182 【身内】白粉花の村
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…っは、…、
[荒い吐息を小刻みに零して呼吸の調子が戻るのを待つ。
散々ごねて、結局吐き出したのはただの汚い胃の中身だ。
喉をゆると擦ってみたけど、胃液の通った後のひりつく感じは拭えるわけもなくて、仕方ないからむかむかする胸の辺りを数度叩いて、口の中に残った気持ち悪い後味をべって吐き捨てた。
払い落した筈の手は再び背中に当てられていて、上下するその動きが子供をあやすようにも思えて、惨めさがじわりと募った。
途絶えた水音が室内に妙な寂寞感をもたらす中で、自分の呼吸音がいやに耳についた。
なんかごちゃごちゃ言ってんなあ、なんて適当に考えながら、一度閉められた蛇口のノブを捻ろうとして。それを回す力すらうまく入らないことに舌打ちを零す。再度力を篭めて何とか水を出すと、腰を深く屈めて流れ出したそれを適当に口に含む。
口内を濯いだ水を吐いて捨てると、横から突き出されたハンカチ>>30を雑な動きで受け取ろうとして。]
(37) 2014/07/02(Wed) 18時半頃
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[――"可哀想に"
その一言に、ぴたりと動きを止めた。
のろり、と気怠い動作で顔を上げて、相手を見た。 元から大凡健康的とは言えない肌がすっかり色を失ってる。]
…ふざけんなよ、 どこまで俺を見下せば気が済むんだよ…、
[向けられたその言葉>>31に、沸き上がった怒りで語尾が無様に震える。 自分がどんな表情をしてるのかもいまいち分からない。
未だに残る倦怠感を振り切って、俯せていた上体を起こすと、相手の首元を掴みに腕を伸ばした。
勢いなんてなくて、ひどく緩慢な動作にはなったけど。]
(38) 2014/07/02(Wed) 18時半頃
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[黙々と後始末をする弟の様子>>37を、惰性で背を摩りながら眺めた。 今度は振り払われなかったのは、いい加減に観念したのだろうかと。子供じみた我慢比べの勝者になったようなつもりになりながら。
差し出したハンカチを受け取ろうとして、けれどその直前で止まった弟の手に目を遣る。 ゆっくりと向けられた顔>>38は、未だ蒼白なままで。表情を無くしていた顔を、痛ましげに歪めてみせながら、震える声を聞いた。 マスクの下で歪みかける口角を、きゅっと引き結ぶ。]
……ふざけても、見下しても、いない。 だって――そうだろう、
[治療法の見つかっていない奇病なんて患って。 やり場のない感情を持て余して、自分に向けて爪を立てて。 死にたいとすら思うまでに、追い詰められて。 けれどそれさえも果たされなくて。
自分の先の発言を裏付ける言葉は、次から次へと浮かんだけれど。 さすがに口にするのは憚られて、ただ一言。]
(39) 2014/07/02(Wed) 19時半頃
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――、…僕が守ってやるから。
[幼少の頃から繰り返してきた言葉は、紛れもない本心だ。 それが、どんな感情に由来するものであっても。歳を経るごとに歪んで、変わり果ててしまったとしても。]
(…どこでこうなってしまったのか、なんて)
[思わない訳では、ない。ないのだけれど。 感傷だとか自嘲だとか、そんな感情よりも勝る"何か"が存在するだけだ。 ――そして今の自分には、それが無ければならない。
起こされた身体に眉を上げて、けれど身を引くことはせずに。 常に比べて随分と覇気なく伸ばされる腕を、伏せかけた瞳でひたと見つめた。]
(40) 2014/07/02(Wed) 19時半頃
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[暫く頭を撫でられていれば、落ち着きを見せたのかそっと顔を上げて。 そういえば、彼女はカップを持って此処にやってきていた>>23。と思い出せば、]
……なにか、たべにきたのか?
[ゆるり、と首を傾げつつローズマリーを見上げながら問いかけて]
(41) 2014/07/02(Wed) 20時頃
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[伸ばした腕に身動きもせず、逃れる意志の見えない兄の様子>>40には、余計に苛立ちを煽られる。 重い動きの割に随分と呆気なく掴めた喉元に当たる指先に、ゆっくりと力を篭めた。まだ少し、乱れた呼吸の余韻で手が震えるけど。
そうやって受け入れる振りをして。献身的な振りをして。 同情と保護を盾に自己保身の道具に使われている事くらい。 気付いていないとでも思っているのか。僕だってそんなに馬鹿じゃない。
例えその中に純粋な献身があったとしても、それを汲み取ってやれるほどの余裕もないし、兄に対する解釈はもうすっかり捻くれて凝り固まってる。]
それが見下してるって言うんだよ…!
[こんな行為ですら、受け入れようとでもするような相手が存在することに、何処までも甘えて安堵を得てきたことは事実ではある。分かってる。それを望んですらいる。でもそれじゃあ、劣等感に苛まれて自分を保っていられない。
複雑に捩れた感情は混在しすぎていてどれを優先すべきなのか、自分でも分からないから。今抱いた目先の苛立ちに身を任せた。]
"可哀想な弟"がいなきゃ、 自分が立ってられないだけのくせに…っ、
(42) 2014/07/02(Wed) 21時半頃
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(検査報告、ねえ)
[無邪気な様子で手紙で飛行機を作っている少女>>35を眺めながら、ゆるりと考える。封筒をちらりと伺えば、宛名がキリシマ院長だったことに気付いて。ただの検査報告ならば、こんな風に彼から手紙が送られることなどないだろう。 表情を変えずに読み終えた彼女からは、それが悪い内容なのか、良い内容なのか。自分には、分からなかったけれど。
紙飛行機を飛ばし、ベットに腰掛ける一連の動きはそのままぼんやりと眺めて。 掛けられた言葉には、そっか、と軽く応える。 不意に、目を伏せたレティーシャへ近付いて、しゃがみ込んで目線を合わせれば。]
会えてよかったよ、レティーシャ
[手紙の内容は、やはり分からないけれど、近いお別れを、何と無く悟って。くしゃりと笑って、でこぴんを一つくれてやった。 優しい彼女は、色んなことに悩んでしまいそうだけれど。そんな思考を吹き飛ばす、おまじないなのだ。彼女からしたら、また子供扱いをされたように思ってしまうかもしれないけれど。
徐に立ち上がれば、そのまま扉の方へと向かう。呼び止める声がなければ、そのまま部屋を後にするだろう。]
(43) 2014/07/02(Wed) 22時頃
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[食堂に足を向けていたクシャミだが、途中ある玄関でふと足が止まった。色んな人がここから出て行ったが、それをただ見送るだけで自分が出る事が出来なかった。その境界を自分があと少しで跨ぐ事があるのか、と考えると心躍らずには居られなかった]
…院長が言う事が本当なら、なんだけどね
[どちらにせよここから出れるという事実は有難かった。ついこの間までごく普通の年相応の生活をしていたのに寿命を宣告されてここに軟禁状態となっていたが、親は心配しただろうか]
そういえば…。朝顔ちゃんはお姉ちゃんにも会えなかったんだよね
[自分の家族にすら会う事が出来なかった事。ここに来る時の事は覚えていないが親はどういう反応だっただろうか、それはクシャミにはわからない事だった]
未来の事考えるって楽しいな…なんちゃって。ニハハハ
(44) 2014/07/02(Wed) 22時半頃
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[喉に当てられた手のひら>>42は、まるで先の自分の行動の反復のようだと思った。 じわじわと力を込められて、それに比例するようにぐっと眉を寄せる。]
………っ、
[そのまま力を入れ切って骨をへし折るのは、きっと無理だろうと、そう高を括ってはいるけれど。だから、振り払いもしないけれど。 それでも他人に急所を晒して触れられるのは、ひどく居心地が悪い。 目の前の弟はどうしてそれを自分に許せたのかと、思考を飛ばしかけて。 荒い語調のまま、尚も言い募られる言葉にすぐに引き戻される。]
理解できないなら、それでもいい。 けれど――…、
[それならばこれ以上話すことはない、と。 話の通じない子供を宥めるように、わざと呆れ混じりで吐き出した言葉は、最後まで言い切ることはできなかった。]
(45) 2014/07/02(Wed) 22時半頃
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……ッ、もう一度、言ってみろよ。
[その後に続けられた言葉に、冷静ぶっていた頭にかっと血が上る。 耳が熱くなるのも自覚はしたけれど、そんなことに裂けるような思考の余裕なんて、一気に吹き飛ばされた。
もう一度なんて聞きたくない。よりにもよってその対象から、事実を突きつけられたくなんてない。]
立ってられない?…僕が? ひとりで居られないのはおまえだろ…!?
[伏せていた目を見開いて、目線より下にある弟の胸倉を掴み上げる。 まともに取り合ってはいけないと、理解っている。理解っていても、そうせずにはいられない。
掴んだ手に力を込めて、未だ健康とは言い難い身体を、衝動のままに押し遣って。 大した抵抗がなければ、自分よりも小さい子供の身体をシンクへと叩きつけるのは容易だっただろう。]
(46) 2014/07/02(Wed) 22時半頃
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ーーネル、またね!
[向けられた背中に、明るい声色で述べると手をひらひらと振った。彼に心の内を見透かされているように思えて、敵わないなぁ、と素直に思う。 折角出会えたのに、明日から会えないのはなんだか寂しくて仕方が無くて。ーーいつか、彼の病気の治療法が見つかって再会出来たらいいのに。そうしたら、彼の絵本を読ませてもらって、色んなお話をして、もっと仲良くなれるだろう。そんな未来がきっと訪れると信じて、「さよなら」ではなくて、「またね」と言ったのだけど、彼には伝わるだろうか。
ーーそれでも人との別れは寂しいもので、涙がこぼれそうになるのを静かに耐えながら扉が閉じるのを待って。]
ありがとう、
[扉が閉まりきったあと、彼に聞こえもしないお礼を言えば、堪えていた涙が次々と頬を伝い落ちた。]
(47) 2014/07/02(Wed) 22時半頃
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[紙コップの中味に興味を示す>>41少女に問われれば、ぐぅ と腹の虫が嘶きひとつ。目の前の食べかけのオムライスを見ては空腹が刺激されてしまったか。彼女は椅子を引き、少女の隣に座る。]
そうね、ご飯はちゃんと食べなきゃねっ。 本当はミルクを飲みに来たのだけれど…何だかお腹が減ったから私も食べるわ。 [そう言うと、紙コップの中のミルクをちび、と口に運んでは 好きなの。子供みたいよね?と少し戯けて笑って見せる。それが少女にとって残酷な行為だと言うことは知る由もなく。]
(48) 2014/07/02(Wed) 23時頃
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[暫く頭の中を整理していると、涙はいつの間にかとまっていて。未だに濡れている頬の涙を両手で拭い取る。 ーー悔いの残らないように、と先程まで一緒にいた青年の言葉を思い出す。ちらり、と壁掛け時計を見ると、思いの外この場所を去るまでの時間がそこまで長くないことを思い知らされて。]
(なにか、やり残したこと……。)
[真っ先に頭に浮かんだのは、最近この病院で出会った人達で。ここで出会った人の顔を見ておきたいな、と考える。明日から会えなくなるし、最後にそんな思い出を作りたい。もちろん、転院することは告げずにだが。 なんて身勝手で我儘なんだろうと自分でも呆れてしまうけれど、どうしてもこのまま誰にも合わないで転院するのは寂しくて。 もしも転院したことを知られたら嫌な奴だと思われたり、失望されるかもしれないけれど。それならそれで受け入れるだろう。 ゆっくりと立ち上がり、いつものように鏡を覗き込む。涙を拭き残していないかを確認して、髪を簡単に整えると部屋を後にした。]
(49) 2014/07/02(Wed) 23時半頃
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[骨なんかよりは随分柔らかいその部分に指先を食い込ませるのはそう難しくなくて、徐々にかける力を重ねていく。
掌に触れる喉が、呼吸の度、言葉を紡ぐ度に動いて、 今握り緊めているそれが人形やなんかの物ではないと実感させられるのは、少し気持ち悪くて、僅かにだけ眉間に皺を寄せた。
反論できるもんなら、してみろよ。誤魔化させなんてしない。 そんな意図をもって睨みつけるような視線を向ける。
常の調子のような、言い聞かせるような、そんな語調>>45にはぴくりと片眉をあげたけど。そんなの無かったかのように崩れた冷静さに、双眸を細める。
別に何度言ってやったって構わない。
開きかけた口は胸倉を掴む動きに阻害されて、再度先の言葉を口にするタイミングを失ったから、一度唇を引き結んだ。]
(50) 2014/07/02(Wed) 23時半頃
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い゛ッ…、
…っ、の、やろ…、 図星だからキレてんだろ!?いい加減認めろよ!
[叩きつけられた衝撃を受けた背に痛みが走って、苦痛に顔を歪めた。 それでも相手の首を掴んだ手は離す気もなく、変わらずの力を篭めたまま。
またそうやって俺に惨めさを押し付けるのかよ。 押し付けられたシンクの硬い表面にずきずきと背骨が痛む。
苛立たしげに声を上げて、むかつく相手の顔面でも殴ってやろうかと空いた右手を握ろうとして骨が痛む。ああ、くそ。苛々する。何もかも、思い通りにいかない。 代わりとばかりに相手の腹部にむかって膝を蹴り上げた。 うまく発散できない苛立ちや言葉を、こうやって暴力に換算してるのは、相手にはもうとっくに知れたことなんだろうけど。]
(51) 2014/07/03(Thu) 00時頃
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[取り敢えず1Fを彷徨いてみよう、と歩みを進めていると病院の出入り口付近に見覚えのある猫耳を見付けて。一瞬、マリーのことが脳裏に過ったけれど、最後に話すだけなら許してくれるよね、なんて考えて。]
ーークシャちゃん。 ここで、何してるの?
[近くまで歩き、声を掛ける。ほんの少し声が上ずったのを誤魔化すように笑みを浮かべる。彼が人と話したくないようならばこの場を立ち去ろう、と密かに心に決め、相手の反応を待った。]
(……拒絶、されなければいいけれど。)
[彼に心の中を悟られないように、あくまでいつも通りを演じたつもりだが、気付かれていないだろうか。ただ、それだけが気掛かりだった。]
(52) 2014/07/03(Thu) 01時頃
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[彼女の紙コップの中身を飲み、嬉しそうに微笑む姿>>48。いつも大人びている彼女とはまた違う、無邪気な表情。 きっとあの中に入っているのはミルクだろうな、と思いながら。]
…ああ、でもあいらしいとおもうぞ
[昔は自分も良く飲んだな、なんて思いながら。もう飲めないんだろうか、なんて少しの不安を心に滲ませて、小さく笑って見せた。 何かを飲む、と言うのは彼女達にとってごく当たり前の行為であり、いつもそれを敏感なくらいに気遣うネルをふと脳裏に思い出しながら、そっと悲しさと焦りは胸にしまった。]
でめてるは、ここでまってるから いっしょに、たべよう
[すとん、と椅子に座りながら投げ出したスプーンを手繰り寄せつつ、彼女に告げた。冷え切ったオムライスもそれはそれで美味しいかもしれない]
(53) 2014/07/03(Thu) 01時頃
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[突然かけられた声に特に驚く様子も無く、近付いてくるのが前々からわかってたかの様に振り返ると、色が見えていた頃とは違いそこには白と黒だけで表された少女(>>52)が立っていた 色が見えていた頃はもっと綺麗だった。色が戻れば、きっとその頃よりも…と考えた所で嬉しく、そして今が悲しくなった]
レティやっほー。ニハハ、どしたの?散歩?
[玄関の扉をずっと眺めてる自分を疑問に思ったのだろうか、それとも単純に居たから声を掛けたのだろうか、と的外れな考えをしながらレティに質問を交わしてみる。そんな事より自分は何故?という質問も予測したようで]
ーー僕ね、病気が治るらしいんだ。それでもうすぐ転院する事になっててさ。…死ななくて良いんだって
(54) 2014/07/03(Thu) 01時半頃
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[急にこんな話をされても困るだろうが、病気の事を知ってるレティーシャだからこそ話せる事もあった。もう助からないと思っていたのに、生きる道が見つかった喜びを誰よりも聞いてほしかった。それがワガママだと知っていてもレティーシャがそれで生きる希望になれば、と]
ニハハハ、レティの髪がどんな色なのかちゃんと見れるの楽しみだにゃー。なんちゃって
[また軽くニハハと笑うクシャミはレティーシャが気にしているそれをすっかり忘れているようだった]
(55) 2014/07/03(Thu) 01時半頃
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んーと、そんな感じかな。
[今日はお天気が良いからね、と取って付けたような理由を続ける。急に、ここで何しているの?なんて変だっただろうか、と今更不安になりながらも、彼>>54と話せたことを心から嬉しく思った。]
ーーえ、ほんとうに? クシャちゃんの目、治るんだね……良かった……。
[嬉しそうに話す彼に、喜びとほんの少しの寂しさの混じった感情を抱く。彼の病気が治ったのはすごく嬉しいのに、一緒の転院先になれるとは限らないし、もし同じ場所に行けたとしても彼にはマリーが居るのだと思うと、素直に喜べなくて。わたしはなんて嫌な奴なんだろう、彼が本当に大切ならば心から祝ってあげなければいけないのに、と自己嫌悪する。]
わたしの髪より、もっと先に見なくちゃいけないものがあるでしょ?
[冗談言わないの、と笑いながら返すと、彼の顔を記憶に焼き付けるように見つめて。転院する彼に対してマリーの病気は治るだろうか、と考える。離れ離ればきっと寂しいはずだ。だからといって、何をしてあけられるわけではないのだけれど。]
(56) 2014/07/03(Thu) 01時半頃
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ッ……、
[ぎりぎりと容赦なく締め上げてくる手>>50に、忌々しげに顔を顰めた。 ぐっと口端を歪めながら、緩く首を振る。そんなことでこの手が離れる訳がないとは、理解っていたけれど。
睨め上げてくる目線をそのまま受け止めて、睨み返す。ここで逸らしたら負けのような気がして。 ――弟相手にいったい何を張り合っているのか。そんな理性的な声は、とうに何処かへ行ってしまった。]
…っンの、…、 調子に乗るなよ…っ、
[胸倉を掴んだ手を力任せに押し付けながら、尚も緩まない手の力>>51に、自然と掠れた声で毒吐く。 気道とともに言葉まで圧迫してくるその手首を、空いた左手で掴んで爪を立てた。あわよくば今度こそは引き剥がそうと思うけれど、無意識で加減される手の力は、それには至らなかったかもしれない。]
(57) 2014/07/03(Thu) 02時頃
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ッぐ、!、――……っは、くそ、 おまえだって一緒じゃないか、!
[腹に叩き込まれた膝に、口内に留まった空気を一気に吐き出して。抑制された呼吸の中、幾度か噎せ込む。
――図星をつかれてキレている、と。 ――それならおまえは何だ。
言葉で敵わない時はいつだって暴力に逃げるんだろ、と。吐き捨てた言葉は、あまりに説得力に欠けた。 柄にもなく荒げた声のせいか、喉を詰める手のひらのせいか。思うようにならない現状に舌を打つ。 その手を引き剥がそうとするのは諦めて、離した手を一度握りかけて。結局それは弟に向けられることなく、代わりに同じく、その喉を掴んだ。]
(58) 2014/07/03(Thu) 02時頃
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――そうだよ、 おまえは昔からずっと、僕よりずっと!…可哀想だった。
可哀想なものを可哀想だって言って、何が悪い…!
[包帯の上から爪を立てながら、その動作が弟の反復だと思い至ることはない。 そこまで吐き出してしまえば、ぐ、と表情を歪めて目を伏せた。ぎりりと奥歯を噛みながら、震えた息を吐き出す。]
………、僕より哀れで。 僕より劣っていて、僕より愛されない、 そんなおまえを、愛してるんだから。
[ひゅ、と音を鳴らした喉から吐き捨てるその感情は、正しい意味のそれでもなければ、きっと肉親に向ける親愛のそれでもない。 呼吸を制限する手のひらに甘えて、途切れがちの声で呟いて。 胸倉を掴み上げていた手は自然と緩んで、代わりに乱れた襟口を、ぐしゃりと握った。]
(59) 2014/07/03(Thu) 02時頃
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[良かった、と言ってくれるレティーシャ(>>56)に心底嬉しそうに笑うがレティーシャの髪より先に見なければいけない物と言う問いには本気で考えた]
…んー?んんん、レティの髪より先に見なきゃいけないもの?んーっと…ディンさんの髪の色とか、あの服どうなってんだろうとか、朝顔ちゃんの黒っぽい浴衣は何だったんだろうとか…あとは飴?
[本気で考えた上でもマリーの名前は出てくる事も無く、キョトンとしたようにレティーシャを見ると、特に無いよ?と首を傾げた]
(60) 2014/07/03(Thu) 02時頃
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え、ええ……っ?
[彼>>60の口からマリーの名前が出なくて、思わず情けない声をあげた。気を遣われているのか、それとも本気で忘れているのか、と困惑しながら、まさか想い人を忘れるわけはないだろうし、と考えて。それでも答えが見えなくて直ぐに諦めた。]
ーーほら、マリーさんは? こ、恋人なんだから忘れちゃ駄目だよ……?
[目を逸らし、言い辛そうに述べると彼と同じように首を傾げた。]
あれ……? えと、ほら、廊下に2人で……ねぇ?
[彼と自分の思考に溝を感じて、説明するように続けるけれど、廊下でのやりとりをどう説明して良いか分からずにいて。これだけで伝わればいいんだけど、と思った。]
(61) 2014/07/03(Thu) 02時頃
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[向けられた言葉>>53の中に、いつもなら静かな違和感を覚えただろう。しかし「愛らしい」などと言われるのは意外であった為、その違和感は影を潜めた。 ただただ「あおいとり」を探しているその清らかな心は、常に頭上の青い空を見据えているのだろう。そう考えると「愛らしい」などという言葉は身に余り、些かくすぐったく思えた]
ありがと♪ オムライス、美味しそうね… 私もそれにしようかしら…
[少し悩み、席をがたり と立った彼女は配給口まで歩みを進める。 受け取り口で何やらやり取りし、カウンター越しに何かを受け取り、その手元を動かしそれをまた返す。 そしてトレイを受け取っては、得意げな顔で席に戻る]
…じゃん! 上手く書けてるかしら?
[運んできたオムライスには、イラストじみた鳥が歌うように音符のマークに挟まれて彩られたケチャップが独創的な、ひとつのオムライスだった。]
あお ではないけどね…
[少しでもこの空間を楽しいものにしたい。彼女なりの気遣いは場違いだっただろうか。 力作に目を落とせば、伺うように目の前の少女の目線を追った]
(62) 2014/07/03(Thu) 02時半頃
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ぃ゛、…
[胸元を遠慮なしに押された痛みにも、手首に立てられた爪の痛みにも、同様に纏めて顔を顰める。
咄嗟に一瞬くらいは首を締付ける力が緩まったかもしれないけれど、強く引かれでもしなければ、完全に離してやる気なんてない。
幾らかの手加減>>57があった事になんか気付けなくて、 与えられる痛覚にギリと奥歯を噛み締めながら。
先程作ったばかりの怪我痕よりは大分マシだが、それでもしょっちゅう同じような事をしてるんだから、あちこちにあるだろう痣や傷痕に指の何れかは当たるかもしれない。知らないワケでもないだろうに、よくやってくれる。]
――…うるさいな、
[背後に逃げ場がない感覚は、少なからず焦燥感を揺さぶりはする。 腹を蹴飛ばしてやったのに、それでも引き下がらない様子に兄にしては珍しいともいえる感情の発露を見出して、ほんの僅か、薄く笑った。
咳込む相手の様子にさっきまでは自分が感じていた筈の、あの圧迫感を思い出す。それを今度は与える立場になっている事に、多少の優越感を覚えなくはない。 相手の思う通り、力任せの行動でしか、得られない物ではある事を思えば、その昂りも薄らいでしまいはするが。]
(63) 2014/07/03(Thu) 04時頃
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…、っ、
[可哀想だ、と。何度も反芻されるその言葉に、ぐ、と顔を歪める。 どうせそうなんだろうと思ってた。推測が確信に変わっただけなのに。
再び締付けられた喉が痛い。確りと残っているだろう鬱血の上から、 重ねるように立てられた爪が容赦なく痛みを伝えてくる。
本当に痛いのはそんな所じゃないんだけど。]
――――…、
[あまりに遠慮なく直接的に告げられた言葉に息が詰まる。 何か言いたいけど、言えなくて、開きかけた唇を強く噛んだ。 その歪んだ表現に奥底に溜まってた鬱屈とした感情が揺らされる。 押されていた胸元から力が緩んだのを感じたと同時に、 未だに相手の首を締付けていた手に、無意識の内にしていたのだろう加減を、完全に失ったように容赦なく力を篭めた。]
(64) 2014/07/03(Thu) 04時頃
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[言いにくそうにするレティーシャ(>>61)に心の中で後ろで見ていたのはレティーシャだったのか、と納得しつつそれでも笑顔で不安を与えないように話した]
ニハハ、別にマリーさんとはそういう関係じゃないにゃー ただちょっと…腕輪の事でね
[嘘は言ってないが全て本当でも無かった。レティーシャの頭をポンポンと叩くと、想像してるような事じゃなくてごめんね。とニヘラと笑って答えた]
(65) 2014/07/03(Thu) 08時頃
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ニハハ、そろそろ時間かにゃー
[扉の向こうでは車が来る音と、数人の迎えが喋る声が聞こえていた。まだ荷物まとめてないや。とか、レティーシャは見送りに来てくれたのか、とか変な事に思考を回しつつも最後にみんなに手紙くらい書けば良かったなって少し後悔をした]
…キリシマ先生、治らなかったらあの世でも殴るからね
[ボソリ、と呟くと開いた玄関から一歩踏み出してモノクロの世界へと出た。相変わらず外は曇天のように見えて、迎えに来た人は皆昔の写真で撮られたかのようだった]
またねー。なんちゃって
[病院の方へ向き、誰が聞いてるかもわからないのにお世話になった病院へお礼を言ってから車に乗り込んだ。この先生きてまたここに居る人に挨拶に来よう。そんな事を考えて]
(66) 2014/07/03(Thu) 09時頃
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