人狼議事


137 海の家 『nave Di mare』

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― 回想:浜辺 ―

[浜にそよぐ海風にタバサの臙脂の頁がひらとそよぎ、
刹那、中身が垣間見える。
と、同時に聞こえた『日記』という言葉に目を逸らして]

 とても良い風合いになっている。
 大事に使い込んでいるのだね。

 花はないなあ、私には。
 
[彼女達の歓声にも似た高らかな響きを聞きながら、首を振った。

シャッタを切るトレイルには、
後でプリントして欲しいと伝えて]


[ジェニファーが煙草を吸うのを見て、
胸元から一本取り出し、火を所望する。

ホリーの手前、一本だけな、と言い訳めいたことを言って。
二人で笑いながら導火線に火を点け、
咲いた花にまた笑った]*


― 101号室 ―

 ?
 …………頭が、重い?

[重く、気怠く、そして熱く。
痛みと僅かな吐き気さえともなった頭をぼんやり起こし、
やがて理解する]

 風邪、か?

[夏だからといって、濡れた髪のまま眠りに就いたせいだろうか。
大判のタオルで巻いているので、シーツまで濡らしてはいないが]

 ふう……。
 熱もありそうだな。

[体温計は持ってきていない。
しかし、微熱を越えた温度であることは測らずともわかり、
溜息を吐く]



 全く何をしているんだ、私は。
 と、皆にうつしてはいけないね。

[呟き、マスク代わりにタオルを巻いて外に出ると、
一番最初に会った人物に手短に告げて]

 良くなるまで部屋に篭っているよ。
 見舞いは不要。

 大丈夫、熱は良く出るんだが異常に治りが早いので、
 一晩寝ればぴんぴんしてる。
 皆も体調には気をつけて。

[そう伝えると、部屋に戻った]**


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― 真夜中:101号室 ―

[浅い眠りの淵で夢を見ていた。
ベッドで横になる自分の傍らに兄と妹。
兄のトレードマークとも言える神経質さはなりを潜め、気遣わしげにこちらを見ている。妹は今にも泣き出しそうな顔で、ベッドの端にしがみつき。

ふたりとも、風邪で寝込んだ自分を心配しているのだと知って、
大丈夫だ、と声にならない声で呟く。

ふたりの後ろには両親の姿も見える。
父の言いなりで存在感の薄い母親。
その母が、作家の道を選んだとき、反対する父と兄に、
珍しく強く物を言って、味方になってくれたことを思い出す。
彼女には、もう長い間会っていなかったが。

父親は仕事の都合で、時折彼女の住む街を訪れるので、
その際食事をしたりもする。
しかし、打ち解けた会話なぞ幼い時分から交わしたことはなく。

それでも、父と娘とはこんなものだろう――と感情の折り合いはつけて]


[家族が揃っているなんて、夢みたいだ。

と、思った瞬間、これが夢だと悟る。
同時に彼らの姿は霧散して、

――思わず、残像に手を伸ばしてしまう。
届かないと知りながら。

目を覚ますと誰もいない。
大丈夫、わかっている。

そう言い聞かせて、ゆっくりと開いた双眸――
の先は青い室内]



 ああ、電気点けたまま寝てしまったのか。
 よっぽど疲れていたみたいだな。

[言いながら起き出して。
この時は、体にまだ少しばかりの違和感。
気のせいだと思えば気にならない程度の。

喉の奥の嗄れるのも暑さで喉が渇くせい、そう判断して]

 何か、飲みたいな。

[呟いて、ガウンだけ纏い、部屋の外へ]


― 真夜中:キッチン ―

[来てはみたものの、恐らくこんな夜更けに人はいるまい。
客の身で、勝手をするのは憚れる――と逡巡する間に、テラスからの物音 自然、そちらに足を向ける]

 ホリー。
 それ、まさかお酒じゃないだろうね?

[彼女の姿を認めれば、微笑み。
グラスを傾ける仕草に、淡い茶の液体の正体に気づいていても、そんなことを言ってみる。

中身を知れば、同じものを所望する。
喉が渇いてここに来たんだと言って。
ホリーが持ってきてくれれば、一緒にテラス先に腰を据え]

 良かった、ホリーが悪い子になったんじゃないかと思ったよ。
 それでホリーはどうしてここに? 考え事?

[ため息に気づかずとも彼女の雰囲気に察するものがあって。しばし、ホリーの話に耳を傾ける
流れる黒髪を綺麗だな、と思いながら]



 弟くん、は他になりたいものができたのかな。
 それか、期待が重荷になった? うーん……。
 

[しかし、ホリーの話だと、オスカーは教師になることを自身で夢見ていたように聞こえて]

 そうでなければ、
 ホリーに考えて欲しかったんじゃないのかな。
 本気で、なりたいかどうかを。

 両親の期待とか、
 自分のついでとかおまけみたいに思いではなく。
 私はホリーやオスカー君、
 の気持ちの奥底までわからないけれど、

 お互いのことをすごく考えているんだな。
 それは伝わってきたよ。


[アドバイスになっているのかどうか。
大事なのはホリーの気持ちを聞くこと。
それでも何か言葉を続けようとして――くしゃみひとつ]

 ……んんん?

[先ほど強くなった違和感に首を傾げる。
ホリーのお礼とお辞儀に軽く手を振って]

 帰ったら、しかと話せるといいね。
 ぐっすりおやすみ。*


― 朝:101号室 ―

[眠りにつくと再び同じ夢。
また途中で夢だと気づき、それでもまた同じように手を伸ばしてしまう。]

そして、その指の先には――タバサがいた]

 え……?

[問う声もかすれ気味に。
突然目を覚まされ驚いただろうか、
とはいえグローリア自身も動揺して、慌てて身を起こそうとする]

 タバ……サ、さん。
 いや、見舞いは……うつると……。

[途切れ気味の声。
目に映るのは、タオルを持った手と、ベッドサイドに置かれたお粥と錠剤。ネギの匂いが食欲をそそる。]



 ごはん……。

[どうやら食欲はある様子。
タバサの看病にはそれ以上抵抗することはなく、
若干ばつが悪そうに、それでもおとなしく食べさせてもらい]

 はじめてお粥をおいしいと思ったよ。
 うん、本当においしい。タバサさんは良い嫁になれるだろうな。
 ありがとう。

[ひとりを欲しておきながら、ひとりになると寂しい――なんて勝手なものだと苦笑する。
絶妙のタイミングでやってきた彼女に、もう一度感謝の言葉を呟いて。

栄養を取って、薬を飲めば、再び襲ってくる眠気。
今度は恐らく夢も見ず、深く眠れることだろう]**
 


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