52 薔薇恋獄
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―― 紅子さん ――
『ランカ、ランカ。 ベニコサン、イル。 イナクナラナイ。 ナラナイヨ』
[何度抱きしめられても>>65、紅子さんは嫌がる素振りを見せない。 ただ、すりすりと頭を撫でつけ。 まっくろの瞳でまっすぐ、蘭香を見上げてコトバを囀るだけ]
『オフロー。 ベニコサン、ミズアビ、スキ。スキ。 サッパリ!』
[ランカハ、ユックリ。ハイル、オチツク。 そんなことを繰り返しながら、蘭香に連れられ]
(77) 2011/05/20(Fri) 10時頃
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―― 2階浴室 ――
蘭香っ!?
[搾り出すような声>>71。 けして大きくは無かったかもしれないが、彼の声を間違えるはずは無く]
どうし、 ……っ!?
[浴室の扉を、ばんと開き。 薔薇の香りの湯気と共に飛び出せば]
(78) 2011/05/20(Fri) 10時頃
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…… ひなた?
(*8) 2011/05/20(Fri) 10時頃
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[王子へ伸ばされる手。 唖然としつつも、咄嗟にその手を掴もうと、手を伸ばし*]
(79) 2011/05/20(Fri) 10時頃
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―2階浴室前―
[楓馬は答えてくれただろうか。 いくつか言葉を掛けているうちに蘭香がやってくる]
あー、やほ、らんらんもお風呂?
[何でこんなところに座っているのかとか、泣いた後の目元を突っ込まれないといいなと思っていたが、幸い突っ込まれなかったようで。
――というよりも、それどころではなかったというほうが正しかったか]
(80) 2011/05/20(Fri) 10時頃
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え?
[野久先輩、と搾り出される声。 自分の後ろに向けて言われているようで、振り返る]
――――!?
[声が出なかった。 人ならざる者の手が自分の首に伸びていて。 ――二人がいなくなったことを知らないから、もしかしたら次は自分が消される――殺されるのだろうかと思う。
たすけて、と。 願った時に浮かんだ顔は、誰のものだったのだろう。 首に亡霊の手が触れる寸前、ふっ、と意識が*途切れた*]
(81) 2011/05/20(Fri) 10時頃
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― 二階・廊下 ―
[この豪雨のせいか、湿度が酷い。 寝汗をかき、べたつく身体をシャワーでさっぱりしようと浴室へ向かおうとして、冬色の眸が捉えるのは]
……?
[表情のない女と、道也の首へと伸ばされる白い手]
(82) 2011/05/20(Fri) 11時頃
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お前、誰だ――…?
[この別荘には自分たち以外の人間はいないはず。 だから、少々間抜けな問いをぽつりと漏らした]
(83) 2011/05/20(Fri) 11時頃
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ユリシーズは、ノックスが意識を失い倒れる音に、はっとした表情を浮かべて。
2011/05/20(Fri) 11時頃
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―休憩所― [先客>>37に手を挙げて答える。]
全くだ。 …さっきの停電で石神井センパイと蓮端センパイが消えた。
[自分が見ていたこと、聞いていたことを百瀬に説明する。]
……しらん。 が、この状況では『あり』としか言い様がない、と思う。
[と、>>39に答えた後、]
…何があったか、とかは分からない。 けど石神井センパイと蓮端センパイの間に、なんとも言えない空気があったからな。
[>>45には感じたまま告げた。]
(84) 2011/05/20(Fri) 11時頃
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―2階浴室―
[ 女はその手を道也に触れさせる寸前で止まる ]
『 』
[ 生者に、死者の手は掴めない ] [ だから楓馬の手はすり抜ける ]
[ けれど彼のその意思は確かに女へと伝わった ]
(85) 2011/05/20(Fri) 11時頃
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『ふうま』
[ 呼びかけに、応える声 ]
(*9) 2011/05/20(Fri) 11時頃
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『ごめんなさい、わたし』 『楓馬も蛍紫もわたしに優しくしてくれたのに』
『わたし、このままだと』 『化物になってあなたたちを皆、殺してしまう』
[ 女は訴える。足りない言葉を補うように、矢継ぎ早に ]
(*10) 2011/05/20(Fri) 11時頃
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『わたしは日向(ひなた)』 『そして、日向(ひゅうが)という化物でもある』
『ひゅうがは、恋獄の主』 『恋を失った人の魂を奪って恋獄に留める存在』
『この地に囚われた魂は』 『いずれ浄化され、来世で幸せになる、けれど』
『わたし、やさしいあなたたちを殺したくない』
(*11) 2011/05/20(Fri) 11時頃
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[ 何かを伝え終わると、女の姿はすっと霞のように消えた ] [ 代わりに現れるのは腫れた顔をした女の亡霊 ]
[ *にたり、不気味な笑いだけを残してそれもいずれ消える* ]
(86) 2011/05/20(Fri) 11時頃
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[浴室から飛び出してくる楓馬と、道也の名前を呟く蘭香んほ向こうに、意識を失う道也の姿が見えた]
ちょ…!? 道也……っ!!
[慌てて駆け寄り、道也の頬を一、二度叩く。 完全に意識がないのを確認すれば、ちっと小さく舌打ちし]
蘭香、お前下行って栖津井先生呼んでこい。 楓馬はタオル! 水で濡らして!!
早くっ!
[下級生二人へと指示を出すだろう]
(87) 2011/05/20(Fri) 11時頃
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日向は、後から現れた悠里にも笑いかける。にやにや、にたり**。
2011/05/20(Fri) 11時頃
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…………分からない。
[見上げてきた百瀬の問い>>55に、どう答えたものかと迷った末に、この答えを絞りだした。
分からないことは分からない。 そうとしか答えられない自分が恨めしい*]
(88) 2011/05/20(Fri) 11時頃
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ユリシーズは、倒れた道也に気を取られていたからか、続いて姿を見せた不気味な笑みには気付くことなく…。
2011/05/20(Fri) 11時頃
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はい、気をつけて……。 ───…………。
[部屋を去ってゆく鳴瀬の背に、そう言った後。 声には出さず「消えないでくださいね」と付け加えた。
甲斐の方へと向き直り、部屋にあがり、畳の上に正座する。 暫くは、黙って彼の動きを見ていたが、マドレーヌを差し出されると、ふっと笑んでそれを受け取り]
ありがとうございます。 そうですか、お母さんが……。
いただきます。
[口に含むと、甘い味が広がった]
(89) 2011/05/20(Fri) 11時半頃
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[少しずつ、ゆっくりマドレーヌを食べながら、時折窓の外へ視線を向ける。 雨は、やはり止む気配はない]
……甲斐君は。
甲斐君は、鳴瀬先生のことは、好きですか?
[ふと、そんなことを訊ねてみる。 それは、自分としては、鳴瀬のことを教師として──顧問として好きかどうかと、訊ねたつもりではあった**]
(90) 2011/05/20(Fri) 11時半頃
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日向……。
[一刻も惜しむ様子の日向に、問いを挟むことはしなかった。 ただ、告げられる言葉に、触れられない手を握り締めて、くちびるを噛む]
…………分かっ、た。 ありがと、……でも、お前は!
[なら、おまえはどうなるんだ、と。 この地の魂が、いずれ幸せになるのだとしても、日向自身はどうなるのかと。
口にする前に、日向の姿は消えてしまって。 入れ替わりに現れる、さきほどの亡霊]
(*12) 2011/05/20(Fri) 11時半頃
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―― 2階、洗面所 ――
……っ、 は、い。
[入れ替わりに現れた、さきほどの亡霊。 痛ましげな、悔しげな。 そんな眼差しを向けて伸ばした手も、やはり彼女には触れられず、消えていってしまう。
カラの手を握りしめ、ひとり唇を噛んでいたが、悠里の声に、はっと顔を上げ。 手洗いの脇に下がっていたタオルを引っつかむと、勢い良く蛇口を捻り。 軽く絞ってから、悠里へ渡す]
(91) 2011/05/20(Fri) 11時半頃
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―自室―
んん、いつもこんなもんでしょ。
[男子校の同じ部内、一年と三年。距離感は近すぎず遠すぎずで丁度良いかと思っていた、それに対して百瀬がどう思っているかは知らない。……あまり、興味もない。
織部を向かえて扉をあけてから、濃密な薔薇の香漂ってきていて。それは大須が消えた時にも感じたもの。 またか、と眉を顰めてそのあと泣いた事を指摘されきゅううっと皺が濃くなる]
ん、こえー夢を見た。俺だけここに置いてかれんの。 だから、野久は悪くないし喧嘩でもない。
(92) 2011/05/20(Fri) 11時半頃
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じゃあ、やめるのか?
[想う事をやめるのかと。
呟きに、宣戦布告のような答えを返す。野久の心情は複雑だろうが、自分だってもうぐちゃぐちゃだ。 そして何故か、織部にはこんな思いさせたくないと、思ってしまった。
引き止めることはできなくて、そのまま出てゆくのを見送って]
……下、いこっか。
[トイレなら仕方ない、と顰めた眉を戻して部屋を出ようと歩き出す。 途端、薔薇の香を吸い込んで、くらり*]
(93) 2011/05/20(Fri) 11時半頃
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[>>47問いかけは耳に入らなかったように風呂へ行くとく後輩をそれ以上追いかけることはなく。2階の廊下を見渡す 部屋から出てきた百瀬と、土橋、そして最上達の部屋へと入って行こうとする織部の姿は目にしただろう]
他は…
[恐る恐る階下の自室と向かう、これ以上誰かいなくなっていないようにと祈りながら]
(94) 2011/05/20(Fri) 12時頃
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― 二階の浴室前 ―
……ん、さんきゅ。
[水で冷やしたタオルを受け取り、気休め程度にはなるだろうと道也の額に乗せた。 少しでも楽になれば良いのだけれど……]
楓馬、お前……。
[浴室から飛び出してきたのだろうか。 びしょ濡れの侭の楓馬に気づき]
……風邪引くといけないから、とりあえず身体拭いて服着てこい。 道也の方は見てるから。
[行った行ったという様に、手を振った]
(95) 2011/05/20(Fri) 12時頃
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[階段を下りていけば 2階へ向かう鳴瀬とすれ違うだろう]
先生、石神井と道端が…
[伝えようとしてその表情から先に降りて行った栖津井先生に事のいきさつを聞いたのだと判る]
2階に隠れる場所も通路なかったと思いますけども、もし上を探すならこれを持って行ってください
[残っていた懐中電灯3つのうちの1つを渡す]
(96) 2011/05/20(Fri) 12時頃
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[れんごく。 その響きは、煉獄とも違う。 一番ちかいのは、バスの中で克希の小父が話してくれた、『薔薇恋獄』の、響き。
怪談は怪談、と。 日向の一側面でしか無かったことに、安堵してもいられない]
……恋を、失ったひと……。
[日向のことばかり、考えているわけにもいかないようだ。
じわじわと、彼女の言葉の意味が思考に滲みてくれば。 奇妙で、哀しくて、けれど退っ引きならない状況に、頭を抱えたくなった]
(*13) 2011/05/20(Fri) 12時頃
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つまり、失恋したらダメってことだろ……? ……だからって、そんなん、ダメって言えるもんじゃねえし……。
[そもそも自分が手本になれそうも無い立場である。 かといって、]
恋、すんな、とか。……言われたら、ふざけんなって感じだよな。
[自分も言われたくない。 そも、言われればしないで済むのなら、日向の悲恋話だって起きなかっただろう]
……どう、するか。
[日向の口ぶりから、彼女が片割れの衝動を抑えていられるのにも、限りがあるようで。 いずれ、恋を失ったかどうかは関係なく、皆が危険に晒されそうで]
(*14) 2011/05/20(Fri) 12時頃
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…… でも、うん。夕輝せんぱいと、哲人せんぱいは、やっぱり無事なんだ。
[あの時の会話は、ヒナタが主導を握っていた。 まだ、時間切れじゃない。はず。
それに、ふたりは。 恋を失ったの対義は何だろう。得た、とでも言えば良いのか。 寄り添うさまを思い出せば、会えないのは心配だけれど、すこし幸せな気分になって、ちいさく笑う。 哲人はもちろん、夕輝もやわらかで幸せそうな表情だったのを、覚えているから]
日向が、頑張ってくれてんだから。無駄にしちゃダメ、だ。
[ありがとう、とカラの手にもう一度呟いて、決意。
けれどそもそも、このことを同じく日向を案じているだろう蛍紫に伝えるのか。 それが最初にして最大の難関であることに気づけば、やっぱり頭を抱えたくなった]
(*15) 2011/05/20(Fri) 12時頃
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―― 2階、浴室前 ――
ぇ、うわぁああっ!
[悠里に指摘されて>>95初めて、自分の格好がひどいことに気づいた。 すみませんすみません! と謝りながら、脱衣所へ逆戻り。
慌てて、ざっと身体を拭いて、着替えに掛かった時間67(0..100)x1秒。 風呂場の電気を落として、しんなりした頭にバスタオルを被せたまま、ふたたび廊下へ顔を出し]
すみませんでした。 ……どっか、打ったんでしょうか。王子。
[倒れた瞬間を見ていないから。 何処へ触れることもなく、おずおずと様子を窺う]
(97) 2011/05/20(Fri) 12時頃
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[服を着て戻ってきた楓馬にちらりと視線を一つ投げて、 それから道也へと視線を戻す]
打ったって言う感じじゃなかったな。 そんな音も聞えなかったし。
[意識を失うほど打撃を受けているならば、この距離で聞こえないはずがないだろうと口にし]
それよりも、なにか恐ろしいもの見たとか。
[たとえば、そう。 いるはずのない女の姿、とか。
口中で呟く声は、楓馬や蘭香の耳にも届くか]
(98) 2011/05/20(Fri) 12時半頃
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