57 【軽RP】妖物語
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[鳳仙花を手に、池のほとりに現れる。 来訪を知らせるかのように、乾いた土がしゃり、と一度だけ音を鳴らした。]
雷門じいさんが騒いでるようだけど、手前のいねぇ間になん事かあったのかね。 山にヒトが来たのと関わりがねぇんならいいが、さて。
[華月斎は、暫し考えるように小首を傾げ、]
芙蓉の小屋にでも行ってみるとするか。
[打掛けをひらりと靡かせ、池を後にした。]
(9) 2011/07/13(Wed) 17時半頃
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華月斎は、池のほとりでうとうとと船を漕ぐゆりの剥き出しのうなじを鳳仙花でつるりと撫で、歩き去った。
2011/07/13(Wed) 20時半頃
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[芙蓉の小屋へ行く途中、雷門の屋敷に忍び込む影が目に止まる。]
あんなナリの妖は、ついぞお目にかかったことはないもんだねぇ。 どこから流れ着いたか、新しく生まれでもしたものか。
兎に角。ここいらの妖ならば雷門の屋敷が迷い家ということは知っていようが、知らぬで入ったのならばどうなるものか。 ここは退屈しのぎにひとつ見物と洒落こもうじゃねぇか。
(11) 2011/07/13(Wed) 22時頃
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なんだ。知ってるみてぇだな。
[迷い家にずい、と踏み込む。]
お前さん、どこの妖かは知らねぇが。年経たじいさまに無体なことは止せ止せ。 それにそんな老骨、食っても美味くもなんともねぇだろうよ。小骨がお前さんの喉に引っ掛かるだけだよ。
(15) 2011/07/13(Wed) 22時半頃
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華月斎は、ミケの後ろ髪をつい、と引こうと手を伸ばす。
2011/07/13(Wed) 22時半頃
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―回想―
[猫を思わせる耳を持つ妖の髪に触れようと、伸ばした手は避けられると思いきや、妖はまるでじっと待つかのように動かずに居る。
と、華月斎の羽織った内掛けの袖から、つ・・と白いおんなの手が現れた。 白粉の塗られたその手は、華月斎の腕の下を沿うようにするすると伸び、先までいきつくとするりと巻きつき、手の甲の薄い皮を抓った。]
こら。おいたはいけねぇな。
[華月斎が軽く笑い、その手を撫でる。]
(52) 2011/07/14(Thu) 07時半頃
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話はそれだけか、華月斎。 [目の前の妖の背中がじれたように動いたかと思うと、姿がかき消えた。]
吸血鬼。 そう、言ったかねぇ。 言葉通りに受け取るなら、血を吸う妖ということにならぁな。
[華月斎は暫し考えた後、畳を擦りながら部屋の奥へ進み、この場で起こった出来事を意に介さず、未だ叫び続ける雷門の背をさすってやる。]
雷門じいさん、手前がじいさんの恐れるものの正体を見てきてやるからな。心配しねぇで待ってな。
(53) 2011/07/14(Thu) 07時半頃
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華月斎は、芙蓉の小屋へと歩いていった。
2011/07/14(Thu) 07時半頃
手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2011/07/14(Thu) 12時半頃
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[山の中腹までたどり着くと、木々に隠れひっそりと建つ芙蓉の小屋と、今まさにそこに入ろうとしているゆりが目に入る。]
(70) 2011/07/14(Thu) 12時半頃
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華月斎は、手に持っていた鳳仙花で、ゆりの首筋を撫でた。
2011/07/14(Thu) 12時半頃
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[ゆりの髪の束を片手で掬いあげる。] お前さんの後ろ姿は、つい意地悪をしたくなるねぇ。
[華月斎は忍び笑いをし、顔を近づけてゆりの髪の匂いを嗅ぐ。 袖からすぅ、と白い手が伸び華月斎の顎に触れようとするが、その前に手を離す。]
はい、わかってるよ。
[手が袖の中へと戻り、華月斎はゆりの肩を押しながら芙蓉の小屋へと入って行った。]
(72) 2011/07/14(Thu) 13時頃
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[うす昏い芙蓉の小屋の中央に、藤之助は立っていた。 華月斎はすぅ、と目を細める。]
そうか。あんたが、ゆりの結界を破ってこの山に入ってきた ヒト か。
(75) 2011/07/14(Thu) 13時頃
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[好奇心を隠そうともせず、藤之助の周囲を周りながら興味深げに眺める。 と、華月斎の顔が藤之助の唇に触れんばかりの距離にぐぐっと近づいた。 常にうっすらと笑みを浮かべる目元が、剣呑な光を帯びる。]
思っていたよりは随分と普通に見えるねぇ。 ・・・まるで妖の里に来たヒトとも思えぬ風情だ。 ここは物見遊山で来れる場所じゃぁない。とすれば、こいつぁ只者じゃあねぇんだろうな。
(81) 2011/07/14(Thu) 13時半頃
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こんなことをして、手前を従えでもしたつもりかい? 手前は誰のものにもならねぇよ。
[華月斎の唇がひそりと呟いた。]
(*1) 2011/07/14(Thu) 14時頃
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[袖の手がふるりと震え、華月斎は藤之助から身を引いた。]
(82) 2011/07/14(Thu) 14時頃
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>>83 一平太
さぁな。 ヒトが何をたくらんでいようが、手前の知ったことじゃぁないね。 ・・・ただ、雷門のじいさまが怯えてるから、出来ることなら早々に立ち去ってもらいてぇってのが手前の心持ちなんだが。 どうもそうはいかねぇらしいな。
[華月斎の袖から白い手が伸び、一平太の腰をふわりと撫でた。]
(89) 2011/07/14(Thu) 17時半頃
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>>85 ゆり 夕顔? そういえば、昨日からあのおかっぱ頭を見てねぇなぁ。
お前さんの腰にべったり纏わりついてるのをよく見かけたが、さて何処へ行ったもんだろうね。
(90) 2011/07/14(Thu) 17時半頃
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顎を撫でたは手前の手妻だが、今のは一平太の記憶違いってやつだ。 手前の手はホラ、ここにふたぁつ御座候。 この手は
[華月斎が打掛けの袖を持ち上げると、おんなの白い手がするりと引かれて消えた気がした。]
お前さんに悪戯したかったのだね。
(92) 2011/07/14(Thu) 18時頃
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>一平太 あれ>>86を見ねぇ。 魂消たねぇ式神じゃねぇか。 ・・・とすれば、いずれ陰陽師の類。
こいつはおもしろい。ますます訳が知りたい。 お前さんの読むぶ厚い本に、陰陽師が妖の里へ訪う訳なんざぁ載ってたことがなかったかい?
(97) 2011/07/14(Thu) 18時頃
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>>93>>95 芙蓉 手前は元より、お迎えされねぇとなんにもならねぇ妖よ。
祠へ帰れなくなってからもう干支が何度回ったか知れねぇ今となっちゃあ、力もとんと弱まって、髪を引く他には手妻くらいしか出来やしねぇのさ。
だから、普請なんぞの汗水仕事は朔にでも頼むがいいよ。 この――、
[華月斎は天井を右往左往し巧みに屋根を直す子鬼を見遣り、]
鬼共には、出来栄えは多少は劣るだろうがね。ぺっぴり腰の朔の仕事っぷりはさぞかし、見応えがあるんじゃねぇかい?
(103) 2011/07/14(Thu) 19時半頃
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