231 獣ノ國 - under the ground -
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/13(Mon) 01時頃
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―→ 第一棟 医務室 ―
[硝子が割れる音。>>138 喚き声が二つ。
彼は庭に向かいかけていた足を止め、 くるりと振り返る。 そしてそれが幻聴でない事を確認すると、 た、と音のする方まで小走りに行き
医務室の扉をあけた。]
……何をしているんだ。
[そこには零れた液体と、泣きだす猫と、 それからハリネズミの姿があっただろうか。
彼は薬品と思しき中に ガラス片が混じっているのを見ると 険しい顔で二人を見た。**]
(144) 2015/07/13(Mon) 03時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/13(Mon) 03時半頃
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( こんな事には? 何だ……?)
[喚きたてる彼女>>145は大きく興奮しているようで 何があったのかわからぬまま、 彼は叫び散らされる言葉に眉を顰めた。]
猿とは云い得て妙だな……。 落ち着きなさい。 あゝ、硝子には触るなよ。
[クラリッサを一瞥してから、 ジリヤの方へと視線を遣る。]
泣かせたのは君か?
(146) 2015/07/13(Mon) 04時頃
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ああ……、 [続いた自己弁護に彼は息を吐いた。 彼女が薬を捨てようとして、 クラリッサがそれに抗ったのかと理解した。
アマルテアの実験を思えば、ジリヤが薬に 不信感を抱いていたとて仕方なかろうが]
何の薬かも知らずに捨てようとしたのか?
……騒ぎを起こして、 メティス先生が知ったら折檻かもしれないぞ。
[彼はジリヤに近づき、 手を伸ばして、その頬を抓ろうとした。]
…………片付けはやっておくから ちと頭を冷やしなさい。
(148) 2015/07/13(Mon) 04時頃
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( ……おや、)
[ジリヤが穏やかに手を退かせようとするならば 彼はそっと手を離し、ぱちりと一つ、瞬きをした。]
そうか。
[鉄火の気性と思うておったが、 案外冷静だなとぼんやり考える。 ――何か、あったのやもしれぬ。あずかり知らぬ事だが。
彼女が出て行くならば、彼は、止めはしない。 ジリヤとクラリッサの間に会話があるならば 邪魔はしないだろう**]
(150) 2015/07/13(Mon) 04時半頃
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/* >>164 なぜ?!
めっちゃ素敵じゃないですか
(-109) 2015/07/13(Mon) 13時半頃
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[「ただ、外を知りたいだけ」 場の闖入者たる彼はその言葉を聞いてふと思う。
(「 …こわい。森へ還りたい ……にいさんを かえして」)
もしも。この仔らを、あの大扉から出したなら。
―― そうしたい、と思う心と いけない、と自制する心は
彼女>>169から発された頼みに引き戻された。 ジリヤの針のような白い髪を見送ってから 彼はクラリッサを見下ろす。]
(179) 2015/07/13(Mon) 20時頃
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……断るよ。 それで打つ気だろう? 外に出る前に君が危ない。
[自殺願望でもあるなら兎も角。 清潔なタオルを一枚。クラリッサに差し出す。]
顔を拭くといい。 それと、怪我はしていないかな。
[それから掃除用具入れに向かい、手袋をして、 雑巾と紙を手に後片付けをはじめた。
アマルテアには、後で謝っておこう。 医務室で袖をひっかけたと。 貴重な薬ならば申し訳ないとは思うが。
……そんな事を考えながら。]
(180) 2015/07/13(Mon) 20時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/13(Mon) 20時頃
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そう。ならいいんだが。
[カチリ。 紙の上に砕けた硝子の欠片を置いて、残りを拭く
別に危なくてもいい、と淡々と言う クラリッサの言葉を聞いている。 その心中がいかばかりか彼は知らない。]
外に出る前にうまく起きられなくなったら 本末転倒だろう。
[だめですか、と聞かれたから、ふるりと首を振る。]
だめだよ。
(229) 2015/07/14(Tue) 00時頃
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[他にたくさんいる”私達”が治るなら、――
その言葉の真意は知らないが。 もし、自分が死んでも、と云う意味なら かなしいと思った。]
クラリッサ君。 君は、君しかいないんだから、 自分自身を大事にしておくれ。
[説教じみた言葉を吐くと、 ガラス片を始末して、 薬品を拭った雑巾をそっと洗う。]
(230) 2015/07/14(Tue) 00時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/14(Tue) 00時頃
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そう。そんなに……
[そんなに外に出たいか、と考えて 小さく息を吐いた。 そもそもあの薬が何かわからぬのに投与できるものか]
自由……?
ああ、いいものだろうよ。 生きるも死ぬも自由でいられるなら。
[それはきっと幸福だろう。
その言葉を飲み込んだ。]
[そうこうしているうちに アマルテア>>234が戻ってきたので]
――ああ、すまない。 私がドジを踏んでしまってね、
(237) 2015/07/14(Tue) 00時半頃
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[流れるように嘘をついてから苦笑し、 罰なら受けると云ってから
優しく見える女医の動きが どこかぎこちないように見えて 軽く、首をかしげた。]
……あまり被検体に無理はさせないで 彼女が望むなら、いいかもしれないが
あと、君もあまりご無理なさらず。
[そうっと、アマルテアにだけ聞こえるように言うと、 二人で話もあるだろうと、考えて
引き止められなければ 静かに医務室を出て行くだろう。*]
(238) 2015/07/14(Tue) 00時半頃
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―→ 医務室を出て、少し ―
[彼は静かに医務室を出ると、 今度はと第二棟へ向かう廊下へと歩きだす。
――途中、 その影を見ることはあっただろうか。>>232]
…… ?
[いつもしているマスクがないように見えて、 彼は、少しばかり目を凝らし立ち止まった。*]
(241) 2015/07/14(Tue) 00時半頃
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[ぱちり。
瞠目する。 息苦しい深海から、何かが音もなく泳いでくるような ――そんな気がした。
えさ? と小さく虚空に問いかけた その男>>250は、 彼にはまるで動物のようにも見えて
鱗の乗る肌が彼女のものにも 似ていたから
――逃げ出す事も、 連絡をまわすためにマイクに口を近づける事も、 どちらもできずに、彼はただそこに立っていた。]
(257) 2015/07/14(Tue) 01時頃
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……きみ、は、
[脅すようにからを破った掌が見えた。 首元に鱗をかざされる。
――いきたい、
そう投げられた言葉に、彼は声を詰まらせて]
抵抗は、しないよ
…………。
[行きたい? 逝きたい? ……生きたい? ぐるぐると思考は巡るだけ。 そうしてその鮫を、第三棟へと案内する。>>251]
(258) 2015/07/14(Tue) 01時頃
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― 第三棟 ―
[「ありがとう」と小さく呟かれた言葉と 低く唸る空腹の音に、 彼は静かに目を閉じた。
―― この獣人を、解き放てば、 人死にが出る ……だろうか。 解き放った先でモスキートは生きていけるのか。
空の鎖が転がる大扉の前。>>254 うみ、と小さく云う声が聞こえた気がする。]
……君は、 いきたい、のか。
[生きるためにいくならば、 その自由は、奪っていいものなのか。]
(259) 2015/07/14(Tue) 01時頃
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[彼は悩んで悩んだ末に、指紋認証のセンサーに 指先を 添えた。]
……なら、
いきると いい
[大扉が開く。 ――そこから先は、 鮫の 鮫だけの物語だと思った。 モスキートはどうしただろうか。
ただ一つぼんやりと思うのは こんな全てが死んだ場所ではなくて どうか、どうか、 その先にいきる場所があればいいと
――見送る彼の首元で、 月長石がひとつ、涙のように煌めいた。*]
(260) 2015/07/14(Tue) 01時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/14(Tue) 01時半頃
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