207 Werewolves of PIRATE SHIP-2-
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あー。それはあるな。
[ジェレミーの見立て>>0:391に深く頷いて、これは こいつの勝ちだろうと勝手に勝敗を付けた後。]
何だそれ?
[銀の指輪の光に僅かに眉を顰めたが、何故か手を伸ばしていた。]
(4) 2014/12/09(Tue) 01時頃
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Oh my darling, oh my darling
カラミティ《疫病神》カラミティ《疫病神》 私の 可愛い カラミティ《厄病神》
誰にも知られない様に
ニシンの箱に詰めましょう
(*1) 2014/12/09(Tue) 01時頃
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[あの女の指にも銀の指輪が光っていた。
あの女もおかしな唄を唄っていた。
そして《俺》を。 《自分》を。
ニシンの箱に詰めた。]
(*2) 2014/12/09(Tue) 01時頃
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[箱に詰められたのは双子のどちらだったのか。
どちらでも構わなかった。
どちらも1人の中にいる。
2人分のそれこそ医者と海賊の2つの魂を持ったまま。
2人分の身体能力と呪詛を秘めたまま。
静かに静かに眠っている。]
(*3) 2014/12/09(Tue) 01時半頃
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んー。俺の趣味じゃねえな。
[銀の指輪を見つめていると、何処からかオルガン野郎の 音楽が聴こえて来た気がして、周囲を見回した。 ダンスパーティーが終わった後の空白を埋める幻響。]
銀細工に加工しなおして貰えばいいか。
[そう呟いて手に入れたばかりの袋に収めて腰に結び付ける。]
(7) 2014/12/09(Tue) 01時半頃
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悪いな、後は任せた。 おら、湯沸かせ。
[甲板を掃除するジェレミーやホレーショー達に声を掛けて、 一旦自室へと引込んだ。 これからがもう一人の自分の戦場だ。
薬に包帯、針や糸にアルコールに熱湯を用意する。]
おら、怪我人共並べ! お前先、てめえは後。 これ位誰かに舐めといて貰え! お前は一番だ。
[次々と傷の程度を見て優先順位を決めて並ばせる。 後は時間との勝負**]
(9) 2014/12/09(Tue) 01時半頃
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『双子や三つ子、多頭で産まれるのは【獣】の証』
[産まれた双子の片割れは干からび、片割れにすがる様に母親の腹から出て来た。 父親となる男は即座に離縁を言い渡し、捨てられた女は心を病んだ。 壊れたオルガンを鳴らして、おかしな子守唄を唄い。
干物と化した赤子を箱に詰めた女と残った赤子の行方は誰も知らない*]
(*7) 2014/12/09(Tue) 15時頃
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[ただ、眠っていた双子が騒ぎ出したのは……。
丁度一年前。
ヴェラが来た時からだった**]
(*8) 2014/12/09(Tue) 15時頃
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[初めてヴェラを見た時、また変なの拾って来たと思うと同時に 『何か』が胸の奥で蠢いた。
だが蠢くソレは本当に僅かで、気付く筈もない。
他の連中と同じように身体の傷は治療して、貌には触れさせない 男を呆れながら診ていた。
異変を感じたとすれば、 その日から血の匂いにやたら敏感になった事。
そして赤ん坊の幻聴や、 箱詰めにされる幻覚を見るようになった事。
満月の夜、パーティーの後、動けないほど働いた後でも 甲板を飛跳ねたくなるほど湧き上がる衝動を覚えた事。]
(*13) 2014/12/09(Tue) 22時頃
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[どれだけ自分の知識を漁っても、 この症状に合うものは無かった。
ただ、考えれば考えるほど、 自分の中で人間としての何かが剥離していくものを感じていた。
気付かぬうちに潮が退いた後に見えた底に眠る『獣』は 少しずつ目を開けていく。]
(*14) 2014/12/09(Tue) 22時頃
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− 回想 − [チビと言えばすぐに威嚇してくる様>>20はやはりチビすけだ。 面倒見が良いホレーショーに拾われて良かったのだろう。]
はっ。お前が死ねば食べ物や酒が多く手に入るから有難い。 俺に嫌がらせしたいなら、精々しつこく生きてろ。
[判っている>>21なら。それ以上はただの戯言。 ふんと鼻を鳴らして、怪我の1つでも していれば酒の恨みできつい治療してやったのにと残念がる。 だが怪我が無ければ、こちらの物資も労力も減るのだから それはそれで喜ぶべきかと背中を向けて、興味をジェレミーが 持つ銀の指輪へと向けた。]
(73) 2014/12/09(Tue) 22時頃
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そんな繊細な趣味を持った野郎は俺も知らねえよ。
[銀の指輪の加工が出来る人間が、この船にいるはずもない。 既に興味を無くした男>>10に、 こちらもそれ以上を続けるつもりもない。 それより仕事、仕事と元々11号室が自室だが、入り浸り過ぎて どちらが自室か区別が付かない医務室へ戻り、 怪我人を捌きだした。]
(76) 2014/12/09(Tue) 22時頃
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[銀は『獣』を祓う]
[『獣』は銀を厭う]
[干乾びた赤子を詰めた箱に、あの女は銀の指輪を入れた。 永遠に『獣』である我が子を封じる為に]
[再び廻り落ちて来た銀の指輪の存在に、憎悪と共に仔は目覚める。]
(*16) 2014/12/09(Tue) 22時半頃
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− そして現在 − [ヤブと言われて、睨みつけたが、それがギリ―であれば>>28 諦めに近く怒りをすとんと落として平素の顔に戻る。]
何、フルネームみたいに、ヤブとか呼んでんだよ。 ミナカで良い。 しかし毎回毎回怪我が多いな。 あんな戦い方してるから、仕方ねえんだろうけど。
[見せてみろ、と手招きし、自然に止血されたところは汚れを 洗い流して布で覆い、傷が広がらない様に包帯を巻く。 耳周りの血だけはさすがに乱暴には出来ずに、 濡れた布で丁寧に血糊を拭き取り、 一番清潔な布で抑えて包帯代わりの布を 頭ごとぐるぐると巻いてやった。]
(87) 2014/12/09(Tue) 22時半頃
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[銀の指輪と血の匂い。
呼ばれた様に、赤子が目を開けた。]
『あーん。あーん』
[ギリ―の手当てをしていた手が一瞬止まる。 今まで一人の時しか聴こえなかった幻聴が聴こえた事に、 目の前が真っ暗に……いや、目の前が真紅に染まった。
同時に沸き起こる衝動。 それははっきりと形になった。
気付けば渇いた血糊を剥がす様に、皮膚に歯を立てていた。]
『美味しい』
[ギリ―の耳元で囁かれた聲はヤブと呼んだ者と同じで、 異質な聲だった。]
(*18) 2014/12/09(Tue) 22時半頃
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[咄嗟に身体を離して、慌てて傷が深くないか確認したが、 ギリ―の反応はどうだっただろうか。
あまり難しい事は判らない男で良かったと思いながら。]
悪い。今の内緒な。
[混乱のまま呼び掛けた言葉が、人ならざる聲だと気付かぬまま そう念を押してギリ―を部屋から押し出した後、改めて 見回した世界は色を変えていた。]
(*19) 2014/12/09(Tue) 22時半頃
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[落ち着いて自分に何が起きているか考えようとしても 上手くまとまらない。
舌に残る血の味は今までのどんな酒より蕩ける味で。
早鐘を打つ筈の鼓動の代わりに、 赤子の聲がいつまでも響いている。]
こんなの船長にばれたら流石に殺されるな。
[殺し合うならともかく、人間の血を美味いと感じたのだ。 尋常ではあるまいと、あの男なら容赦なく切り捨てるだろうか。 他の連中からも殺されるかもしれない。
ぐるぐると思考は回り、赤子の泣き声だけが頭の中に響き渡る。 本当に親を求めるガキみたいで、頭が痛い。]
(*20) 2014/12/09(Tue) 23時頃
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無理だと思うけど、無茶してあんま怪我すんな。
[命令には忠実なギリ―だが、複数はなかなかこなせないのか。 誰かの命令+船を壊さない様にしている所を見るに、 自分の注意が入り込む余地は無いだろう。 ヤブが治らない事を悟ったまま>>102何故か頭まで撫でられ、 首を傾げつつも。]
よーし。皆だな。 今度ヤブって声が聞こえたら、そいつ殴ったら…面倒だな。 熱いキッスでもしてやってくれ。俺からだって。
(109) 2014/12/09(Tue) 23時半頃
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[ヤブ呼ばわりする連中への報復を命じて退出させると、 今度は対極の声>>80>>130が聞こえて来た。]
悪運強いな。また生き延びたかよ。
[誰が見ても壊れてしまった男だが、辛うじて生き延びている。 ニコラスを見る度に、無力に歯軋りする医者の顔が出て来て、 そんなもんがまだ残っている事に驚かさせる。 どうしようもないが、彼はそう思わせる男だった。]
また派手にやったな。 痛み止め? その前に傷の処置だ、薬は後でやる。 おら、ちょっとこれ咥えてろ。
[有無を言わさず布を口に押し込むと、度数の高いアルコールを 惜しげも無く傷へと注いで消毒と言う名の拷問を開始した。]
(110) 2014/12/09(Tue) 23時半頃
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『……泣く無い? 怖くない?』
[ギリ―の手が頭に触れた>>*23 ほんの一瞬、聞き返す聲も見つめた顔も、 まるで親を見つけた赤子の様にふわと笑っていた。
だがすぐにその顔も、苦虫を潰し、赤子の幻聴に悩む顔に 変わってしまったが*]
(*26) 2014/12/09(Tue) 23時半頃
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神様ね。女神様だか死神様だか。
[ニコラスが陽気に拝んだ神様はフランクに言わせれば どれなのか、今度聞いてみるかと下らない事を思いながら 容赦なく傷をアルコールで焼いて行く。]
正気に戻ったかよ、馬鹿たれ。 ……良かったな、死ななくて。
[ばたつく足に痛みで少しはまともに戻ったかと 背中越しに声を掛けた。 また誰か船からいなくなっただろう。 治療出来る事を感謝しつつ、乱暴な手当は続いた。]
お前の飯は嫌いじゃねえから。死ぬなよ。
[短い言葉と共に、塞いだ傷の上を叩いたのは態とだ。]
(130) 2014/12/10(Wed) 00時頃
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[やけにニコラスを構うのは、無意識に消えようとしている 人間らしさを留めようとしているからか。
そのうち、彼の作る食事を口にしても、さほど美味しいと思う事も無く。
むしろ彼の流す血が美味そうだと思うようになる。
この部屋はそれ程血の匂いで溢れていた。
唯一の救いはアルコールがそれを和らげてくれている事だけ。]
(*29) 2014/12/10(Wed) 00時頃
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[正気では死ぬとはとんでもない神様に見染められたものだと ニコラスの言い分>>146に、呆れを言葉にはしないが 思い切り顔に出したまま治療を続ける。]
誰が虐待だ。 こんなに優しいお医者様はそうはいないぞ? なんなら焼いたナイフで傷止血してやろうか?
[いつもとは違う上機嫌の笑みを見せれば、 本気度が伝わるだろうか。]
死にたくねえなら生きるしかねえな。
[怯える様子に髪を掻きながらポケットからアヘンを取り出す。 場所を教えない為に、医務室にいる時は身に付けているのだ。]
(161) 2014/12/10(Wed) 00時半頃
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折角捨てられなかった命だ。 精々大事に使え。
[正気の彼に別れを告げる様に、アヘンを載せた手に 己の手を重ねて僅かに力を込めた。]
おら、早く飯作れ。 じゃねえと仕事した連中が大事な酒漁りに来るぞ。
[パーティーの前にたかりに行った事を棚に上げて、 今度は傷からずらして背を押した。]
(162) 2014/12/10(Wed) 00時半頃
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あ、そういや。他に怪我した奴見掛けなかったか?
[一息つけるかどうかの確認を込めて、 ニコラスの背に問い掛ける。
そう言えばリーの姿を見ていないが、乗り込んだ彼も 無事だろうかと部屋の外を覗こうとして。]
は? 人狼?
[船内に響き渡る声を聞いた。 船長が捕虜を連れ帰った事など知らないから、 何が起きたのか判らず、牢屋のある下層へ視線を向けた**]
(166) 2014/12/10(Wed) 00時半頃
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[一瞬叫び声の主をギリーかと思ったが、彼はあんな声を出していなかったと気付いて耳を澄ませる。] ああそうか。人狼なのか。
俺はあの声は嫌いだ。
[主語の無い聲。 目覚めた仔は己が存在の名を認識し、双子の片割れとゆっくり同化して人から離れていく。 そして己を箱に詰めた女の様に、忌避し怯える声に憎悪を抱いた。]
あれは災いを呼ぶ声だ。
[まだ他に聲が聴こえているが、騒がしいあの声に囚われて赤子が聴いている幻聴にしか思えなかった。 だから意識は叫ぶ男に集中していて。]
殺さないと。
[また箱に詰められる前に。 呪詛の様に呟いた聲を拾う者はあっただろうか**]
(*32) 2014/12/10(Wed) 01時半頃
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− 医務室 − [アルコール漬けの脳味噌がアヘン漬けに変わると判っていても ニコラスに躊躇い無く、それを渡す。 酒を、阿片が生きる理由になるなら誤魔化しでも良かった。 どうせもう元には戻らないからだ。]
礼は美味い飯で返せ。
[ほんの僅か動いた指先>>171が、残る彼の正気だろう。 次はもう正気では無いへらりとしたものに変わっていた。]
副船長と早漏野郎は無事だな。それ位判ればまぁいい。
[あの頭から辛うじて無事な人間が判っただけでも良しとしよう。 牢屋から聞こえて来た叫び声の正体は判らないが、 治療の命令が無いのだから暫く放っておこうと、 頭の軽くなったニコラスを見送るだけで動きはしない。]
(220) 2014/12/10(Wed) 21時半頃
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は? 何だよ、使う予定の無い息子だけが元気とか。
[次いでやってきたモンドの下品な申告>>179に冗談めいた 口調で迎えるが、表情は曇ったまま。 息子が腐るのも一大事だが、この船で武器を操る腕が腐る方が 一大事で、ニコラス同様に乱暴に左腕を掴むと傷の具合を診る。]
お前先に酒やっただろ?
[血行良くなるから傷は開くし、出血しやすいし、 面倒なんだよと文句を言いながら、 この船の連中に忠告した事はない。 いや、乗り込んだ最初の方こそ口を尖らせた覚えがあるが、 こいつらに取って血と同じだけ身体に酒が流れていると 判った時点で無駄な事だと止めた。]
モンド、あんた今何処まで見えてる?
[目の前で指を3本差し出して視力の程度を確認する。 傷の程度も判らないのかと、かなり顔を顰めて。]
(224) 2014/12/10(Wed) 22時頃
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真っ直ぐ俺のとこ来なかっただろ? 傷結構汚れてる。 腐らねえようには何とかするが、腫れるし、痛む。 熱もかなり出ると思えよ。
[洗ってはみたが、傷口は他の連中より明らかに汚く 赤黒くなっている。そこを熱したナイフで切り落として 縫い合わせたが数日は熱にうなされるかもしれない。 彼の視力に悪さをしない事を願いつつ、化膿止めと 痛み止めを手渡して。]
数日酒禁止な。
[随分久しぶりに、口にしなくなった忠告をモンドへ。]
(225) 2014/12/10(Wed) 22時頃
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[ギリ―以外の聲がずっと聴こえてくる。 幻聴の様な不確かさでは無い、はっきりと細部まで聞き取れる。]
絶望……絶望。
[届く聲>>*36は誰かが背負う代名詞。 だが何故かすぐにはピンと来なかった。 恐らく絶望を齎した者が、その代名詞の人物ではなく、 人狼の存在を告げる叫び声の主だったからだろう。]
(*38) 2014/12/10(Wed) 22時頃
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あの声は……絶望を告げる声。 俺達を殺そうとする先駆けの声だ。
[医務室への客が途絶えた空白に殆ど無意識に漏らした聲は 同じく何処からか聴こえたあの聲>>*37に対して。 船の仲間を心配した後で、汚れた血の布をぺろりと舐め取る。]
俺は……もう二度と殺されたく、ない。
[呟いた聲に乗る色は、ただ生まれただけで死を望まれた 赤子の紅い悲しみ。]
(*39) 2014/12/10(Wed) 22時頃
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数日我慢すれば数年はここで生きられる。
[実際生きられるかどうかは判らないが、傷を悪化させれば 死の方がどんな形であれスキップでやってくるぞと、脅しは したが効果の方はどれほどか。
モンドが部屋を後にすればやっと静かな医務室へ戻る。
残るのは山の様な血や汗や埃に塗れた布や、血だらけの 刃物に空いた薬品の瓶。]
(242) 2014/12/10(Wed) 22時半頃
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[溢れる血の匂いにまた喉が鳴る。]
(*42) 2014/12/10(Wed) 22時半頃
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[血のこびり付いた布を手に取りながら、 ここに来れなかった者達の事を思い出す。
誰だったか、5人が帰って来れなかったと教えてくれた。]
本当に……生は不平等が、死だけは平等だな。
[誰の上にも平等に降り注ぐ、それは絶望か慈悲か。 暫く血染めの布を見つめていたが、 片付けは後にしろと腹が鳴った。]
後で顔見てない連中診る前に、腹ごしらえと行くか。
[何故か疲れた感覚を感じないどころか、 まだまだ力が溢れて来る。 自意識過剰ではないが、最近パーティーの後に よく感じるようになった持て余すそれを、 仕事の力に変える為厨房へエネルギー補給に向かった。]
(247) 2014/12/10(Wed) 22時半頃
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『あり……がとう』
[誰かの聲>>*41に泣き止んだ赤子の聲は戸惑いと共に 何処か嬉しそうだった。 まだ身体の中に溶け切れずに残った魂が、初めて受けた 自分の生を肯定してくれる言葉の主に懐くように。 ここに聲の主がいて、赤子が形を持っていればその手を伸ばして 温もりを求めた所だろうか。]
生きる事は……殺す事だ。
[赤子の聲の後を追う様に、本来の片割れの聲が呟いた。 そうだ、殺されるつもりはない。 混じり合った記憶を抱えて決意の様に呟いた。
血染めの布。 血染めの医者。 今日誰が死んでも。 その姿を訝しむ者はいるだろうか。]
(*46) 2014/12/10(Wed) 23時頃
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− 厨房 − [アルコールとアヘン漬けの料理長はそれでもまともな飯を 作っていたようだ。 外まで漏れてくる美味そうな匂いと、騒がしさに いつもと変わらぬ様子に安心しつつ扉を開ける。]
俺の分残ってるか? 後、怪我人も残ってないか?
[扉を開けるなり面子を見渡して纏めて確認を取った。]
(262) 2014/12/10(Wed) 23時頃
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あー。お前が元気なのはさっき見た。
[手を上げるホレーショー>>275にこちらもぞんざいな返事。 隣のグレッグもここにはいないがジェレミーも元気だった。 魚が釣れたのか、キイチも無事なのは知っている。]
副船長もフランクも無事だろ。 ギリ―もニコラスもモンドも診た。 後は………。
[船長は最初から除外している。]
リー、調子はどうだ? ヴェラは大丈夫そうだな。 セシルは何処だ?
[残る人数を指折り数えて尋ねてみる。]
(282) 2014/12/10(Wed) 23時半頃
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[酒禁止令を出した後、厨房の連中にモンドに酒を渡すなと 伝えれば良かったかとも思ったが。 厨房の中に酒好きの怪我人がいる事を思い出して諦めた。 酒に関しては素直に聞く奴なんて見た事が無い。]
舌だけはやられてないみたいだな。
[いつもと変わらず腹と舌を満たす食事を摂ろうと 席を探すが、空いて無ければ立ったまま胃に掻き込んだ。
着替えていないから服は血塗れのまま。 食事の席であまり撒き散らしたい匂いではないだろう。]
(298) 2014/12/11(Thu) 00時頃
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[それに早く立ち去らないと。 食事も美味いのに、まだ足りないと空腹を訴える自分がいる。
溶けた赤子には肉や酒は合わないらしい。
赤子が求めるものは……紅い乳だと、本能と呼べるものが教えていた。]
(*51) 2014/12/11(Thu) 00時頃
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あー、お前怪我したのかよ。 大事な船の医者が怪我したら駄目だろ。
[芋を齧り自己申告してきたリー>>295に 眉を顰めて溜息を吐いた。 大した怪我も無いのに大袈裟に騒ぐ奴もいるかと思えば、 1人我慢大会をしている様な奴もいる。 リーは特に耐える方で、いつも最後の方にやって来ていた。 今日もそうだと気を遣えなかった自分に舌打ちしながら。]
優しくして欲しかったら、イの一番に来い。 それ食い終わったらで良いから。 後で待ってる。
[どうやら後片付けは深夜になりそうだ。]
(304) 2014/12/11(Thu) 00時頃
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ところで何話してんだ?
[怪我人の把握をしたところで、先程からちらほらと 交わされてる話題に首を傾げた。 非科学的だとか騒いでいる。 それが先の牢屋での奇声から発展したものだと誰かから 話を聞けるだろうか。]
(312) 2014/12/11(Thu) 00時半頃
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ぎゃんぎゃん騒いでるあいつが一番犬みたいだけどな。
[そんな感想を口にしながら、副船長の労わり>>307に 軽く頭を下げる。]
治療出来る分、まだ良かった。
[死ねば治療出来ないからと、暗に喪った5人の為に 一瞬だけ目を伏せて。]
あんたは怪我するよりも怪我させる方だから、 お手柔らかに頼むぜ。
[すぐに手を出す副船長にからかう様に声を掛ける。 勿論それで出来た怪我人を持ち込まれても、余程でなければ 唾付けて返すだけだが。]
(316) 2014/12/11(Thu) 00時半頃
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ミナカタは、フランクが食事の席にいない事に気付いた。
2014/12/11(Thu) 00時半頃
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[飯も酒も美味いが、物足りない。 スープをぴちゃり、と舌で掬うように飲んだ時。
不意に視線を感じて見上げた先に、ヴェラ>>*52がいた。]
……。
[聲も掛けずにじっと彼を見つめる。
1年前、彼の包帯を変えた時と同じように、血が騒いだ気がした。]
(*53) 2014/12/11(Thu) 00時半頃
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一番にイったら? あー、そうだな。 優しくシてやるかどうかは、その日の気分次第だな。 暴れん坊なら体力のあるうちに来て欲しいのは確かかな。
[リーの意味深な言葉遊び>>317に乗っかりながら、 一応真面目な部分は返しておいた。]
じゃあ、後でな。
[空になった皿を床に寝ているニコラスに押し付けて、 医務室でリーが来るのを待つ事にした。]
(331) 2014/12/11(Thu) 00時半頃
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− そして深夜 − [リーはちゃんと治療に来ただろうか。 来なくても探し出して傷を診るつもりだが。 一通り全員の怪我人の治療と酒盛りが終わり、 今度こそ誰も医務室へといなくなった真夜中。
血塗れの服のまま、 船医は絶望を告げ続ける男の元へと向かった。
叫び続けていた男は既に声が枯れ、海を渡る風よりも 音を発する事は無い。]
(339) 2014/12/11(Thu) 01時頃
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お前の声は絶望を運ぶ。 俺達が生きる途をお前は奪う。 だから俺はお前の命を奪う。
[呪詛の様に吐き出された聲は男だけでなく、 同じく聲を共有する者達にも届いたか。]
(*55) 2014/12/11(Thu) 01時頃
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− 少し前 −
[ギリ―とは違う聲>>*54に、一瞬警戒はしたが、 優しい呼び掛けに聲が緩む。
それが普段絶望を運ぶ恐怖の対象であるとは気付かない。]
あれを生かしておいたら俺達が殺される。 人では無いと知られたら。 人から殺される。 だから、殺す。
[単純で明快、そして残酷な理屈。 そこから何が始まるのか理解していない幼い理屈だった。]
(*56) 2014/12/11(Thu) 01時頃
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