226 【突発誰歓】君の瞳に花咲く日【RP村】
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[――疲れた。
指先一つ、ピクリとも動かない。
眼だけ動くのが奇跡なのかもしれない。
今が何時なのか、窓もなければ分からない。
一先ず眠りについて――また起きられるだろうか?
次に眼が覚めた時に、再挑戦だ――。
まだ、やることがあるんだ――死んでたまるか――**。]
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[ ごとり。
意識の底で何かが転がる音がする。 ……何が欠けた?……何を落とした?
笑う。泣く。怒る。 誰かを好きになる。嫌いになる。
眠りの海に沈む"私"でもシーシャでもない躰。
失われたモノ。――引き換えに手に入れたモノ。
目覚めない青年は未だ知らない。*]
(13) 2015/06/09(Tue) 04時頃
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― 未明 ―
[目を覚ました青年は起き抜けに目を細めて、]
――"私"。
[声を出し、出したその声の内容をよくよく吟味すれば忌々しいとばかりに舌打ちをその場に捨てた。 …違う。"私"じゃない。どうして、"私"なんて。 思い出そうとする。シーシャの一人称は"俺"だった。
――そこまで思い及んで、ぞくりと肌が泡立った。
言い表せない感覚。 "私"ではなく、"俺"という一人称に感じる、ソレ。 ……酷く救い難い、違和感。]
(14) 2015/06/09(Tue) 04時頃
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[常に保たなければ吹き飛んでしまいそうな"シーシャ"の自覚。 その瞬間、悟る。
青年の意識の無いあいだ、欠けてしまったもの。 存在の欠落。落ちていった"シーシャ"の欠片。
……目覚めた瞬間に失われたものは。それは。
"シーシャ"という存在は"俺"である。という確信的な認知。
感覚も、知覚も、何かもが"違う"。 微かな違和感。…それでも、それは決定的な。
青年の躰が"シーシャ"を"シーシャ"と認めていない。 それを、否応なしに――自覚した。]
(15) 2015/06/09(Tue) 04時頃
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っ…ぐ、――う
[俺は"私"じゃない。"私"はシーシャじゃない。 脳髄に直接書き込むみたいにして、発作的に壁に爪を立てた。 "私"じゃない"私"じゃない"私"じゃない"私"じゃない… ブツブツと呟きながら虚ろ目で壁へ"記録"しようとする。
青年には硝子をキズつけた記憶>>2:274は残ってはいない。 ただ、ただ記録記録と脳の奥底で誰かが騒ぐばかり。
…それでもキズが開いて赤い液体が指先を伝えば、 僅かに我に返り、ぽた、ぽたと落ちていく液体を眺めた。
青年はすでに"かなしい"と"泣くこと"を忘れていた。 けれど、流れていく赤い涙を見れば、]
(16) 2015/06/09(Tue) 04時頃
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( ああ、もしかしたら )
[左胸がざわりとざわめき立つような。苦しいような。]
( オレは今、"泣きたい"のかも、しれない )
[気がした。]
(17) 2015/06/09(Tue) 04時頃
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[青年はしばらく呆然とそうしていたが、外から差し込む明かりが白み始めたのを感じればふらつきながらも何とか立ち上がった。
まだ平気。まだ、大丈夫。 自分で"シーシャ"の存在を自覚している間は、まだ。
そう言い聞かせれば、ちゃりんと。 胸元で音がして、そういえばと鍵をかけた机を見遣る。
どうやら、開けられてはいないようで青年は安堵の息を吐いた。
今日こそセンセーにこれをと。 引き出しから"絵本"を取り出して胸に抱く。
…その実、センセーでなくとも構わないと思っていた。 託した手紙が届かないという噂を耳にしたことがあったから。 託した本(モノ)が失われる危険だってないとは言えない。]
(18) 2015/06/09(Tue) 04時頃
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[それでも。 忘れないでと。いつか、誰かに言われた気がする。 だからこそ、自分で持ったままでいる気にはなれなくて。 誰かに渡してしまいたい。なんて、考えていた。
けれども、脳に浮かべることが出来る顔のひとつひとつ。 それが青年と如何なる関係の人だったかさえ 日に日に霞がかかっていくように薄れていくような気がして。
頭の中の思考の糸が絡まっていくように感じ始め、考えていても仕方がないと取り敢えずは廊下へ出ることにした。
――しばらく経って。
まだ薄暗く静まり返った通路に青年の足音が響く。*]
(19) 2015/06/09(Tue) 04時頃
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[ぱた、ぱた] [不規則に音が鳴る。時折、奇妙な間隔が空くこともあった。 揺らぐ篝火のような不安定な意識が、青年の周囲へ向ける視線を濁ったものにしていた。
しん。と音のない廊下に足音を残しながら、青年は歩く。 まだ薄暗い空気を体で割って、歩く。歩く。歩く。
そして、その途中で気付いてしまった。 廊下に空いた穴。開け放された白い空白。>>3 過ぎる前に覗き込む。 何もない 部屋。
青年は虚ろ目を見開く。 まだ"これ"は覚えている。 ――唐突に。最初からいなかったように。 蝋燭の火が燃え落ちて消えてしまうように。
"誰か"がいなくなってしまったのだと、 知りたくもないことを誰に聞かずとも――識っている。]
(35) 2015/06/09(Tue) 18時頃
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[ …いなくなったのは、誰――? ]
(36) 2015/06/09(Tue) 18時頃
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[双眸を空っぽの部屋に迷わせながら、思い出そうと試みる。 瞠った瞳から雫が落ちる頃になって漸く。 ……嗚呼、と吐く息と一緒に 思い出した。
廊下は走るな、とかそんな呑気な言葉で見送った。>>0:192
それが、最後。 何時か何処かで耳にした子守唄>>0:16はもう聞こえない。*]
(37) 2015/06/09(Tue) 18時頃
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[どれだけそうしていたことか。 空っぽの部屋に差す陽の光が明るさを増して。
光に促されるように青年はふらりとその場を離れる。 喪失する痛み。壁に刻まなくとも忘れない 記憶。
何度繰り返しても繰り返しても慣れはしない。 返してと嘆いて、もう嫌だと泣き叫ぶことをやめたのは何時のことだったのか覚えてもいない。]
……ん。――あー…、メルヤ。か。
[それでも、青年にかかる声>>32があったならば、返す声はぼんやりと曖昧な音だっただろう。 声の主へ振り向けば、確かにそこに居ることを確認するようにその顔を凝視して]
(38) 2015/06/09(Tue) 18時頃
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…あァ、悪ィと思ってるならよ。 「本の件」>>2:114と合わせて貸しふたつ、な。
[挨拶代わりにへらりと笑んで、そう言った。 返されなくても構わないと思う"貸し"。 何時までだって返されなくたって構わない。 …ただ、そう言っておくことで彼がいなくなってしまわぬようにと無意識のうちに思っていた、かもしれない。
そのまま、メルヤが立ち去るようであったなら佇んで見送ることにでもして、後ろ姿を見ながら小さく欠伸を零した。**]
(39) 2015/06/09(Tue) 18時頃
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あああああああっっ!!!!
うああああああああああ!!!!
……っ。
[――眼が、覚めた。
目覚まし時計は、じぶんの喉から出てくる叫び声。
良かった――。
まだ、生きてた。
微かに残る意識の最中、あたしは生き汚くそう思った。
知らない間に息が切れていて――喉から下は痛い痛い苦しい辛いと訴えてくる。]
……はぁ、すぅ、はぁ。
[ゆっくりと――まずは息を整えよう。
――記憶に残るリズムに合わせて。
そう、あの人が刻んでくれた――。]
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[青年が人気のない廊下に再び立ち尽くすことになる少し前。 メルヤの顔は常と変わらぬ澄まし顔で。>>41 それはこの場所から欠け落ちた空白を知らぬ故なのか、それとも繕っているだけであるのか青年には分からない。
手元に包帯が放られたなら手を伸ばして受け取って]
ヒドイ目に遭った礼がコレじゃあ割に合わねーって。
[口を尖らせて文句をくれてやった。 爪へ鳶色の視線が向いていたなら気まずく頬を掻いたりなどするけれど、大事にすると言いはしない。
ただ、手元に残る包帯を握り込んで、去り行く背中を見送り――]
(93) 2015/06/09(Tue) 22時頃
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――――……メルヤ、
[名前を呼んだ。 青年自身、何故呼び止めようとしたのか分からないまま。 その後の二の句も告げず、開いた口から声を出さないうちに包帯纏う後ろ姿は遠く。遠くへ行ってしまう。
何故、呼び止めたのか。 声も届かないほど距離が離れてしまったとき、気が付く。
……別れ際、"また"の言葉が告げられなかったことに。]
(94) 2015/06/09(Tue) 22時頃
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[…追いかけることは出来なかった。
只の偶然だったのかもしれない。まだ朝は早いから。 寝惚けていた可能性だってある。
そうやって幾つも幾つも"理由"を考えて、やめた。 お早うでもこんにちはでもこんばんはでもない彼の挨拶。 青年の記憶に残る限り、メルヤは。 その挨拶を欠かしたことなんてなかったのだから。
青年の思考の糸は絡まって踊る。されど、解けはしないまま。*]
(95) 2015/06/09(Tue) 22時頃
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[欠伸混じりの息を吐いたものの。 さりとて、歩み出すことも出来ないまま佇んでいただろうか。 不意に背に伝わる軽い衝撃を受けて>>82、漸く我に返る。
包帯を適当に服の中に放り込めば、青年は体を少女へと向けて]
よォ。 こんなに早くから散歩…なワケねぇか。
[言い淀む。見下ろした少女>>82が、歌唄いの少女と親しくしていたのは知っていた。 泣いていたのか、目元が腫れているようにも見えて。 …それでも、"連れて行かれてしまった"話題を青年の方から持ち出すことは憚られたから]
……大丈夫…、じゃあねえだろうから、さ。 泣きたかったら、泣いとけよ。
[なんて。少女がまだ"知らない"のならきっと意味のわからないだろうことを振り向いた体でなだらかな髪の上から呟き落とした。*]
(96) 2015/06/09(Tue) 22時頃
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シーシャは、ヒナコをじっと見下ろした。
2015/06/09(Tue) 22時頃
"何らかの突然変異を引き起こしている――?"
"まるで――、化け物じゃないか。"
[遠い記憶に、そんな言葉を話す誰かの姿がある。]
……っ。
[誰のことか?
あたしは目覚めて、同じことを思ったよ――。
あたしのことだ。
まるで化け物みたいじゃないか――ってさ。]
[息を整えるのに、力を使う。
時間をかけて――そう、ゆっくりと。
落ち着くんだ、あたしの身体。
――微かに、動けた。
そうだ。
さっき、声も出せていたじゃないか――。
ゆっくりと、そろりと腕を動かして――。]
[――なんだ、これ。
あたしの腕があった所には、代わりに別のナニカが生えていた。
それは文字通りに毒々しい――紫色の腕のような何か。
前から、指先は紫色だったけれど――それが腕まで広がったらしい。
あたしはそれを見て――笑うしかなかった。
あはは。冗談きついよ。
レベルでも上がっちゃったの?
――なんて、現実には唇の端が微かにピクリと動いただけだけど。]
[あたしをも殺す毒に、必死に耐えようとして――。
いきようとして――。
――にんげんをやめそうになっている?
なんだか、そんな気がした――。]
あ…あああ。
ああ……。
お…え…い…う…。
[また、意識が遠退きそうだ――。
――化け物――。
どこからか聴こえる声――。
せんせーの声?
……それが、トレイルの声に聴こえる気がして――。
悪夢の開幕だった。]
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[明らかに無理をしているようだ。と。>>102 鈍い青年にも分かるほど、その"笑顔"は痛ましかった。 …青年が、咄嗟に何も言葉が浮かばなくなるくらい。]
…どう見たって元気にゃ見えねぇよ。
[漸く低く出せた言葉すら、それだけ。 ――この時ばかりは言葉下手な自分を恨んだ。 もっと他の誰かだったら…例えば"私"だったら、上手く慰めてやれるのかななんて、一瞬、過ぎって。 …直ぐに、気付かなかった振りをした。]
泣けるときに泣かねえと、 …そのうち、泣きたくても泣けなくなっちまう。 ――だから、大丈夫じゃねぇならよ。
[胸に当たる頭をゆっくり、ゆっくりと撫でて、泣き続ける少女の邪魔にはならないよう、膝を落とす。]
(118) 2015/06/09(Tue) 23時頃
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[頭一つ分ほど離れた位置まで屈めば、少女の背中へ腕を回してぽんぽんと摩った。 顔を近付ければ、青年の顔は少女の目に触れずに済むか。 ――…きっと今、泣かないまでも青年もひどい顔をしている。]
思いッ切り泣いて、泣いて海が出来るくらい泣きな。 そうすれば、自分だけは失くさないでいられるから、さ。
[ナナちゃん。先生。少女の口から溢れる言葉のひとつひとつ。 もしかしたら、あの扉>>35を開けたのもこの少女だったのではないかとちらり、思う。 そうだとしたら、あまりに。"かなしい"。]
謝らなくていいから気の済むまで――、
[と、口先に出しかけた声を引っ込める。 どこかで赤色が目を引いたのか、どうやら、何時かのように>>0:245心配されているようだった。]
(119) 2015/06/09(Tue) 23時頃
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…あァ。大丈夫だって。気にスンナ。もう痛くねぇから。 包帯だって持ってるし。
[使う気はないケド。とは言わず。 青年を見上げる瞳からふいと視線を逸らして立ち上がった。*]
(120) 2015/06/09(Tue) 23時頃
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[胸に抱く温かさはまだ確かに感じ取れるもの。>>136 青年は今は。もう、泣けない。 誰かを想って泣くことも、喪って泣くこともない。 だから、少女にはせめて感情のままに居て欲しいと思っていた。]
( 自分が自分であることを忘れないように。 )
[口にしない思いはきっと、伝わらないのだろう。 …それでも、いいから。 楽しいことを喜べるよう。悲しいことを泣けるよう。怒れるよう。
――オレのようには、ならないように。
思いを胸の奥底へ仕舞いこんで、立ち上がり際にもう一度、少女の頭を撫でれば、その体から手を遠ざけた。 ――…不意に目に飛び込んだ青い翅は、変わらず美しくて そして、以前よりも大きくなって いるようだった。]
(148) 2015/06/10(Wed) 00時半頃
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[離した手は何となく後ろめたくて、少女の瞳から隠してしまおうかと――した、けれど。 時すでに遅し。割れて開いた傷痕を目撃されてしまったようで、引きかけた手首を掴まれる。>>137]
…これくらい、何時ものこと、だし。
[言い訳めいた言葉をぽつぽつと落とす。 人によっては振り払っていてもおかしくない。 でも、…少女相手にそれは出来かねて、大丈夫だからとかなんとかもごもごと口の中で弁明した。]
――…あー…、わかった。わかったから。 そう引っ張らなくてイイから。
[それでも弁明は意味をなさなかった模様。 袖口を引っ張られれば渋々少女の後を追って、歩く。 傷に染みたら痛そうだなあ…なんて、少しばかり及び腰になったのは内緒。]
(149) 2015/06/10(Wed) 00時半頃
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[掴まれた腕の違和感。歩く、足の違和感。 自分が自分でないような。 誰かの体に"起きて"いるような。そんな。
自分より余程背の低い少女に連れられて歩く。 爪先が雲を掴むような心地が断片的に訪れて。
迷い人の袖を掴んで先を行く少女の存在を有難いと、思う。]
(158) 2015/06/10(Wed) 02時半頃
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[生憎と言い訳は聞き入れては貰えなかった。>>153 手洗い場へ行く途中、少し待ってと本>>18を持ち直す。 脇に抱える方が幾ばくか手が空いた。]
…え。 ……ウソだろ。怖いコト言うなって。
[似た類の注意はセンセーからも何度も受けているハズだが、 少女の透明な声で告げられると――怖い。 肌を湿らせる水の冷たさが余計に肌寒さを感じさせて。 直後、指の傷に入り込む痛みに顔を顰めた。
その痛みも直に水の中に混じって消え、さらさらと流れていく水に時折混じる赤色を見つめては、ぼやぁっと考え事をしていた。]
(159) 2015/06/10(Wed) 02時半頃
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――――……"私"は。
[少女の声は小さく、小さく。その名を呼ぶ。>>154 「私」さん。 青年が少女に話した覚えはないから、 "私"の方から聞いたのだろうか。 名前のない"私"のことを。]
…アイツは……嫌いだ。
[考えて、口にしたのはそんな言葉。 それ以外に何とも言い様が無かった。]
(160) 2015/06/10(Wed) 02時半頃
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…ヒナ。ヒナコ。 オレはさ、ヒナがみんなのことを覚えておこうとする その気持ちは大事にすべきだと思う。
[少女の名前を呼ぶ。 目線を床へ向けて、次の言葉を紡ぐ。]
――ただ、そこにアイツがいるのは、…嫌だ。 無理強いは出来ねーし、するつもりもねぇよ。 …けど。
[声を止めて、迷う。喉の奥が渇くようだった。 誰かに言ったことがあったか、どうだったか。
……青年が"私"を厭う理由。嫌う理由。]
(161) 2015/06/10(Wed) 02時半頃
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いつか、な。 "私"がシーシャになる日が来るんだよ。ヒナ。 オレが連れて行かれても、連れて行かれなくても "私"が連れて行かれても、連れて行かれなくても。
それが、何時のことだとしても。オレはいなくなるから。 だから――オレはアイツのことがきらいだ。
覚えておいて欲しくないと思う。 忘れて欲しいと思う。
――――……"オレ"の我が儘だ。分かってる。
…分かってる、けどな。 嗚呼、それでも
みんなの中に残るのは。 オレの方だけであって欲しいと思っちまうんだよ。
[一度に息を吸う間もなく口にすれば、幾分か決まりの悪くなったように目を逸らして、黙り込んだ。**]
(162) 2015/06/10(Wed) 02時半頃
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[指先が疼痛を訴え始めていた。 いたい?と問われれば顰め面ながらこくりと頷く。 痛覚が残るのは喜ばしいことではあれど、痛いものは痛い。
…それでもまだ"シーシャ"は存在しているのだと
そう、思えるから、青年は痛みが嫌いではない。 何が消えてしまっても、最後まで残っていればいいと、思う。]
( 傷なんてずっと塞がらなければいい。 )
[痕になって、残ればいい。 後に化膿して壊れてしまうとしても。
癒える傷の代わりに失われていくモノ。 傷口も、"シーシャ"もずっと膿んだままであればいいのに。]
(188) 2015/06/10(Wed) 14時半頃
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[青年は"私"が自分のことをどう思っているのか知らない。 少なくとも、好きではないだろうと思っていた。 シーシャの過去は"オレ"のもの。シーシャの未来は"私"のもの。 道は交わらず、お互いのものに触れ続けることは出来ない。
シーシャの記憶を記録として持ってはいても、 "私"は過去の"オレ"にはなれない。 "オレ"には"私"の歩く未来は見えない。触れられない。
だから、互いに互いを忌避する。嫌う。 一人の中にふたつの世界は一緒にはいられないから。]
アイツもきっとオレのことは――「きらい」だよ。
[今は青年の見下ろす少女に"私"は何を話したのだろう。>>176 少しだけ気になったけれど、水の音が止まれば苦々しく一言を足して、それ以上掘り下げることはしなかった。]
(189) 2015/06/10(Wed) 14時半頃
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[手に触れる柔らかな水の感触と、音が、止まる。 青年の中から溢れた何かも、止まる。 後には零れ落ちる水滴の音がぱた、ぱたと。]
[沈黙する青年を 少女は見上げる。>>177 目を逸らしたままの青年は、少女の口から紡がれる言葉のひとつひとつを聞いていた。 時折口を開きはしても、声を遮ることはなかった。]
――…、アイツは、さ。
[少女の声が一区切りついた時、暫くして、声を出した。 自分ではない"私"のことを青年は知らない。 だから憶測するしかない。けれど。]
(190) 2015/06/10(Wed) 14時半頃
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…アイツも…、みんなの中に残るのは "私"だけであって欲しいと思ってるからだよ。ヒナ。
[「忘れられる記録なんてはじめからいらない。」 もしも"私"がそう言ったのなら、そうなのだろう。と。 憶測ながらも確信めいた直感が青年の中にはあった。]
だから、オレの記録を"私"は、「いらない」と言うんだろう。 だから、捨てたり、消えてしまえと願ったりするんだろう。
["自分"を見て欲しいから。"自分"でいたいから。 だからこそ、青年は自分の存在を残しておこうとする。 "私"は自分ではないシーシャの足跡を消そうとする。
――相容れない。 …仲良くなんて、出来ない。]
(191) 2015/06/10(Wed) 14時半頃
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[湿り気の失われていく傷痕へ目を遣る。 幾ら傷を付けたところで、遺したところで。 失われていくものを止めることは叶わなかった。 残ったのは"私"だけが意味を知る、壁に描かれた記録だけ。]
……どうして、だろうな。
[誰のせいだろう。 「シーシャ」の中に二つの心が出来てしまったのは。 片方が消えなくてはいけなくなったのは。 ――誰の、せいだろう。 考えたって、青年には分からない。
駄々のような声を聞けば、苦笑交じりに絵本を手洗い場の脇へ置いて少女の頭へ手を伸ばし、そっと触れる。>>178 …でも、今度ばかりは、無理すんな。なんて。 …無理に笑わなくていい、なんて、……言えなかった。]
(192) 2015/06/10(Wed) 14時半頃
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[傷を包む少女の小さな手のひらは暖かい。>>179 …随分と一度に喋ってしまった、と青年は少しばかり後悔する。 何時かいなくなる。なんて、ともだちがいなくなってしまったばかりの少女にする話としては不適切だったに違いないと今更ながらに思った。]
あー…、なんていうか、その。 …ごめん。
[逸らした目線を少女まで戻して、謝まる。 それは、直前に言えなかった言葉の分の謝意も混ざっていたかもしれない。…それと、ワガママの分も、合わせて。]
――――うた?
[…さすがに直後のそれは予想外だったから、青年は鸚鵡返しに言葉を繰り返して、ぱちくりと瞳を瞬いた。]
(193) 2015/06/10(Wed) 14時半頃
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[歌を作るのだ。と少女は言う。 シーシャを覚えておくために。いなくならないように。
嬉しい、と青年は思う。 形にして自分を残そうとする誰かがいることを。 "シーシャ"が自分を忘れてしまったとしても、覚えている誰かがいることを。
同時に何故、と思う。 何故、何故、消えるのは"私"ではなく自分なのだろうと。]
そりゃあよ。勿論。 出来たら真っ先に聞かせてくれよ。
[それでも、それを表には出さないように努める。 これ以上の不安は少女には与えまい。 青年自身が自分を失くさないでくれと願った、少女には。]
(194) 2015/06/10(Wed) 14時半頃
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――…楽しみにしてる。
[それだけを告げれば、一度、笑んで。 青年の傷ついた手を包む少女の両手を解いて、 右手の小指をそっと手に取り、自分の小指と絡める。]
約束。 …その時に"オレ"でも、……"私"でも。 必ず聴きに行くから。 ――だから
[脇へ避けた絵本を手に取り、少女へと差し出した。 青年が青年であるために。忘れない、ために。*]
――…その時まで、預かっておいて…くれねぇかな。
(195) 2015/06/10(Wed) 14時半頃
|
[――眼が覚めているのか、それともここは悪夢の続きか。
見慣れない病室にあたしはいる。
あたしの腕には黒い小手のようなものが取りつけられていた。]
なん・・・だろ・・・。
[少しだけ喋れるようになっている。
そして、腕を動かしてみると――。]
・・・。
[これは――。
せんせーがあたしにくれたペンと、同じ材質で出来たものだろう。
あたしは、そんなに寝ていた?
いや、これは――事前に用意していたものを取り付けたのだろう。
何の為に?治療用?
・・・最初からこうなることを、予想されていた?]
[しかし――激しい痛みや苦しみは、少し引いていた。
身体はダルいし、軋むような痛みはある。
それでも――大分、マシになっていた。
死ぬ――と、思っていた。
そこからすれば、多少は回復したと思える。]
・・・ん。
[手を伸ばせば――、ペンとノートを手に取れた。
この黒くてごつごつとした小手は、ちゃんと動かせる。
妙な管が小手や身体に沢山ついている。
点滴とか――だけでは、無さそうだけれど。
あたしはノートに何かを書きだした。
――次、あれが来たらもう耐えきれない。
時間が無いのだ。
動けるなら、動けるうちに――。
これをせんせーが届けてくれるかは、分からないけれど。
その為にあるとしか、思えなくて――。]
[――タイトルは、君の瞳に花咲く日。]
・・・。
[あたしが、この歌へ籠める想いは少し変わっていた。
覚えているよ――とは、もう歌えなくなっていた。
きっと、その前にあたしは――。
でも。
――この歌を、ヒナちゃんや、もしタルトちゃんが歌うなら。
憶えて、いて欲しいと――。
あたしの分も、憶えておいて欲しいと。
それも籠めて――。――詩を作る。
トレイルや、病院のみんなのことへの想い――。
悪くない人生だったな、と穏やかに想う。
書きながら、あたしは微笑んでいた。]
[ヒナちゃんが歌うパートの部分は、白紙にしてあった。
どんな歌なのか、音程とかも違うページに注釈をつけてみる。
それは、ナナオなりの書き方だったけれど――。
子守唄が書かれたページを見れば、意味は分かりやすいかもしれない。]
・・・。
[こうして、書き記していると――。
今は、夢の中にいるのか。
起きているのか。分からない。
ひどい悪夢を見ていた気がする。
――目覚めることが出来たのは、まだ生きようとしていたからだろうか。]
[――すぅ、はぁ。
呼吸を意識してみる――。
生きていることが不思議でならない。
既に死んでいるとしても驚かない。
化け物じみていると、思う。
でも――、だからどうした。
散々悪夢を見て魘されていたけれど。
――良いんだ。良いんだ、あたしはこれで。
病院で過ごした日々は、哀しいことも沢山あったけれど――。
決して不幸なだけだったわけじゃない。
良い友達をもって、小さな子と遊んで――。
患者仲間と話したり、日々を過ごして――。
なんだ。あたしは、それに結構満足していたじゃないか。]
食堂のおっちゃんや、せんせー。
ナースのみんなや、今までいなくなってきた患者のみんな。
憶えているよ。
――辛かっただけじゃ、なかったよね。
沢山、笑ってたよ。
この病院はさ。患者のみんなを閉じ込めいて、治療する気がなくて――。
嘘ばっかりで――なんていう冷たい感じの一面もあるかもしれないけれど。
あたしは、ここは暖かい所もあると思う。
その想いも、ここに歌ってみようか――。
ありがとう。って、想っているからね。
もしかすると、必死に助けようとしてくれた結果が――。
この、黒い小手とか・・・なのかなぁ、って。
良く分からないけれど。]
[すらすらと、ペンは進んだ。
本当は、ヒナちゃんともう少し話したいけれど――。
ここにヒナちゃんを呼ぶわけにも、いかないだろう。]
・・・あ。・・・。
[ぱたん。とペンが転がる。
そして、急速に眠くなってきた。
――ああ。
柔らかな光が視える。
ナナオは、穏やかな微笑みを浮かべて――。
また、意識を失った。]
|
もとは一人だったからかな。 一緒だから…気に食わねぇのかも、知れない。
[薄い唇を噛んで、低く呟く。 青年は今は自身の奥に眠る"私"のことを考えた。 "私"もこんな気持ちだったのだろうかと。 ……自分の中に棲むもう一人のことを考えた。
似た者同士だからこそ。好きにはなれなくて。
( ――嫌いにもなれなくて。 )
…それぞれが別の人間だったら。 …片方が何時か消えてしまう。なんてことがなかったら。 疾うに考えることをやめた"もしも"の話。 それがふっと胸に蘇って、青年の瞳の奥を熱くさせた。]
(267) 2015/06/10(Wed) 23時半頃
|
|
[謝らないでと、そう、言われたけれど。>>243 小さな頭へ寄せた手のひらへ伝わる温かさにどこか安堵している自分を、情けねぇなあ、と思う。
ああ、本当は。 幾ら悟っているような振りをしてみたって、 他人事のように澄まして口にしてみたって、
…いなくなりたくない――なんて。
ガキが駄々をこねるように思ってしまう。 人の温かさは体の奥に沈めた未練を容易に引き戻そうとする。
それを。どうにかこうにかもう一度隠して、笑う。 小指を一層強く絡めて、紡いだ言葉は『 約束 』。>>245]
(268) 2015/06/10(Wed) 23時半頃
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[…小指が繋がれたことで近くなる少女の顔は、 青年の心の凝りを溶かしていくようにふわりと微笑む。]
ん。約束だ。 …これは、 …――そうだな、約束を忘れないための鍵、かな。
[絵本は無事に少女の腕へと渡る。 それを見れば薄らと過る、忘れないでという言葉。]
もし、オレがオレを忘れてしまったとしても、 "私"しかいなくなったとしても、 きっとその本があれば思い出せるから。 …約束のこと。
[頼んだ。と足して、少女の胸元へ居場所を移した本を見遣る。 ――願わくば、忘れなければいい。 …消えゆく"オレ"のことも、この少女の可憐な笑顔も。]
(269) 2015/06/10(Wed) 23時半頃
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[指切りをすれば、控えめに名前を呼ぶ声が聞こえた。 ふいと気配を感じて振り返ればそこに人二人の姿。>>210>>216 傍らの少女が返事をしているから、青年は手を振るに止めた。]
――…ピクニックねぇ。 …今日はいい天気だから、お誂え向きかもな。
[窓から差し込む陽光は柔らかい晴れの色。 今はもう"いない"人のことを思う。 今頃どうしているのだろうと考える。
けれど、それも直ぐに胸の奥へと仕舞い込んだ。 "かなしむ"のは一人でも出来る。 残された時間を他の誰かと使うことはもしかしたら 明日にでも叶わなくなるかも知れないから。]
(270) 2015/06/10(Wed) 23時半頃
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……行く。
[問う声にはぶっきらぼうに答えた。>>248 そうして、少女が歩き出すなら、その速度に合わせるよう、ゆっくり、ゆっくりと足を動かすことにする。*]
(271) 2015/06/10(Wed) 23時半頃
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シーシャは、メルヤメルヤは今どうしているのだろうと、ふと思った。
2015/06/11(Thu) 00時頃
シーシャは、キルロイとしばらく会っていない気がした。
2015/06/11(Thu) 00時頃
シーシャは、ケイトも一緒にいるのだろうか。と考えた。
2015/06/11(Thu) 00時頃
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[約束が叶えば息を一つ吐いて。 中庭へ向かうまで、急がないよう、急がせないようにのんびりと歩いた。 …青年の涙ぐましい隠し事がバレてしまっていたとすれば、隠し事下手な自分に対してもう一つ、ため息でもついたろう。>>284
中庭に着いたなら、風がさやさやと頬を凪ぐ。 流れる音の中に雲雀の囀りが時折入り込んでいた。
――その場にメルヤの姿は無い。 包帯をくれた顔を思い出す。 "また"と口にしなかったその顔を。
数日前に和服姿も人々の中には見えない。 ( …その顔を最後に目にしたのは"私"だったかもしれない。 )
ケイトリン>>276とキルロイ>>260が向かい合う様子を横目で見遣って――これは何というのだったか。…微笑ましい?――などと考え半分に通り過ぎ。]
(309) 2015/06/11(Thu) 01時頃
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[先日遭った時には慌ただしくすれ違った、顔。>>300 どうやら、今日もまだ変わらぬ姿でいるようだと。]
今日も元気そうで何よりだよ。
[そう声をかけて、ひらりと手のひらを振った。 そうして、更に青年はその場所すら過ぎて。
中庭の中心に聳える高い高い木の枝を掴んで、登る。 長い年月を数えた太い幹に生える枝もまた、人を容易に乗せられるほどに、太い。
枝の上に座り込んで鳥の声を聞いていれば、瞼が少しずつ、少しずつ、下がって。意識が闇の底へ沈んでいく よう だった。*]
(310) 2015/06/11(Thu) 01時頃
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[目蓋の海。眠りの底。 揺蕩う青年の中身はまたしても、ごとり。音を立てて欠け落ちる。
青年が眠りに就くその時だけが。 自らを"オレ"と呼ぶ青年と"私"が共存し得る唯一の時間。
意識の無いその間だけは、区切りのない躰は 二人のものであり、同時に一人だけのものでもある。
青年は眠る。 その間に片方の存在は満ち、片方の存在は欠ける。 満ち引きを繰り返し、やがて青年の意識は一つになる――。
――――……やがて、青年は"私"になる。*]
(317) 2015/06/11(Thu) 01時半頃
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