208 【突発誰歓】ーClan de Sangー【R18薔薇】
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[そうして手招きの後、青いカンバスの前、彼の膝の上に座ることになるか。 彼よりも体格は劣っている、けれど決して小さな身体ではない。 重くないかと問うより先、伸びてきた筆に身体は硬直する。
それは、思ったよりも軽く、簡単に折れてしまいそうだと思った。 恐る恐るといった風に筆を握れば、包まれた掌に導かれるままにカンバスに色を置いていくだろう。 一色、一色。 はじめは荒かった絵も、細部が書き込まれていく内に精密なものへと変化していく。 硬直していた身体から、だんだんと力が抜けていくかのように。
青い空、揺れる赤い髪、肌に微かな古い傷跡。 もしかしてを問うより先に、彼の描きたかったものの事を語られれば、口を噤んだ。
そうして絵は出来上がる。 清涼な青空の中佇む、一人の青年の姿を。 驚くほどに鮮やかな手付きで描かれたそれを見ていれば、筆とパレットとを差し出されるか。
きょとん、とした顔でそれを見下ろすも、その内に意図を察して困ったように眉を寄せる。 それでも、手を伸ばして受け取って。]
(*17) kirisame1224 2014/12/31(Wed) 08時半頃
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……後で、ちゃんとフォローしてくれよ。
[浮かべた苦笑の顔のまま、受け取った筆とパレットとを両の手に持ち向き直る。 朧な記憶とはいえ、人の顔の造形までは忘れない。
とはいえ、それをカンバスに描いていけるかといわれれば、また別の問題になるのだが。
ゆっくりと、ゆっくりと、色を選び、色を置いて。 歪に、それでも、描き進めて。]
……おう、何遍だって、聞くから。 俺が忘れても、……忘れなくても。
[そう告げて笑えば、筆を“ボリス”へと返すだろう。 子供の落書きの方がずっとマシであろうそれに、改めて向きあえばじっと見つめて。]
なぁ、 ……絵、教えて?
[“お願い”、と、付け加えて笑った。*]
(*18) kirisame1224 2014/12/31(Wed) 08時半頃
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[月の昇る頃。 夕餉のベルに応じずとも、そして薬を口にせずとも、咎める主は現れず。 微かな違和を胸のどこかで感じていた中、筆は置かれたか。
抱きしめられるままに、そっと手をその背に回して。 服越しに聞こえる、心臓の音。]
……あ、ぁ。 それは俺もお願いしようと思って、……続き?
[夢を一人で乗り切る勇気はなかった。 だから、部屋に呼ぼうかとは考えていたのだけれど。]
悪い、……あんまり覚えてなくて。 ……部屋で聞かせて貰えるか?
[そう言って、回していた腕を解き、その手を引いて自らの部屋へと誘おうか。]
(30) kirisame1224 2014/12/31(Wed) 21時頃
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[交換したばかりのシーツは、不格好に敷かれていながらも完璧に近い程真白だ。 先立って自分が腰を下ろせば、ぽん、と隣を叩いてみせる。 彼が隣に腰掛けたのに、その顔を見上げればに、っと笑ってみせて。]
……ほら、続き。
するんだろ?
[そう言って細まる瞳の奥に、『また今度』の記憶は映っていただろうか。*]
(31) kirisame1224 2014/12/31(Wed) 21時頃
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− 自室 −
[見つめる瞳を、じっと赤い瞳は見つめる。 指先が触れた頬は、笑みの形。 彼の瞳は、こんなに青い色をしていただろうか。 触れた鼻先にそんなことを思っていれば、妙にそれが照れくさくなって目を閉じる。 微かに、顔を傾けて。]
……、ん、
[僅か、身体を寄せれば、触れるだけの口付けを。
睫毛と睫毛とが触れ合うような距離、そっと唇を離せば笑んだように息を漏らす。 薄く、薄く目を開いて。]
“この間”は……、ここで、終わってんのか?
[そうわざとらしく問えば、再び唇を寄せる。 微かに開いた唇から伸びた舌は、ちろりと擽るように上唇に触れたか。 そっと、腕をその身体へと伸ばす。]
(34) kirisame1224 2015/01/01(Thu) 02時頃
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……俺頼りなのかよ。 俺の事、覚えててくれねぇの?
[冗談には、冗談を重ねていく。 深まる口付けに目を閉じれば、抱き寄せられるまま背に腕を回し、そのシャツをそっと掴む。 髪をかき分け、地肌へと触れる指に、背筋が震えるような感覚。 荒い呼吸を試みていれば、鼓動がすぐ耳元で鳴っているような錯覚を覚えるか。]
……っ、 は、
[凭せた身体を押し付けるように、体重をかけていけば、その背はシーツへと触れるだろうか。 背に回していた片腕を解けば、自らのシャツの釦を1つ、2つと外して。]
最後に、シーツ汚しちまったら、 ……主、怒るかな……
[冗談めかして笑いながら、わざとらしくシャツを肌蹴て見せる。 指差して示すのは、肩口の結び目か。
それが、解きやすいように緩められていることを知っているのは、包帯を巻いた彼だけで。*]
(36) kirisame1224 2015/01/01(Thu) 03時半頃
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[結び目を解くのに常よりも時間がかからぬ事に、気付ける程余裕があるわけではない。 向き合う格好のまま、寝台で。 彼に包帯を解かれるのは初めてではないというのに、どこか可笑しいのは普段とは違う空気だからか。
肌蹴た服のあわいに差し入れられる手の温度に、ふっと息を吐く。 そろりとシャツを脱げば、薄く血を滲ませる傷ごとが外気に触れる。 再び唇を寄せて口付けを請いながら、向き合う彼の着衣を緩めにかかるか。]
シーツ干してったら、誰かちゃんと回収してくれんのかな……
[一人で洗うのが大変だとしても、二人ならば直ぐに洗い終わるだろうか。 そうして、旅の支度を二人でして。 世界を回る準備をして。]
……反対、されないといい、よなぁ
[瞳を細めてそっと笑う。 晒した首元に顔を埋めるように、身体を擦り付ける。
いつか人並みの絵が描けるようになれば、主にも見てきた世界を教えられるのだろうか、なんて。]
(52) kirisame1224 2015/01/01(Thu) 15時半頃
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……手、汚れる、
[包帯を解けと、暗に促したのは自分だというのに、傷に触れられればそんなこをと述べる。 薄い皮膚、滑るような感触。 重ねた唇に、震えた吐息。
掌が内腿に伸びるのに、押し倒す格好から身体を僅かばかり起こす。 開いた空間に伸びた指は、緩やかな動きのまま甘い刺激を齎して。 薄れかけた其処に、再び赤く印がつけば、小さな声を漏らしたか。]
……っ、 ……わかったよ、……悪かった、
[わざとらしく苦笑してみせれば、自らもそっと手を伸ばし、下衣を寛げる。 触れた茎を数度擦れば、軽く腰を押し当てて、その指の絡む自身とを擦り合わせるか。]
……俺だけ、やられるのは、 やっぱ、やだ、
[そんな風に笑いながら、甘く刺激を分けあっていれば、自身は確かに熱を帯びるか。 吐き出す吐息に、幽かな声が交じる。]
(68) kirisame1224 2015/01/01(Thu) 22時半頃
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……ん、『やっぱ』、
[思い出したのか、覚えていたのか、それともただの偶然か。 微かに笑むのに、唇の端を吊り上げる。
二人分の熱を擦り合わせながら、唇を寄せ、幾度目かの口付けを強請るだろう。 揺らぐ腰の動きが隠し切れないものとなった頃、抱き寄せられるままに姿勢は入れ替わるか。 熱に滲んだ赤い瞳が、じっとその瞳を見上げる。 シーツが汚れると、無意識に背は反って。]
……ん、 ッ、ぅう、 ……ッふ、
[『お願い』と共に、重ねられる唇。 指先が探るように触れるのに、そっと両の足を開く。 そろりと、背に腕を回せば、力を込めて。]
(71) kirisame1224 2015/01/02(Fri) 01時頃
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……愛して、る。
愛してる、……クアトロ、
[ひゅ、と、息を一つ吸う音の後。]
……、……ボリス、……?
[確かめるように、名前を呼んだ。]
(*34) kirisame1224 2015/01/02(Fri) 01時頃
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[わざとらしく告げられる『初めて』の言葉。 それが嘘偽りであることを、彼は知っているだろうに。 幽かに苦く残るのは、浴場での記憶。]
んなこと、言われなくてもわかっての。 ……酷くしない、ことくらい、
[そう言いながらも、進み入る指先に、反射的に視線は逸らされる。 息を吐き出せば、違和を快楽へと掏り替えていくように。
そんな一つ一つの動作から、自分はやはりこういった行為に慣れているなどと悟るだろう。 その度に誰とどんな言葉を交わしたのか、そもそも抱かれたのは誰だったのか。 覚えていられないのが、ただ、辛かった。]
……ッ、 ぅ、そこ、 そこ、……もっと、
[そんな考えを紛らわすように、一瞬掠めたように触れた箇所への刺激を強請るか。 真っ直ぐに、その顔を見つめて。]
(74) kirisame1224 2015/01/02(Fri) 02時頃
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[かつて、誰の腕で抱かれたのか。 それらを覚えていられないのは、これが最後になるように。 これからは、言葉の一つ一つを覚えていられるように。
そういう決心では、この行為は『初めて』となるのではないだろうか。 そんな思いつきを口にしては、甘いと笑われてしまうだろうか。
涙を薄ら滲ませるその頬に、そっと指を添わせる。 唇を、寄せて。]
……ごめん、 愛してる、 ……ありがとう、
[宛てがわれる熱を迎え入れるように、息を深く吐いて。 自ら唇を寄せれば、目を閉じた。]
(*36) kirisame1224 2015/01/02(Fri) 02時頃
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……何泣いてんだ、ばか、……
[青を滲ませた雫が、頬へと触れた掌へと落ちる。 掌を滑らせるようにその雫を拭えば、身体を寄せて刺青の瞼に口付ける。
その涙に濡れた掌は取られ、指と指が絡みあい。]
ん、……忘れない、……忘れないで、……思い、出していくから、
[過ごした時間の、一つ一つを。 少しずつでいい、思い出していきたい。 その決心を、誓うように、掌を握り返す。
指が快楽を齎していた時間は、本当に僅かだった。 指の代わりに押し入る熱に、く、と喉が反る。 それを捕まえるかのように伸びてきた手に導かれるように、再び顔を寄せて。]
(*39) kirisame1224 2015/01/02(Fri) 03時頃
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……は、ァ、……ぁっ、 あ、 な、ァ、……はい、 った、……?
[震えた声で、問いかける。
背に回したままの片方の腕に、力を込めれば口付ける。 暫くは動かないでいて、と、小さな声での『お願い』を。 そうして、暫しの後に動いていい、と掠れた声で呟いた。]
(*40) kirisame1224 2015/01/02(Fri) 03時頃
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[繋いだ指先から抜けそうになる力を、必死に留める。 反らせた首元へと唇が降る度、その指先は幽かに跳ねた。
全てを納めたと、その声に数回に分けて息を吐き出す。 意図的に動いていない、そうはわかっていても内側の動きに身体は震える。 時折、きゅうと裡を締め付ければ、あ、と短く声を漏らした。]
……ん、……動いて、 ……動いて、いいから、
[滅茶苦茶に、とも、好きにしろ、とも口にしなかった。 口にせずとも、きっと応えてくれるだろうからと。 揺する動きに、応えるように腰を動かして。]
……は、 ……あ、っ、あッ、あ、 ぅ、ッ んっ、 ……っは、 くあとろ、……クアトロっ、
[的確に擦り上げていく動きに、高く跳ね上がる声。 触れられずとも、自らの熱は先走りを零して。 両の足をその腰へと絡めれば、もっと深くを求めるように、全身でその身体を抱きしめる。]
(*43) kirisame1224 2015/01/02(Fri) 03時半頃
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[打ち付ける音が、耳に届く。 鼓膜を震わせた音が、頭を痺れさせる。
ただでさえ頭が追い付いていないというのに、その口付けにより酸素の供給が阻まれれば更に、追い詰められることとなるか。 身体に浮いた汗は、背で滲んだ血液と混じりあい、シーツを赤く汚していく。 精の独特の香に混ざる、赤い鉄錆の香り。]
……っ、ぅ、 ん、 んン、っ、
っは、 くあとろ、 ……ッ、……い、きそ、
[そう口にしていながらも、既に何度か達していたのかもしれない。 熱く融けていく思考。 それでも裡の動きを察せば、更にきつく、きつく抱き締めて。]
ッ、 ん、 っぁ、 あ、 ――――……、
[一際大きく身体を跳ねさせれば、咥え込んだ茎ごとを締め付ける。 しゃくり上げるような呼吸を繰り返せば、最も大きな波に耐えるように。 内側へと精が注がれるのに、そろそろと身体の力を抜いた。]
(*46) kirisame1224 2015/01/02(Fri) 04時半頃
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……もう少し、このままで、
[背に回していた掌を頬に添え、小さな声で囁く。 絡めた指からは、既に力は抜けていただろう。
それでも、腰へと絡めた足は解かれない。 呼吸がある程度まで落ち着けば小さく頷き、その腰を解放しただろう。*]
(*47) kirisame1224 2015/01/02(Fri) 04時半頃
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[少し待てと、そう口にしたのは、達した後の身体では急に動きたくなかったから。 注がれたばかりの精の感覚だけで、頭がどうかしてしまいそうだというのに、そこに更に急な刺激が加わったらと思うと身動きが取れず。 そんな風に身体を落ち着けようと思っていたものだから、急な世界の反転に応じられる筈が、無かった。]
……ッ、あ、 やッ……
[上がる声は、妙に情けなく響いた。 再び始まる抽送に、再び声は甘く漏れだす。 止めろという『命令』は、決して口にはしない。]
……ッ、当たり前、だろ、…… 俺じゃ、巻けねぇんだか、……ら、ッ ぁ、
[視界の端、寝転がっていたシーツが赤く汚れているのが見えた。 抱きかかえられる格好では、結局彼の身体も汚れてしまうだろう。 何よりも、常ならば直ぐに包帯で覆われてしまう古傷の背を、こんな格好で晒すというのがどうしようもない羞恥で。]
(*59) kirisame1224 2015/01/03(Sat) 00時頃
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[開放されたのは夜がどれほど更けてだったか。 眠るためにシーツへと横たわったのは、きっと全ての処置の終わった後。 シーツの汚れもそのままに横になるが、やはり気にはなったか窓だけは開けただろう。
寝台の上、幽かに脇へと寄れば、その隣をぽん、と掌で叩き。]
……手、繋いでて
[眠りに落ちる間際、強請るのはそんなこと。 薬を飲まぬ夜。 いつものような、独特の感覚はない。
どんな夢を見るのか、どんな事を思い出すのか。 それはきっと、眠りに落ちなければわからないこと。
それでも、夢の先に続く明日を、待つように。 その明日が良い物に鳴るようにと、祈るように。
そっと、目を閉じた。*]
(102) kirisame1224 2015/01/03(Sat) 00時頃
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[傷が塞がったとしても、傷跡は消えない。 それを良きことと捉えるか、悪いことと捉えるか、それは考え方の問題だろう。
このクランで過ごした時間、自分はこの傷と共にあった。 もしこの傷が癒えたとしても、傷跡としてこの時間は身体に残り続ける。
そう思えば、残る傷跡もきっと、厭わしいものではなくなる筈。 なにより、最も傍にいてくれるという彼が、この無残な背を見ても嫌悪を抱かないというのならば。]
……あッ、……あっ、はァ、 ……ん、ッ ッ……、 ……血、不味いだろ、……
[それは“吸血鬼”にかける言葉ではなかったのかもしれない。 薄い皮膚に触れた唇に、大きく身体は跳ねる。 深く、深くを抉り、貫く熱に、次第に呼吸すら覚束なくなる。 突かれる度に達しているのでは、などと錯覚するほどに。
内に放たれた精の感触にも、そのまま体重をその身体に預けていたか。 繋がりから抜ける感触にすら、軽く達しそうになっている事が悟られなければいい。]
(*70) kirisame1224 2015/01/03(Sat) 20時半頃
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[先程迄の乱れが嘘のように、包帯はきちりと巻かれ、シャツの釦は留められる。 全ての処置を終えた掌は、今、自らの手の中に。 そうして自らの身体をその腕の中に収めてしまえば、背を穏やかなリズムで叩く。
疲れきった身体には、心地良い感触。]
まだ、寝るの、怖いんだ。
……けど、……明日、ちゃんと話そうな。 怒られても、……反対されても、……
[そんな事を口にしながら、重くなった瞼は閉じられる。 窓からは風が吹き込んで。
けれど、決して寒くはない。]
(116) kirisame1224 2015/01/03(Sat) 20時半頃
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[閉じた瞳、触れた唇。
応える声はなかったけれど、口元は穏やかに笑んで。*]
(*71) kirisame1224 2015/01/03(Sat) 20時半頃
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−翌朝 自室−
[目がさめて、目を開いて、違和感を覚えた。 それは寝台にもう一人いるのだという、そういうわかりやすい事ではなくて。 夢の内容を覚えている、そういった内の事でも無くて。]
……クアトロ、おい、
[隣の者は起きていただろうか、身体を起こせばその肩を揺する。 彼は、この違和に気付いただろうか。 手早く寝間着を着替えれば、寝台から降りて部屋を出た。
朝食のベルの時間は遠い。 けれど、それ以上に、この違和は何だろう。 決して壁の薄い建物ではない。 けれど、確かに伝わる人の“気配”というものがあった。
あった、筈なのだ。
自然、早足となった足取りは、真っ直ぐに主の部屋へと向かう。]
(117) kirisame1224 2015/01/03(Sat) 20時半頃
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→ 主の部屋 −
……主、……さま、
[扉を開き、第一声。 その姿があろうとも無かろうとも、そんな言葉と共に部屋へと入っただろう。
目的である主の姿があれば、ある程度の距離は、保ったまま。]
……クランの様子が、何か、おかしい、……です、よね。 俺が気付いてて、主が気付いてないなんて、……無い、ですよね。
……何か、あったんですか、
[さて、その吸血鬼は何処までを口にしたか。]
(118) kirisame1224 2015/01/03(Sat) 20時半頃
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[吸血鬼の部屋にいた主の姿に、面食らったのは事実だ。否定はすまい。 けれど、その事を指摘するよりも先に、触れるべきことがあるだろう。 ライジに聞いたかという問いかけに、首を横に振って。]
……何も。 何も、聞いてない。 家出って、……どういうことですか……。
[問えば、この施設から出て行った者達の真意が、そして隠されてきた真実が、断片でも聞けただろうか。 視線を彷徨わせる主の部屋、床にカーペットが欠けている事に気付けば、それすらも常とは違うという要素に変わるか。 長く、長く、不変の時を送っていた、この施設で。
促す言葉に、肯定も否定もしなかった。 言葉を選び、傍らにクアトロがいればそちらに視線を向けて。 それから、口を開く。]
……薬を抜いた夜。本当に珍しく、夢を見たんです。 昨晩も、……はっきりと、夢を見た。 貴方が、俺を助けてくれた夜の夢。
[赤い、月夜の夢。]
(124) kirisame1224 2015/01/03(Sat) 23時半頃
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……俺が、今迄夢を見なかったのは。 ここでの記憶が、長く保たないのは。
体の傷が、いつまで経っても癒えないのは。
……貴方の、せいなんですよね?
[一つ一つを確かめるように、問いを重ねる。 肯定が得られれば、少しだけ悩んだ後、静かに頭を下げただろう。
痛みを拒絶したのも。 かつての過去を拒絶したのも。
紛れも無い、自分だったのだから。]
……ありがとうございました。
[その言葉は、真っ直ぐに。]
(125) kirisame1224 2015/01/03(Sat) 23時半頃
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貴方が助けてくればければ、俺は、あそこで死んでた、から。 ……ここに、連れてきてくれて、本当にありがとうございました。
[そこまで告げれば、頭を上げる。 赤い瞳は逸らさずに、真っ直ぐに、その顔を見つめる。]
……もう、大丈夫です。
傷が痛くても、昔の事が厭でも、もう、大丈夫。 ……乗り越えられる、から、……
[そこまで伝えてから、少しだけ考える。 言葉を探して、探して。 そうして、唇を開いて。]
……『旅行』に、行きたいんです。
[それは、どんな本にあった言葉だろうか。 貧しい日々では、決して叶う事はない行動。 けれど、生きながらえた今では、きっと視野に入るであろう、行動。]
(126) kirisame1224 2015/01/03(Sat) 23時半頃
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俺が、あの場所にいては行けなかった場所に行って。 俺が、生きていなくてはできなかったことをたくさんして。
たくさんを見て、知って、……覚えておきたいんです。
[そこまでを告げれば、握っていた掌をそっと握り返す。]
それで、クアトロに絵を習って、見てきたものを絵にして……主さまにも、見てもらいたい。
……反対されるだろうって、思ったけど。 でも、何も言わずに出て行くのは、俺が嫌だ。
[“旦那様”から逃げ出した時。 逃げ出す足をどこか緩ませたのは、やはり残してきたあの場所への気掛かりがあったからだろう。 自分と同じような立場の者は、逃げ出した二人だけではなかったから。]
……お願いします。
[再び、深く頭を下げる。]
(127) kirisame1224 2015/01/03(Sat) 23時半頃
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[述べられる四人の名、自分と同じ地で、長い時を過ごした者達。 その中に、懇意にしてくれたチョウスケの名があったことに、僅か眉を寄せる。 告げずにこの場を離れた理由が、あったのだろうか。 きっと彼らには、もう二度と会えないだろう。 確信にも近い、そんな予感がした。
全てを認めた吸血鬼が、自らの願いを聞き入れるか。 返事を待つ間、じっと共に頭を下げたクアトロの手を握っていたが。]
……え? あ、……はい、
主さまにも、……俺の、俺達の見てきたものを、知ってもらいたい、です。 ……主さまがいなければ、俺は死んでいたわけですから。
[その『旅行』は、かつて血を啜った友のため。 命を繋いでくれた主のため。 そして、共に歩むと言ってくれたクアトロのために。
そのために、向かいたいと思ったから。]
(133) kirisame1224 2015/01/04(Sun) 01時頃
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[そうして取り出される赤い錠剤は、外見上は常と変わらぬ用に見えた。 けれど、記憶が朧気にならない、ということから、やはり記憶の誤魔化しは意図的に行われたものだと察するか。 差し出された瓶を、複雑な表情で受け取りながら、それでも確かに胸に抱くようにして。]
……ありがとうございました。
[そして、かつては告げられなかった言葉を。]
いってきます
[服を纏う背中に、確かに告げた。*]
(134) kirisame1224 2015/01/04(Sun) 01時頃
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