思わず顔を顰めた。 窓から降る陽光が眩しく、目を細める。
懐から紫色の錠剤を数錠取り出し、がりがりと齧れば酷く苦い。 数日前に同じものを渡したメルヤがこんな飲み方をしていなければいいと思う。 多用は禁止。用法用量を守りましょう。 そんな言葉を一切守っていないシーシャが口に出来た義理はないが、そう、思う。
本来ならば一錠で事足りる薬。 それが、三錠、四錠と増えていったのは何時からだったか。 今となっては五錠前後を飲まなければ、効かない。 胃に穴が開かないのが不思議だと、自分でも思うほど。]
(31) 2015/06/13(Sat) 17時半頃
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[水を飲まずに飲み下すのは習慣のようなもの。 シーシャに限っては何時どこで痛みが起きるとも知れないからと。
暫くして痛みが少し落ち着けば、シーシャはベッドを降りる。 ばきん、と肩を鳴らして伸びをして、あー、と確かめるように声を出せば適当に身支度を整え廊下へ出た。
手の中に握り締めた鍵は今は服の中に眠る。]
(32) 2015/06/13(Sat) 17時半頃
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『 さぁ、生きるために行こう。 誰一人も置いていかないよ。
生きるが故に逝くだろう。 いつかまた会える。 どこまでも生こう。 』
(33) 2015/06/13(Sat) 17時半頃
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[廊下へ置き去りにする独り言を聞いているものはきっといない。 シーシャはどこへ向かうでもなくふらりと歩き出す。
歩きながらに思う。今日は何も起こらない日であれと。 …ここ数日、あまりにこの場所には人がいなくなりすぎた。 がらんと静まり返る廊下はひどく"寂しくて"。 いなくなってしまった顔をひとつひとつ思い出しながら、歩く。
その最中、中庭へ至る道で蒼色が過ぎって。>>15]
……ヒナ、 ?
[と、名を呼ぶものの相手は止まるかどうか。 どこか軽い動きに違和が過るけれど、口には出さぬまま。**]
(34) 2015/06/13(Sat) 17時半頃
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/* 「 生きるために逝くだろう 」 がシーシャの全て、かな
(-13) 2015/06/13(Sat) 17時半頃
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/* というかレイティングの壁の前で立ち止まっているシーシャ。 大人もこどももあんしん…ではないな。さすがに。
(-17) 2015/06/13(Sat) 18時頃
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/* ゾナハ病の元ネタを知らず てっきりタルトのオリジナルかと思ってがくぶるしてた人。 という懺悔。
(-22) 2015/06/13(Sat) 21時頃
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/* あっ、そういえばオスカー爺ちゃん経由でトレイルの頼みごと聞くはずが聞き逃し…くう…!
(-23) 2015/06/13(Sat) 21時半頃
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/* 胡蝶の夢だ… ヒナちゃんの知識が深くて僕は私は。 うーん、話しかけないほうがよかった、の、か? などと迷いつつどうしたものかと頭を抱える
(-25) 2015/06/13(Sat) 22時半頃
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/* わたシーシャよりオレシーシャのがクズになりそう
(-28) 2015/06/13(Sat) 23時頃
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[蒼い翅が揺れる。>>41 無機質な目。黒々と複眼のような闇色が此方へ向く。 その華奢な腕の中には絵本。――表紙は、ない。 ]
( ――――……やくそく )
[ちり。と小さな音と記憶の一部が燻る。 けれど、シーシャはそれを無視する。 置いてき(思い出し)た自らの記憶を振り返らない。 記録と化した記憶はシーシャには記録以上にはならない。]
――よォ。 そんなに大事そうに絵本なんか抱えてどうしたよ。
[薄く笑みを浮かべて尋ね、くすんだ蘇芳の双眸を眇めた。 絵本の中身を抱えた腕越しに視るように。]
(42) 2015/06/13(Sat) 23時半頃
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/* シーシャの目の色が日を追うごとに濁っている そして、今日になって失くした記憶が戻ってきた代わりに記憶を記録としてしか認知できなくなったので昔のことはどうでもいいになっている俺のほう。 ところでやっぱり私もう出てこないなこれ。
(-29) 2015/06/13(Sat) 23時半頃
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/* キ、キル!??!? 飛ぶ気かな…?(俺含め
(-30) 2015/06/13(Sat) 23時半頃
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/* まさか走っていくとは思わなかった!? あと、これはついていってもいい感じかな…?
(-38) 2015/06/14(Sun) 00時頃
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[約束。>>51 たどたどしい言葉にシーシャは一瞬目を瞠って、伏せる。 捲られる本の頁を見ることも、捲る手を止めることもしない。]
――――……そいつァ、俺の預けた本だったな。
[確認するように呟くけれど、答えはない。 頁を捲る音だけが静かな廊下に響く。]
『 わたしが わたしのままでいるうちに 』
[止まった頁には一文。 廊下が再び静まり返ればシーシャは顔を上げて、それを見た。]
(56) 2015/06/14(Sun) 00時半頃
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――…約束。
[シーシャは拙い言葉を繰り返すように囁く。約束。約束。 袖が引かれれば、見下ろす顔には笑み。>>53]
……付いてこいって?
[その表情は直ぐに消えてしまってその場には残り香だけが漂う。 覚束ないと形容するに正しい足取りで走っていくその姿を止めることはできなくて、シーシャもまた後を追う。
中庭へ着いたとき、その場には先客>>55がいた。]
(57) 2015/06/14(Sun) 00時半頃
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お早う。 何してんだ?
[看板片手>>55の、見た目は子供、頭脳は大人の少年を見下ろせば、シーシャはそう問い掛ける。 目だけは蒼い蝶の翅の方へ、うろうろ、うろうろと。]
(58) 2015/06/14(Sun) 00時半頃
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[シーシャの言葉に返事が返ることはついぞない。>>59 中庭へ出れば建物に四角く切り取られた空が見えた。
巨木の上から吹き降ろす風は花壇に咲く花も、 シーシャの月色の髪も嬲って通り過ぎていく。
空の色は青い。 落ちていけるほど、青い。
少年への問いに揺らぐ蒼い翅 振り向いた顔は矢張り色のない表情で。
表情の欠落した瞳が少年へ手向ける花の色は――白。>>61 そのまま踵返す姿へシーシャが声をかけることはないままで。]
(70) 2015/06/14(Sun) 02時頃
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ヘェ――急にまた、どうして。 …トレイルが?
[少年の方へ向き直れば、訝しげな顔をした。>>62 風に揺れる花の淡紫を見遣れば、名前は分からず。]
まァ、鉢植えよりは花壇の方が花も嬉しいだろうよ。 ――…アンタが何時いなくなるとしてもさ。
[そう、告げて少年の首を傾げる様子に気付けば、ヒナコのことがちょっと、と濁した言葉で気になる旨を伝えてみる。
木の近く。ふらふらと歩く翅が地面へ倒れそうになれば>>66寄ろうともするけれど、飛び上がってしまえば手を伸ばしたとしてももう、届かない。]
(71) 2015/06/14(Sun) 02時頃
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/* >>73 えっ まさか
(-60) 2015/06/14(Sun) 02時頃
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/* ヒナちゃん…!
(-63) 2015/06/14(Sun) 02時半頃
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/* 全シーシャ(私含む)が泣いた… どうお返ししたものか…
(-67) 2015/06/14(Sun) 02時半頃
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あァ、…そうか。 連れて行かれたのは知ってたケドよ。 花は――残ってたんだな。
[シーシャはあの"ミイラちゃん"が花なんて自室に置いていたとは知らなかったから、素直に驚いた。>>81
年の近い割に達観したところがあって、シーシャがころころと"代わって"も動じない人だった。 最後に顔を突き合わせたのは――朝食のきしめんが包帯に似ている>>0:103なんて話をした時だった。
アダ名が名前にならなきゃいいな>>0:95とかなんとか言った気がするが、もしかしたら、今は本当に"ミイラちゃん"かも知れない。と。ふと、心に過ぎった。
淡紫の花の花は群生してそよそよと揺れている。 …花は喋らない。ただ風に揺れているだけだった。>>4:156]
(89) 2015/06/14(Sun) 05時頃
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[シーシャは眼前の少年の名前を知っている。>>82 けれど、長話を交わすということはあまりなく、名前"だけ"を知っているに等しくて。 数日前にその名前を口にした口は今は名前を紡がない。]
――…まァ、忘れっちまったなら仕方ねぇ。 それでもよ、こいつがココにあるってだけで、
[一旦花々を見下ろして、シーシャは続けた。]
この花に思い入れがあるってェなら十分だろうよ。 ココならよっぽどのコトが無きゃ枯れそうにねぇし。
[だろう?と同意を求めつつ、足音>>72に振り返ればそこには一日ぶりの弟分の顔。 よォと手を振れば"声">>75が聞こえて、樹上へと視線を戻した。]
(90) 2015/06/14(Sun) 05時頃
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[枝の上で揺れる蝶の翅をシーシャの蘇芳色の瞳は見上げる。 ばさりと固い音が聞こえた。――紙の音、だろうか。>>74 直後、意味を成さぬ声が風に乗ってシーシャへ届く。
音の羅列に混じる"やくそく"の言葉が耳朶を這う。
その時、体の奥深く。どこか見えぬ場所で音が鳴る。]
(91) 2015/06/14(Sun) 05時頃
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[ ……ぱりん。 ]
(92) 2015/06/14(Sun) 05時頃
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『 約束。 やくそくだよ 』
『 ぜったい、うたうから ききにきて 』
「 約束だ。 」
「 もし、オレがオレを忘れてしまったとしても、 "私"しかいなくなったとしても、きっと 」
( 忘れない。絶対に、思い出すから――――…… )
(93) 2015/06/14(Sun) 05時頃
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[記憶の奔流は一瞬で通り過ぎ、後には何も残らない。 シーシャはハッとしたように目を瞠ったけれど、 過ぎていった記憶の端を掴むことは出来なかった。 その間に話しかけられたとしても気付かなかっただろう。>>86
そうしているうちに樹上の"声"はやがて歌に変わる。]
(94) 2015/06/14(Sun) 05時頃
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[それは、確かに歌だった。 荒削りの、けれど想いのこもった歌だった。
穏やかに吹く風が中庭を渡っていく。 不意に、目の奥が熱く。熱くなる。 堪えきれずに瞬けば一筋、頬を水滴が伝って。
流れていく液体は奇妙な温かさを伴って、落ちる。 次々と溢れるそれを止めることもせず、 シーシャは繰り返される歌を聴いていた。
いつまでも、いつまでも聴いていた。**]
(95) 2015/06/14(Sun) 05時頃
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/* ヒナちゃんんん かなしい…でも約束果たしてくれてありがとうう
(-85) 2015/06/14(Sun) 13時頃
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/* とりあえず絵本だけ受け取って ヒナちゃん連れて行かれたらシーシャも終わりの始まりするか。
やー…本当に拾うの上手い。ヒナちゃん>>98
(-86) 2015/06/14(Sun) 13時頃
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― 回想:夢から醒めて ―
[青年の目が醒めたとき、>>31 失くしたはずの記憶が自分の中にあることに気付いた。
――…けれど、それはただの"記録"だった。 記憶のひとつひとつ、思い出せはすれど、 その中に宿る感情を思い出すことは出来なかった。
…青年は、"私"との境界が薄れ始めていることを悟った。 記憶を記録としてしか感じられないのも、そこに残った感情を感じられないのも、"私"と混ざりかけているからだと、理解する。
混ざって、砕かれて、青年の欠片はやがて消える。 今は最後の最後、星が燃え尽きるみたいに、 僅かに青年の意識が表に浮かんでいるに過ぎないのだと。]
(103) 2015/06/14(Sun) 13時半頃
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[…次に"私"に代わったら、二度と戻れない。 ――それは、予感ではなく、確信だった。
どれだけ今のままでいられるのか、青年にはわからない。 一分?十分?一時間?それとも、一日? わからないけれど、それが長くないことはわかっていた。
時間は、ない。 自分が自分であるうちに、 『 わたしが わたしのままでいるうちに 』]
――――……ころして。
[絵本には書かなかった。――…書けなかった。 鮮やかに蘇るその声。その顔。空白の言葉>>101。 青年は噛み締めるように口にし、それを飲み込んだ。 それから、青年は小さく歌を唄う>>33と――…、*]
(104) 2015/06/14(Sun) 13時半頃
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― 中庭 ―
[塩辛い水が頬を伝い落ちるけれど、 シーシャにはその正体がわからない。
ずっと昔に忘れてしまったから。 ずっと昔に失くしてしまったから。
それでも、シーシャは"泣く"。 拙い歌に、その中に込められた想いに。
( …忘れない )
確りと伝わるたった一言。
『 君が忘れる日が来ても 』
――…わたしは忘れないよ。>>1:34 ]
(105) 2015/06/14(Sun) 14時半頃
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[やがて、歌は終わる。>>101 オスカーやキルロイはどうしていただろう。 そちらへ目を向けることはしないで、 シーシャは、地面へふうわりと降り立つ蝶の翅を見詰めた。
流れる雫は未だ止まらないまま。 地面へ落ちる二枚の紙を蘇芳色が捉えたが、拾うことはせず。 差し出された絵本を受け取り、ぎこちなく手を伸ばす。
頭へ伸ばした手のひらが触れることが叶っても叶わなくても、 身を屈めれば、小さく小さく、傾げられた首元へ言葉を落とした。]
(106) 2015/06/14(Sun) 14時半頃
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――――……ありがとう。ヒナ。
(107) 2015/06/14(Sun) 14時半頃
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[確かにそれを、それだけを伝えれば遠くから足音が聞こえる。 ――…誰の足音か。見ずとも、聞かずとも、分かる。 時間が、来てしまったのだと。
シーシャは涙を拭って、蝶の翅から身を離す。 けれど、くすんだ蘇芳色は黒々とした瞳を見つめたままで。]
君が忘れる日が来ても、俺は君を忘れない。 俺の瞳に咲く最後の花が君であるように。
――…けれど、君の瞳に花咲く日。 願わくはそれが俺の姿ではないことを。
[それは歌にならない詩(うた)だった。 掠れ声で囁くそれは蒼い翅の少女にだけ届いていればいい。 …意味が分からなかったとしても、聞こえていれば、いい。 言葉を終えればシーシャはその場に佇む蒼い翅を凝視する。 目の中に留めておこうとするように。忘れないでいるように。**]
(108) 2015/06/14(Sun) 14時半頃
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/* >>108 一応語呂とか考えて作ったけども、俺に作詞のセンスなどない!
(-87) 2015/06/14(Sun) 14時半頃
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/* ところで、オレシーシャとわたシーシャが混じり始めたので一人称を"オレ"から"俺"に変えたよとか誰が気づくんだよそれっていうギミックを仕込む俺です。
(-88) 2015/06/14(Sun) 14時半頃
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/* あとごめんオスカーとキルの番待たないで進めちゃってるううう
(-89) 2015/06/14(Sun) 15時頃
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/* >>108 あーーーっシーシャは涙の自覚が無いから涙という単語を出さないように気をつけて書いた来たのにこんなところで!
(-90) 2015/06/14(Sun) 15時頃
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/* 回想を落とそうと思ったが喉が足りない気がする(ゲンドウ
いざとなったら更新してからでも、いいかな…
(-93) 2015/06/14(Sun) 20時半頃
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/* あとキルとオスカーは動きにくくしてしまってごめんな! ごめんな!あとで殴ってくれていいから… とくにキルが。
(-94) 2015/06/14(Sun) 20時半頃
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/* ヒナあああああ… あー…これは… こんなものもらったらもう、ダメだ書き直そう うん
(-95) 2015/06/14(Sun) 20時半頃
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[風の中に自らの名を呼ぶ音が混じる。>>113 シーシャは弾かれたように顔を上げて、その顔を見た。
そして見る。白い肌を伝う雫を。 その中に見える微笑みを。
一瞬だけ瞬いて、消えた言葉を。]
(118) 2015/06/14(Sun) 21時頃
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[それは瞬き一度で跡形もなく消え 後に残ったのは蒼い翅の蝶が一羽きり。
物言わぬ蝶が舞う様子をシーシャは黙って見つめていた。 やがて、白衣の姿が中庭にやってきて、その名を呼ぶ。 その時ですら、シーシャはそれを見ているだけ。
連れて行かれる蒼い翅をただ、見ているだけ。 途切れ途切れに微かに聞こえる旋律を耳に残しながら。
一度、二度とシャッターを切るように瞬いて。 それから、もう目から涙を落とすことは無かった。*]
(119) 2015/06/14(Sun) 21時頃
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[蝶の通り過ぎた中庭。 静まり返ったその場所で他に何か言葉が交わされたか。
何れにしろ、全てが終わった後。 青年はその場を静かに立ち去る。
その手にしっかりと表紙のない絵本を抱えたまま。 もう片方の手には鈍色の鍵をしっかりと握り締めて。*]
(120) 2015/06/14(Sun) 21時頃
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/* 喉が足りない…? あと、あんまりはやくオチつけるとやること、が… ううん…
(-103) 2015/06/14(Sun) 21時頃
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― 屋上 ―
[シーシャがここへ来るのは一日ぶりである。 昨夜は鍵が開くことだけを確認して部屋へ戻った。夜に特定の場所へ長居するのは好ましくない。何時誰に見つかるともしれないから。…もしかしたら、連れ戻されることだってあるかもしれない。
屋上へ続く扉は何なくシーシャの持つ鍵を飲み込み、開いた。 切り取られた庭に吹く穏やかな風は、ここではシーシャの髪を浚って去っていくだけ。 風に攫われてしまわぬよう、しっかりと絵本を抱えて、シーシャは屋上へと足を踏み出した。
シーシャのこの場所に関する思い出は常に"私"と共にあった。 楽しかったことも、悲しかったことも"私"の関わらぬことはなかったし、一瞬たりともその存在を意識の底から失くしたことはなかった。 自分を失うことに恐怖を覚えてはいても、"私"を消滅させてやろうだとか、消してしまおうとは思わなかったのだ。
――消えたくない。そう思っていながらも、心の裡にもう一人が棲まうことに対する拒否感を抱いたことはなかった。 記憶の奪われる恐怖、自分を失くす恐怖、感情の消える恐怖。 "私"は最後までシーシャの恐怖だけは奪ってはいかなかった。]
(121) 2015/06/14(Sun) 21時半頃
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[自分がいなくなったらどうなるのだろうと考えない日はなかった。 "私"がシーシャになってしまうことがずっと、ずっと、怖かった。自分が消えてしまうことが何より恐ろしく、その思いが壁へ消えない傷痕を幾つも残させた。
心が自分が自分であるということを求め続けた。 躰が自分がシーシャであるという自覚を失くしても、シーシャは"自分"を見失わないために必死だった。 魂がいなくなりたくないと。忘れられたくないと哭いていた。 擦り切れて失くなりかけても、歪みきった心が生き汚く消えたくないと叫んでいた。
自分を。"俺"を残しておくために。 生きるために行こう。生きるが故に逝くことになったとしても。
それだけがシーシャを突き動かしていた。 …それだけが"私"ではないシーシャの存在意義だった。 存在意義。――そして、存在命題。
何のために生まれて、何をして生きるのか。 生きることは、嬉しい。例え、胸の奥が痛んでも。]
(122) 2015/06/14(Sun) 21時半頃
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[ 生きたい。 消えたくない。
ただ。
"私"でないシーシャのままで、生きていたい。と、そう、思う。]
(123) 2015/06/14(Sun) 21時半頃
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[屋上はそう広くなく、空間と地上を遮る柵まではそう遠くはない。 シーシャは歩きながら目を細めた。
見上げる空は青く澄み、流れる風が薫る。ピクニックなら、此処まで来られれば良かったのに、と人知れず思う。 どれだけぶりにか、目にした病院の外の景色は何も変わってはいない。幾つか、淡紫の揺れる箇所が目に付いた。花を愛する誰かの窓から種が飛び立って行ったのかもしれない。
シーシャは一人きり、屋上に佇んで風景を眺め続けていた。 何処か遠くを見詰める蘇芳色の瞳には思い出の花が咲く――。]
(124) 2015/06/14(Sun) 21時半頃
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『 雲雀鳴いてる??どこにいるのかなあ? 』
[タルトが目をくるくると動かして鳥を探している。 オスカーと一緒に鳥の姿を探しているようだ。あれは、中庭でピクニックもどきをしたときのことだった。 雲雀は見つかったのだろうか。その後、シーシャは寝てしまったから覚えていないのだけれど。
タルトのいる場所でも雲雀の鳴き声が聞こえればいいと思った。 幾ら訂正してもシーシャをシーシャと呼んでくれず、ソーシャしゃんと呼んでいた。 太った猫と仲のいい、愛らしい子供だった。
――…タルトをそっと心の中から消した。
さようなら、何時も光のように明るかった子。]
(125) 2015/06/14(Sun) 21時半頃
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『 おはようー。おっちゃん。 今日はなーに? 』
[食堂で調理師のオッサンに話しかけるナナオ。 あの日はちょうどきしめんの日で火傷をしたシーシャは熱いから気を付けろと忠告をしたのだった。 その後に医務室の近くですれ違った時にはひどく慌てていた。きっと、自分ではなくて他の誰かのために「せんせい」を呼びに行ったのだろう。 友達想いで、タルトを可愛がるいい子だった。
時々中庭で、自作の歌を歌っている様子を見かけた。 たまにトレイルと一緒にいるとき、視線を感じたような気がしたのは、トレイルを見ていたから、だったろうか。 彼女の作った優しい子守唄の旋律が好きだった。
――…ナナオをそっと心の中から消した。
さようなら。何時も歌を心の中に持っていた子。]
(126) 2015/06/14(Sun) 21時半頃
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『 なんだ、シーシャか 』
[トレイルが肩をすくめる。 シーシャが"私"の時も"俺"の時も、トレイルの態度は常に変わらなかった。 自分を失う恐怖に囚われ続けているシーシャにはその態度が有難かった。それと同時に、同じ恐怖を抱えているはずの彼が平静でいることに嫉妬のようなものを抱いていた。 トレイルもまた、何時かどこかのピエロに似たような思いを抱いたことをシーシャは知らない。
花を後生大事にしていたことも知らなかった。 年が近いからか、たまに話すことはしたような気がするけれど、トレイルについて知らないことは多かった。 …本人には言わないけれど、花を揺らす風のように飄々とした態度に何度か助けられたことがあった。
――…トレイルをそっと心の中から消した。
さようなら。最後まで平静を忘れなかった人。]
(127) 2015/06/14(Sun) 21時半頃
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『 花は“お気に入り”だよ。 』
[ゆりが無邪気に笑う。 ――…あれは"私"の記憶の中のひとつ。どうしてお姫様抱っこなんてコトをしようと思ったのだろう。 それでも、ゆりの顔は楽しそうだったから気紛れは悪くはなかったようだと、思う。 感情を失くしていくゆりに自分を重ねたことも少なからずあった。
紙で鶴を折っているところを見かけたことがあった気がする。 物静かで、独特の雰囲気の漂う少女だった。 そんな彼女も、連れて行かれてしまった。
――…ゆりをそっと心の中から消した。
さようなら。何時も静かに笑っていた子。]
(128) 2015/06/14(Sun) 21時半頃
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『 ──じゃ、お大事に。 』
[記憶の中のオスカーが素っ気なく言う。 元が高齢だからか、小さくなった見た目にそぐわぬほど悟りきった言動をする人だった。 本を薬代わりに毎朝読み返すのだと、聞いたことがあっただろうか。 シーシャの名前を忘れてしまうのか、なかなか覚えてくれないものだから、何時の間にか名乗ることをやめてしまった。
悟りきっているようで、人を笑わせることに長けている人だった。 年の功よりなんとやらと言うのだろうか。動物にも、詳しかった。 雲雀の探し方を聞く機会はついに訪れない。
――…オスカーをそっと心の中から消した。
さようなら。誰よりも賢しく聡かった人。]
(129) 2015/06/14(Sun) 21時半頃
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『 何をしているのかしら、酔っ払い共 』
[ケイトリンが眼鏡を光らせて立っていた。 朧な記憶は矢張り"私"のもの。 ケイトリンと仲がよかったのは、"私"のほうだった。 無表情なようでいて、よく人を気にかけていた。…特に、キルロイを。 図書室で居眠りをしていたら怒られる、なんてこともあったっけ。図書館の中でケイトリンを見かけることは少なくなかった。
キルロイの気持ちは直接本人から聞いたけれど、ケイトリンはキルロイのことをどう思っていたのだろう。 今となっては知るすべはないが、…せめて、何時か会うことが出来ればいいと思う。 それが何を意味するか知らないわけではない。それでも、そう、思う。
――…ケイトリンをそっと心の中から消した。
さようなら。無表情の下に宝石箱を抱いていた人。]
(130) 2015/06/14(Sun) 21時半頃
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『 シー兄ちゃんは立派な"兄ちゃん"だよ。 』
[思い出す弟分の顔はずっと昔のもので。 最初のうちは兄ちゃんなんてガラじゃねぇよと言ってもいたものだったけれど、気付けば本当の弟のように可愛がっていた。 たまに、…実の弟の面影を重ねたりもしていたのはシーシャだけの秘密だけれど。
気持ちが表情になりやすいキルロイ。 ケイトリンがいなくなってしまったことで、寂しさに囚われてしまっていた。 何時か乗り越えていければいいとシーシャは思う。 ――そして、シーシャのことも忘れてしまえるよう、願う。 道の先に光が無くとも闇は無ければいいと、そう思う。
――…キルロイをそっと心の中から消した。
さようなら。誰よりも優しくて愛おしい俺の弟。]
(131) 2015/06/14(Sun) 21時半頃
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/* 喉が足りない(しろめ ごめんメルヤとヒナの話ができな…
(-104) 2015/06/14(Sun) 21時半頃
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シーシャは、ふと、遠い目をした。
2015/06/14(Sun) 21時半頃
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/* 喉がないから…
(-105) 2015/06/14(Sun) 21時半頃
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/* もう喉管理ダメだ俺…いじいじ
(-106) 2015/06/14(Sun) 21時半頃
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/* ふぇぇヒナありがとううう でもこれで終わりじゃなんだぜ…(遠い目
(-108) 2015/06/14(Sun) 21時半頃
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『 せっかくだから、お茶でも飲んでいく? 』
[メルヤが澄まし顔でシーシャを誘う。 何時も何時も澄まし顔の癖に、慕っていたピエロがいなくなったときは酷く泣いていた。 自分のことを放り出して他の誰かのことにばかりかまけているような奴だった。
どういうわけかバナナが好きで最後の置き土産もバナナだった。 トレイルと喧嘩している様子を見かけたこともあったろうか。 人の心配が好きなお節介焼きだった。シーシャは、嫌いではなかった。
――…メルヤをそっと心の中から消した。
さようなら。誰よりも"家族"のことを想っていた人。]
(132) 2015/06/14(Sun) 21時半頃
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『 その時まで……ちゃんと預かってるよ。 』
[ヒナコの笑顔。 涙で目を腫らしながらも、約束を交わした時の笑顔は何よりも綺麗だった。 どんな花より、どんな蝶よりも綺麗だった。]
( だ い す き で し た )
[口だけで綴られた言葉の意味を知る者はシーシャしかいない。 確かに約束は果たされた。忘れないよ。その言葉を、「ヒナコ」の笑顔を、シーシャは忘れない。 柔らかい春の日差しのような笑顔が好きだった。
――…ヒナコをそっと心の中から消した。
さようなら。俺の瞳に最後に咲いた花。]
(133) 2015/06/14(Sun) 21時半頃
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[他にも過ぎていく思いがある。 体から花を咲かせたオーレリア。 飴が好きだったニコラス。 それと、それよりもずっとずっと昔にいなくなった人たち。
ラベンダーの香り、バラの花。 そして、騒々しいピエロの顔さえも、流れて、流れて、消えていく。
失くしたくないと思う。 今までの自分を、シーシャを。"俺"を。
絵本を抱えたまま、ひらりと柵を掴んで向こう側へと降りる。 一歩、二歩と歩けば下へ無限に続く緑色と、白色の上にシーシャはいる。
キルロイやオスカーがここへ来なければいいとそれだけを思う。 シーシャは、暫く、そのまま吹き上げる風に身を任せていた。*]
(134) 2015/06/14(Sun) 21時半頃
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/* 最後まで飴食い妖怪で…妖怪で…で… ぐう…。
(-110) 2015/06/14(Sun) 21時半頃
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/* あっ…とりあえずシーシャの顔が続いてごめん…ごめんよ…
(-111) 2015/06/14(Sun) 21時半頃
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/* コミットは考えなくて大丈夫かなあなどと。 まあ、出来なくはないけど。 それよか最後のやつを考えないとだな
(-112) 2015/06/14(Sun) 22時頃
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/* えええええ ま、まじか!?ここで絵日記来ちゃうか! 補完、補完をだな…。
(-113) 2015/06/14(Sun) 22時頃
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/* 飴は嬉しいけど俺はどうしたらいいんだ(頭抱え
(-114) 2015/06/14(Sun) 22時頃
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― 少し前、中庭で ―
[不意に声をかけられて、シーシャの肩が揺れる。>>135 振り向く前に目を乱暴に擦って平静を装った。]
…あげるって、……コレは?
[半ば押し付けられた形でシーシャの手元に渡ったのは日記のような体裁の何か。 片手でぺらぺらと捲れば中身は絵日記のようだった。]
………………。
[中身を詳しく確認する暇はないけれど、返してしまおうかと腕を上げかけた。…けれど、結局は受け取り、その場を辞する。]
(137) 2015/06/14(Sun) 22時半頃
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――――……じゃあな。
[通り抜け際、ぽん、と軽く伸ばした腕でキルロイの頭へ触れて直ぐに離し、その手をひらひらと振って中庭を後にした。*]
(138) 2015/06/14(Sun) 22時半頃
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[それから、建物の中へ戻った青年は近くの食堂まで歩いていくと、筆記用具と紙を借り、何事かを走り書いて絵日記に挟み、食堂を後にする。
屋上へ行くまでに捲るのは手にした絵日記のほう。 歩きながら読み、時には柱にぶつかり、いてっ、などと声を上げながらもその足は廊下を進み、階段を昇り、やがて目的の場所へ到達する。
その間に目を通した絵日記には、歪ながらも描き主の想いの残された絵が並んでいた。 シーシャはそれを見て、少しだけ泣いた。*]
(139) 2015/06/14(Sun) 22時半頃
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/* 拾い方がくっそ雑でごめんよ…キル…キル…
(-117) 2015/06/14(Sun) 22時半頃
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/* 前略地上参加者様
俺ですが(
(-121) 2015/06/14(Sun) 23時頃
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/* あっあかん村建ての〆の文考えてない! ま、ま、まって
(-122) 2015/06/14(Sun) 23時頃
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― 現在:屋上 ―
[背にした扉の向こうからバタバタと忙しい足音が聞こえる。 シーシャはちら、とそちらを見はしても身を翻しはしない。 ただ、柵の向こう側、手にした絵本と絵日記をそっと押し出すと]
やっぱり、俺は。 誰のことも忘れたくないし、置いて行きたくねーんだよ。
――――… だから、お前に"シーシャ"はくれてやれねぇ。
[最後にさようなら、とシーシャが告げるのは"私"。
謝まる声も、別れの言葉も、 シーシャの裡に眠る"私"には届かない。届かなかった。
――…昔も、今も、これからも。]
(146) 2015/06/14(Sun) 23時頃
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[ごめんな、と紡ぐ声は風に乗って消える。 角を携えた青年は、遠く遠くを見つめて足を踏み出し――、]
――――――……。
[ 一陣の風が屋上を吹き抜け――その後には誰も*いない* ]
(147) 2015/06/14(Sun) 23時頃
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― 走り書き ―
[絵日記の最後に挟まれた走り書きには乱雑な文字が残る。 宛先の書かれていない紙切れは、 絵日記に紛れてぱら、ぱらと音を立てていた。]
忘れてしまった"俺"を記録していてくれてありがとう よかったら、この絵本を受け取ってくれないか
[絵本も絵日記も、紙切れの行方も、 かつてその存在を望んだ主が知ることは二度とない。*]
(148) 2015/06/14(Sun) 23時頃
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/* ああああああああ爺ちゃああああごめん…!挟んで…!
(-124) 2015/06/14(Sun) 23時頃
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/* とりあえずは、 村建てが率先して全年齢村を破っていって本当に、本当に申し訳ございませんでした。とここでお詫びを。
エピでこだわり等変えるつもりではありますが、参加者様で不快な思いをされている方がいらっしゃったら大変申し訳なく…。
あと、灰汚れ過ぎてスミマセンデシタ。ハイ。
(-125) 2015/06/14(Sun) 23時頃
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/* とりあえず挨拶考えながら 一先ずお疲れ様でした。と。詳しくはエピで。
(-127) 2015/06/14(Sun) 23時半頃
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