246 朱桜散華
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─ 深夜 ─
[村の誰もが床に就く闇の刻。 静寂の支配する丘の上では花びらがハラリハラリと舞い落ちて、咲かぬはずの桜の樹はゆっくりとその身を薄朱く染めあげていく。 ただ一人宮司が異変を感じとり桜の樹を見にやってきたが、桜の樹を前にして不意に背後から声を掛けられた。]
よう、おっさん。 あんたも声が聞こえたのかい?
[壮年の宮司に語りかけるのは確かに丁助であった。 だが宮司にはそれが彼だとは認識できないでいた。 不思議なことに顔も姿も声も丁助だというのにまるで知らぬ誰かがそこに居るかのような錯覚。]
その様子だと……違うのか。 もしかしたら俺にしか聞こえなかったのか?
[丁助の妖しげな雰囲気にのまれ宮司が一歩二歩と後ずさりする。そして三歩目で背が桜の幹に触れた……もう逃げ場は無い。 いつしか舞い落ちる花びらがまるで雪のように大地を覆っていく。]
(0) 2016/04/23(Sat) 00時半頃
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なぁ、教えてくれよ。 彼女はどうして死ななきゃいけなかったんだ? ただ想い人を追って行きたかっただけなんだろ? それが許されないってのはどういう了見だよ。
[一瞬だけ宮司の目には確かに丁助の声だとわかる。 以前からしきたりや決まり事に悉く反発していた若者の声。 だが丁助が一歩踏み出すたびに地面に落ちた桜の花びらがふわりと舞い、宮司の顔が恐怖に支配されていく。 丁助の顔をには笑みが浮かんでいた。]
ま、今となっては昔のことだ。 今更それを責めるつもりはねぇさ。
ただよ……彼女はずっと……長い間ずっと願っていたんだとさ。
[ダンと強く地面を踏みつける。]
……生きて想いを遂げたいってな!!
(1) 2016/04/23(Sat) 00時半頃
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───ドシュッ!!
[丁助の手から投げ放たれたそれは疾く鋭く、まるで槍の様に宮司の胸を貫いていた。 宮司は口からヒューヒューと声にならない何かを発しながらゆっくりと倒れていく。 丁助はそれを冷めた目で見つめていた。]
別に恨みはねぇよ、あんたにもこの村の人間にも。 ただ花を咲かせるためには命が必要なんだとよ。
[見上げた先には桜の花。]
ただ……それだけだ。
[右足で宮司の腹を踏みつけると胸に突き刺さったそれ──桜の枝を一気に引き抜いた。 朱い命の源が宮司の身体から大地へと染み込んでいく。]
ホラ……最期にいいものが見れるぜ。
[死にゆく男の目にそれが映ったは定かではないが、そこには満開となった桜の樹が誇らしげに佇んでいた。]*
(2) 2016/04/23(Sat) 00時半頃
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半の目 丁助は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 00時半頃
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[今日も朝から太公望。 祭りの当日、その準備とは違う慌ただしさをみせる村を他所に丁助は今日も川縁で竿を立てる。]
騒々しいねぇ。
[これからもっと騒々しくなっていくであろうこの先を思うと気が沈んでいく思いだった。 だがその思いとは裏腹にその顔はここ最近では見られないほどの上機嫌が張り付いている。]
祭りはいいねぇ。 賑やかなのはきらいじゃあない。
[水面に垂れた糸を花びらが避けて流れていく。]**
(11) 2016/04/23(Sat) 01時半頃
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志乃……か。
[水面から視線を外さず背中の声に応える。 振り返って答える顔も声色は”以前のまま”で、まるで二人の間には何も無かったかのよう。]
桜?何も聞いてねぇな。 咲かぬの桜が満開にでもなったか?
[嘘はついてはいない、何も聞いてはいないのだから。]
(60) 2016/04/23(Sat) 21時半頃
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(嗚呼、やっぱり綺麗だな)
[視線の先、志乃の顔をじっと見つめる。 少し陰が差しているように思えるのは丁助を袖にした後ろめたさからか、それとも丁助自身のバツの悪さ故か。 だけどそれによって彼女の美しさが損なわれることはないように見えた。
───想う。
あの桜の樹の下で琴を奏でる志乃の姿を。 きっとそれは綺麗に違いないと。]
(61) 2016/04/23(Sat) 22時頃
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そうか、死んだか。
[あれは宮司のおっさんだったのかと今更に認識する。 思えばそういえば確かにそうだったような気がしてくる。]
桜……綺麗だろうな。
[丁助は志乃の涙から目を背け川に視線を戻すと、水面には桜の花びらが浮かび流れている。 ちらりと視界の端に映る彼女の俯いた仕草に心の臓が強く脈を打つのを覚えれば、思わずその華奢な肩を抱きそうになったが、決してそうはしなかった。]
ちょいと、見てくるわ。
[立ち上がり、恐らく騒ぎになっているであろう丘の方を見やる。 きっと辰次あたりが張り切ってるだろうかと思えば気が重くなるのを感じる。 一度だけ竿に目をやればどうやら魚が掛かった様子だが、竿を手にすることもなく、志乃にもそれ以上言葉もなく丘へと向かって歩き出した。]
(72) 2016/04/23(Sat) 22時半頃
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[丘へと向かう道すがら丁助は志乃を想う。 涙する彼女を置いて立ち去るには後ろ髪を引かれる思いがある。 だが未だこの想い断ち切れぬは自らが人であるという証拠か。]
(106) 2016/04/24(Sun) 00時半頃
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[だが丘へ近づくごとに別のことが頭の中を支配する。 内に聞こえる声が、女の声が、美しい声が響いている。
───桜を咲かせ続けよ。
だから丁助は何をすべきかを考える。 そう、この女の魂を解き放つために。]
(109) 2016/04/24(Sun) 00時半頃
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[浮かぶは一人の男の顔。 かつては香兄と慕った手妻師の男。 橘の本流、その血筋を引く唯一の男。]
……捨て置くわけにはいかねぇよな。
[その顔には笑み。 口角を上げて笑みを浮かべていた。]
(110) 2016/04/24(Sun) 00時半頃
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[この村では姓を持つものが少なくないため余り珍しさはないものの、山里にあって橘の家名を持つのは本来ならば奇異である。 その橘の名を持つものが今では二人。
それが丁助と香月だった。
裕福な丁助の家と貧しい香月の家ではあったが、丁助の家が傍流であり橘の本流は香月の方である。 丁助の家は傍流であることはいいことに自らの家のことだけにかまけることができた。 結果として村と外を繋ぐ役目を利用して財を成した。
だが本来、橘の家には"力"があったというが傍流である丁助にはない。 ただ口伝にて橘の力と役目が伝えられているのみである。 故に、時を経て橘本家に対する劣等感として代々受け継がれることとなった。
それは丁助も例外ではない、]
(114) 2016/04/24(Sun) 01時頃
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半の目 丁助は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 01時頃
半の目 丁助は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 01時頃
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[丘にたどり着けば見える桜の花が余りにも美しく一瞬で心を奪われる。
───桜花繚乱。
かつては切り倒してしまえとまで言っていたこの木が今は丁助の心を掴んで離さない。 一本の桜の木がこれほどまでに美しく咲き乱れるというのか。 丁助はしばしの間、言葉を失っていた。]
(127) 2016/04/24(Sun) 02時半頃
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[呆けていたのは刹那かそれとも束の間か、いづれにせよそう長くない夢想の時を経てより桜へと近づくが、そこには既に数人の若い男女がいて何やらと話しこんでいる。 彼我の距離は未だ数間離れてはいたものの、丁助はそれをまるで近くにいたかのように耳にしていた。]
(……そういうことにしたわけか。)
[桜の樹が伝える香月の声、それが語る聞いたこともない法を聞いてなるほど眉唾だと納得する。 まさか魔と人を見分けるとは言えないのだろうと察した。 それは自らが魔に近いと告げるに等しい。]
(128) 2016/04/24(Sun) 02時半頃
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[そして気づく、美しく咲く桜にケチをつける存在に。 未だ幹の根元で倒れ臥す村長の遺体。 それがどうにもこの美しき光景を損なっているようで丁助は我慢ならなかった。
それが自分の仕業であったというのに。
集まった彼らに一瞥もなく苦々しげな表情で村長に歩み寄れば、花びらに埋もれるようにして眠る姿に手を合わせ黙祷を捧げる。 次の瞬間、その襟首を無造作に掴み引きずるようにして舞台準備の資材置き場へと運びそこへ乱暴に捨て置いた。 そうして振り向いて改めて桜を視界に納めればようやく納得のいく表情を浮かべた。]
(129) 2016/04/24(Sun) 02時半頃
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離せよ香兄。
[肩を掴むその手を払うと呆れを浮かべた視線で香月を刺す。 二呼吸の後、足元の宮司だったモノを指差して口を開く。]
アンタは”コレ”が魔物じゃないって言えるってのか?
[クイっと顎で桜の木を差す。]
こいつが桜の封印を破ったわけじゃないと、なんで言えるんだ?。
[もう一度、遺体へと視線を移す。]
(135) 2016/04/24(Sun) 05時頃
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こいつだけじゃねぇさ。 俺やあんたや……村中の誰だって信用できねぇ。
この中の誰が魔物だっておかしくねぇんだ。
[もう一度香月を射抜く視線には強い弾劾の意を込める。 お前にも人に言えない秘密があるだろうと。]
そうだろ?
───橘 香月。
(136) 2016/04/24(Sun) 05時頃
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ちげぇねぇ、兄ぃの言う通りだ。 確かに死人を辱める必要はなかったな、すまねぇ。
[だが口に謝意を含んだ丁助の目を香月は見ることができただろうか。 雷門の亡骸に視線を移した彼を見る丁助の目に炎が宿ったことに気づいただろうか。
───身内。
親しみの篭るその言葉を幾度屈辱の思いで聞いたことか。 それは何世代にも渡り積み重ねられた劣等感。 いくら財をなしても埋めらぬ得られぬ人を超えた力。 それが今この手に得られたという確証、いや己が力が既に香月を超越していることへの優越感がもたらした昏い炎。]
ちょっと頭を冷やして来るわ。
[そういうと手をひらひらとさせて本格的に降りだした雨の中を歩き始める。 少し俯いたその顔には満足げな笑みを湛えて。]
(157) 2016/04/24(Sun) 10時半頃
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[丘を下るその足に自然と呟きが零れる。]
香兄は甘すぎる。
[それや彼の優しさ。 思い出されるのは幼少より面倒を見てくれた兄のような香月の姿。 優しくて力強く頼りがいがあり、そして何よりそれが妬ましかった。 自覚すらなかった己の昏い感情も今となっては幼き頃の通り記憶と同じ。]
選ばれたのは俺だ。 橘 香月ではなく俺が橘 助乃進が選ばれたんだ。
(158) 2016/04/24(Sun) 11時頃
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[雨落ちる天を見上げて目を閉じる。]
───橘の血が見捨てた傍流の俺を。
───志乃が選ぶことのなかった俺を。
───確かに桜の巫女はこの俺を選んだ。
[腹に溜まったドス黒い血が全身に染み渡る感覚。 それはもはや丁助にとっては快感以外何物でもなくなっていた。]
(159) 2016/04/24(Sun) 11時頃
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[空は厚い雲に覆われて雨が降りしきる。 時折、遠くの稲光が雨戸の隙間から入り込んでくる。
刻は、夜を迎えただろうか。
片膝をついた丁助は微動だにせず、ただじっと外を見つめる。 誰もいない家に、しかし丁助以外の気配が一つ。 だが、それに気づく者などいないまま。]
(186) 2016/04/24(Sun) 23時頃
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……?
[ふと、それは瞳かそれとも脳裏か。 視界の闇に溶け込むようにして映るものがある。 雨の中に聳える桜の側に一人の女が立っている。]
……志乃?
[理解が追いつかないまま丁助の頭の中には疑問だけが浮かぶ。 なぜ?なぜこんなものが見える?誰が見せている? 雨の寒空の中で志乃は誰を待っているのか。]
……お前が見せているのか?
[問いかけた先は丁助に寄り添う気配の影か、それとも雨に打たれてなお花を開かせている桜の大木か。 いや、その二つに違いなどあるのだろうか。]
(195) 2016/04/24(Sun) 23時半頃
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亀吉?
[確かに亀吉の姿が見えた。 彼の視線の先には志乃がいる。
───そういうことか。
と、一瞬納得しかけたその時。 丁助は亀吉の目に宿る妖しの気配に気づく。 あの目、あの気配は自分と同じモノだと。
その刹那、丁助は弾かれるように駆け出した。 間に合えと間に合うはずだと念じ、それを信じ込むように。
クスリと、どこかで女の嗤う声が聞こえたような気がした。]
(202) 2016/04/24(Sun) 23時半頃
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半の目 丁助は、メモを貼った。
2016/04/25(Mon) 00時頃
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[泥を派ねて丘へと駆けていく。 一心不乱に他のことは目もくれず掛けられた声も構わず。 そもそも闇の中、それが誰なのかすらわかるはずもない。
ただ、ひたすらに丘へと駆けていく。
いつしか草履も脱げ素足のまま、ぬかるんだ坂道を駆け上る。 雨は止む気配もなく雷鳴はなおさらに鳴り響いている。]
(214) 2016/04/25(Mon) 00時頃
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─ 夜中 ─
………ぃ。
[中を確かめることなくその家の戸を開けた。 家の主はまだ起きていただろうか。 丁助はそっと小さな声で彼の名を呼ぶ。]
香兄……。
[返事はあるだろうか。 闇の中、時折光る雷が丁助の姿を影と映し出す。 全身がずぶ濡れとなったその姿はまるで幼子のようではないだろうか。]
助けてくれ、香兄……。
[泣き声を挙げることもできず、小さく弱弱しい声で縋る。 助けてくれと、かつて兄と慕った男に。]
(217) 2016/04/25(Mon) 00時半頃
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半の目 丁助は、メモを貼った。
2016/04/25(Mon) 00時半頃
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