246 朱桜散華
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……、…………。
[――…ぽつぽつ、と雨が降る。 雨宿りをしようと立ち寄ったのは 丘からそれほど離れていない産婆の家。
戸を開けて中に入った頃には、雨足はどれほどになっていたか。 ふるふると頭を振って水滴を振るい落とす。 雨具はないかときょろきょろ家の中を探しているうちに、 見つけたのは婆様が書き残していた紙束。 物心ついた頃、よく文机に向かって何か書いたことを思い出す。 何を書いていたのか、己は文字が読めないからさっぱりわからないけれど。
あの話――巫女の伝承と母にまつわる話を聞かされたのも、ちょうどそんな書き物のついで、だったような気がする。]
(165) 2016/04/24(Sun) 17時頃
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―― むかしむかしの話 ――
[一人の旅人がいた。 旅をしていたその旅人は、あるとき訪れた村で一人の娘と出会った。
娘はその村の巫女だった。 白い百合のような愛らしい娘だったと伝え聞いている。 それは真実そうであったのかもしれないし、 或いは恋に溺れた者の欲目もあったかもしれない。
ひとつだけ確かなことは、 巫女が旅人に思い焦がれたのと同じように 旅人もまた、巫女のことを想っていたのだということ。]
(166) 2016/04/24(Sun) 17時頃
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[ 村を出るとき、二人は再会の約束を交わしたと伝え聞いている。 別れ際、巫女は旅人の身体に『印』をつけた。 「どうか無事に自分の元に戻ってきますように」と そう、祈りを込めてつけられた『印』。
――…だが、旅人は、戻らなかった。 否、戻れなかったといったほうが正しいか。
旅人にとっても、巫女にとっても不幸だったのは、 旅人がとある名のある家の、その跡取であったこと。
一度は家を捨てて巫女の元に戻ろうとしたものの、 自害しようとする母を振り切ることができず、 結局、旅人は巫女の元へは戻れなかった。]
(167) 2016/04/24(Sun) 17時頃
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[旅人が巫女の元へ出した手紙の悉くは、 父母や家の者たちによって阻まれ、巫女の元に届くことはなかった。 やがて歳月は流れ……巫女が自ら命を絶ったと風の噂に聞くことになった。
それから、旅人は妻を娶り、そうして二人のあいだには子が生まれた。 ――…旅人と同じ『印』をその身に宿して。
我が子に刻まれた『印』を見て、旅人は想った。 「今生は叶わずとも、いつか、遠い遠い我が子が その身に刻まれた印とともに彼女の元に戻る日が来るかもしれない」と。]
(168) 2016/04/24(Sun) 17時頃
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[やがて、長い歳月が流れ、 十五年前、一人の娘がこの村にやってきた。 ――…それがお前の母だと、婆様は言っていた。
この左肩に刻まれた『印』、 それと同じものをお前の母も持っていたのだ、とも。
そうして、母の形見として渡された簪も 元は旅人の持ち物だったのだとそのとき聞かされた。 かつて再会を約束した折、彼女に会ったときに渡したいと買い求めた簪。 それが代々母から娘へと受け継がれ、 そうして最後に受け継いだのがお前の母だった、と。]
(169) 2016/04/24(Sun) 17時頃
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[「だから役目を果たせ」とも言われた。>>39 お前たちが村や宮司の一族に仕えることが巫女への慰めに、償いになるのだと。 少なくとも、婆様はそう信じていたみたいだった。 だから、己もそれを信じて婆様が亡くなった後宮司の家で手伝いをしてきた。
……だけど、思う。 本当に、それが巫女の救いになるのか? 現に、『依り代』と呼ばれるものたちが現れて長は死に、 咲くはずのない、咲くべきではない桜が咲いた。 母や自分がしてきたことは、巫女にとって望むことではなかったのか?]
……、……。
[「役目を果たせ」と、夢の中の声は言っていた。>>38 鬼子の自分に何を望まれているのかは、わからない。 でもこのままにしていたら辰次や日向が殺されてしまう。 ――…それだけは、嫌だった。**]
(170) 2016/04/24(Sun) 17時頃
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/* 長い…もう少しまとめたかったorz
でもこれで結構やりたいことはやりきった(満足
(-39) 2016/04/24(Sun) 17時頃
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/* 赤陣営もう襲撃までやることナッシング
(-40) 2016/04/24(Sun) 19時頃
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/* ここへ来て皆の設定がもりもり出てくる。 いいですね、素晴らしい。眼福。
[村人になったので設定深めるのを止めた人]
(-41) 2016/04/24(Sun) 19時頃
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/* 立候補いないなら香月襲撃するぞー
(-42) 2016/04/24(Sun) 20時頃
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/* あっwwwしまった、設定がwww 置壱ごめえええん!!私の書き方あかんかった! おもん姉さまはどうとでもなるので問題ないです!! 子孫じゃなくてもなんか、ほら、なんかある!w ぶっちゃけ村人の私にNPC縁故って、 大した意味が、ないんだ!!w
(-43) 2016/04/24(Sun) 20時頃
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/* おもんがいた理由が本格的に迷子なのだよ! 旅人の関係者だとして、なんで日向のところに? 置壱の母親と親類とかだとどうかしら! ってか二日目終盤なので そろそろ設定はオープンにしておかないと 出す前に死ぬ可能性が、ですねw
(-44) 2016/04/24(Sun) 20時頃
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/* あれ?私勘違いしてない!はず! 04/25(Mon) 00時半頃 今日の24:30! さすがに今は「二日目後半」に入るんじゃないかしら!
土砂崩れしちゃったほうがいいかなと思うけど そういう時間軸関係に自信がないのと 志乃ちゃん周りで時間軸大事かなと思うので そっちにおまかせか様子見をしよう。
ロールが思いつかねえ。
(-45) 2016/04/24(Sun) 20時半頃
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/* やばい。 即席で設定作るのは得意な方だけど、今回は難産ですわ!
>日向は何やってんだ<
>私にもわからない<
だめだ、単純に百合な子にしたかっただけだなんて むしろおもん姉さまを理由に、男嫌いとか女好きとか
>さすがにできない<
(-46) 2016/04/24(Sun) 20時半頃
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… あぁ。
[丘は緊迫し剣呑な雰囲気に包まれている。 だから、場を立ち去る丁助を止めはしない。 頭を冷やすと言い置いて歩く彼を眉寄せた顔で見詰めるも、その表情は読み取れない。]
……どうしちまったんだ、あいつ。
[少し前。振り向きざまに一瞬目に映った彼の瞳が、 仄昏い力を宿して見えたのは気の所為であろうか。 事件で気が立っているのかとも考える。 脊髄反射で咎めに行った己の行動が聊か過剰だったかとも。
雨を割りゆくその背がまるで知らぬ男のようだ。 かぶりを振って目を伏せる。]
(171) 2016/04/24(Sun) 20時半頃
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騒ぎを起こして、悪かったな。
[丁助の姿が見えなくなった頃、 長の亡骸への扱いに対し短く謝意を示す。 丁助の忠告に気付かされるところもあるゆえに、 辰次や置壱らに対する態度は先刻よりは少々固い。
必要あれば雷門の搬送準備に手を貸し、運ばれてゆくのを見守る。]
(172) 2016/04/24(Sun) 20時半頃
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[丁助に告げた言葉、半分は紛れもなく本心だ。 そして、半分は殆ど反応見のハッタリであったのだが。]
………、 どうするか。
[空の涙は桜の散るを早めると言う。 しかし、一向に活力失わぬ枝ぶりはどうだ。 暫くは物憂うように艶花咲かす枝を見上げていたが、 やがて村の方向へと踵を返した。**]
(173) 2016/04/24(Sun) 20時半頃
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置壱は、華月斎雨宿りしながら香月の言葉を思い出していた。
2016/04/24(Sun) 21時頃
手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 21時頃
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/* 丁助の黒さにときめきを隠せない たまらんな。
(-47) 2016/04/24(Sun) 21時頃
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……―――。
[ 家を出て、ゆっくりと畦道を歩く。 指先に引っ掛けた風鈴が、ちりんちりんと 足を進める度、音を鳴らしている。
何もかもが、わからない。 どうしたら、あの桜の呪縛はこの村から去るのだろう。
人の血を啜り朱に染まった桜の花。 妖し、現し世、置き去りの想い。]
繰り返すだけなのなら、
[ 一つの理由を絶ったとして、 巫女の"依り代"とやらの存在が この世から消えようと
次の、また次の依り代が 生み出されるなら、意味がない。]
(174) 2016/04/24(Sun) 21時頃
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なぁ、……
[ 鈍色に問いかける。 誰も持たぬ答えを求め、空を見上げて眉を下げた。 ]
死ぬのかなぁ。
[ もしもまた、里の者が死ぬのなら、 誰かが死ぬのなら、 ]
……っ、
[ ―――ほんの刹那、よぎった。 酷く冷淡な考えに、ぞっとして頭を振る。 ]
(175) 2016/04/24(Sun) 21時頃
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[ 振り払っても、一度根付いた考えは消えてはくれない。
この村の誰かに、死が訪れるならば
身体の弱い、あの青年の死ならば、 自分はそう、傷つきやしないと
――――――思ってしまった。]
(176) 2016/04/24(Sun) 21時頃
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[ 雨粒は空の涙。 恵みも災いも齎す、自然の気まぐれ。
人間の自分勝手な歓喜も哀愁も、 空にはなぁんも関係ない。
鈍く刺さる冷たさも 己の受ける、感情の次第だと そんな人間の難解さを思う。
畦道で足を止め、空を見上げて、 再度歩を進めるまで、少しの時間を要した。**]
(177) 2016/04/24(Sun) 21時半頃
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……あ、そーだ。
[雨の降りしきる中、家へと急ぐその途中。 ふと、思い出して行く手を変えた。 桜の木の下で香月から教えられた事>>119を確かめておこう、と思ったのだ]
えーと、多分、こっちの方のっと……。
[さして広く無い村の中、子供の頃から走り回って遊び場となり得る場所は大体わかっている。 教えられた泉も、そんな元遊び場のひとつだ。 辿りついたその場所、そこには教えられたとおりの木板が揺れていて]
(178) 2016/04/24(Sun) 21時半頃
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……ひな姉は、違う、か。
[零れた声音に宿るのは、安堵のいろ。 色々と、複雑な思いを抱く相手ではあるが一先ずは考えなくてもよい、という事になる。 もっとも、それも香月の言葉を信じるなら──という前提が付くが]
…………。
[軽く、唇を噛む。 桜の木の下で丁助が言っていた事。>>136 誰が『依り代』でも、おかしくはない──それが正論なのは、わからなくもないが]
(179) 2016/04/24(Sun) 21時半頃
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だからって……何でもかんでも疑ってたら。 それこそ、魔に付け入られちまうだろーが。
[雨音に紛れさせるように、ぽつ、と呟く。 そう言いたくなった感情の一端には、丁助への反発心が根強いが。 生来気質に由る所が大きいのも否めない。 良くも悪しくも、青年は単純明快な気質をしていたから]
……魔とか、そういうもんは、心の弱さに滑り込むもの。 って、言ってたよな、雷門小父。
[だからお前は意思を強く持て、と。 書物の読み解けぬところを聞きに行った時に言われた言葉がふと過って、消える。 思えば、あれが長と交わした最後のやり取りだった、と。 そう思うと少しだけ、息苦しいような心地がした]
(180) 2016/04/24(Sun) 21時半頃
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……さて、と。 いつまでも寄り道してっと、お袋が心配しちまうな。
[戻るか、と。 そう思いながら、林を出る。 そのまま家路に、と思って歩き出して間もなく、村の入り口近くで話し合う数人の村人に気がついた]
……おっちゃんたち、どーしたん?
[声をかければ、里と外を繋ぐ山道の途中で、石が崩れていた、という話をされる。 このまま天気が荒れれば、崩れるかもしれぬ……との言葉に眉が寄った]
……でぇ、こんな時に、かよ。 とはいえ、どうする事もできねぇしなぁ……。
[崖が崩れて道が閉ざされれば、逃げる事も叶わない。 もしそうなったら……というくらい考えは一時、振り払い。 荒れる前に戻ろう、と互いに声をかけ合い、足早に家へと駆けだした。*]
(181) 2016/04/24(Sun) 21時半頃
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─ 自宅 ─
[雨音続く部屋の中。 その音に負けず漏れ聞こえて来る伯父達の声を聞かないようにしながら、志乃は縁側から外を眺めていた]
─── 咲いてはならぬ、 起きてはならぬ
緑の内にて ゆるり眠れ……
[口ずさむのは祭りで吟じられる詩。 咲かぬのが当たり前、咲かせてはならぬ。 皆それが当然であるとして、桜の樹そのものをどうこうしようとする者は居ない]
どうして、残して……
[亀吉との会話を思い起こして、今更ながらに疑問に思う]
(182) 2016/04/24(Sun) 21時半頃
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咲いてはならぬ (咲かせてはならぬ)
起きてはならぬ (起こしてはならぬ)
花を (想いを)
[呟くごとに重なるもの。 はらりと雨とは異なる雫が落ちる]
…あぁ、もう ────
[今更だ、と小さく呟いた]
(183) 2016/04/24(Sun) 21時半頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 21時半頃
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/* 桜の木が残ってる理由。
…………あ、そーいやこれ、実質表出してないわ。
前ーに書いたSS(幻想桜花)で、近いとこ掠ってるけど、明言はしてねぇ。
まあ、出すとしてもエピ入り後だな、うん。
(-48) 2016/04/24(Sun) 21時半頃
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―― 村外れの家 ――
[探していた雨具を見つけたものの、なんとなく懐かしくて 見つけた紙束>>165をぱらぱら捲ってみるが、残念ながら文字は読めないので内容はわからない。 ただ、あのとき聞いた昔話も、こんなふうに書いてあったりするんだろうか、とぼんやり考える。]
[辰次みたいに、文字が読めたらよかったのにと思う。 婆様は教えてくれるつもりだったみたいだが、その前に死んでしまった。]
……、…………。
[気がつくと、空もだいぶ暗くなってきた。 片付けないと思ったが、元々この家に訪れる者などなく。 また、今度来たときに片付ければいいかと考えてしまう。 それよりも、雨がこれよりひどくなる前に行かないと。 見つけた雨具を身につけて、外へと駆け出す。*]
(184) 2016/04/24(Sun) 21時半頃
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