308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】
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[ともかくも、
もしかしたら悪い夢でも見てたのかも、と そう思おうとした俺を現実に引き戻すように 左肩がつきりと痛んだ。
うめき声をあげると、近くで身じろぐ気配がする。 のぞき込んできたのは――]
「目ぇ覚めたか?」
あ? ………… ……なんで、あんたが、
[ぼさぼさの黒髪にやつれた顔。 死んだ目をした、体格のいい男。
ネコ元帥がそこにいた。*]
(+35) 2020/10/24(Sat) 21時半頃
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[ 部屋の前でお隣のご夫婦と鉢合わせたの。]
(+36) 2020/10/24(Sat) 21時半頃
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あら、ちょうどよかったわ。 ご相談したかったの。 これからのこととか……色々と。
[ わたしはそう言って、 彼らのもとへと歩み寄っていった。
お二人ともやつれた顔をしていたわ。 なにか話をしていたようだった。 そうよね。このまま耐えてばかりいても、 どうにもならないことは皆わかっている。]
(+37) 2020/10/24(Sat) 21時半頃
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このままでは、 皆動けなくなるのを待つだけだわ。 でもまだ生きている人はいるはず。 きっとどこかに安全な場所が──、
[ いつも落ち着いているご主人も、 少し気が立っているように見えたわ。 わたしの言葉を遮るようにして言うの。
車はもうほとんどガスが残ってないんです
腕を組んで、しきりに唇を噛んでいた。 薄く剥けた皮を剥がしているのね。 落ち着いた品のある人だったはずなのに。]
(+38) 2020/10/24(Sat) 21時半頃
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ガレージの車。 もうずっと乗っていないけれど、 こまめにメンテナンスには出してるの。 古くて小さい車だから不安だけど……
[ ご主人はゆっくりと首を横に振ったわ。
仮に動いたとして、 とても全員は乗れないでしょう
きっとそんなこと、 もうとっくに考えてたとでも言いたげにね。]
誰かが生き残っている人に助けを求めて、 そしてまた迎えに戻って来ればいいわ。
[ そう言った私に、ご主人は小さく笑ったわ。]
(+39) 2020/10/24(Sat) 21時半頃
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ならキーを渡してください 我々が行きますよ、大人を代表して
(+40) 2020/10/24(Sat) 21時半頃
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それは……、
[ わたしは黙り込んでしまった。
彼らに鍵を渡して、送り出して、 帰ってくる保証がどこにあるの? 戻ってきてくれなかったら、残された側は? 外への連絡手段だってもうないのよ。 今度こそどうしようもなくなってしまう。
ご主人はため息をついたわ。 ……そうでしょう。 近所に食糧を探しに行くとは違うんです わたしの言葉を封じるようにそう付け足してね。]
(+41) 2020/10/24(Sat) 21時半頃
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けれど、そうはいっても、 このままだともう……、 どうにかしないと。何か手はないかしら。
[ 庭で火を焚いてみるとか、 バルコニーから信号を送ってみるとか、 そんなことはもうとっくに試していたわ。
少なくとも今まで、 外界からの反応は何一つとしてなかった。
外をうごめくものの数が、 日増しに増えているように見えるばかり。
私たちだって考えてはいますよ 別に非難したつもりはなかったけれど、 ご主人は少し気分を害したようだった。]
(+42) 2020/10/24(Sat) 21時半頃
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[ これからのことを考えるはずだったのに、 あっという間に場は静かになってしまったわ。
少しの沈黙のあと、 唇をちろりと舐めてご主人が尋ねたの。
ところで、その車のキーはどこに?
ご主人はじっとわたしのことを見ていた。 胸の内まで見透かそうとするみたいにね。]
……どうしてそんなことを尋ねるの?
[ 戸惑って、問いを返したわたしに、 ご主人はだってアンフェアじゃないですか≠ニ。]
(+43) 2020/10/24(Sat) 21時半頃
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[ アンフェア? キーの保管場所を教えないことが?
きっとわたしは納得のいかない顔をしたんでしょう。 ご主人は当然だとも言いたげに言葉を続けるのね。
だって、協力すると約束したじゃないですか
なんだか少しまずい空気だった。 わたしとご主人はお互いを見つめあって、 少しの間黙りこくっていたように思うわ。
そうすると突然、 奥さんが仲裁するように口を開いて、 わたしたちの間に割って入ってきたのね。]
(+44) 2020/10/24(Sat) 21時半頃
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[ 彼女ははじめにご主人を窘めたわ。 脅すような言い方やめてちょうだい エドワーズさんが警戒して当然だわ そう言って、彼の前に立ったのね。 わたしのほうを向いた彼女は言った。
ごめんなさいね、夫も気が立ってるの。 あなたの言うとおり、状況が悪すぎて。 けれど、助けを呼びに行くのも、 実際難しいのは分かってくださる?
丁寧な物言いにわたしは当然うなずいたわ。 彼女の言っていることはまっとうに聞こえた。]
(+45) 2020/10/24(Sat) 21時半頃
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[ わたしがうなずくのを見て、 奥さんはどこか安心したようにも見えたわ。
そして、それに≠ニ言葉を続けようとしたの。 どこかぎこちのない笑みを浮かべて。
どうしてかしらね。 そのときの彼女、なんだか嫌な感じだった。]
(+46) 2020/10/24(Sat) 21時半頃
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そんなことで揉めなくたって、エドワーズさん。 ほら……ここにはまだ食べるものがあるじゃない
(+47) 2020/10/24(Sat) 22時頃
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[ ── え? * ]
(+48) 2020/10/24(Sat) 22時頃
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/* わんちゃんの危機しか感じられない(たべられそう)
(-15) 2020/10/24(Sat) 22時頃
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/* ひぇ……ビアンカさんのお宅もかなり怪しい空気になって来たな……。わんちゃんか…。
(-16) 2020/10/24(Sat) 22時頃
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『やっと電波が入るところにこれたんだが ヨスガに電話する暇は、もう無さそうだ。』
[ (え、…………) 言葉を、失った。 兄貴に電話してから、僕に電話したんじゃないのか。 僕は大学に入ってから学部に馴染めなくて、 苛めにもあった挙句不登校の引きこもりになって。
たまに家で顔を合わせても父親は僕には文句ばかり。 僕も食卓で父親と会っても一言も会話せずに 二階に上がることが殆どだったっていうのに。]
(38) 2020/10/24(Sat) 22時頃
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『……最後に、お前に言わせてくれ。』
[最後って何だよ。 僕は父さんに、まだ聞きたいことが、]
『俺も、母さんも。 お前のことを本当に大事に想ってた。 ヨスガだって、お前が居ないところで あいつは自慢の弟だって、いつも言ってた。 だから―――お前は、胸を張って、生きるんだ。』
待、っ…………!!!
[プツッ……ツー……ツー……ツー……]
(39) 2020/10/24(Sat) 22時頃
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/* えにしくん……
(-17) 2020/10/24(Sat) 22時頃
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/* 飴ちゃんをあげに地上に降りたい
(-18) 2020/10/24(Sat) 22時頃
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――――パリーン!ガッシャン!!
(40) 2020/10/24(Sat) 22時頃
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[けたたましい音があたりに響いた。
3階の事務所の窓を体当たりで蹴破り そのまま路上へと転がり落ちる。
衝撃。胃が浮く嫌な感触。落下。
素人が香港映画のスターのように 受け身を取れるはずがない。 男は無様に肩を強打し、血反吐を吐いた]
(41) 2020/10/24(Sat) 22時頃
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ち、くしょう。 死んで……たまるか、よぉ。
[落下の衝撃で、眼鏡のレンズが割れた。 よく前が見えない。
ぼやけた視界の中で、 コンクリートジャングルを歩き出す。
強打した全身が痛かった。 刺さった硝子の破片が痛かった。 痛くて、痛くて、ぐずぐずに涙が溢れた]
(42) 2020/10/24(Sat) 22時頃
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なんで、こんな目に。 ちくしょう。ちくしょう。ちくしょう。
[情けなかった。 あんなに必死になって金を稼いでいたというのに。 結局のところ、金なんて何の意味も為さない]
(43) 2020/10/24(Sat) 22時頃
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(オレは今まで、何をしてきたんだろう)
(44) 2020/10/24(Sat) 22時頃
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[嗚咽した。 泣きながら走って、無様に転んで、立ち上がって。 無人のコンビニにやっとのことで辿り着いた。
眼鏡のレンズには蜘蛛の巣状の罅が入り、 無精髭は伸び放題。スーツはボロボロだ。
消費期限なんてとっくに過ぎた、 腐りかけのパンを齧る。 何日ぶりの、ちゃんとした食事だろう]
(45) 2020/10/24(Sat) 22時頃
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……おいしい。
[乞食のように、貪る。 子供のように泣きじゃくりながら、 ただパンを齧り続けた]*
(46) 2020/10/24(Sat) 22時頃
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[――やだ。 そう言って顔を膝に埋める青年が小さく見えて、 まるで昔に戻ったみたいだなと笑う。]
私も、……君も。 キャロルにはなれそうにないな。
[その名を聞いて、シーシャの肩が跳ねたように見えた。 目端にちらつく動きに視線を外し、目を閉じる。]
……せめて、食事はとりなさい。
[昨日ここに来てから何も食べていないのだろう。 意識のなかった間に強盗でも入っていない限り、 ・・・・ 人ひとりが生きるだけの蓄えはあるはずだ。
空腹はない。 それなのに喉の渇きばかりが頭を満たしていく。 眠るフリをして、あたたかいものから目を逸らした。]*
(+49) 2020/10/24(Sat) 22時頃
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[ ] [ ]
[電話が切れてから、どれだけ経ったのか。 僕は呆然と、画面がついたままのスマホを見ていた。
打開策を調べる気力ももう起きなくなっていて ここ数日、SNSを見る頻度は落ちていたけれど。 それでも、数日間充電をしていないスマホの電池は 後数%だと表示されている。
かりかりと、ドアを齧るような音を背にしながら いつもスマホを持ったらするように、 僕は無意識に、SNSを開く。]
(47) 2020/10/24(Sat) 22時頃
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[ぼんやりとSNSを眺めながら、 >>*14人探しの投稿をシェアした後に。 見えたのは、>>*0ある言葉だった。 ふざけたような本文だったけれど。 ついているタグに、はっとする。
『ゾンビに負けるな』
当たり前のことだった。 諦めた人ばかりじゃあ、ないんだ。 今もゾンビと戦っている人が居るのを見て、 この世の終わりのような気分だったところに、 少しだけだけど、勇気を貰った気がしたんだ。]
(*15) 2020/10/24(Sat) 22時頃
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