52 薔薇恋獄
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[ *あなたわたしをみすてましたか* ]
(*22) 2011/05/19(Thu) 06時半頃
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[ツキリとまるで薔薇の棘に刺されたような、痛みを胸に覚える。]
……俺は、珀と違って同調はしない筈なんだがな。 波長の問題だろうか。
[その痛みを、幾多の魂の想いの残滓とすり替えて、ポツリと呟いた。]
(*23) 2011/05/19(Thu) 09時頃
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……に、しても……
[じりじわじりり。 肌が焼けるような、痛み。 生きている人間のそばに居る時は気にせずにいられる程度だが、ひとり廊下へ出れば、少しでも距離をとろうとするかのように、壁際へ寄ってしまう]
……薔薇の方から、だよなあ。やっぱ。
[何を語りかけてこられる訳でもない。 ただ、無数の想いの欠片を、体質が感じ取ってしまうだけ]
(*24) 2011/05/19(Thu) 10時半頃
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日向っ!
(*25) 2011/05/19(Thu) 10時半頃
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[たしかに、痛みも感じたのに。 そこに居たのは日向ではなく。
庭の近いせいだと、自分に言い訳することもなく、ただ、静かに諦めの溜息を吐き]
……まだ濡れてたか?
[掃除は自分に任せた筈なのに、と言外に問う響きで、首を傾げた]
(*26) 2011/05/19(Thu) 10時半頃
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[1度目、日向を迎え入れた時の雫は珀が拭いたことは知っている。 2度目、日向が化け物に変わった後、珀が気を失って後の事は知らない。
拭かれていたならば、珀が拭いたのか……と。その言葉に思う。
大丈夫か?と視線で問うのは、幾多の薔薇に宿る想いが視えるから。 その1つ1つに同調してしまえば、身がもたなそうだと。]
(*27) 2011/05/19(Thu) 10時半頃
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あの中に飛び込みたいかっつーと、お断りだけど。 んな無謀はしねぇし、ひとと居る時はわりと、平気。
[とはいえ、必要とあらば飛び込みもするだろうが。 問われる視線に、へらりと笑って、軽く腕を擦った]
それよか、悪ぃ。……ちょっと、へばってて。 お陰でさっぱり何が起きたのか分かんねーから、蛍紫の知ってること、教えてくれ。
(*28) 2011/05/19(Thu) 11時頃
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[蘭香を……と、話を振ったのは、これまでの説明の布石でもあった。
蘭香を選べといったことに対し、珀がどういう反応を示したとしても、ぼそりぼそりと状況の悪さを紡げば、何故そう言ったかは判ってくれるだろうか。
おそらく、雷が鳴る前に中庭に居た誰か――蓮端が濃厚か、が切欠で、日向が化け物に転じてしまったらしいこと。 その誰かは、暁様――怪談の屋敷の息子に、何か関係があるかもしれないこと。 大須の姿が視えないのは、多分、化け物となった日向の所為だろうということ。
己が判る範囲で、伝えられることは伝えた。 出来れば、蓮端に会って確認してみて欲しいとも。]
(*29) 2011/05/19(Thu) 11時頃
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……話は、分かった。 夕輝先輩も、探してみる。危なそうだし。
[何故、そう言ったかは分かった。 分かったが、はいそうですかと笑って頷いてやれる言葉ではなく]
(*30) 2011/05/19(Thu) 11時頃
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ああ、頼む。 今は、石神井先輩と一緒に部屋にいると思う。 でも、少しだけ時間はあけた方がいいかもしれない。
……それと、鳴瀬先生には、俺の眼のことは伝えている。 いい忘れていた。
[激情の色を見返しつつ、淡々と伝え漏れた情報を付け足した。]
(*31) 2011/05/19(Thu) 11時半頃
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[夕輝が哲人と居ると聞けば、広間前での様子を思い起こして僅か、ほころんだ気持ちにもなったけれど。 湧き上がった熱さに、あっという間に掻き消え]
それで、お前はどうすんだよ。 士朗せんせを選ぶってか?!
[普段だったら、何も気づかずに居た頃なら、何時の間にそんな仲良くなったんだ、なんて茶化していただろう言葉。 けれど今は、それすら裏切りのように感じて。 士朗へ感じた八つ当たりの憤りと、蛍紫に対するもどかしさの混じった憤りを、叫んだ]
(*32) 2011/05/19(Thu) 11時半頃
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何故、そこで鳴瀬先生がでてくるんだ?
[きょとんとした表情をしていただろう。 何を言っていると……。
少し息を吐いて、押し倒された格好のまま、手を伸ばす。 怒るとは思っていたけれど、ここまでとは思わなかったので、これ以上は言わない方がいいと、口を紡いで。宥めるように頭に伸ばす手。
触れたなら、それに何かを思い出す。]
……そうなったら、俺はお前を選ぶよ。
[けれど、何かを掴むことはなく、その代わり零れる飲みこんだ筈の言葉。はっと、それに気がついて、誤魔化すように]
お前が蘭香を。俺がお前を……そうしたら3人だろ。
[苦笑を浮かべた。]
(*33) 2011/05/19(Thu) 12時頃
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[それだけ状況が悪いというのは、蛍紫自身が話したこと。 だから、たとえば、なんて仮定で済ませられるとは、感じられず]
……何で?
[きょとんとした表情に、問い返す声は、きっと眼差しに反して冷やか。 そんなつもりも無かったけれど、そうなってしまった。
だから、手が髪に触れたときも。 思わず、つよく振り払ってしまった手のちからだって、そんなつもりじゃなくて]
(*34) 2011/05/19(Thu) 12時半頃
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……っ、ごめ 、
[蛍紫より、自分のほうが驚いた。 まるく見開かれた瞳は、いま庭園で雫にうたれている薔薇の葉と、似た潤みを湛え]
…………それでも、オレは、蘭香だけを選ばない。
[苦笑に、きっぱりと答えた表情は。 おなじ場所で、意識を失う前、ごめんと告げた、泣き笑いに似たそれと同じだった]
(*35) 2011/05/19(Thu) 12時半頃
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[髪を撫でれば、首にかかる圧力に、思わずぐっと喉を鳴らすけれど。抵抗せぬまま、濡れた葉の色を見て、苦笑を深める。]
何もかも……と思っていると そのうち抱えきれなくなって、全部取り落とすぞ?
[つっと眼を細めた段階で、眼鏡が飛んでいることに気がついた。 泣き笑いのような表情から逃げるように、指先が眼鏡を探った。]
(*36) 2011/05/19(Thu) 12時半頃
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そうなったらなったで、……蘭香とお前には、迷惑かかんねーようにするさ。
[逸らされる視線には、気づいたから。 ちいさく苦く笑って、身を起こした]
(*37) 2011/05/19(Thu) 13時頃
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俺は、別にお前に迷惑かけられても良いのだけどな。 今更だろう……。
[冗談を言えというから、冗談を言ってみたという声音で、重くならぬように言う。]
俺が言っているのは、そういうことではないよ。 お前が心配なだけだ。
[己の放った言葉に、またデジャビュを覚えながら、身を起こす際に揺れる相手の髪を見つけた。]
(*38) 2011/05/19(Thu) 13時半頃
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もう、十分掛けてるじゃんか。
[これ以上どうしろと、と肩をすくめて笑う。 今更といえば、今更でもあり]
オレだって、お前が心配だよ。
[甘えている自覚はある。 けれど甘えられた覚えは無い。 迷惑かけようとしないのはどちらだと、思う]
(*39) 2011/05/19(Thu) 13時半頃
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そうか……。
[珀の言葉に、ふっと唇の端を持ち上げた。 その言葉だけで十分だという思いと。 そうでない想いが混ざって。
その話題に関しては、それ以上言葉を紡げない。
まるで無意識に、百瀬の質問から逃げたように。]
(*40) 2011/05/19(Thu) 13時半頃
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そうか、世界は3人だけで閉じている訳ではないものな。
[ぼそっと呟いたのは、百瀬が去った後だろうか。]
決めつけられれば、怒る、か。
[判っていたけれど、実際の所、判っていなかった事実を百瀬につきつけられた形。 世界は3人だけでないということだけでなく、幼馴染達もそれぞれ恋愛をするだろうということも、実際に同性同士に芽生える恋愛感情があるということも。
……と知らされて、ん?と何か引っかかったように、眉間に皺を寄せる。自身については、まだ、判っていないという風。]
(*41) 2011/05/19(Thu) 15時半頃
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お前まで何言ってんだ。
[調音の言動だけでも分からないのに。 妙なことを言い出す幼馴染を、じとり]
うん、怒るな。……分かったなら良い。
[脈絡は分からなかったが、多分自分が怒った理由を納得してくれたのかと思って。 うんうん頷いている。
根本的な解決にはならないけれど、それだけで少し嬉しかった]
(*42) 2011/05/19(Thu) 15時半頃
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[じとりと睨む珀に向ける眼差しは…… こいつ判ってないのか?という疑惑の眼差し。]
……ああ。
[なんだか、疲れてしまって、頷く相手に合わせた。]
悪かった。
[ぼそっと接吻けてしまったことを含めて、謝罪した。]
(*43) 2011/05/19(Thu) 16時頃
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何だよ?
[疑惑の眼差しに、怪訝げな碧いろを向け]
別に。
[気にすんな、というように笑ってみせたけれど。 やっぱり少し、寂しいような苦しいようなノイズが、混じってしまった]
(*44) 2011/05/19(Thu) 16時頃
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[結局、疑惑の内容を告げるも、自信のない分野故にあれが精一杯。 後は自分で考えてくれと、さじなげて、けれど去り際に頭を撫でようとしながら]
……1人で無茶はするなよ?
[囁くのは、日向に関して。 暗に何かあったら呼ばないと怒ると告げて、よろよろ去って行く*]
(*45) 2011/05/19(Thu) 16時半頃
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こっちの台詞。
[にへらと笑って、むしろ心配な背を見送った*]
(*46) 2011/05/19(Thu) 16時半頃
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[花を輝かせる、想いの強さ。 ひとつひとつ、余す花無く感じられるすべてに。 誰かの遺した、想いの欠片がきらきらと眩く胸を刺す。
只中に居ると、今感じている痛みが、花々から感じるものか、雨によるものか、分からなくなる。 このまま、薔薇のいたみに埋もれて、千々に散っていきそうな感覚]
っ、
[ぶん、と頭を振った。 いけない。 今は、引き摺られかけたら声を掛けてくれる相棒は居ないのだ。 しっかりしなくては。
その相棒は、自室で蘭香にもふもふされて気分の良いとこを。 闖入してきた調音に、警戒真っ盛りなのだが、知る由は無い]
(*47) 2011/05/19(Thu) 22時頃
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……なにか、
[ともかく、何か。 引き摺られないように、生きていることを実感できること、考えなくては。 いきて、そう雨の中呟くくちびるに、気づけば指先は引き寄せられて]
っ、
[ひた、と触れれば、はっと我に返る。 何してるのだか、こんな所で。 雨は酷いが、誰が見ているとも限らない。
意識を戻すには過ぎるほど強烈な思い出に。 慌てて指を引けば、一輪の棘に引っ掛かった]
(*48) 2011/05/19(Thu) 22時頃
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[克希の失踪と、日向が無関係だとは思わない。 けれど、暁とやらが関係しているとして、彼女が悪意を持って彼をかどわかしたとも、思えない。 理由が断定できないうちは、何かを幽霊の悪意のせいじゃないと考えるのは、癖のようなものだけど。
怪談だけが彼女の全てでは無いだろうと。 すこしでも、話を聴いて何か、してあげられることがあるなら、してあげたいと。
今でもまだ、思っているから。 彼女の足取りを辿る何かが、それか克希の行方を探る何かが、ありはしないかと、雨の中、薔薇の砂漠に立ち尽くした]
(*49) 2011/05/19(Thu) 22時半頃
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無茶してないだろうな……。
[寝入ったことを後悔するのは、彼が無事か直ぐに判らないから。 中庭に行くといっていたけれど、無茶していないといいと切に願う言の葉は、音にはならない。]
(*50) 2011/05/19(Thu) 23時半頃
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[ わたしじゃないひとと、しあわせになるのですね ]
[ ああ、うう、いや、うう、あう、ああ、ああああ ]
『………………』 『…………殺ス』
[ ああ、あああ、うう、おお、あああ、ああ、ああ ]
(*51) 2011/05/20(Fri) 00時頃
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