60 ─昨夜、薔薇の木の下で。
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……は? 何言って、
[示されたその意味に唖然としたけれど、 でも同時に理解していた薔薇の香が煽る熱]
ああ、……そうですね。 この薔薇に煽られて、嫌な奴と関係持つのはいやでしょうし。
[堪えるように俯く様子に、手は引いた。 行き場なく一度、自らの髪をかき混ぜる]
その文様がやっぱり、薔薇の香とあるんでしょうね。 ……眠ったら、ちゃんと面倒みますよ。
(194) 2011/08/10(Wed) 00時頃
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[触るな、と言われていて。 けれどその勢いに案じるのはやはり体のこと]
あんまり怒ると体にさわりますよ。
でも、なんか、その。 ――……すみません。
[言葉の意味など知らぬままに、謝罪を重ねようとして。 続いた言葉に、嫌いという言葉には、 決して動じなかった表情の眉根が寄った]
……何言ってるんですか。
[思わず口にされた好意には、口ごもる。 それが特別なものでなければいい、隣人に向けるものであれば、とそう思って]
(205) 2011/08/10(Wed) 00時頃
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[戸惑いと困惑と――痛みの色もあらわに、 まっすぐに告げられる好意はとても痛くて、痛くて。 それはかつての自分をも、思わせる から]
なんで過去形なんですか。 ……縁起悪いですよ、やめてください。
[咎める言葉を口に出したところで、 深い碧は見開いた、白い肌が蔦模様に侵食されていく。 腕だけでなく体中に広がっていくそれを、目の前で]
……だから、何言って……、
[涙と笑みと浮かぶ表情が伝える想いに、言葉が出ない。 その蔦は連れていくものだと知っている、なのに動けない。手を伸ばすことが、出来なくて]
(210) 2011/08/10(Wed) 00時頃
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ヤニクは、彼が崩れる瞬間になって、ようやくその体が動いた。
2011/08/10(Wed) 00時半頃
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[夢は――幸せな眠りではないのだろうか。 苦しさを口にした彼が崩れていくのに、手を伸ばす。
穏やかに眠っていたはずのランディの目蓋にも、 涙が浮かんでいたことに気づいたものはいるだろうか。]
ノックスさん……!
[腕の中、その人はとても軽い。 支えたままで眉根を寄せた、乱れた髪を撫でれば――、
薔薇の香がまた匂い始める、 それは支えた人からだけでない気がして、一度振り返る]
(217) 2011/08/10(Wed) 00時半頃
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……ちゃんと面倒は見ますよ。
[優しげな指が触れた髪、 小さく呟きを落とす、少なくとも自分はまだ、 目で見えるところには文様などないはずで。]
ノックスさん、医務室に運ぶから、 ……お前はどうする。
[振り返った先のイアンにそう声をかけた]
(218) 2011/08/10(Wed) 00時半頃
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