237 【リアル人狼RP村】蜉蝣の村【半身内】
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[再び眠りの淵にでも落ちようかと、目を閉じたその時。自分が今、一番疑っている人物の声>>37が聞こえ。
ひゅ、と鳴る喉。これは『恐怖』? ―――やはりまだ、自分は『生きている』]
おや、『優等生』 点呼かい?それとも、ボクに何か?
[重い扉に鍵はかかっていない。かけた記憶がない。けれど、口から発された声音はおそらく鍵となったろう。察しのいい彼になら、おそらくは。
仰向けに転がったまま、視線は天井に。それでも彼が何かを語りだすならば静かに耳を傾けるし、無言が奏でられたならば、また、それに耳を傾けるだろう。]
(41) 2015/08/27(Thu) 23時頃
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童話作家 ネルは、メモを貼った。
2015/08/27(Thu) 23時頃
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―広場にて―
[広場に戻れば、そこに先程ネルの元で涙を零していた中性的な、名はレティーシャといったか、その人は居ただろうか(>>30)。 女性的な人は苦手だった。どうしても姉さんを思い出してしまうから。姉さんは、俺が女性と居るのを嫌がる。かつてほんの僅かな期間、通っていた時に女子学生から声を掛けられたそのあとのことなどは、思い出したくもなくて…
これまでは、レティーシャのことも、無意識的に避けてしまっていたのだろう。その人と出会えたならば、始めてになるか。声を掛けてみようか。]
あ…どうも、ッス。
[声を掛けるも、そのまま反応なく通り過ぎて…よく見ると、その身体は少し震えていたか。不思議に思い後に続けば、箱からメスを取り出し、それを、―――。]
だめッス!!!
[咄嗟に、身体は動いていた。勢いよく駆け出し、メスを握る手首を強く叩こうとすれば、そのメスを弾き飛ばすことは叶っただろうか。]
(42) 2015/08/27(Thu) 23時頃
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徒弟 グレッグは、メモを貼った。
2015/08/27(Thu) 23時頃
グレッグは、>>42訂正:通っていた時→学校に通っていた時
2015/08/27(Thu) 23時頃
グレッグは、フィリップに話の続きを促した。
2015/08/27(Thu) 23時頃
ネルは、レティーシャに話の続きを促した。
2015/08/27(Thu) 23時頃
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[広間にいたグレッグには>>42気付くことがなかった。いや気づかないふりをして。声を掛けられても、そちらに意識を向けて仕舞えば……きっとまたあの空腹感から彼がオイシソウに見えてしまう。
そうしてまっすぐ奥の扉へと向かったのに。]
……ッ痛……!
[強く手首を叩かれれば、金属的な軽い音ともに手の中のメスが落ちる。ああ、だめだ。これじゃあ死ねないじゃないか。
咄嗟に拾おうとしゃがんで手を伸ばせば……それさえも止められてしまうのだろうか。]
……っ、も、これ以上は……嫌だ……ッ、死ななきゃ……!
[譫言めいた呟きは彼には聞こえたか。]
(43) 2015/08/27(Thu) 23時頃
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―ネル個室前にて―
…点呼。 ああ、そうかもしれない。
[扉を通して聞こえた声>>41に、ノブに手は掛からない。 彼からの心象がそう良い物ではないのも理解してはいる。それは常ならば、到底認められはしない事ではあったのだろうけれど。
それでも声は、返った。]
……ご無事な様で、何よりです。
[言い換えるならば、"生きていて良かった"と。 数刻前に確認した人数からは、"彼"しか減ってはいないと。それは酷く複雑な心地ではあったけれど、確かに安堵めいた。 どことなく構えた声音はこの際どうしようもない。お互い様だ。]
…来るなと言われたら、開けませんけれど。
[閉じた扉は、さながら神の隠れた岩戸か。生憎自身は開ける術を知りはしない。 ただその前に、敢えて口に出した問い掛けを。点呼だと認められたのなら、構わないだろうと。]
(44) 2015/08/27(Thu) 23時半頃
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フィリップは、ネルに話の続きを促した。
2015/08/27(Thu) 23時半頃
フィリップは、グレッグに話の続きを促した。
2015/08/27(Thu) 23時半頃
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[まさか、自分が“美味しそう”だなんて思われているとは思いもよらず(>>43)。手から離れたメスに再び伸ばそうとする腕を、掴む。 掴んだ方の手は、未だ先程の傷が塞がりきらず、動かしたことで開いた傷口から血を流し始めただろうか。その血は、レティーシャの腕にもぬるりと付いてしまったかもしれない。]
ど、してッスか…! もう、直に終わるッス! 早まったらダメッス!!!
[流れる赤など気にも留めず、叫んだ声は相手に届いたか。]
(45) 2015/08/27(Thu) 23時半頃
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[流れる赤>>45が目に入れば、ああ激しい空腹感から唾をごくりと飲んで、それに魅入られそうになり……途中でその思考を断ち切る。 美味しそうな、赤。きっとその赤に口付けたら、今度こそ本当に戻れない。いや、もう戻れないのだろう。必死に目を瞑りそれから意識を遠ざける。]
……っ!離せ……ッ
[腕を掴まれればその手から逃げるように振る。ああ、でも空腹のままでは大した力も入らないか。それならば、と。落ち着くように呼吸を一つ、そして……作り笑いを浮かべては言葉を紡ごうか。]
…僕が、死ねばきっと終わるんです。あのね、だから離してください…。も、誰も、…食べないように……ッ、死ななきゃ…いけない……。
[震えて、それでも口元は弧を描いたまま紡ぐ。ああ、瞳からは雫が溢れたか。]
(46) 2015/08/27(Thu) 23時半頃
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ねえ、カフカの本、読んだことあります……?毒虫になる話、があるんです。…今まで、食べてたものも…食べれなく、なって…!……あれね、最後主人公は死ぬんです……ッ、でも……まわり、は笑ってて……幸せに、なれる……ッ!!
……この場合、僕が、毒虫……ッ
[だから離してください、と。涙に濡れる瞳で懇願すれば離してもらえたか。ああ、それでも自分で自分を殺せる確証も自信もないのだが。]
僕、が食べたんです……僕が、サイモンさんや、ヨアヒムさんを……ッ……お腹すいておなかすいて、おいしくて、あのステーキはこの世のものと思えないほどまずくて、あれ吐いたんです…ッ!……それで、今、君も……美味しそうに見えて、仕方がない、なんて。
(47) 2015/08/27(Thu) 23時半頃
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[嘲るように放った単語には是が返ってきて。天井にやっていた視線を下ろす。開かない扉と、回らないドアノブ。]
ふぅん?
[彼のどことなく沈んだ声。何かを悟ったような、声。 察したくないけれど察してしまったのは、職業故か。何かあったことは、確かだろう。それが何かまではわからないけれど。
それに『どうかしたか』なんて優しい言葉をかけてやれるほど、自分に余裕はないのだし。『知らぬ振り』だって、立派な手段。これも気まぐれ。
しかしそんな気まぐれと少ない余裕は、続いた言葉に根こそぎ奪われることとなる。]
(48) 2015/08/28(Fri) 00時頃
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――――無事? へぇ、
[動かなかった身体が、動く。さっきまでが嘘のよう。バン、と床を殴りつけて。起き上がったその衝動のまま、扉へと。
板一枚挟んだ先、彼はきっと立っているのだろう。どんな顔をして?そんなの興味ない。]
殊勝な態度ね? 流石『優等生』といったところかしら? [『生』が、『感情』が減っていく。 好きなものが、減っていく。周りからも、自分からも。減っていく無くなっていく。 全然全く、無事じゃない。辛うじて『生きている』のを、無事とは言わない。
鍵はかかっていないのだから、開けれるものなら開けてみろ、と声音に乗せて。目を開いて見てみろよ、私は確かに『生きている?』
まぁ、『怒り』に支配されている自分は、ここに来て一番『生きている』のだろうけど。皮肉なことに。]
(49) 2015/08/28(Fri) 00時頃
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[剥がれかけた『ネル』の仮面。『斎藤 来栖』も通り過ぎて、見えてきたのは『本当の自分』]
(50) 2015/08/28(Fri) 00時頃
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[赤を見るレティーシャの目は、どこか見覚えのあるそれ。自分も嫌というほどに体験してきた、“飢え”を示して揺れる瞳。 無意識に、ぞくりと背筋が冷えたのも束の間、抵抗する腕を必死に抑えていれば、 突如落ち着いた彼から紡がれた言葉と零れた涙に、言葉が、出ない。 カフカの話は、姉さんから聞いたことがあった。レティーシャが、毒虫…? 毒虫が死ねば、まわりは笑って、幸せに…?]
なれないッスよ… あんたが死んで、笑って、 幸せに、だなんて…
[だって、ヨアヒムさん、イアンさん、サイモンさんに、リーさんも。彼らの命が亡くなって、俺たちは幸せか?そんな…はずない。 掴んでいた手は刹那、緩んでしまったか。
終わりなのだと信じたかったのだ。だから、信じたくはなかった。 絶望はまだ終わっていなかった、悪食は目の前の【レティーシャ】であると。]
(51) 2015/08/28(Fri) 00時頃
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徒弟 グレッグは、メモを貼った。
2015/08/28(Fri) 00時頃
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[気遣いの言葉>>48なんて端から求めてなんかいない。深追いを厭うのは、相手も自分もか。 ――だけれど自分は多少、その範囲を越えてしまったようで。 それが"彼"にどう捉えられたかなんて慮る間もなく、室内から聞こえる物音>>49。 思わず身動いでは、それでも引き下がることは、しない。
近寄る足音、がらりと雰囲気の変わった声音。 先までの応酬がなければ、誰だ、なんて。そんな間の抜けた問いすら掛けかねなかったか。 それでも変わらず続く言葉と、開かぬ扉。]
……ええ。 ええ――そうですよ。
[扉越しに繰り返されるのは、優等生。優等生。何度だって聞いた言葉。それは"彼"――否、"彼女"からでなくとも。
身に馴染んだ呪縛めいた言葉。 それでも却って憶えたのは、紛れもない憤りか。]
(52) 2015/08/28(Fri) 00時頃
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悪食を、…サイモンさんとヨアヒムさんを殺した人を、ひとり。 ――…、俺が、殺しました。
褒めて、頂けますか? 良くやったって、期待どおりだって、 褒めて、もらえるのかよ…!?
[甦るのは感情を失くした"彼女"の顔。飲み込んだ慟哭。行き場を失くした感情を、こんな所で吐露するつもりもなかったのに。
それでも、無事だと願って何が悪い。
過ごした時間は短くとも、それでも確信めいて、"彼女"は副作用に取り憑かれてはいないと、思えるようになったならば。 憎らしい程に透き通る視界で、未だ知らぬ広場の喧騒を見るまでもなく、【レティーシャ】を"処分"すれば終わるのだと、理解、してしまったならば。
それを無事と言って何が悪いと。 八つ当たりめいた感情に任せては、一度強く扉を叩いて――それからノブに、手をかけたか。]
(53) 2015/08/28(Fri) 00時頃
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……ッ、な、れるよ……。だって、ほら、皆……無事に、帰れる、から……!これ、以上誰を疑う必要もないんだ……ッ
[そう言って笑うことはできたか。頬が嫌に痙攣していて、出来たとしてもぎこちない。…やはり死にたくなどなかったから。それでも、掴んでいた手が緩んだ隙>>51に、急いで落ちたメスを拾い上げる。]
……、大丈夫、ちゃんと、死ぬから……死ぬ、から……ごめん、なさい…
[声はやはり震えていたが、ああ、でも先程より少し軽く思えたのは、罪の意識を全て彼に吐き出したからだろうか。彼に重い荷を背負わせてしまったことだけが、後悔として残る。
彼に赤が飛んでしまわぬように、その場から少し離れることはできただろうか。きっと先程のように震える手では一度に押し込むことができないだろうから、壁にそのメスを突き立てて。]
……ッ、…
[死にたくない、など言う権利はない。そのまま恐怖で目をぎゅっと瞑ると、突き立てたメスに向かって自らの喉元を勢いよく押し当てようと、]
(54) 2015/08/28(Fri) 00時半頃
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[聞こえた言葉に、ガン、と頭を殴られたような。そんな心地。自分の知らないあいだに、また、摘み取られていく。自分にとって尊いもの。それを、彼が。]
期待?そんなの、端からしてないわ。 勘違いしないでちょうだいな?
[誰だ、誰を?レティーシャとは先ほど会っていて、他の2人″とは会っていない。しかし自分には空白があるから。彼は誰を屠ったか、予想すらつかない。
それに、彼がどうしてそれを知ることができたのか。わからないことは増えていく。現状に、自分の感情に。]
(55) 2015/08/28(Fri) 00時半頃
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褒めて欲しいのなら褒めてあげるわ。
『よくできたわね』 『さすがだわ』 『素晴らしい』
満足なの? ―――――違うでしょう?
[人に成り代わるという傲慢な所業を生業にしている自分だ。今更多少の傲慢も棚上げも、どうってことない。
最初から、感情をひた隠しにする彼が気に食わなかった。隠して隠して、いい顔して。気に食わない気に食わない。
投げかけた言葉に彼は激昂したか。それはわからないが、強く扉を叩く音>>53。走る衝撃、そして開く扉から彼が姿を見せたなら――『生』のこもった瞳で睨みつけた。]
(56) 2015/08/28(Fri) 00時半頃
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童話作家 ネルは、メモを貼った。
2015/08/28(Fri) 01時頃
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―回想・フィリップと―
[チョコレートを渡せば、あの時と同じように此方の分を気にする彼(>>36)。]
そう言うと思って、ほら。 ちゃんとあるッスよ。 …ありがとう。
[ポケットに入れていたもう一つのチョコレートを彼に見せ、再びポケットに戻した。 フィリップは甘いものが好きだ、というところまでは考えが及んでいなかったが。 共にチョコレートを食べた時の彼の表情は、進んでお茶を配ったり、配膳を行っていた時のそれよりも、ずっとずっと柔らかで、“らしい”ような顔に思えたから。
例えこの惨劇が終わり、生き残れたとして、最早あの時のように甘みを手放しで喜ぶことはできないだろう。それでもきっと、そうなれば、生きていかなければならないのだ。]*
(57) 2015/08/28(Fri) 01時頃
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[瞬間生まれてしまった隙は、グレッグ、否。空詩の弱さの証だった。 ごめんなさいと謝罪を繰り返して、レティーシャがメスを壁に突き立てる様子(>>54)に、手を伸ばすけれども足が動かない。]
ぁッ…、や、 め……ッ!
[声にならない乾いた音を、何度も口から出して、叫ぶ。 彼の白い喉は勢いよくメスに向かって、赤く、染まるのだろうか。]
(58) 2015/08/28(Fri) 01時頃
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徒弟 グレッグは、メモを貼った。
2015/08/28(Fri) 01時頃
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[強く叩いた扉は、渦巻いて拗れた感情と、それから畳み掛けられた惨事の言葉>>56への衝動。 期待していないなんて言葉>>55にだって、本来ならば激昂してもおかしくはないはずだろうに。]
――ちが、います。違うに、決まってる。 そんなんじゃなくて、…、
[気遣いの言葉だとか。どのみちそんなもの、"彼女"には求めてはいない。 "彼女"が自分に、何も求めぬように。
ギブアンドテイクだけで成り立った関係で育った。それだけだと思っていた。 それでも未だ残るこの繋がりを断ち切る気になれないのは、言葉によって固められた扉を捨て置いて去ることができないのは、何故だったか。
"彼女"によって棚に上げられたのは、隠された感情だけでは決して無いはず。 剥がれた仮面も、剥き出しになった感情も、また同じく。
似た者同士とは到底言い難い。本来同じ土俵に立ったならば、きっと"彼女"の方が、二手も三手も、上を行くのだろうけれど。 それでも開いた扉の先。確かに向けられた鋭い視線に宿るのは、身を刺すような生の色。]
(59) 2015/08/28(Fri) 01時頃
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――…、ネルさん、ですよね。
[その射すくめんばかりの眼差しに呑まれつつも、視線を合わせれば、到底"彼"とは思い難い"彼女"の姿。
けれど僅かに逡巡こそすれ、乱暴に手を伸ばせば、その腕を掴もうと。 触れたそれは、自身の物よりも細かっただろうか。]
――ティーシャさんが。
[それだけ告げれば、腕を引いて歩き出す。 たとえ掴めなかったとして。扉の隙に靴先を入れてでも、低い位置の肩を掴んででも、食い下がるつもりなんてない。
そのまま広場へと――思い詰めた表情で、それでも今更、作った笑みを乗せて笑ってみせた彼の元へと。 自分でも到底信じられない程の乱雑さを以ってしてでも、連れて行けたなら、良かったのだけれど。
先まで力の抜けていたらしい"彼女"の足なんて、気に掛ける余裕だってない。 ただ大丈夫だろうと、――そうであってほしいと、思う。
自身はまだ、歩けているのだから。]
(60) 2015/08/28(Fri) 01時頃
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フィリップは、レティーシャに話の続きを促した。
2015/08/28(Fri) 01時頃
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[喉元に冷たい感触、と同時に広がる熱。熱い熱い熱い。ああ、でも、それでも死ななければ。早く、死なないと、。 ずるりと引き抜けば、赤が舞う。そのまま無意識のうちにもう一度振り下ろす。脳内麻薬が分泌されているからなのか、痛みはあまり感じない。]
……ッ、グ……ぁ……げほっ……
[舞う、赤。
赤は綺麗に弧を描く。
と同時に涙が頬を伝う。
喉元に空いた傷穴から血がコポコポと音を立てて溢れ、流れ出る。そのまま一度も汚さないように気をつけていた白い服を赤く染める。]
……ッ、あ……ぐ、ゥ……
(61) 2015/08/28(Fri) 01時頃
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[カラン、と軽い音を立てて赤く染まったメスが落ちる。
ああ、痛い。
脳内麻薬が切れたのか。痛い痛い。
それでももう、空腹感も感じなくて……誰も殺さなくて済むのだと思えば、充分で。
……口内に広がる鉄の味は、相変わらず美味。]
……ぉッ、う…ざ……
[声にならない叫びの後、べしゃり、と自らの血の海へ……身を任せた。]*
(62) 2015/08/28(Fri) 01時頃
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[違う>>59、との返答に安堵する自分がいる。そうだ、と肯定されたなら…彼を殴ってしまったかもしれないから。その衝動のままに。]
なら、なに? もっと欲しいものでもあるのかしら? 求めてばっかの子どもなのね。
[褒められたがったりとか、認められたがったりとか。可愛らしい欲求。 嫌いじゃない。だってそれも『感情』の一部。
なれば、それを素直に表せばいいものを、と。子どもが背伸びして、取り繕って。求めてないふり、見ないふり。それでも彼がそう言い張るのなら、言及はしないけれど。ただ酷く苛つくだけ。]
(63) 2015/08/28(Fri) 01時半頃
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[開いた先にはやはり彼が。間抜けな問>>60には答えない。だって私は『ネル』じゃないから。 そう告げるため開きかけた唇。しかしそれよりも先に、腕が伸びてきて。]
…っ!
[咄嗟に感じた身の危険。慌てて扉に手をかける…が一足遅く。入り込んできた足に、掴まれた肩。ここまで近いと流石に、体格の違いを見せ付けられる。]
うそだったの、…っえ、?
[今の話は嘘だったのか。油断させて、私を喰らうつもりなのか! 強く強く睨みつけた先。なのに、彼の顔は…酷く不安に揺れていて。思わず毒気が抜かれる。]
(64) 2015/08/28(Fri) 01時半頃
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[彼の口から零れた名前。少しの間悩んでそれがレティーシャのことだと思い当たり。
しかし、なぜ今、彼の名が?]
…ちょ、まちなさい! まって、…っ、この!
[今更『優等生』とか言うつもりはないが。乱暴に引かれる腕、先を行く彼の後ろ頭を強く睨みつけては、転ばぬようにと足を動かした。
目的地は、きっと広場。]
(65) 2015/08/28(Fri) 01時半頃
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童話作家 ネルは、メモを貼った。
2015/08/28(Fri) 01時半頃
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[目の前に広がる不条理。結局俺は、それを見ているだけ。 何も変えることは出来ないのか? 涙を零して嘔吐きながら、彼の喉が、服が、床が。赤に染まるのを、見ていた。
べしゃり、
海の中央へと彼が身体を沈めると、ようやく我に返った足を引き摺るように動かして、自らも海の中に入り、彼の身体を抱きしめて、その手を両手で握りしめる。 子どものようにしゃくり上げて涙が零れるのを必死に抑えながら、彼の手を強く握る。]
あんた は、毒虫なんかじゃ、ない。 わらったり しない…。 だって、あんたは人間だ。 最期までずっと、間違いなく、人間だ。
[何も出来なかった自分を許せだなんて、謝罪の言葉も出ない。 ただ、どうか…どうか、 彼が救くわれますようにと、祈った。]
(66) 2015/08/28(Fri) 01時半頃
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グレッグは、フィリップに話の続きを促した。
2015/08/28(Fri) 01時半頃
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―→広場―
待ちません、 期待も、何も。してくださらないんでしょう…!
[狼狽を含んだ声>>64は、的外れも甚だしいのだからと捨て置いて。 次第に崩れる抵抗>>65にも、揚げ足めいて反論を。
それでも確かに後ろについて、広場まで導けたのならば重畳。 そのまま真っ直ぐ、どうせならばと足も早めて、広場へと向かったか。
思考から離れないのは――聞き取れず終いの、小さな囁き>>30。 腕を掴んだ"彼女"だとか、もしくはレティーシャとと同じ道を歩んだ"彼"だとか。
自身でなければ察することは出来たのかと考えたところで、今更何が変わる筈もない。 過ぎた事も、起きた事も、――結末も。]
(67) 2015/08/28(Fri) 02時頃
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―広場―
[そうして、ようやっと広場へと辿り着いた時。 倒れこむ彼>>62の、血飛沫の音は聞こえたか。 広い床を、白い衣服を染める、流れ出る血の色は、見て取れたか。]
………っ、あ、
[今まで見てきた犠牲者のものに比べれば、だいぶん綺麗なままであっただろうけれど。 それでも変わり果てた姿に、掴んだネルの手は無意識に離して。 後退りそうになった脚は、辛うじて踏み止まった。
傍に膝をついて手を取るグレッグ>>66との間で、滲みかけた視線を行き来させる。 それから重い身体を無理やりに動かしては、ゆっくりと近付いて。
死にたくないと、そんな悲痛な言葉>>20が思考を過ぎれば、鋭く息を呑んだ。]
(68) 2015/08/28(Fri) 02時頃
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………ッ、
[なんで、だとか。 すみません、だとか。 もしくは――ありがとうございます、だとか?
喉までせり上がった言葉は、それでも出口を見失って消える。 自身の生を突き付けて、彼の死を望んだのは、紛れもない自分ではないのかと。
聞こえるのは涙交じりのグレッグの声、だけ、だったろうか。 言葉の出ない唇を、数度開いては閉じて、
――せめて、その代わりに。]
(69) 2015/08/28(Fri) 02時頃
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――――これ、で。 終わったんじゃあ、…ないのかよ。
[始めよりずっと、人の減った広場へと。 新たに一つ熱を失くして冷め行く、がらんと広がる、空虚へと。
エゴだとは知りつつも、彼が望んだ終焉を。
震える声を張って上げたなら――途切れた放送の主に、届いただろうか。*]
(70) 2015/08/28(Fri) 02時頃
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