237 【リアル人狼RP村】蜉蝣の村【半身内】
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[その後あの臨床試験は、どうなったのだろうか。どちらにせよその先の物語を、レティーシャ……いや、一条蛍介が知ることはない。
死んだ者が生き返るなどということは、絶対にあり得ないのだから。]
「……愚息がご迷惑をおかけしました。」
[低い声に紛れて聞こえるのは、女性の啜り泣く声。低い声の持ち主も、その言葉とは裏腹 何処と無く悲しげな…そして怒りに満ちた顔をしていた。 それもそのはず、高校を出た後 家族全員が望む大学に進学することなく家を出た息子が……7年もの年月を経て、漸く帰ってきたのだ。それも、冷たく動かない体になって。
蛍介は家族に本音を吐露する事がなかった。何も話さず、何も告げず。それでも笑顔を見せていれば、それが偽りだろうと家族は気にかけることはなかった。 蛍介が何を抱えていようと、それを気にするだけの余裕も無かったのだろう。何かあると気づいた時には、息子の姿は無くなっていた。
7年の溝を埋めることなど、もう叶わないのだろう。それでも、出来ることなら……たった一人の馬鹿息子の声を、もう一度聞きたいと願う。]
「…………この馬鹿が。」
[寂しげな呟き。その手には……幼き日の写真が握られていた]
(9) purin3 2015/08/30(Sun) 20時半頃
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