184 【肩書遵守】Lunatic Nights in Heathling
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[さて、陽は落ちて辺りはすっかり夜。 ぬるやかな風が、昼の暖かさの名残を見せている。
原稿は無事に届けることが出来た。次回の分は、実はもうほぼ書き上がっている。本来そちらが先に掲載されるはずだったのだが、編集の意向で急遽新しい話を挿し挟むことになったのだ。そして次の号は頁の都合により休載。今回はぎりぎりだったが、次まではまだ少し余裕がある。エリオット氏は思い切って明日から一週間ほどを休日とすることにした。
とはいえ、それは詩作のための休日だ。秋には大きな公募もある。 詩人として認められたい。その気持ちは、やはり強かった。]
(94) 2014/07/08(Tue) 02時半頃
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………と、すみません。
[路地から出てきた人物と、危うくぶつかりかけた。 謝りながらその人物に目を向けて、思わずぎょっとした。 痩せぎすの男。無造作に伸びた髪の隙間から、虚ろな眼が光る。
ここらでは有名な世捨て人だ。引き篭もった部屋から何やらぶつぶつ呟く声が聞こえるだとか、人を殺して逃げ回っているだとか、実は没落貴族の出なのだ、などと、とかく噂に事欠かない。
男は何も答えず、すぐにエリオット氏から視線を逸らし、来た道をそのまま引き返して行った。風はもう吹いていない。こころなしか、辺りの空気が淀んだような、気がした。]
(95) 2014/07/08(Tue) 02時半頃
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― 回想・オーナールーム ―
『頼りになるよ、ドナルドくん』>>58
[ヨアヒムの言葉に、ドナルドは芝居がかった態度で一礼した]
ありがたいお言葉で。ボス。
[そのままニヤついた笑みを浮かべると、オーナールームから出る。その際に、気絶した「客」を一瞥した。 この男がどうなるか、ドナルドは知らない。が、大体の想像はついている。一歩間違えば、自分もその「客」の立場になり得ることも]
……あー。ねむ。
[オーナールームを出ると、思考を振り払うように欠伸ひとつ。 罪悪感など、とうに消え失せた。これがドナルドの日常であった]
(96) 2014/07/08(Tue) 04時半頃
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― 現在・カジノ「アッパーアイランド」 ―
『と、とりあえず離してもらえたら嬉しいです』>>62
[ペラジーの困惑した様子に、ドナルドは唸り声を上げて]
ん。ああ。すまねえ。
[そっと手を離す。どうにも調子が狂っていた。 いつもなら「この女もカモにしてやろうか」と思考を巡らす所だったが。 すっかり毒気を抜かれてしまっていて]
こんな危ない場所には金輪際近付かん方が良い。 さァ、帰った帰った。
[しっし、と追い払うように手を動かす。心底迷惑そうな顔をして。 どうにも、ヨーランダと同じ年頃の娘には弱いのだ。 らしくない態度に、近くのバニーガールがくすくすこちらを見つめていた。ムカつく。後でとっちめてやる**]
(97) 2014/07/08(Tue) 05時頃
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/* つらつら。 村人たる私の役割とは、何か?
(-47) 2014/07/08(Tue) 14時半頃
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/* まず。「殺す側」か「殺される側」か、について私がどのような立場をとっているかというと、当然「殺される側」である。
(-48) 2014/07/08(Tue) 14時半頃
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―於:噴水広場―
[今日もよく晴れている。 エリオット氏は広場を見渡すベンチに掛け、ぼんやりと辺りを眺めていた。いつも通りの景色。掃除の青年、花かごを抱えた娘。
違うのは、旅芸人の一行だ。宣伝だろうか、派手な衣装に身を包んだ、黒い髪に黒い肌の踊り子が何やら口上を述べ、音楽とともに舞い始めた。もう少し近くまで行こうか、とも思ったが、観客諸共を見渡すのも、悪くはない。
それから、側の紙袋に手を伸ばし、移動式パーラーで調達したカフェオレとサンドイッチを取り出した。少し遅めの朝食をとりつつ、噴水前の即席劇場を見物することにした。実に良い休日だ。]
(98) 2014/07/08(Tue) 17時頃
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[異国の女は妖艶に踊る。 その様に、エリオット氏はほう、と息を吐いた。 それはさながら蠱惑的な黒い蝶。装飾の施された薄布が鱗粉のように輝き、長い髪は翅のごとくひらめく。]
……あ。
[齧りかけのサンドイッチがぽとりと地面に落ちた。 同時に音楽が止み、一瞬の静寂。そして、歓声と拍手。
寂しくなった手元を見、袋の中を覗く。何もない。これが最後のひとかけら。 足元に目を落とし、諦めてサンドイッチの成れの果てを爪先に引っ掛け、蹴り上げた。
それが着地するかどうかのうちに、遠巻きに様子を窺っていた鳩の群れが、人の手を離れたパンを求めて押し寄せるのだった。]
(99) 2014/07/08(Tue) 17時頃
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/* その上で、私が為すべきことは、殺したいのは誰かを発見し、日付変更のタイミングで殺せるように仕向けること。
であろうか。
(-49) 2014/07/08(Tue) 18時半頃
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/* ヘクター、ヨアヒム、ヨーランダには接触しておくべきか。
(-50) 2014/07/08(Tue) 18時半頃
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/* ターゲットヨーランダ、前段階としてメアリーに。しかしそれでヨーランダまで行けるかは不明。まあ、ひとまずメアリー。
(-51) 2014/07/08(Tue) 19時頃
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/* 危ない、>>59見落としていた。
(-52) 2014/07/08(Tue) 19時頃
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/* >>84も見落としていた。「挑発」が被るところだった。 (できるだけ表現は重複させずに書きたい派
そういえば、エリオット氏の台詞で「書く」と「描く」が分けられているのは意図的です。
(-53) 2014/07/08(Tue) 19時頃
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/* ついでのメモ。
エリオット→J・ジョイスの小説『ユリシーズ』に影響を受けたと言われている劇作家にして『詩人』のT・S・『エリオット』から。ちなみにユリシーズもエリオットも私は読んだことがない。
ウィリアム・ベンフォード→ウィリアム、はかの有名な詩人『ウィリアム』・シェイクスピア、ベンフォードはかつてNHKが製作した科学番組、銀河宇宙『オデッセイ』(古代ギリシアの叙事詩オデュッセイアに由来し、ユリシーズはその主人公オデュッセウスの英語読み)の脚本に関わったSF作家・天文学者の名。
書いてみたらすごくどうでもよかった。 ちなみに、いつもは作曲家の名前から引用するので「ギリングハム」と迷ったが、銀河宇宙オデッセイも非常に好きな番組だったのでこちらから引用することに。ギリングハムはまた次の機会に。
(-54) 2014/07/08(Tue) 19時半頃
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[貪り食われるサンドイッチのかけらに少しの未練を感じながら、エリオット氏は徐に立ち上がった。
紙袋を丸めて後ろのポケットに突っ込み、氷が溶けてすっかり薄くなってしまったカフェオレのふやけた紙コップを手に歩き出す。向かうのは、先刻まで即席劇場の観客の一人であった、花売りの少女の元。
少し汗ばんだラベンダーのシャツに、ゆるやかな風が吹き付ける。 じんわりと蒸した昨晩とは打って変わって、過ごしやすい陽気だ。]
(100) 2014/07/08(Tue) 19時半頃
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こんにちは。お花を頂けるかい。 小さな花束にしてほしいんだ。
[エリオット氏は穏やかな声音で、少女に声をかけた。 今日は髭も剃り、髪も丁寧に梳いてある。普段よりは、幾らかましな見目だ。
少女の栗色の髪が、穏やかな風に揺れる。 その様子が、ふと古い記憶を呼び覚ました。 まだずっと若かった頃、栗色の髪が美しかった、彼の最初の女に言われた言葉。
『あんたはさ、仕事さえちゃんとしてりゃ悪くない物件なのに』
今思えば失礼極まりないのだが、当時は真面目に傷ついた記憶がある。それすら、今は良い思い出だ。
そういえばあの女は、あんたの柔らかいテノールが好きだ、と良く言っていた。だから、いつだって彼は声を荒げることをしない。親切だが失礼な編集者に余計な世話を焼かれた時だって。
そんな、どうでもいいような連想と共に、百八十数糎の木偶の坊は花売りの返事を待っていた。]
(101) 2014/07/08(Tue) 20時頃
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/* わたしもメアリーちゃんにお話しかけにいきたい
(-55) 2014/07/08(Tue) 20時頃
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/* とりあえず帰宅したが、如何とするべきか。 サイモンを襲撃せにゃならんが、ミッシェルより俺の方が動きやすそうな立ち位置か? うーむ、いつもならメモとかでどっちが襲撃するかとか相談してるところだが、この村そーいう雰囲気でもないのよな。
(-56) 2014/07/08(Tue) 20時半頃
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/* 小悪党なのに、段々と良い奴になってる気がする俺。 難しいな……。とりあえずPL視点で狼バレしてもいいよな?
(-57) 2014/07/08(Tue) 20時半頃
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こんにちは。ありがとうございます。 お好みの色や、何か相談事はありますか?
[花束を所望されれば>>101、にこりと笑い 花籠の中から数本抜き出して整え始める。 空気を明るくするような、鮮やかな黄色が3本。 そこに白い花を数本足して。]
特にご指定がなければこちらはいかがでしょう? 小ぶりで扱い易い、咲き始めたばかりのお花です。
[良い返事が貰えれば、包装して手渡すつもりだが もしも指定が貰えれば、それに合わせて選び直そうと。]
(102) 2014/07/08(Tue) 21時頃
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―広場― おうおう、そこの嬢ちゃん。 俺にも適当に見繕ってくれや。
[やつれた男>>101と花売り>>102の掛け合いが視界に入り、にやにやしながら横柄な態度で近寄る。 水は乾いたが、酒臭さは抜けていない。]
それとも〜? 俺に売る花はねえってか、ああ?
(103) 2014/07/08(Tue) 21時頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2014/07/08(Tue) 21時頃
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― 墓場 ―
[道化師が去った後、しばらくしてやっと。 墓守は懐からレースのハンカチを取り出して、ハートのカードを丁寧に包んだ。 声なき声が記憶を揺り起こしてくる。 彼女は懐かしさに目を細める]
そうですね… 懐かしい、です。 昔は、よく、…こんな風に
[例えば嵐の去った翌朝なんかに、フェンスの向こう側からこぼれた落し物が落ちている。それを泥だらけの地面から競って掬い上げて、ボロきれに包んだ。 ガラクタなら二束三文、鉄くずなら豪華な夕飯が食べられる。極稀に、輝く装飾品を見つければ一攫千金。同時に命も狙われた。 彼女も兄貴分の後ろ、おそるおそる泥を掬って、宝物を探して。]
(104) 2014/07/08(Tue) 21時頃
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[するすると連鎖して思い出が蘇る。 そこには面白いものを見つける名人のような少年がいた。ガラクタを組み合わせて、いつも楽しそうにしていた。
ついに一度も、言葉を交わしたことはなかったけれど。 彼はどうなったんだろう?]
――…思い、出せ ないの
[いなくなったのだろう。と思う。 「あちら側」ではよく、誰かが突然いなくなった。
彼女自身だってそうだった。皆に別れを告げる間もなく、勝手な事情で連れられて、この地に居を与えられた。それは追い出された時と同じぐらい、突然に。]
(105) 2014/07/08(Tue) 21時頃
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―― 回想:工房 ――
[さて、ミッシェルの売り込みと道化師のyesパフォームを受けて>>93 フランシスカが品を気に入ったかどうか。 何れにせよ、あれこれ勧めたり、一座の興行の話を聞いたり、歓談の時が過ぎる。]
さ、私、そろそろ仕事に戻らなきゃ。 本日はご来店ありがとう。
私も今度……え、と、ソル・デ・メデ……メディ…… うん、観に行くわね!
[上手く廻らない舌を、笑顔でごまかした。*]
(106) 2014/07/08(Tue) 21時頃
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[手から解放されて、袖を直す。]
『さァ、帰った帰った。』
[>>97しっし、と追い払うような仕草と心底迷惑そうな表情。 その仕草になんだか、子供扱いされた気分。 むすっとした表情が表に出たかも知れない。 危ない場所なのは、彼の見なりとカジノ周辺から分かってはいるつもりだ。]
子供じゃないんだけれども…。
[そう呟くのは聞こえただろうか。]
(107) 2014/07/08(Tue) 21時頃
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[ハンカチを閉じた。 カードの形をさらりと指先で撫でた後、一つ唇落として、それから懐に仕舞った。
過去は過ぎた。 彼女は墓守としての仕事をする。 花が無いから、街に行かなくては。*]
(108) 2014/07/08(Tue) 21時頃
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[呟きながら、忠告された以上はここから出るとしよう。 そう考える*]
(109) 2014/07/08(Tue) 21時頃
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[居住区を掃除しながら進めば、やがて小さな森へと行き当たる。 商業区のざわめきからも居住区の子供の声からも離れたこの先は墓地。 男の管轄外だ。
ここからでは見えないが、恐らく墓守の娘が今日も来ている(男はヨーランダの住居が何処にあるかを知らない)のだろう。]
……っと、油を売ってる場合じゃなかったな。
[踵を返し、来た道を戻ろうとする。]
(110) 2014/07/08(Tue) 21時半頃
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良いね、素敵だ。これなら……
[言いかけたその時、割って入ったのは派手な刺青の、見慣れぬ男。 昨日の眼帯よりさらにたちの悪そうなその男は、酒臭い息を吐き管を巻いた。
エリオット氏は横目で男を見、それから少女を見た。 こういう迷惑な輩には、とかく関わらないことが肝心なのだ。]
少しお待ち頂けます? 残念ながら、お嬢さんは一人しかいらっしゃらない。
[それでもやや皮肉めいた口調となるのは、ウィリアム・ベンフォードの生来のものなのだろう。本人は至って悪気なく発する言葉なのだが。]
(111) 2014/07/08(Tue) 21時半頃
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/* であれば本日中の墓地はヘクターに
(-58) 2014/07/08(Tue) 21時半頃
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