298 終わらない僕らの夏休み!
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[ いったん自宅に帰って、水着とタオルを持って。 千早はいそいそと学校のプールへと向かった。
足を向けながらも、 本当にプールが使えるんだろうかと、 少し疑問に思っていたのだけれど。
たどり着いた先で水面を見つめる人>>82に、 思わず入口のあたりで足を止めた。
残念ながら千早は、 その先輩が二つ名を轟かせ、 水泳部で活躍していた時代を知らない。]
(93) 2019/09/06(Fri) 22時半頃
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……すみません! みんなでプールにって、 2年の宍井澪先輩に聞いて……
2回目のとき、校門で会いましたよね。 私、岸千早です。えっと……安住先輩!
[ 明加先輩がそう呼んでいたことを思い出し、 ぽんと手を打って名前を呼んだ。
それから、少し気になっていたことを。]
(94) 2019/09/06(Fri) 22時半頃
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今日の集まりって、 9月1日を終わらせるために何か試すとか、 そういう目的があったり……します?
[ 尋ねながら歩み寄って、 千早も、光を受けて輝く水面を見下ろした。*]
(95) 2019/09/06(Fri) 22時半頃
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師範棋士 千早は、メモを貼った。
2019/09/06(Fri) 22時半頃
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──プール──
あっ……秋山先輩、 "今日は"元気なんだあ…………
[ よかった。といってしまっていいんだろうか。 人の運命を覆すみたいで、恐ろしいとも思う。
そんな思いがあったからこそ、 安住先輩>>102の言葉には歯切れ悪く息をついて。]
……でもほんと、 どうしてこんなことになってるんでしょう。 色々試すしかないんですよね、きっと。
……お隣失礼しますね、っと。
[ 靴下を脱いで、安住先輩に倣うように脚を浸す。 揺らぐ水の感触が心地よかった。]
(111) 2019/09/06(Fri) 23時半頃
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でも、よくプールなんて使えましたね。 授業以外でも使えるなんて知りませんでした。
[ ちょっとラッキーなんて、 不安から目を背けるように笑った。**]
(112) 2019/09/06(Fri) 23時半頃
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──学校・プール──
深い理由、かあ。
[ 水に浸した脚をバタ足の要領で動かせば、 跳ねた飛沫がきらきらと散った。
淡々と言葉を返す安住先輩>>124は、 千早にはなんだかすごく大人びて見える。]
安住先輩、落ち着いてますね。 私、どうしようもないのかもって考えても、 どうしてどうしてって、焦ってばかりです。
[ へへっと照れを隠すように笑う。
脚を水の中に浸していたら、 なんだかざぶんと飛び込みたくなって。 そろそろ水着に着替えようかなんて頃合い。]
(156) 2019/09/07(Sat) 09時頃
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[ 何気なく投げかけた問いかけに、 思いがけない答え>>125が返ってきて──、
それまでと変わらない口調に、 千早は少し戸惑い、逡巡の後に口を開く。]
それって、安住先輩のこと──ですよね。 水泳部だったんですね、安住先輩。
[ ほっそりとした白い体躯から、 あまり運動部とは想像していなかった。
意外だ、というニュアンスを滲ませて、 千早はそう呟いて、それで、]
(157) 2019/09/07(Sat) 09時頃
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えっと、ありがとうございます。 みんなでプールって、 なんかすごい夏休みっぽいし。
[ うーんと足を伸ばしてから、 よっと立ち上がる。
膝から下は気持ちがいいけれど、 顔や腕がじりじりと焼かれてくみたいだ。
安住先輩も着替えませんか。と、 我慢の限界みたいに千早は言って、
それから、何気ない調子で尋ねる。]
(158) 2019/09/07(Sat) 09時半頃
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これ、ただちょっと気になっただけなんで、 答えてもらわなくてもいいんですけど。
……なんで部活、辞めたんですか?
[ 先の二つ名を感じさえない容貌の先輩に、 少しばかり、興味が湧いただけ、なのだけれど。*]
(159) 2019/09/07(Sat) 09時半頃
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師範棋士 千早は、メモを貼った。
2019/09/07(Sat) 10時頃
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──学校・プール──
こんなときだからこそ、 落ち着いてられるのすごいと思います。
[ たまたま今、と安住先輩>>172は言うが、 それが今だからこそすごいのだ。 というのはあくまで千早の弁であり。
千早の距離感からはおとなしそうなその人を、 目を細めて見ていた。日射しがまぶしい。]
ハロウェ……? 蛙、ですか。へええ。
[ そんな呼び名がつくなんて、 相当なものだったのだろうと千早は思う。]
(186) 2019/09/07(Sat) 14時半頃
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[ 残念ながら千早はエスパーでもなんでもなく、 唯一そこにいた人が許可を取ったに違いないと、 推測をしただけだったんだけれど、さておき。
水面を揺らすほっそりとした足>>172を見ながら、 その聞き慣れない蛙の名前を復唱できず、 もごもごと口を動かすばかりであった。
それから、返ってきた返事>>173もまた、 千早にはイマイチ要領を得ないもので、]
(187) 2019/09/07(Sat) 14時半頃
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……泣く? それで、部活を。
[ 渋る素振りもなく教えてもらった答えは、 千早には少し難解で、首を傾ぐ。]
……負けちゃった。とかですか? あ、えっと、不躾な質問ですみません。
[ あの最後の試合、 野球部の先輩たちにも泣いてる人はいたっけ。
スマートフォンに視線を落としてしまった先輩に、 質問とも相槌ともつかぬ言葉を落として>>174。]
(188) 2019/09/07(Sat) 14時半頃
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[ そして、千早もスマートフォンに視線を落とした。 そして、グループチャット>>171を確認し、 ちらりと鹿崎先輩の顔が脳裏を過ぎった。
……そんなことをしていたころ、 「失礼します」と不可解な言葉>>176が聞こえ、 ふと顔を上げた、そのときちょうど。
──ざぷん。と水が波立って、 千早の頬にもひとひとと水滴が飛んだ。]
えっ……安住先輩!?
[ 驚いて、思わず身を乗り出す。 よくよく見ればスマートフォンを掲げる手。 うっかり落ちたわけじゃないらしい。けど。]
(189) 2019/09/07(Sat) 14時半頃
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びっくりするじゃないですか……でも、 安住せんぱーい、気持ちよさそうですね!
[ 制服のまんま水底を揺蕩う姿は、 なんだか、物語の1ページから抜け出たみたい。
それを見ていると、なんだか我慢できなくて、 千早もそうっと足からプールに身体を沈める。
水を吸った制服がずしりと重い。 覚束ない手ぶりで水をかき分け、 プールの中心に向かいながら、 誰か来ないかと入り口の方を見ていた。
制服が濡れたって、なんだ。 どうせ明日も、学校なんて始まらないんだろう。*]
(190) 2019/09/07(Sat) 14時半頃
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──学校・プール──
気持ちいいですねえ、ふふ。
[ ばしゃばしゃと水をかき分けながら、 千早は水面に顔を出した安住先輩>>191に言う。
そのまま、ふと話は巻き戻って、 相変わらずの調子で告げられた言葉に、 千早は水の中に突っ立って数度瞬きをした。
それから、千早なりに言葉をかみ砕き、 すこぅしだけ、思ったことをそのまま口にする。]
私は、悔しさをバネにせずとも努力ができるなら、 それは、ひとつの才能だと思います。
悔しくもなくて、努力もしなくて、 それで勝ちたいというのは、怠慢だと思いますが。
(206) 2019/09/07(Sat) 17時半頃
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[ 偉そうな口をきいてしまったかしらん。 千早は隠れるように、ざぷんと水に潜って、 十数秒後くらいには息が持たずに顔を出した。
そして、今思いついた。 という風に、安住先輩に告げる。]
替えの下着の件ですけど、 替えはないんですけど、逆に、 帰りに水着を着ればどうにかなりませんかね。
[ そういえば下着が透けるんじゃないかしら。 と思い、首から上だけを水面に出して。]
(207) 2019/09/07(Sat) 17時半頃
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[ そうこうしているうちに、 澪先輩がやってきて、安住先輩と言葉を交わし、
──なんと、そのまま水に入るではないか!>>202
のんきにプールに浸かってそれを眺めてた千早も、 思わず目を見開き、すいすいすいと泳いでいって、]
いいんですか、澪先輩。 秋山先輩来るんじゃ…… セクシー……ですけど……
[ アピールにしてはいささか大胆では? なんて思いを胸に、そう尋ねた頃合い、 プールサイドに現れた新たな人影>>205に、
「明加先輩もどうですかー!」と、 やっぱり首から上だけを水面に出して尋ねた。*]
(208) 2019/09/07(Sat) 17時半頃
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──学校・プール──
あっはっは、確かに。 明加先輩、似合わなーい。
[ 誘われるがままに、 水の中に落ちてきた明加先輩>>211。
服を着た女ばかりが水中に漂う光景は、 なんだか現実じゃないみたいだ。
……現実じゃないのかもしれない。こんなの。
それでも、水の冷たさも、 降り注ぐ日射しの強さも肌で感じている。
……こういうの、本当の9月1日にしたかった。 って、千早は思って、空を見上げようとして、]
(221) 2019/09/07(Sat) 19時半頃
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あ。大須賀、遅かったね。 一足先に入っちゃったよ。来る?
[ 1歳年下のオトコノコ。と言えど、 弟の友達なんてったら、もうほとんど弟だ。
澪先輩が歯切れ悪く弁明している>>220傍らで、 おいでおいでと手招きをして、ついでに。
プールサイドに向かって、 ばしゃりと両手で水を掬って飛ばした。*]
(222) 2019/09/07(Sat) 19時半頃
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──学校・プール──
[ とぷん。と大須賀の身体が水中に消える>>224。
跳ねた飛沫から逃れるように、 プールの中を漂いながら。]
あはは、冗談だよ。 泳ぎ方──は、澪先輩とか、 安住先輩に教えてもらった方がいいね。
[ 教えてあげよっか。と年上ぶろうとして、 適任者が他にいたことに思い出し、肩を竦めた。]
(237) 2019/09/07(Sat) 21時頃
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習い事がっていうか、 先輩がびしょ濡れになって泳いでるの、 なんか、意外な感じで。
[ 華やかな3年生のグループ。 そういう認識だった人>>229が、
制服のまんまずぶ濡れになって、 髪の毛だってぺしゃんこにして笑ってる。
それがなんとなく愉快で、 千早もやっぱり笑っていた。]
(238) 2019/09/07(Sat) 21時頃
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え、私の名前知らなかったんですか? ひっどい。って言いたいとこですけど、 そんなものですよね。学年も違うし。
[ 千早だって、安住先輩の名前は知らなかった。
学年が違えば、接点があるとか、 目立つ人くらいしか、名前を持たない。 ……みたいなところもあると、千早は思う。]
じゃ、これを機会に覚えて帰ってくださーい。
野球部1年へのお取次ぎはご遠慮──あ、 1年なんてガキンチョ、興味ないですかね。
[ へへっと冗談ぽく笑って、 何とはなしにピースサインを送る。]
(239) 2019/09/07(Sat) 21時頃
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[ 千早には知らないことが多くて、多くて。 簡単に、いつか一緒に迎える9月2日を考えて、 それから、やっぱり鹿崎先輩も一緒だったら。 ……って、夢想しながら水に沈んだ。
そういえば、根岸先輩からは返信がない。 この場にもいない。誰もそのことに触れない。
……そういうことなんだろうな。 って、千早は安住先輩がさっきしてたみたいに、 水の中から空を見上げてみる。
きらきらと光が水の中を漂って、 ……明日になったら、また思い出してる。 なんてことないのかしら。って、 願い川とも叶い橋とも離れた場所で願った。
それって、たぶん千早のエゴでしかないんだけど。*]
(240) 2019/09/07(Sat) 21時頃
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──学校・プール──
[ 何やら水泳教室が始まって、 そこそこ泳げる千早はその場を離れた。
かといってぐんぐん泳ぐには、 濡れた服が重たくって仕方ない。
水面をかき分けるように進んで、 どこか浮かない表情に見える澪先輩の元に>>253。]
……澪先輩、せっかくなのに、 秋山先輩のとこ、行かなくていいんですか?
秋山先輩には私が泳ぎを教えて進ぜましょう。 ……的な。
[ どうやら秋山先輩も泳ぎが不得手らしいというのは、 プール周辺で繰り広げられる会話で学んだ。]
(270) 2019/09/07(Sat) 23時頃
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それとも、何か気になることでも──って、 気になることだらけですよね、こんなの。
[ 口にしてから、馬鹿なことを言ったと気付く。 相変わらず、首から下は水に浸かったまま、 ぼんやりと空を眺めていた。*]
(271) 2019/09/07(Sat) 23時頃
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大丈夫、みんな透けてます。 それに澪先輩、スタイルいいですし。
…………じゃなくて、
[ 会長の呼びかけに返事をした>>281澪先輩。 お邪魔をしない程度にって思ったのが、 静かなトーンで告げられた言葉に目を見開く。
一度口を引き結んだあと、 おふざけのトーンではなく、口を開いて。]
あのですね。 こんなことになって、 私もびっくりしたんですが、 思ったより、私は薄情でして。
(287) 2019/09/07(Sat) 23時半頃
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見てください。 秋山先輩、今日は元気です。
鹿崎先輩は、お祭りで串焼き食べてました。 このことはすっかり忘れてるけど、元気でした。 根岸先輩は……たぶんですけど。 自発的に水場には行かないと思います。
[ 根岸先輩については完全に偏見と憶測である。]
(288) 2019/09/07(Sat) 23時半頃
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えっと、全部本質的な解決にはなりませんけど。 多分、鹿崎先輩も根岸先輩も溺れませんし、
もしお二人に何かあったら、 5度目の世界に残った人が、きっと助けます。 今日秋山先輩にしたみたいに。 カラオケにでも監禁しちゃえばいいんです。
[ 投げやりなんだかなんだか、 千早自身にもよくわからなかったけれど、
たぶん、そうやって言葉にすることで、 自分の気持ちを整理したかった部分もあった。]
(289) 2019/09/07(Sat) 23時半頃
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というか、きっと、 私たちにできることなんて、そのくらいなんです。
だから、澪先輩は、 巡ってきた今日を、楽しんでいいんだと思います。
[ 以上です。と言わんばかりに、千早は息を吸って、 それから、勇気を。という澪先輩に、 にいっと勝気な笑みを浮かべて──そうだな。
大きく腕を広げて、むぎゅっとハグを。 力強いやつをお見舞いしようとしながら、]
(290) 2019/09/07(Sat) 23時半頃
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あのね、きっといつか9月2日はやってくるから、
それまでは、いろんなこと試して、 9月1日の間に有効打を見つけて、 ちゃんと時が進み始めたら、 その正史で正式にぶちかましてやればいいんです。
なので、予行演習だと思って頑張ってください。
[ えいやっと、正面からすり抜けて、 澪先輩の背中をそちらに向けてとんと押そう。
少しでも彼女が、軽やかに進んでいけますように。*]
(291) 2019/09/07(Sat) 23時半頃
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