197 獣ノ國
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―回想・車内―
[男のポケットの中の携帯端末が震えたのは、三つ目の信号に捕まった直後。 一度だけブルリと震えたそれに、赤く光る信号からふ、と意識を逸らす。]
…少し失礼するよ。
[ミラー越しに、緊張しているらしい少女へと断りを入れ、男は信号待ちの間に携帯端末を取り出してその画面を確認する。 人と居る時に些か失礼ではあっただろうけれど、休暇中に仕事のメールや電話が入る事は、良くある事だったから。
しかしそこに表示された名前に、男は端末機を見下ろしたままぱち、と目を瞬かせはしただろう。 ――そしてメールの文章を読んだのなら。ク、と小さく、口の端を歪めはしただろうか。]
(……ほう、これはこれは…楽しくなりそうじゃあないか。)
[先日会うた、彼の事を思い返し。メールの文章を噛み砕くようにもう一度確認すれば、男は端末に指を滑らせる。 そうして、信号が青になるのと。男が端末を操作し終えるのは、ほぼ同時だっただろう。]
(269) 2014/10/04(Sat) 11時半頃
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差出人:ルーカス 宛先:ジャニス ―――――――――――――― Re:こんにちは 20xx年 10月2日 ―――――――――――――― メールをありがとう。 それにしても急な話題だな…最近噂の獣人の話とは…次の演目では獣人でも、演じる予定なのかね。
獣人の話なら、幾つか耳には入ってきている。その話をすると言う事は、君の耳にも入っているんだろうな。 君の話も是非聞きたい、が…それをメールでしたためるのは、些か面倒だ。
もし君が良いのなら、今夜か明日か。食事でもどうかな? 私の持っている情報で良ければ、その時に君に渡そう。 情報交換、といこうじゃあないか。 君の芝居が更に磨かれ美しいものとなるような。そんな有益な情報を、用意出来るだろう。 その情報を元に君が"創り上げる"役が観れる事を、心から楽しみにしているよ。
いつか私の為だけに、演じてみて欲しいものだがね。
(270) 2014/10/04(Sat) 11時半頃
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□集え獣人 20xx年10月2日 mm:ss 蜘蛛の糸
おはよう。 昨日はししゃもに荒ぶってしまったようだ。
【今日の献立】 ・ししゃも(子持ち、でっかいの) ・ししゃも(二匹目) ・柳葉魚(ししゃも) ・カペリン(ししゃももどき) ・ししゃもフライ(たべたい) ・味噌汁(豆腐韮茸)
>>ししゃもしかこない<<
荒れ狂うししゃもの中の味噌汁の優しさが際立っているな。
(*79) 2014/10/04(Sat) 12時頃
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>>*63 イルカ あぁ、眼鏡を買ったんだな。 私の方もそれを買ってきたが、次にどうすればいい? [[添付ファイル]](表面) あと待て、頭からししゃもを生やした蜘蛛というのは中々に奇怪過ぎるだろう、せめてししゃもを咥えるに留めたいところだ。
>>*69 鼬 優しいのかそうでないのか解らん奴だな。 ししゃもは嫌いじゃあないが、流石にししゃも六匹は献立として成立していないと思わないか? しかし汁物は有難い。私はなめこの味噌汁が好きだ。
>>*70 シェパード えらく殊勝じゃないか、最初の一言以外は。 しかしそう言われては、此方も何も言えんな、悪かったよ。 だがカペリンは許さん
>>*73 カナリア あぁ、そうとも。火の粉の一つでも舞ったのなら、折角の巣が台無しだ。 その時は君にも頼もうか…流石にカナリアは、巣にはかかってくれないだろうがな。
(*80) 2014/10/04(Sat) 12時頃
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―カフェテラス―
[車を降りる際に差し出した手に乗る、彼女の細い指先>>280。先とは違い取られたその指先を軽く握ったのなら、立ち上がる彼女を見ながら扉を閉める――その時に見えた僅かな躊躇いの様子には、やはり小さく笑いはしたけれど。 だが、その理由を聞くような事は、きっと男はしなかっただろう。
そうして男が差し出した右手腕に、掴まってくれたかは定かでは無いけれど。程なくして、カフェテラスが見えはしただろうか。 カフェテラスにはどうやら、見知った顔も居るようで。 そこに、怪訝そうな視線を向ける友人>>255を見つけたのなら、丁度良かった、とばかりに軽く眉を上げて応えては見せただろう。]
――さて。 ささやかだが、好きなものを頼んでくれ。 …しかし此処には初めて来たが、結構メニューが充実しているんだな。
[彼女を席に座らせ、男もまた席に着いたのなら、傍らにあるメニューを彼女の方へと開いて見せて。自分もまたメニューを覗けば、そんな感想をポツリ。 感心したようにメニューを見ていれば突如、彼女から出た言葉にふ、と視線を持ち上げる。]
(323) 2014/10/04(Sat) 15時頃
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…掲示板? あぁ…いや、私はやっていないな。 そういう匿名でのやり取りはどうも苦手でね。 も、と言う事は君は何処かに参加しているのかな?
[頭には、赤い画面に並ぶ文字が浮かび上がりはしたけれど。しかし今此処で、彼女にその話を――"獣"の話をする事も無いだろう。 ざっと見たメニューの中から自分の注文だけ決めておき、視線は彼女へと真っ直ぐと向けて。そうして掛けた問いへの返答は、如何な物だっただろうか。]
(324) 2014/10/04(Sat) 15時頃
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ルーカスは、錠が噎せている声に眉を寄せた。
2014/10/04(Sat) 15時半頃
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[車を降りた所で差し出した腕はどうやら掴んでは貰えなかったようだ。あからさまに慌てる様子>>340に堪らず小さく噴き出しつつも、ならばせめてと軽く肩を引き、カフェテラスへの道を進む。 財布を出す彼女には、やはり小さく肩を竦め。しかしその財布はあまり暖かくは無かったのだろう、羞恥を滲ませながら頭を下げる様子に、失礼だと思いつつも震える肩を止める事は出来ずに。]
……く、く。君は何とも愉快だな。 あぁ、是非ご馳走させてくれ。 お礼とは言え、レディとの"デート"なのだし。
[戯けたように言って見せながら、メニューを手で一度促し。机の上に手を置き、彼女の話に耳を傾ける。 そうしてその唇から"獣人"の単語が滑り落ちたのなら。男はさも驚いたように、目を見張っては見せただろうか。]
(348) 2014/10/04(Sat) 17時半頃
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獣人…ほう、獣人か。 何やら先日から、チラホラと聞きはする単語だが…そんな掲示板があるとは知らなかった。
しかし、獣人と会った、か。 事実獣人が居るのなら、私も是非とも会ってはみたいものだな。
[話を聞きながら、ふ、と先程車内で受信したメールの事を思い出す。 ――成る程、少女の言う舞台役者とは、もしかするともしかするのかもしれない。 となると、其方の掲示板での状況も、些か気にはなると言うもの。 視線は前へと向けながら、薄い笑みの奥ではそんな事を考え。そうして彼女が別席に居る友人の話をしたのなら――近くの席への移動を提案したのなら、男は机の上の手を伸ばし、再びその細い指を掴もうとしただろう。]
君も中々に野暮だな。 今は、私と食事に来て居るのだろう? …あっちも、邪魔したら悪いじゃあないか。
[ちら、と友人とその相手の女性の方へと視線を移し、少しばかり呆れたように言ってのけて。手を掴む事が叶ったのなら、ほんの、ほんの少しだけその手に力を込めながら。]
(349) 2014/10/04(Sat) 17時半頃
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話を続けたい所だが、取り敢えずは飲み物でも頼もうか。 私は珈琲を。君は?
[緩く笑って見せながら、ひとまずは飲み物の希望を伺い。彼女が希望を出したのならそれを、出さなかったのなら、同じく珈琲を注文しようとしただろう。]
――さて。話の続きだが。 君は獣人に興味でもあるのかね。 その"誰か"のように、会ってみたいとでも思っているのか?
[握ろうとした手は、果たしてどうなっていただろう。もしも未だこの手の内にその指があるのなら、男は決してそれを離さずに。 そうしてはたと気付いたように、彼女へともうひとつ質問を投げる。]
あぁ、まだ名前も知らなかったな。
私はルーカス。 君の名を…聞かせては、貰えないか。
(350) 2014/10/04(Sat) 17時半頃
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[重ねた手の下。彼女の指の強張り>>356は、緊張から来るものなのか、それとも"別の何か"から来るものなのか。 向けられた戸惑いの視線には、"どうかしたのか?"とでも言いたげに小さく首を傾げて見せでもしただろう。 彼女が触れる男の手に、えも言われぬ何かを感じていることなど、男に知る術など無いのだから。
希望を聞いても聞こえた風も無く、上の空の様子の彼女>>357には、少々訝しむような視線を。 少々不躾な事をしている自覚はあるものの、彼女の反応の意図がどうにも解らない。 そんな懸念と共に投げた、名を問う問いには、漸くその凛とした声を聞くことが叶っただろうか。]
クラリス。 成る程、美しい名だ。"優しい郵便屋さん"?
[やはり戯けるような口調でその名を反芻しながら、少しばかり目を細め。何処か戸惑った様子の彼女の言葉を聞きながらも、男の表情は変わらないまま。 しかし僅かに震える声で、握った手の事を言われたのなら。 男は細めた目を見開いて、その指を撫ぜるようにして手を離しはしただろう。]
(363) 2014/10/04(Sat) 19時半頃
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あぁ、すまない。離す機会を見失ってしまっていた…迷惑だったかな?
獣人が、本当に居ると言うのなら。勿論、会ってはみたいとも。 それが"造られた"ものであろうと、そうでなかろうとな。
それにしても、"いい獣人"か。 獣人がどんなものなのかは知らんが…君は、獣人に会えたならどうする?
[離した手を引き、机の上で手を組み。そうして探るような視線を向けながらも問うてみれば、彼女の返答は如何なものだっただろう。 ――嗚呼、それともうひとつ。 先程からずっと、気になっていたことがあったのだ。]
――……あと。 さっきからどうにも緊張…いや"戸惑って"いるようだが。 私は何か、君に礼を欠く事を…して、しまったかな。
(364) 2014/10/04(Sat) 20時頃
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[――そんな話をしていたのなら、少し離れた所に座っていた旧友が、席を立つのが見える>>355。 此処に来たのは確かに彼に用もあったのだけれど、相手にも自分にも連れた女性も居ることだし、そもそも届け物の本は車の中に置いて来ている。]
(……また今度返しに行くか。)
[誤って包みを開けてはしまったから、男は忘れられたその本が、何の本かは把握してはいた。そしてそれは、やはり男の興味をそそるものでもあり。 借りた本を返すまでに返す機会が訪れなければ、少しばかり読ませて貰うのも良いかもしれない、なんて考えていることなど、あの友人は知る由もないだろう。 ――尤も、付き合いもそこそこに長い関係だ。あの聡い友人なら、予想くらいは…しているかもしれないけれど。]
(365) 2014/10/04(Sat) 20時頃
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…さぁ、私にも本当の所は解らないがね。 だけれど、"普通ではあり得ない"ものなんだから。 なら誰かに造られた可能性だって…十分にあると思わないか。
[彼女の投げてきた質問>>367には、思案するような素振りと共にそんな答えを。 その瞳にも、表情にも。男の考えも感情も、浮かぶ事はきっと、きっと無かっただろう。 此方を見つめる瞳を見返し、きっと"もしも獣人に会うた時のこと"を考えているのだろう。何処か申し訳なさげに俯いてしまった少女>>367には、男は小さく苦笑を漏らしはしただろうか。]
優しいものだな、君は。 私ならきっと、獣人なんぞに会ったら奇異の目で見てしまう。 …きっと、好奇心が擽られてしまうから。
例え獣人が、君の言うように"拒絶"を恐れていたとしてもね。
[言いながら、組んだ手の爪をカチ、と一度だけ鳴らし。小さなその音が彼女に聞こえたかは解らないけれど、細い糸として僅かに綻んだ爪の先は、彼女の位置からは見えないだろう。 男は一度ふ、と息を漏らせば、解けた糸を指でぐいと押し込み、また少女へと視線を戻す。]
(375) 2014/10/04(Sat) 22時頃
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……?そうか。なら嬉しいのだが。 てっきり、気味悪がられてでもいるのかと… …まるで女性が、家に忍び込んだ《蜘蛛》でも触った時のような反応だったから。
[戸惑いの色と共に伸びてきた手>>368を見つめ、困ったような声音で、ぽつり。その手がまた男のそれへと触れようと言う所で、カフェテラスへと鳴り響く、時を告げる音色を聞く。 音に紛れて鳴る針の音を聞きながら、彷徨うように揺れるその指をぼんやりと見下ろし。 そうしてそれに手を伸ばし――]
…あぁ、そうか。それは残念。 すまない、君の予定を急がせてしまったな。
[――伸びた手は、彼女の手には終ぞ触れる事は無く。寸前で握った拳は、そのまま男の上着の内ポケットの中へと。]
だが、このまま礼も何も出来んというのも、些か心苦しい。 君の時間のある時に、また連絡をくれると嬉しのだが。
[そうして取り出した一枚の紙を、彼女の前のテーブルの上へ置き。 "Lukas V."。自分の名と連絡先の書かれた名刺を置いたまま、彼女の手には触れる事無くまた机の上で手を組む。 カフェに鳴り響く音は、もうとうに鳴り止んでいただろうけれど。]
(376) 2014/10/04(Sat) 22時頃
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ルーカスは、ヤニクが珈琲が嫌いな理由が理解出来ない。
2014/10/04(Sat) 22時頃
ルーカスは、錠のスーツ姿は久々に見た気がした。
2014/10/04(Sat) 22時頃
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