310 【R18】拗らせ病にチョコレヱト【片恋RP】
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― 2年前・冬 ―
[それから間もなく、名も知らぬ男は隣室へ越してきた。大田と名乗った男は役者をしているらしい。 バイトの時は夜勤が多いらしく、執筆を終えた己が顔を洗いに行くタイミングでよく遭遇することがあった。
時間が重なれば言葉も交わす。引っ越しの理由を尋ねた>>1:245のは、彼のことが知りたかった訳でも、あの絵に言及してほしかった訳でもない。 あくまで世間話の延長として投げた、温度のない言葉だった。]
(102) 2021/02/16(Tue) 21時半頃
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[一瞬の間の後に帰ってきた答えはよくある響きを持っている。しかし、脳裏には窓の向こうに広がる青より、もっと白くて暗い、薄氷の海が広がっていた。 眼鏡の奥、瞳の内側で千々に爆ぜる火花を隠すように、青より黒い冬の海に逃げる。]
俺も――――、
[俺も、の先は、インクが切れてしまったように続かない。絵心は正しい価値観と共にどこかに落としてしまったようだが、白に黒を投じればどうなってしまうのかくらいは分かっているつもりだ。 雪の黒点は覆い隠せるが、水面の黒滴は止める前にすべてを濁らせてしまうのだから。]
望みが叶って、よかったね。
[音を溶かした分濃くなった息を吐き出す。それは白い靄となって、周囲に紛れて見えなくなった。]*
(103) 2021/02/16(Tue) 21時半頃
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― バレンタイン前日・ランドリールーム ―
[いつの間にか、ため息>>44が多くの理由を抱えていた。
口を滑らせたくなかったから酒をきっぱりやめたのに、詰めの甘い己はどこぞで何かを溢れさせてしまう。 自身の心はすべて朧なまま、形を見るのは自分だけでいいのに。無価値なものを晒す度に純度の高い嫌悪が募る。]
どうしたもんかなァ。
[不毛な忌避は隅へ払い、目下の議題を思考に広げた。
やや朦朧としていたとはいえ、記憶が飛ぶほどの状態ではなかった。所詮風邪だ。つまりは己がしでかしたことも、相手が誰だったかも、熱を排した脳にはしっかり残っているということだ。
ほとんどまともに話したことのない相手に、随分と迷惑をかけてしまった。1回目の洗濯物取り出し、2回戦に備え、残りを放る。 今度はただ立っているのが面倒になったという理由だけでしゃがみ込み、水の中で振り回される布を眺めた。]*
(104) 2021/02/16(Tue) 21時半頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2021/02/16(Tue) 21時半頃
エフは、レイに話の続きを促した。
2021/02/16(Tue) 22時半頃
地下軌道 エフは、メモを貼った。
2021/02/17(Wed) 00時半頃
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― バレンタイン前日・ランドリールーム ―
[ここ数日、何度か耳にしたかもしれない文言が耳に届き、顔を渦から引き離す。思った通りの鉄面皮>>139がそこにあり、想定よりも意図的に覗き込まれていた。]
お かえり……っと。
[たまにしか口にしない出迎えの言葉を生贄に、ごく自然な動作で視線を外した。見つめられればさりげなく視線を逸らすのは、昔>>136も今も変わらない。 伏せた瞼は立ち上がるための力に変換された。やや停滞していた血液が再び巡り出したのだろう。足の裏がじんじんと痺れていた。]
(147) 2021/02/17(Wed) 07時半頃
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悪いけど、急ぐなら隣使って。 あと……まァ、そこまではかからないから。
[洗濯機に表示される数字は一桁にはギリギリ届かない程度か。古い方の洗濯機も当然現役ではあるので、彼の作業スペースを与えるように半歩奥へ逸れた。 ようやく普段通り適度に遠く冷えた線引きの外へ戻れた気がして、無意識に短い息を吐く。未だ寒さ厳しい朝だが、この程度の熱では白い靄は現れなかった。]
本当にもう大丈夫。 これも念のためみたいなものだしね。
[だから、その瞳を己のためだけに定めないでほしい。とは、口にできないけれど。 悲恋の舞台に立つ男女>>132のように望みへ必要な形を手渡さないが、それでもこれは決して悲恋ではなかった。性癖とも違う。この停滞は、己のただひとつの恋だ。
マスクの縁に指をかけるフリをしながら、視線は自室の方へ向く。まるで壁を透視でもできるかのように、ふ、と。目元がほんの僅かに和らいだ。]
(148) 2021/02/17(Wed) 07時半頃
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― ここ数日の話 ―
[寝ている間に額から剥がれかけた冷却シートに、逆に端まで綺麗にかけられた布団。テーブルには風邪薬と追加の冷却シート、レトルトのお粥が並んでいた。 「お大事に」とメモに書かれた文字>>126はどことなく力の抜ける柔らかさがある。 それが彼女らしいのかどうかを判断できるほどの関わりは手元になかったが、風邪を治すために必要なものは明らかに充実していた。 数日休むだけで完治したのは、間違いなく柊の助力あってこそだろう。]
さすがにのど飴はなァ……。
[礼というよりお詫びの意味合いが強い。三上の時も管理人の如月に焼き菓子を渡した。今回もそういった何かを準備すべきだろう。
生憎この部屋には、のど飴にレトルトカレーや魚の缶詰、レンジで温められるご飯くらいしかない。 タバコは吸うが、酒も飲まなければ甘いものも基本食べない。彼女の好みを把握している訳ではないが、それでも備蓄と柊の嗜好が噛み合うとは思えなかった。]
(149) 2021/02/17(Wed) 07時半頃
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[備蓄ののど飴を贈呈品として押しつけられた全身氷水の方は、おそらく体調を崩すこともなかった>>120ようだった。 毎朝似たような時間にヒールが木の床を叩く音が聞こえる。歩調は常と変わらぬように感じられ、あの背筋の伸びた堂々とした足取りを思わせた。
それとは別にもうひとつ、早朝に響く足音があった。 音だけでは誰のものか判別がつかないが、この部屋より右側の扉を開けるのはたったひとりしかいない。 いつもなら世間話の増える時期>>102だ。しかし、今回は己が部屋を出ることがほぼなくなってしまったため、顔を合わせる機会はあっという間にゼロになった。]
(150) 2021/02/17(Wed) 07時半頃
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[――焦がれる。飢えていた。 今すぐにでも扉を開けて、その姿を視界に収めたい。そうして溢れた感情を、誰にも見えない深層に埋め立ててしまいたい。 横たわる身体に熱が籠っていく。自ら望んで関わりを最小限に留めている癖に、己以外に阻まれた途端、簡単に崩れそうになる。まるで子どもの癇癪だ。
触れたい。けれど、近づきたくない。 見つめていたい。けれど、振り返らないでほしい。 恋を味わうのは己だが、その恋に己は一番邪魔だった。
雁字搦めだった。それでいい。 身動きが取れぬよう繋がれた方が線引きを越えずに済む。 恋を永遠に舌の上で蕩かしていられる。
だって、あの絵画はこれからもロビーに佇むのだ。 寒色の海が白い飛沫を上げ続ける限り、冷々たる景色の中で白い外套の青年が肌を灯し続ける限り、青年の瞳が海より深い色を湛えつづける限り、大田竜海は何度だって同じ場所からあの絵に熱の見えない視線を注ぐのだろう。]
(151) 2021/02/17(Wed) 08時頃
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[それを、一歩引いて見ている。それこそがひとつの作品であるかのようだ。 であればこそ、作家は作品に介入しない。立ち入り禁止のテープを跨ぐようなことは、決してない。
完成した世界の前の停滞の、なんと甘露な味わいか。 本来物語として許されない一瞬>>133を永遠にする。それは、いつだって何より男を興奮させた。
――まぁ、今回の飢えはスポーツドリンク>>139ひとつで簡単に和らいだのだが。 バイト帰りなのだろう。彼の姿を見るのは普段すれ違う時と変わらず、夜か朝が多かったか。 柊といい、大田といい、普段は宅配員くらいしか迎え入れない『朧の間』の戸が何度も開かれる珍しい事態となった。
特に避けていた訳ではない。しかし男の部屋にわざわざ訪れるような者はいなかった。 故に”ここ”にいたのは、兄>>99だけだったのだ。]*
(152) 2021/02/17(Wed) 08時頃
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― 『朧の間』 ―
[自身の成人祝いだった。兄弟水入らずで訪れた『朧の間』には、料理が一品ずつ運び込まれる。 酒は兄が選んだ地物の日本酒だ。海老真薯に蟹の餡をかけたものは口内の何もかもが優しい口当たりで、柚子の香りが心地よい。里芋は芯までねっとりと甘く、季節の野菜は目にも鮮やかだ。カワハギの薄造りと鱧の湯引きが到着する頃には、ふたりともすっかり酔って、普段より饒舌に話をした。
孫には案外甘かった祖父の話、近所の犬にこっそりお手を仕込んだこと、学生時代に好きだったお弁当の具材に、お互いに読んでみてほしい本の紹介。ここには兄に後継としての期待をかける者も、己に与えられる自由を羨ましがる者も蔑む者もいない。世界で一番尊敬する兄とふたりきりだった。
既に父が跡を継いだ会社に就職した兄は、確実にキャリアアップを重ねている。今後またこうしてふたりで出かける機会があるかどうか分からない。]
(153) 2021/02/17(Wed) 08時頃
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[原因は緊張と酩酊。それから、どうしようもない油断。 兄にあの時>>1:212>>1:213の話を、した。]
(154) 2021/02/17(Wed) 08時頃
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[兄>>0:16は相手を思って一言嗜めたものの、それ以上己を責めることはなかった。酒でいつもより緩んだ口調で告げる言葉は軽い。過去のこととはいえ、弟が必要以上に塞ぐことを避けようとしてくれているのだろう。慣れ親しんだ、優しい兄だった。酒気と経年で表情や声音が掠れてしまっても、それだけは分かる。
だからこそ、普通>>134の感性がそれを恋と認めてくれないことを理解してしまった。
*
――それから暫くして、あの旅館がシェアハウスとして生まれ変わることを知った。料理もサービスもよく繁盛していたと思ったのだが、理由に興味はなかった。重要なのは、あの『朧の間』が『朧の間』でなくなってしまうことだけだ。 大学の卒業を待たずに家を出て、すぐに入居を決めた。部屋の名前だけは残してほしいと願った結果できたのが、あの部屋だ。]
(155) 2021/02/17(Wed) 08時頃
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[賀東荘2階、端から2番目。そこは『朧の間』。 誰にも認められなかった恋の埋葬地である。]*
(156) 2021/02/17(Wed) 08時頃
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― ランドリールーム ―
[それから10年以上の時が過ぎた。あれから何度も恋に落ちて、何度も終幕を迎えた。相手と想う先が人間である以上、心は移り行くものだ。一瞬の熱を忘れぬよう、何度も火花に似た音を立て文字を連ねた。 ふと、隣人へ視線を落とす。]
――。
[遠い昔のことを思い出していたせいで、もし途中何か話しかけられていたとしても反応できなかった。未だ夢の中にいる心地のせいか、目元の和らぎが拭いきれていない。大田がこちらを見ていようがいまいが、普段より温度のある瞳が彼に注がれ、柔く笑んだ。
だから、彼は特別なのだ。 不変の想いを注ぐ彼は、己に永遠の恋を与えてくれる。 これまで幾度も重ねた恋とは一線を画す、
ただひとつの、恋なのだ。
朧は朧のまま言葉を得ない。静寂の視線だけがある。]
(157) 2021/02/17(Wed) 08時頃
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[彼がこちらを見ていなければそれでいいし、こちらを見ていたとしても動揺することなく、普段通りの平熱へ戻る。何か違和感を抱いている様子なら、大丈夫の一言くらいはかけたかもしれない。 洗濯機から電子音がする。2回目が終わったらしい。]
……そうだ。
[当然のように黙殺した変化へ、別の話題を塗り重ねる。]
大田さんってさ、お菓子売ってる場所詳しい? 具体的には若い女の子が喜びそうなものがあるとこ。
[三上へ焼き菓子を贈った時は、コーヒーに合うものという基準があった。彼と己には『COFFEE NARUMI』という共通点がある。一方は店主であるのだが、彼自身コーヒーを好んでいるように見えていたから。 今度の柊にはそれがない。強いて言うなら在宅勤務同士であるところか。しかし詳細までは把握していないため、そこから先へ進むことは難しい。
大田なら劇団のメンバーと接する時に何か耳にしているかもしれない。 彼は食にあまり興味がないようだが、味に一切の関心がない者とは異なる>>135ことを既に知っていた。]
(158) 2021/02/17(Wed) 08時頃
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たまたま聞いただけだから、深く考えなくていーよ。 なけりゃ適当に調べて買いに行くし。
[普段なら、尋ねることもなかっただろう。あくまでこれは、長い沈黙と視線の微熱を覆うための隠れ蓑でしかない。
乾燥まで済ませた洗濯物を取り出すと、2回分の成果が山になった。これを片づけてからでは、最速でも出発は昼になる。それならもう少し日が翳ってからの方がいい。]
夜には全部売り切れ……なんてことはないわな。
[どこぞ>>1:236で呼ばれた名に見合う理由で予定を先送りしながら、世間話の温度で回答を待った。 世間はバレンタイン直近。実感の湧かない男には、予想がどちらに転ぶか分からない。]*
(159) 2021/02/17(Wed) 08時頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2021/02/17(Wed) 08時頃
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― 道に灯がともった日 ―
[採用の報せに気づいたのは、丸一日寝通した後の夜だった。普段なら寝すぎで頭痛を抱えるような時間だが、身体がやられている時はむしろ効果的らしい。頭の中心にすり潰したミントでも刷いたように、視界も思考もやけに晴れていた。
日程表は事前に提示されていたものから大幅に短縮されていた。収録まで既に1週間を切っている。 メンバー>>177に交渉中の記載があることからも分かるが、急ピッチで作業が進められているようだ。そこにはもう、あの声を持つ子>>74のデータはない。残念がる執着はないが、いないと認識できるだけの興味はここ数日で育んだものだ。 公開予定日が2月14日ならば、急ぐ理由は明快である。
あまりにも減らないものせいで時に部屋番号のベース、届け物の梱包、果てはひとりぼっちの紙飛行機。 最近、活躍の幅を広げている原稿用紙を一枚引き抜き、いくつかの丸を描いた。]
(193) 2021/02/17(Wed) 20時半頃
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[――そして、あっという間に収録当日。
予備の冷却シートと風邪薬で近々の〆切を乗り切った後の対応は、会社と担当の青年に任せた。あちら側の都合もあるだろう。リテイクを繰り返す時間がない以上、お互いの妥協点は的確に見つける必要があった。それなら必要なのは己より、作品をよく知る彼らだ。 気合の入った青年の声を冷ややかな顔で聞いていることなど、相手には伝わっていないだろう。 こういう時、音はいい。周囲の景色が途端に狭くなる。
己の良さを語る担当を疑う気にはならないが、その内容を信用しているかといえばそうでもない。自分の価値は自分が一番よく知っているつもりだ。青年は仕事もでき、性格も良いが、きっと見る目だけはない。己の一番の理解者は自分自身だ。ならば評価もそれに準ずるべきだろう。
自分に恋をする人。 自分に才能を見出す人。
誰も彼も、分かっていない。 それは幻滅に値する行為だ。 それこそ、千年の恋も冷めてしまうような。
昔痛んだ頬に触れる。くたびれた肌があるだけだった。]
(194) 2021/02/17(Wed) 21時頃
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[選んだシーンは3つ。 参加メンバーそれぞれがメインになれる場面を選んだ。
その中のひとつに、恋敵の情熱的な口説き文句>>79――の後、ヒロインが主人公の元へ戻ろうとするところで、恋敵がその腕を取り、引き止めるシーンがある。 恋敵はただ愛を重ねた。想いを言葉の形にして、彼女の前に惜しげもなく差し出してみせた。 しかし彼女は首を横に振り、こう言うのだ。
『さようなら』
[彼女は恋を語らない。しかし、何度距離が離れても、最後は必ず主人公の元へと帰っていく。
人形のようだと思う。節々に括りつけられた糸が、内へ内へと手繰り寄せられているかのような。執筆を重ねても、どこか他人事であるような感覚は消えたことがない。
仕事である以上、当然手を抜くような真似はしない。しかし男の文字には熱がなかった。きっとあの別れの言葉に指で触れたら、全身が氷ってしまいそうだと思っている。]
(195) 2021/02/17(Wed) 21時頃
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[収録を終えたと聞いてからそう立たない内に、サンプリングされたデータが送られてくる。 近所のスーパーの袋>>174を漁りながらヘッドホンを被った。再生ボタンを叩いた指は、すぐに爪をビニールの蓋に立てる。余分を有する一箇所を摘んで、硬いと思えば縁を掻いた。爪が短いせいかなかなか上手くいかず、苦戦を強いられる。]
――――――。
[途中で手を止めたせいで、ようやくビニールの蓋の縁に生まれた穴から甘いシロップが溢れ、指を濡らした。 ぬるいフルーツゼリーが手の温度に近づく頃、ようやく息を吸う。シークバーを一番左へ戻し、再生ボタンを押し直した。]
(197) 2021/02/17(Wed) 21時頃
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[彼女は、恋を語らないと思っていた。 それがどうだろう。命ひとつ吹き込まれるだけで、語らないはずだった言葉がここまで届くようだ。彼女たちもまた、本気>>178なのだろう。 『さようなら』は諦念による別れではなく、彼女自らが望んだ帰還に変わった。
空気が震え、世界が生まれ変わる。 電子の向こう側、誰かの命を、世界の価値を呼び起こす。
原稿の表紙に刻まれた二文字は、『軌道』。
劇的に何かが変わった訳ではない。 それから先も相変わらず名前は空白のまま>>44だし、己への評価も不動だ。 それでも、どこかの道に足元を照らす優しい灯がともったことには違いないのだ。]*
(199) 2021/02/17(Wed) 21時頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2021/02/17(Wed) 21時頃
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― バレンタイン前日・ランドリールーム ―
[>>201稀の迎えには礼儀正しい挨拶が、 常の逃避には気に留めぬ日常が返ってくる。]
そこまで足腰弱っちゃいないよ。 ……少し体力つけないと。とは、思ったけど。
[感情の起伏の少ない彼>>202の言葉を、冗談と言わんばかりに鼻で笑う。 栄養の偏った食事に乱れた睡眠時間、運動不足と不健康が徒党を組んでやってきたような生活環境には、些か見直しが必要かとは考えないではなかったが。
それができるならこんなことにはなっていないのだが。 呼吸にマスクを膨らませる男からは真新しい煙の匂いがする。大元はどこにもない。 来客を知らぬ朧のせいで、その姿は誰にも晒したことがなかった。]
(222) 2021/02/17(Wed) 22時半頃
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[差し入れ>>204を受け取りに引き戸を開けた時も、男の手には何もなかった。しかし、部屋の奥、パソコンの傍らには、灰皿に積まれた白い山が見えたかもしれない。
彼の視線を追えたなら軽薄そうな笑みを浮かべ、]
ざんねん、企業秘密。
[と、肩を竦めて見せた。]
(223) 2021/02/17(Wed) 22時半頃
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[あの時、彼から外される視線というのも新鮮だったが、今日のは特別に格別だ。 古い洗濯機の前に立つ彼>>206は、処理にエラーでも起こしたように固まっている。
本来であれば、これは望まぬ事態だ。 彼の瞳はあろうことか己に向けられ、 何度瞬きを繰り返しても逸らされる気配はない。 あの絵画と見つめ合っている時とも違う、 己に向けられた顔。自分だけの彼。きっと誰も知らない。
――身体の芯を駆け上がるものがあった。 マスクから返ってくる息が熱い。遮るものさえなければ、白い靄を吐き出してしまっていたかもしれない。
結局、今回もこちらが先に視線を外した。
だから、彼の格別が混乱のままでいる内に新しい道を塗り重ねる。 操り人形のように頷く様子に、喉の奥をくつくつと鳴らした。まだ残っていたざらつきを誤魔化すように、軽い咳払いを添えて。]
(224) 2021/02/17(Wed) 22時半頃
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[ちょうど手元にあった疑問を投げてみたところ、彼>>209には思い当たる店があったようだ。 いくら出不精とはいえ10年近く過ごした土地だ。具体的な情報>>210を聞いて記憶からだいたいの見当をつけていたのだが、大田>>211は再び固まっていた。 しかし今回の硬直はあまり長くは続かず、当たり障りのない返事のみが戻ってきた。
思案に、瞳が流れ星のように斜めに落ちる。 積み上がる己の洗濯物をとっかかりに、直近の言葉を掘り返してみる。]
……そーね。
[分かったような、分からないような。 ただ、胸の内に大きな飛沫が跳ねた。例えるなら、あの時>>1:163みたいに。]
何というか、分からんでもないな。
[主語のない呟きひとつ。綺麗にした籠に詰め込まれた洗濯物を抱える。山が両者の間に立ち塞がり、表情はマスク以上に見えなくなった。]
(225) 2021/02/17(Wed) 22時半頃
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今晩もバイトあるの。
[唐突で端的な問いに彼はどう答えただろう。YESならば、明日へと続く。その次はない。 ふうん、そう。興味がないのか感情がないのか、淡々とした相槌だけを返す。]
それじゃ、お先。
[いつも以上に簡素な別れと共に歩きだした]*
(226) 2021/02/17(Wed) 22時半頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2021/02/17(Wed) 22時半頃
地下軌道 エフは、メモを貼った。
2021/02/17(Wed) 22時半頃
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― 昼頃・『朧の間』 ―
[答え>>246を得た後、まっすぐ自室へ戻った。 ふたつの籠にたんまり詰まった洗濯物と対峙する。こういうものは一気に片づけた方がいい。段ボールの中から取り出してばかりのレトルトセットが、身を挺してそのことを教えてくれている。
面倒な作業に飽きることがないよう、ここ数日と同じように動画一覧を眺めた。 目についたのは一番上に表示されているもの。どうやら今ちょうど配信されている>>74ものらしい。
聞き覚えのある話題>>76>>78>>79に渋面に似た表情を浮かべる。しかし再生を止めることはなく、代わりに作業の手を動かし始めた。
落ち着いた声の向こう、微かに波の音が聞こえる。]
(248) 2021/02/18(Thu) 00時頃
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[その問い>>80は、新鮮な響きを持って飛び込んできた。
たぶん、考えたこともなかった。 想いは言わないものであって、 形を取らないものであって、 可能かどうかなんて考える以前の話だ。
言えたとして、言わない。 言えないとしても、言わない。 ならば、そこに何の違いがあるのだろうか。
ただ、もし。 もし、そういうものがすべて取り払われた時、 自分は想いを言葉にできるのだろうか。 朧が朧でなくなる時、それを許せるのだろうか――]
(249) 2021/02/18(Thu) 00時頃
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[気づけば配信は終わって>>109いて、山のようだった洗濯物もあるべき形へと戻っていた。 すべてを元の場所へ送り届けると、天頂に近づく太陽を前にベッドへ潜り込む。]
ハ……馬鹿馬鹿しい。
[答えは、最初から決まっていた。 乾いた笑いが鼻腔を通り、どこへともなく消えていく。]
(250) 2021/02/18(Thu) 00時頃
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[――無理に決まっている。]*
(252) 2021/02/18(Thu) 00時頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2021/02/18(Thu) 00時頃
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