14 Digital Devil Spin-Off
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─回想 アキハバラ─
[見覚えのある少年と、見知らぬ赤毛の女性。 夢に選ばれるのが、ここにいる条件ならば、彼らも? ──彼女はまだ、人間が生き延びていることを知らなかった。]
やー、明之進。
[気軽に挨拶するが、追跡者、と呼ばれ。]
追跡者はないでしょ。 せめて家出の先輩と呼びなさい。 私はレティーシャ。一見の──
[言おうとして、その名前には最早何の意味もないことに気付く。 そして金髪の少女には本名を名乗っていたことも思い出した。]
(585) 2010/06/03(Thu) 13時頃
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─アキハバラ 街外れ─
[屈強な男と共に、金髪の少女に引っ張られるように、アキハバラの街をうろつく。 彼女の贔屓にしていた小さな電器店は、ぺしゃんこに潰れていた。 寄る気も起らないほどに。
そのうち、少女が瓦礫の間に何かがいると言い出して行ってしまう。 やきもきしつつも待つと、少女が無事に顔を出した。 話を聞くと、楽しそうに。]
おー、家出の第三歩だね。 よくやった。 その調子でがんばれ。
ま、お叱りは荒川のお兄さんの担当なので。 だよね?
[と、迷惑に話を振る彼女。 屈強な男は、叱ったかもしれないし、叱らなかったかもしれない。]
(640) 2010/06/03(Thu) 19時頃
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さて、それじゃそろそろ戻ろうか? たぶん待ち合わせ場所とかあるんだよね?
[全く聞いていなかったので、明之進とどんな話になったのか知らない彼女であった。 二人にわざわざ説明してもらって、了解する。
と、端末がメールの受信を告げた。 確認して呟いた。]
何だ。三條くんも生きてるの。 彼、ゾーイって名前、知ってたっけ?
(643) 2010/06/03(Thu) 19時頃
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手を──
ダメだ。それは。
[常に冗談めかしていた彼女の口調が、初めてきつくなった。 それは、彼女の魔人としての力に関わりがあったかもしれない。 次の瞬間には、その棘は口調から消えて。]
ごめんね、それだけは、ダメなんだよ。 本当はそばにいるだけでよくないかもしれないけど、ま、そのくらいは些細なものだからね。
呼び方は、好きに呼んでいいよ。 私はね、名前に力をつけるなんてナンセンスだと思っているから。 どんな名前であろーとも、私は私でしょ。 好きなものと嫌いなものは同じなんだ。
[言葉を転がして、果たして全ての意味がそのまま金髪の少女に伝わったかどうか。]
(659) 2010/06/03(Thu) 20時頃
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いちゃダメじゃないけど、まあそのね、いろいろあるのさ。
[純粋な少女に、少しだけ困っている様子だった。 ともあれ、屈強な男と金髪の少女と三人で、待ち合わせのバラック店へと向かう。 少女との微妙な距離感を気にしつつ、しかし少女に気にさせないようにするのは、いまいち無理であった。]
そういや、メール返ってきたのに返してなかったな…
[端末を取りだそうとしたその時。 ふっと物陰から何かが飛び出し、真っ直ぐに彼女に向ってくる。 紫色のそれ。 辛うじてヒトガタを保った小さな塊。 それが、明らかな敵意を放って、直進してきた。]
(692) 2010/06/03(Thu) 21時半頃
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[避ければ、金髪の少女に当たる角度。 彼女に、選択権はなかった。 左手を前にかざし、そのままボールでも受け取るかのように、紫の塊を受け止める。 ポルターガイストだ、と何故か理解できた。]
はあ…。
[手と触れた瞬間に、ポルターガイストの動きが止まり。 ぶるぶるっと震えた直後に四散する。 そもそもそんなに強い悪魔でなかったのだろう。 霧状になったそれを頭からかぶり、彼女は気持ち悪そうだった。
──が、そんなことは些事で。 受け止めた手が罅割れ、血が噴き出す。 紅い血と紫の臭気が混じり合い、幻想的な、しかし気味の悪い光景ができあがる。 彼女の左手は、痛々しかった。]
あー、一リットル一気に献血した気分。
─アキハバラ バラック店前到着─
(697) 2010/06/03(Thu) 21時半頃
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[少女は血相を変えて治療をしてくれたかもしれないし、屈強な男は応急手当をしてくれたかもしれない。
よろよろと瓦礫に腰かけて、苦笑しながら。]
誰か、私に血をおくれ…。
[その左手は、まだ痛々しかった。]
(700) 2010/06/03(Thu) 21時半頃
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聖歌隊員 レティーシャは、さすらい人 ヤニクに「三條くん、血液型何?」と動く右手で、すごくどうでもいいことをメールした。
2010/06/03(Thu) 22時頃
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おー、初めまして。 いきなり血だらけで、第一印象はよくないな…。
[肌の白い女性に少し笑いながら。]
ああ、血をってのは冗談だから。 比喩というか。 くすり、それをちょうだい?
[悪魔用のくすりが悪魔の身体にはちょうどいい。 くすりを見て思ったが、口には出さなかった。]
なんかこう、ずばっと回復する魔法的なあれを想像してたんだけど、想像した世界とはちょっと違うみたいだね、ここ。
(718) 2010/06/03(Thu) 22時頃
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─アキハバラ 時間は一気に過ぎる─
[しばらく左手が痛かったので、大人しくしていたかもしれない。 その間に、きっと名乗りあったろう。金髪の少女も、屈強な男も。
(06)ほどのマグネタイトが、傷付いた左手から吸収された。傷を癒しながら。
やがて例のバイトの青年と、例の林檎バイクの青年──彼女の中ではそういう認識だった──の二人が、現れた。]
なんだか人が集まるね…。
[傷が乾いて酷いことになってる手をぷらぷらさせる。 あまり嬉しそうではない。]
(736) 2010/06/03(Thu) 22時半頃
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[肌の白い女性と二人の会話を聞きつつ。 まだよくペルソナというものや、サマナーの存在を把握していない。]
やあ、バイトくん。 その左手は一体どーしたね。
[自分のことを棚に上げ、普通に尋ねた。]
(749) 2010/06/03(Thu) 23時頃
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聖歌隊員 レティーシャは、博徒 プリシラに少し思うところありつつ、見送る。
2010/06/03(Thu) 23時半頃
聖歌隊員 レティーシャは、研修生 キリシマの話を、白い肌の女性から聞いて想像してみたが失敗した。
2010/06/03(Thu) 23時半頃
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そういえば、独り言忘れてた。 どこまで言ったんだっけ。相柳の紹介したっけ。
(-188) 2010/06/03(Thu) 23時半頃
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─レティーシャの力─
彼女の身体は毒の塊である。 相柳“ソウリュウ”は葬龍“ソウリュウ”に通ずる。 死を送る龍。 死の龍。 毒の血が身体を流れ、毒の臓が身体を動かす。 しかし、人の身体はその毒には耐えきれないのだ。 毒を以て他に触れれば、自分の身体も共に傷付く。 それが、一つの力である。
(-191) 2010/06/03(Thu) 23時半頃
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─死の澱─
自覚できなかった幼い頃の力。 それが死の澱である。 意図的に毒を遣わずとも、彼女の身体からは微量に毒が溢れている。 それが、蓄積すると人は死ぬのだ。 彼女の母や、家の使用人や、他の親族達が、死ぬまで。 積もり積もって七年という年月を要した。 徐々に徐々に身体に積もる澱。 それが死をもたらす。 エフェメラ。とレティーシャは呼んだ。
(-193) 2010/06/03(Thu) 23時半頃
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[使い魔だの何だの、何を言っているかわからねーぜ状態になってしまった彼女は、できる限り情報を聞き落とさないようにしつつも、気のないふり。 そんな折、学ランの少年が現れて。]
明之進だ。 ほんと、集まるね。 私もちょっと散歩して来ようかな。
[ちらっと挨拶して彼女は歩き出す。 それは、赤髪の女性の進んだ方向だったか、それともフードの青年の進んだ方向だったか、はたまた、全然関係ない方向だったか*──*]
(802) 2010/06/04(Fri) 00時頃
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