214 サンタ養成学校卒業試験
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── 試験前夜 校舎裏にて ──
[春先に纏いし八重の花を小さき級友へ差し出せば。 弾む声は男の耳にも届くだろう。>>15]
それは良かった。 見上げるだけでなく、手にするのもまた花の醍醐味。 桜は咲く。朧のそれではないが、願掛けだ。
[持つ者すべてを使って全身で感謝を伝えてくる、小さき級友に目を細め、男はひとつ大きく頷く。
いつしか記憶が薄れても、想い出は零れ落ない。 嘗ての子ども達が、サンタクロースとなり夢を配るように、また。 贈り物に込めた願いは、受け取った者たちへの記憶へと息衝くだろう。]
(39) M_rio 2015/01/28(Wed) 23時半頃
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おう、期待してるぞ。 その為には俺も、負けないくらい立派な生物学者とならないとな。 彼奴等を支えられるような、立派な。
[空では明日にサンタクロースとなる級友達が、鈴の音を鳴らしているだろうか。 思い思いの優しさを手渡しに捧げていく時から去るように。 男はひらりと手を振り研究室へと向かう。
小さき級友は、微かな天候の変化すら動植物の育成に関わることを。 その小さな体で男に教えてくれた、大切な存在だった。 それは明日になろうと、卒業したとしても。 変わる事がないこともまた。等しく教えてくれる存在であることは変わらず**]
(41) M_rio 2015/01/28(Wed) 23時半頃
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── 試験前夜 研究室にて ──
[朧から手渡された希い紐は手首に巻いて、願掛けと変えよう。 糸が織られ強度を増すように。男だけではなく級友達の合格を祈るように。
扉に手をかけると、クリスマスエルフ達の賑やかな声。 植物とは違う、甘い匂いに首を傾げるとくすくすと悪戯な笑い声が上がった。]
誰か来たのか?
[留守を預かって貰っている以上、来客の有無を聞く権利はある。 それなのに浮かれた様子の妖精達は言うか言うまいか、誰が打ち明けようかと内緒話に余念がない。
その内、一人のエルフが本棚を指さした。>>2:280 記憶によれば空白の場所。 しかし男の視界に映るのは、約束が果たされた証だった。]
(70) M_rio 2015/01/30(Fri) 00時頃
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そうか。置いていって、くれたんだな。
[男は深く息を吐き出し、感慨深げにひとつ頷いていた。 視線の先に置かれた小さな模型は、しかし立派な雪車であった。 夢の軌跡を奏で出しそうな、力強い一歩であるように。
男がサンタクロースに成りたいと夢を見始めたのは、雪車を滑らせた姿を子供の頃に見たからであった。 だから男にとっては、雪車もまた夢の一歩であった。]
それを此処に置いて行ってくれたとは────… 実に感慨深い。
(71) M_rio 2015/01/30(Fri) 00時頃
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[学園の片隅、ひっそりと息衝く生物学研究所。 卒業と共に散り散りになろうとも。 木樹が地に根を張り、大地を包み根本となるように。 夢を目指した級友たちの思い出の出発点となればいいと。 願わずには居られない。]
ん? 伝言? ……そうか、それは此方こそ、という想いだな。
[飴玉に酔い痴れるエルフ達から、もうひとつの置き土産を受け取り。 男は、くしゃりと前髪を掻き上げて深い溜息をもう一つ吐く。
嗚呼、卒業はしなければならないが。 願わくばあと一日。級友達との等しい時間が欲しい。 試験など関係なく、微睡むような平和な日常である学業生活を。
もう一度、送ってみたかったと、シャンシャンと鳴り響く雪車の音に、卒業と相反する願いは木霊した**]
(72) M_rio 2015/01/30(Fri) 00時頃
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── 試験当日 ──
[男は夜明け前から動き出す。 研究室で揺れる花弁に祈りを捧げて筆記試験会場へと向かう。 花は、それぞれ級友をイメージしたもの。 卒業を迎えるその時までに、手渡せたら良いと希い一年育ててきた。
空腹はテッドの手土産で満たされていた。 甘味は適度な栄養を脳に巡らせる。]
大丈夫だ。
[力強く言い聞かせるように呟くと。空には冬の朝日が雪に反射して輝いていた。]
(85) M_rio 2015/01/30(Fri) 21時頃
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── 筆記試験 ──
[男の科目は実技より筆記の方が割合を占めている。 答案用紙に鉛筆を走らせる右手には、朧から受け取った願い紐が揺れる。
時折考え込む脳裏には、主不在時に飾られた雪車の模型が過ぎり、まるで答えを導いてくれるかのようであった。]
テッドの差し入れ、美味かったな。 ポーラの紅茶も美味かったし、ピートの昨晩の滑りは感動的だった。
[悩む度に浮かんでは消える、級友たちとの想い出。 クリスマスはクリス語で答案を埋めるのだろうか。 イアンは寝不足が祟ってなければいい。 アシモフはあの小さな体できっと素晴らしい成績を上げるだろうし、ミナカタはもう、噂で聞いたようなやさぐれ方はしていないだろう。
モニカのように要点だけ纏めた薄いノートの取り方は出来ないし、アリスのように馴鹿と言葉が通じ合えるほど深く感じあえることも難しいだろうが。]
(86) M_rio 2015/01/30(Fri) 21時半頃
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きっと、この一年で学んだことは… 無駄にはならないだろう。
[確信は、自信へと変わり。 自信は、正しい答えを導き出す道しるべとなろう。]
(87) M_rio 2015/01/30(Fri) 21時半頃
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── 何時か未来の話 ──
[十数年前、養成学校の生徒だった男は。 今ではその養成学校の教壇に立つ日々を送っていた。 勿論受け持つのは生物学担当。 配達学部や動物学部を陰で支える地味な学部でも、最初から志願してくるものも最近は珍しくなくなっていた。]
では、この八頭引き雪車の前照灯だが────…
[今ではもう、ごく当たり前となった連結型の大雪車も、男が未だ学生の頃には話題にも上がらなかったものであった。 それを実用化へと持って行ったのが、男の級友の一人であるモニカだった。 彼女は大胆にも卒業試験のプレゼンで、この案を発表していたのだ。>>137 後から聞けば、彼女もまた級友達に触発されて、自分の夢を託したのだという。
サンタクロースが世界中の子ども達に夢を与える存在であるために。 自らの夢のチカラをまた、注ぎ込もうと。]
(148) M_rio 2015/01/31(Sat) 02時半頃
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であるからにして、動物学部との連携が必要となり────…
[男は授業を進めながらもまた、学生の時代に戻る。 卒業試験はどうだったか。それは今でも目の前で繰り広げているように思い出されるのであった。
配達学部の雪車は瞬く間に空を駆け抜け、馴鹿を操る級友達はとても様になっていた。
小さき級友の歌声、照れくさそうにお互いの検討を祈っていた級友の背には雪玉の跡が残っていただろうか。
それぞれが不器用な大人であり、純粋だけではいられなかった子どもではあったが、それぞれが夢に向かってい輝いていたあの日は。]
(149) M_rio 2015/01/31(Sat) 02時半頃
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では、今日の授業はこれで終とする。
[終業を知らせるベルとともに閉じられた教科書。 その一番後ろに挟まれた写真とともに。 今もひっそりと息衝いているのだった**]
(150) M_rio 2015/01/31(Sat) 02時半頃
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