56 いつか、どこかで――狼と弓のワルツ――
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[食べて見れば、矢張り自身にとって平均的な味だった。食料事情は仕事上の数値や、各担当から耳に入る話でなんと無しに把握できる。]
なんだかんだいっても、うまくやりくりしているんだろうけどねえ…。
[自分の呟きは周囲のざわめきに紛れさせた。]
(56) 2011/07/01(Fri) 02時半頃
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[注目が集まって、食堂内が変にざわついてしまった。 これでは食事をする者達も落ち着けないのではないか。
そう思って、公女殿下に一旦退室して頂けるように、 なるべく丁寧に促して、共に食堂を出ようとした。
途中、席を取っていてくれたバーナードに、 申し訳なさそうに会釈をしたのだった>>51]
(57) 2011/07/01(Fri) 02時半頃
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ムパムピスは、ペラジーの顔を、気遣わしげに振り返った**
2011/07/01(Fri) 02時半頃
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公女殿下…へえあれが。
[恫喝した女性の後から聞こえた声に>>41>>55、神父殿のものがあった。彼女がどのような人物か、漸く顔と名前が一致できた。
食糧管理の帳簿に別枠―お偉方一人だかの専用―確保された分があった。使い切る日数と中身を見れば、量も内容も遥かに上だったのを覚えている。それが、彼女の腹に入ると言う事だろうと。]
公女殿下ならば、晩飯くらい鱈腹食べてるだろーになあ。あんだけの量をあの日数で使うっていうんだろーから、更に態々ここで食わんでもいいだろうに。
[相手が相手ゆえ、言葉には出さない。
神父殿は殿下と外に出る素振りを見せているようで>>57、自身に向けられた会釈に対し此方も会釈を返した。]**
(58) 2011/07/01(Fri) 02時半頃
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無理…?
[ミッシェルの言葉を背中で聞きながら。 馬の首を砦の方へと向けさせて、帰ろうとした背中に掛けられた言葉に首を傾げて。]
俺はお前が何を言いたいのかさっぱりわからんな。
[唐突にお前は女だろう、無理はするな、と自分の価値観を押し付けられてものを言われてもわかる訳もなく。 そもそも、自分の性別などどうでもいいと思っている。 元団長と現団長には、忠誠の証として本名を名乗ったから性別がバレてしまったけれど。 それでも、オスカーがオスカーであるためには、オスカーが女である事を知られてはならないのだ。 ただ、其れだけの事。 女だからどうのこうの、だとかは全く思ってもみない。 だから、ミッシェルが何を言いたいのかも理解できないし、理解する気も無かった。]
(59) 2011/07/01(Fri) 02時半頃
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― 砦:地下牢 ―
しばらくそこで寝てろ。 起きたら、何か面白い事でも話してくれればいいがな。
[平原で捕まえた捕虜を放りこんで。]
あぁ、書類にも目を通さないといけないんだったな。
[ふわぁ、と一つ欠伸をして。 赤騎士団の執務室へと、足を向けた。**]
(60) 2011/07/01(Fri) 03時頃
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― 深夜・自室 ―
[仮眠から戻ってきた団長に引き継いで、執務室を出たのは夜半。 湯浴みを済ませた後、眠っている団員たちを起こさないように自分の部屋に戻った。
布団に入り、眼を閉じる。]
(61) 2011/07/01(Fri) 03時頃
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[夢を見た。]
木々が燃えている。 こどもが泣き叫ぶ声が聞こえる。
公国の大地に伏すのは、 魂を失った骸と、 ――――あかい、
[幼い頃から幾度となく繰り返し見た風景。 それは、「絶望」によく似た―――紅い夢。**]
(62) 2011/07/01(Fri) 03時半頃
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[参謀室から出、向かったのは弓の訓練所。 食堂はおそらく自騎士団の者たちで混んでいるだろう。 ならば先に風呂にでも入ろうとしたが、その前に軽く自主訓練をしようと足を向けたのだ。
直径8cm程の小さな的を用意し、いつもと同じように弓にキスをしてから矢を番える。]
集団を纏めたいとか、名誉が欲しいとか。 そんなんで入ったわけじゃないからな……。
[守りたいと思って入団した。 今よりも上の立場に行けば、より守ることが出来るのだろうか。]
(63) 2011/07/01(Fri) 03時半頃
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[悩みを断ち切るように、集中して矢を放した。 明かりが少ない中でも的の下の方に中る。 もう一本、矢を番えた。]
……先ずは目の前の敵だ。
[呟き、同じように集中して放した矢は、先に当たっていた矢の真横に突き刺さる。 段々と考えは目の前の的に集中し。
30本ほどの矢を射終えた時は、全ての矢がその的に刺さっていた。**]
(64) 2011/07/01(Fri) 03時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2011/07/01(Fri) 04時半頃
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もう、馬鹿言わないで。 三十枚も無いんだから一時間後には眠れるよ。
――だぁ!それは替え馬じゃなくて予備馬! 防衛戦同然の中で替え馬持ち出す必要がどこにあるの!
[へらへらとしながら皮肉を言い退ける余裕はどこから来るの? イアンが羨ましい反面、少しイライラしてくる>>*1:39 それでも、暫くはイアンも頑張ってくれた。 頑張ってくれたけど]
(*0) 2011/07/01(Fri) 05時半頃
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――!? ちょっとイアン後十一枚だけ! わざわざ『副団長』言ってず!!
待てイアンッ! イアンッ!!
[明らかにわざと副団長なんて呼びやがって。 まだ団長が把握して居なければならない最低限の書類も押し付けてくれて。 僕の方が足は間違いなく速いにも関わらず、執務室からイアンが逃げ出して。
――『堪忍袋の緒』が切れると言う意味を身を以て知った]
(*1) 2011/07/01(Fri) 05時半頃
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イアアァァァアァアァァアアアアアアンンッ!!!!!!
[怒りに満ちた狼の咆哮が、僕一人取り残された執務室にガンガン反響する。 この時に何となく理解してしまったのは。 多分一生、僕とイアンはこんな関係で続くんだと。頭が痛くなる様な、でも其れがあるべき形の様な。
……この関係が、一生"続く"なら、だけど]
(*2) 2011/07/01(Fri) 05時半頃
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―― イアアァァアァアァアアンンッ!!!!!!
[夜の内、赤騎士団の執務室から怒りに満ちた咆哮が響く。 尤も、この様な怒髪天を突く怒り声に、騎士団は誰の物かと把握しかねたろうが。
身近になって、今漸く本当の意味で理解した、「あの」新団長の、騎士団随一の適当ぷりに頭痛を覚えながらも。 やがて書類を確認する為にオスカーが足を踏み入れる頃には、青年は一人で書類を纏め終えていただろう]
(65) 2011/07/01(Fri) 05時半頃
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[物言いはおとなしいが、威圧感の有る覇気と声 周囲の騎士からの注目も、今は全く考えられていない
縮こまるマリアンヌ>>37に、眉をしかめ 彼女を庇うペラジー>>41に、しかし強い口調で更に言葉を加えた]
それでも、苦労している騎士達にこんな不味い食事なんて…! 士気が下がってはどうするのです!?
[ムパスピスの静止の言葉>>55に、一旦言葉を止める しかしその瞳はペラジーを睨んだまま]
わたくしは騎士達を思って――!
[空回っているとは、露ほども思わずに]
(66) 2011/07/01(Fri) 06時頃
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[更にムパスピスにやんわりと抑えられれば>>57、諦めたのか口をつぐむ 促されるままにその場に背を向けようとするが、思い出したように再度ペラジーに向き直った]
貴女、名前は何と仰るの?
[ペラジーがどう答えたか 立ち去りつつも、騒ぎを聞きつけてやってきたノーリーンに言い付ける]
彼女の料理なんて、食べたくありませんわ 今後絶対にわたくしの料理を担当しないようにしてください
[ムパスピスの付き添い>>57もぴしゃりとはね退け、苛々とした感情を持て余したまま、部屋へ戻った あまりにも余裕の無いその姿は、誰の目にも明らかだったろう]
彼女は、全く何を考えていらっしゃるの? 動物用の包帯を作るよりも、やる事が有るでしょう…?
[的外れな苛々を持て余したまま、ベッドに突っ伏した**]
(67) 2011/07/01(Fri) 06時頃
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ローズマリーは、深夜の謎の咆哮に一度目を覚ましたが、すぐにまた眠りに落ちた**
2011/07/01(Fri) 06時頃
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― 深夜前・赤騎士団執務室 ―
[今の所イアンは執務室に戻ってすら来てない。 …尤も、それを予測してたからこそ、僕も欠伸を噛み殺しながら、「こう」して居るのだけど。 扉のノック音。イアンかと期待しながら入る様促す]
……あ、オスカーさん…… 助かった……
[オスカーさんの姿を見て、心底情けない声が漏れた。 必要も無いだろうに、ペンを片手に何やら紙に書き込んでる僕を見て、オスカーさんは怪訝な顔をしただろうか]
(*3) 2011/07/01(Fri) 07時頃
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これ。
明日イアンに見せてあげてくれない? 解りやすく纏めたから。
[そう言って、三十枚超の仕分けた報告書と共にオスカーさんに託す。 丁度今書き上がった内容は、見ればすぐにわかると思う。 ―イアンでも理解できる程度に、三十枚超の内容を纏めた奴]
(*4) 2011/07/01(Fri) 07時頃
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…イアンには苦労しそうだね、お互い。 それでも、僕は二人で頑張るって決めたけれど。
[まだ身近になって間も無い。 ただ、イアンは良い団長になれると、そんな気がする。 僕も出来る限りの力を貸すと、覚悟は決めている。
それは、僕が又イアンに寄り掛かっている事に対する義務だと思ってる]
(*5) 2011/07/01(Fri) 07時頃
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[だけど、恐らくオスカーさんは何時も通りの反応で部屋を辞そうとするだろうか]
うん、おやすみなさい。 オスカーさんもゆっくり休んで……
―………
[ふと、突き付けられた言葉が脳裏を過る>>0:226 あの時、嘘を吐いた。きっと、不甲斐無いって思われたと思う]
(*6) 2011/07/01(Fri) 07時頃
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………………
[オスカーさんが主と認めたのは、イアンだ。 副団長に過ぎない、それも不甲斐無いと思ってるだろう僕の事は、きっと、幾らでも替えも効く様な存在だと思う 実際、不甲斐無いから仕方がない。 けど]
(*7) 2011/07/01(Fri) 07時頃
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……………っ……
[オスカーさんに。 きっと、僕の次には、父さんの事を知っていたオスカーさんに。 僕のそれでも精一杯の覚悟も知られず、一生不甲斐無い奴と思われたままで居るのは。 ただ無性に悔しい]
(*8) 2011/07/01(Fri) 07時頃
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――父さんは、凄い団長だった。
[ぽつり、ぽつり、と溢し始めたのは、オスカーさんの手が扉に手を掛けようとした時]
誰からも信頼されて、誰よりも強くて。 誰にも負けない人で。
父さんが亡くなったら。 一日が経つ毎に、皆父さんが本当に凄かった事を思い出して。
…でもね。 それを思い知ってたのは、誰よりも僕だった。
(*9) 2011/07/01(Fri) 07時頃
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騎士の剣もまともに振り翳せる力も無い。 全て笑って受け止める大きな度量も無い。 皆をその手一つで纏め上げる信頼も無い。 父さん見たいな強さは、何一つも持って無い。
一日が経つ毎に、なのに皆が次の『団長』への期待を膨らませて。
…今でも思ってる。 僕なんかじゃ、一生掛かっても届かないって。
(*10) 2011/07/01(Fri) 07時頃
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僕には、『ファーレンハイト』の高さが重すぎたんだ。
(*11) 2011/07/01(Fri) 07時頃
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だから僕。イアンに甘えてた。 どういう人間なのかも知らない様なイアンに。
僕よりも、騎士団の誰よりも強い、その強さが。 彼の方がずっと、父さんの跡を継ぐのにふさわしいって。
勝手に甘えて。 勝手に押し付けて。
[自分の弱さを真正面から認めて、それを伝える事。 …今直ぐにでも聴かなかった事にして欲しい程に辛い]
―逃げてた。 この騎士団を護る為に、背負わなくちゃいけない重責から。
(*12) 2011/07/01(Fri) 07時頃
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ごめんね、オスカーさん。 昼間のあの言葉……嘘、ついてた。
不甲斐無いって、思われてても仕方ないよ。
[懺悔する様な気持ちで、伝えたかった事を。 でも、この言葉は、『泣き言』のままにするつもりは、ないから]
(*13) 2011/07/01(Fri) 07時頃
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――最後に一つだけ。
僕は不甲斐無い奴だと思う。 僕は逃げ足だけ早い様な奴だと思う。
だけど。
[机から立ち上がって、真直ぐに見る。 ここまでの話を聞いて、泣き言を連ねているだけだと思われても良い。 結局は最後の最後まで逃げ腰だって、不甲斐無い事を証明しただけと思われても、事実だけど。 これだけは、信じて欲しいと]
(*14) 2011/07/01(Fri) 07時頃
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大事なこの騎士団を…この場所を守りたい気持ちだけは。
その意志だけは絶対、折るつもりも揺るがせるつもりも無かった**
(*15) 2011/07/01(Fri) 07時頃
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― 暁前・開戦前 ―
[ほんの少しだけど、休息は取った。 速く目覚めた僕は、イアンの部屋を訪ねる。]
………
[鍵は掛かって無かった。性格なのかな。 後ほんの数分、残された休息の時間を壊さない様に。 出来るだけ息を気配を殺して、きっとまだ眠っているイアンを見下ろす]
(*16) 2011/07/01(Fri) 07時半頃
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…… ………
[態々何かを言う為にここまで来たのに。 言う言葉を何も考えてなかった]
(*17) 2011/07/01(Fri) 07時半頃
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