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[脂汗をかきながら虚ろに呟き、 血の道をつけながら、 アジトの扉をこじあけるべく戻ろうと、した。*]
(14) sane 2016/04/14(Thu) 20時半頃
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[がた ん ]
[明滅する視界の中、震える掌でアジトの扉に触れりゃ、 赤い手の痕が呪いみたいにこびり付いた。 銃創から赤黒い血が滴っていく。
喘鳴、ふらつく足音、 だけど俺は、 そこに転がって居る豚みたいに転んだりしない。]
(25) sane 2016/04/15(Fri) 01時頃
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[耳についたのはオレンジの声。>>19
”間違っている、間違っていた、” ――違う、俺は間違ってなんかない。 首を振って否定し、顔をあげる。
ぼやけるオレンジの姿と 穴だらけのグリーン、 それから、倒れているホワイトと思しき死体。
それらにひとつ、ひとつ視線を彷徨わせ、 へらりと笑った。
イライラするのはずっとクスリを打ってねェせいだ。]
グリー…………ン、 っはは、 ちゃあんと約束は守ったぜ
ところで、
(26) sane 2016/04/15(Fri) 01時頃
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なんでまだあんたは生きているんだ?
オレンジよォ……。
[けたけた狂ったように笑って、 (事実、痛みに狂っていた) ず、とベレッタの銃口を、オレンジの方へと向けた。*]
(27) sane 2016/04/15(Fri) 01時頃
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[ぼやける視界の中、 かちゃり、と微かにオレンジの手元が鳴るのがわかった。
耳鳴りが酷ェ。 眩暈がする。 禁断症状だ――とわかっていながら、 俺はただただ笑い続けていた。>>28>>29]
へえぇ……? そいつはてめえ、チキンだからじゃねえの 今も、何とか逃げようって腹なんだろ? 店で真っ先に逃げた時みてえにさぁぁあ……
(31) sane 2016/04/15(Fri) 02時頃
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[目を見開いて吐き捨てると唾が飛ぶ。 唇の端をつりあげた。
オレンジの手元で銃が光っている。 そうして喋る間にも撃たれるかもしんねえって事は 考えもしてなかった。 生き残るのは俺だと疑いもしないで、]
ア゛ァア゛ァ゛ァァア゛ッ!!
[死体を漁るように外を飛んでいやがる鴉よりも 酷ェ声でさ。
叫んで、撃った。 一発、二発。 狙いはズレて銃口はヤツの足のあたりを見ていたが、 どこに当たったかなんてわかりゃしねえ。**]
(32) sane 2016/04/15(Fri) 02時頃
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[声が震えてやがるのを感じて、>>33 唇の端を吊り上げ、無意識に唇を舐めた。
怯える獣を追い詰める時の感覚に似ている。 (俺はただのやせっぽちの野良犬の癖にな) 生ぬるい息を吐いては、 狙いをより正確にしようと瞬きを繰り返す。
ブチ抜いた先は、ヤツの腿。>>34 片膝を折った奴に撃ち抜かれたのは、右肩。>>35
必死で左手を右手に添え、 今にも銃を落としそうなのを耐えながら]
(36) sane 2016/04/15(Fri) 14時頃
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は、はッ はははは、はは…!痛ェなクソが!!
それじゃあ、逃げらんねえな ざまあみろよチキン
[イカれた俺は馬鹿みてえに笑って── グリーンの方をちらりと見たが
その時にゃ、奴がどんな顔してるか 生きてるのか死んでるのか
それすらわかんねえくらい視界が霞んでいた]
(37) sane 2016/04/15(Fri) 14時頃
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[ぐるり、眼球をオレンジの方へ戻すと ふらつき倒れそうになりながら── 口を閉ざして、その胸へ向けて二発。
残りは六発だと、それすら頭から抜けていった**]
(38) sane 2016/04/15(Fri) 14時頃
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[ヤツの身体ががくりと左に傾ぐのが見えた。 >>39
――なあ、だってよ、オレンジ。 これが滑稽でなくて何だってんだ。
そう答えることなく、ヤツの胸へ銃口を向ける。>>40 同時、腹の中心と左脇腹に焼けるような痛み。
ああ、ここが地獄か。 そう思ってしまうくらいには、暑くて寒くてたまらない。 嫌な汗がこめかみから顎を伝って―― 唇に広がったのは、あの時の珈琲よりも不味ィ血の味。]
(43) sane 2016/04/15(Fri) 21時頃
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[奴さんのどこに当たったかは俺にもわからなかったが、 腰を落としたオレンジの目が、ようやく見えた。>>41 それだけでなんだか愉快になっちまって、 痛みに喘ぎながら肩を震わせる。]
はは、 は、 は、ッ ママに頼るか、弁護士呼ぶか?! 死んだって弁償なんかァ、しねえ、よォ
[一歩、踏み出し、 一発、銃声が響く 一つ、視界が眩んだかと思うと、 俺は血にまみれた床に膝を折る。>>42]
(44) sane 2016/04/15(Fri) 21時頃
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[腿を痛みが貫く。 絶叫は声にならなかった。 汗ばんだ肌に髪が張り付いた。
最早手前じゃ笑っているかもわからなかったが―― その時俺は、嗤っていたんだろう。 悪魔のように。]
(45) sane 2016/04/15(Fri) 21時頃
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[血で濡れて真っ黒になったスーツ。 細い腕をあげて、 銃口をオレンジの二つの眼光の、中心に向けた。]
てめぇも、嫌いじゃなかった、ぜ……? じゃあな果実野郎
[――死ね。] [一発、二発、三発、――引き金を引いた。*]
(46) sane 2016/04/15(Fri) 21時頃
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[ごとん、
軽くなった銃がヤツの手から床に落ちて、>>50 血溜まりに小さく波紋を起していた。
青く青く晴れた空とは対照的に、 暗い、穴倉みてェなアジトの中。 ふと小さく燈ったのは――あれはライターの火か。>>51
鉄錆のニオイの中に一陣、タバコの煙が薫る。 臭ェと小さく咳き込んで、肺が痛み、 ヤツを睨みながら腕をあげて照準を合わせた。 ――こんな状況で吸うやつがいるかよ、ヘビースモーカーめ。]
(54) sane 2016/04/15(Fri) 23時頃
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[視界の端でグリーンが立ち上がり、>>49 オレンジの傍を通り抜ける その様子まで具に追えるほどの集中力は残っちゃいなくて (何かが落ちる音は聞こえたが)
ヤツから手向けられた「大嫌いだったよ」>>52に、 口の端をあげて笑ってやった。]
……そうかい
(55) sane 2016/04/15(Fri) 23時頃
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[ Bang ]
[発砲は三度。
脳天に鉛玉をぶちこんだ、 ヤツの倒れゆく様は、酷くゆっくりに見えた。
タバコの煙が二度鼻を擽る。 まるで白昼夢でも見ているようで――]
(56) sane 2016/04/15(Fri) 23時頃
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[水音。
揺らめく小さな燈が消えたその瞬間に、 目が醒めるようにして、目の前の光景を認識した。
血の海の中、物言わぬ骸が一つ、二つ、三つ。
俺は歓喜に打ち震えた。 吐き出す息が震える。 最早、暑さも寒さも汗も血も痛みも気にならず、]
(57) sane 2016/04/15(Fri) 23時頃
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―― 終わったぜ、グリーン。
なあ、……お前、
どこにいる?
(ころしてやるから)
(*1) sane 2016/04/15(Fri) 23時頃
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[最後の獲物を視界に収めようと、 視線を彷徨わせて、
あんなにも欲したブラック>>0:3がゆっくり視界を塞ごうとする。 何も見えなくなっていく。
くそったれ。 まだ寝るわけにはいかねえんだ。 ヤツを殺してねえんだから。
立ち上がろうとして、がくりと、血の中に座り込んだ。 辛うじて銃を握り締めた。*]
(58) sane 2016/04/15(Fri) 23時頃
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[どさ、と倒れる音が聞こえたが、>>59 そっちに顔を向けるのが限界で、俺はそのまま床に座り込む。 誰かに何かを語りかけていた気もするが知らねえ、よ。 こんなにぐちゃぐちゃの思考じゃ、 何かを纏めて考える事が難しい。]
ああ、そう、か…… 終わってねえか、 そうだな
[あんたを殺さなきゃいけないもんな。 ずるずると地を這う音がする。 耳鳴りの間に、 声が、荒い呼吸の音が近づいてくる。>>60]
(75) sane 2016/04/17(Sun) 06時頃
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死に損ないはァ…… あんたと、
俺、だよ
[急行に乗りそびれちまった。 今から間に合うもんかね。 自嘲気味に笑っていると
ふわり、
鉄錆のニオイがする。 ヤツの血の臭いだとわかるまでに、少し時間が要った。 噫、まだ血までは甘ったるくはねぇらしい。]
(76) sane 2016/04/17(Sun) 06時頃
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……
なン、だよ
[冷たい指先が不躾に口元と顎に触れて 雨に打たれた野良犬みてえに びくりと背を跳ねさせた。
噛み付いてやろうかと歯を剝き出したら、 ずるりと手が下へ向かう。
首筋、胸元、――触れてくる氷みてえな指先に、 一瞬、黙って、 燃え尽きそうな程熱い体を寄せた。]
(*3) sane 2016/04/17(Sun) 06時頃
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[薄らと濁った目を開けりゃ、 暗闇の世界から飛び込んでくるのは、 忌々しい男の色彩だ。
間近に見えた茶の髪に手を伸ばし、 汗が滲んで汚ェシャツの背襟ごと、ぎ、と握りこんだ。
顔を突き合わせるようにして、 もうろくに見えもしてねえグリーンを確りとこの視界に収める。 ちらと見えた銃に口の端をつりあげた]
>>61 ははッ。 天国までイかせてくれるってか。 一緒に墓入りなんて嫌だっつったのによ。
…………決まってンだろ、くそが。 [俺一人なら天国に高飛びを望んだだろう。 だが違う。この道行きは、]
(77) sane 2016/04/17(Sun) 06時頃
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―― てめえを道連れにすんなら、地獄だ。
(*4) sane 2016/04/17(Sun) 06時頃
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[囁き、汗と血の滲んだ頬を震わせ歯を剝き出して笑う。 襟足を握ってヤツの頭を引き寄せると 首のあたりに額を預け、
まだ生きていやがる事に――体温がある事に舌打つ。 すっかり熱を帯びたベレッタを そのままヤツの胸に突きつける。
息を吸って、
(酷い、俺のともヤツのともつかねえ血のにおいが肺に満ちる)]
[引き金を引く、引く、引く、――
弾丸尽き果て銃が空しい金属音を奏でるまで、 グリーンの銃口が、俺を殺すまで。**]
(78) sane 2016/04/17(Sun) 06時頃
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[乾いた笑いが溢れる。 押し当てられた冷たい掌を受け入れて、 背襟を掴みヤツを引き寄せる>>80刹那
窓の外で眩しいくらいだった太陽が、 雲に隠れていく様を見た。>>79]
(83) sane 2016/04/17(Sun) 14時半頃
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[――当たり前だ、クソが。>>81
ヤツの左手が胸から離れ――俺の背を抱く。 懐かしさに目を細める時間は無かった。 ことん、と胸にかたいものがふれて、]
ぁ、 ――
[撃つ反動と、撃たれる衝撃で身体が芯から震える。
それでも、呼吸の音も痛みもまだ、ここにある。
うねるような耳鳴りが近づいてくる。 外で何かが煩い。]
(84) sane 2016/04/17(Sun) 14時半頃
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[ずるりと俺に倒れこみ、 目から光を喪っていく身体を見下ろす。
襟足を掴んでいた手が離すに離せない。 頬に茶色い髪が触れた。
これで、終幕。 にげなきゃいけねえってのに、 ラリった時みてえに、俺はひどく気分がよかった。]
I'm singin' in th… rain Just sin…… in the ……
[あちらでもこちらでも人が死んでいる。 血を流してみんなまっくろさ。
あんたもそうなるのか? 背をとんと叩いて、抱えた死体を見下ろして微笑んだ。]
(85) sane 2016/04/17(Sun) 14時半頃
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[耳鳴りが近づく。 それが何なのかもう、わかっていたんだ。]
(86) sane 2016/04/17(Sun) 14時半頃
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…… I'll walk down the lane……
[俺はただ歌っていた。 血の雨が降った後で。 いつぶりか、豚がこじ開けた扉が耳障りな音を立てる。]
……With a happy refrain
[緩慢にそちらを振り向いた。 死体の背中を小刻みに叩きながら、 に、と穏やかに笑う。 軽い銃を向ける。]
Just singin' Singin' in the rain
[手元で空しく引き金が小さく囀り、]
[銃声。]*
(87) sane 2016/04/17(Sun) 14時半頃
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