人狼議事


298 終わらない僕らの夏休み!

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[祭りでの楽しい思い出の品々が、異臭を纏って部屋に広がる。
一度だけでは物足りないと、何度も何度も嗚咽を繰り返す。]


 ゲ、 ゲェ …、

     ヲ゛ ぇ゛ェ゛ ―― 


[ぼちゃぼちゃと部屋に吐瀉物の海が広がる。]


[固体と液体が交じり合う、酸の海。
そこに身体を塗りたくるみたいに飛び込めば
鼻やら口にやや粘度がある液体がまとわりつく。]


 ッ ゴ 、ァ゛


[思考は最早 思考にはならず。

飛び出した眼球、開いたままの口、
毟られてぼさぼさの髪も、全て もう、


                  わからない。]


[喉の奥、食べたフランクフルトが詰まって栓をして
鼻の穴を、たこ焼きの蛸が蓋をした。]




  ―― …、 ―― !


[こえなんてとっくに出てなくて]
[いたいいやだにげたいたすけていたいにくいいたいいたいたい]
[いつしか、こんな思考すらも消えていた。]






 [ああ、頭が ぼーーっとしていく]


   [少しずつ 痛みが 薄れて ―――]



[そうか、ようやく 解放される、なんて うれしいんだ。]
 







        [    ―――――――― ブツン、 ]






[カチ、時計が9月1日の0時を示した。**]


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―ループ三回目の回想・自宅―

[びしょ濡れの制服の下に水着を着けて帰り、案の定母にお小言をいただいた。
しっかり此方を見据えて聞いているのかと覗き込む仕草を見ていると、ああ私は母に似ているのだと思えて思わず浮かんだ笑みを隠すように俯いた]

今日、急だけど浴衣着つけて欲しい。お祭りに行くの。
私の持ってるのギャル向け過ぎて派手だからさ、お母さんが持ってるの貸してくんない?
真面目な男子の隣にいて、変じゃないやつ

[ようやく怒りを収めた母にそう切り出すと、目を丸くして、そして嬉しそうに破顔した。]

『……で、どんな子』


[問われるままにぽつぽつと答える内に、身支度が済んでいた。
白地に紺色とごくごく淡い桃色の撫子の花が咲く浴衣、落ち着いた柔らかな水色の帯、緩く纏めた髪には去年友人達と揃いで身に付けた大振りの花飾り。
下駄は臙脂の鼻緒に麻模様が入っている。

うん、これなら何とか私もイケんじゃない?]


―ループ三回目の回想・街中―

[外へ一歩踏み出せば、昼の間熱せられ続けたアスファルトがまだ十分に熱を孕んでいるようで、じわじわと染み入るような暑気が残っている。

日中青く清涼な世界に身を置いた所為だろうか、今は何処か身を焼く痛みも熱も痺れるように緩慢だった。
ただ燻るような熱が熾火のようにぐずぐずと音を立てて己の肉を溶き崩している。
この永劫に続く苦しみは常態であり己をなぶると同時に熱に溶かされ我を失いかける意識を現につなぎとめているのだが、

緩慢──こんなにも灼かれているのに、こんなにも溶かされているのに足りぬと言うのか。
まばらに意識に昇る言葉の端に酷く可笑しい気持ちになりながら、待ち合わせの場所へと歩みを向ける]


[時折、ドウ、と耳元で何かのうねる音がする。
己の身を焼く炎であろうと考えていたが、今この時ばかりは炎は勢いを失っている。
ふと目を落とせば道端に敷かれた側溝の蓋が目に入った。
その奥底からひたひたと流れる水の気配がする───嗚呼、これもまたあの川へと至るこの町の持つ微細な血管の一つなのだ。
そしてそれが脈を打ち、時折激しく渦を巻くような水音が己の耳に響いている。

この水はやがてあの願いと名付けられた川へと至り、誰かの思いを叶えるのだろうか。
昏く淀み痞えたもの、燃え盛り溶け落ちるもの、刹那にただ縋るもの、

それだけではなく、明日を持つ者の純粋な祈りや願い()もまた、川にとっては『思い』の一つなのかもしれない。]


―ループ三回目の回想・神社―

[待ち合わせ場所で顔を合わせた彼に『どう?』と腕を広げて見せる。
虚を突かれたような顔で少し口を開いて此方を見ている。……似合っていないだろうか?]

これめっちゃ盛れてると思ったんだけど!

[ぐるっと回って着付けを見せる。
ようやく返って来たのは『いつもと雰囲気違っていいな』の一言だった。
ああ、良かったやっぱそうじゃん、清純っぽい子が航くんの好みなんだ、と己の判断に大いに満足した。

やがて祭りの喧噪からは少し外れて最初の9月1日のあの夜に秋山と彼と私とで星を見た場所へ踏み入った。この日も当然また同じ星空。]


[赤い星が地平線ぎりぎりの低い位置で迎えてくれた。 
あの赤色超巨星の名前はアンタレス───もしくは赤星、大火。
蠍の心臓に坐する星だ。……実の所、私はあの星の名前を知っていた。

知識を披露する時には中途まで。肝心の部分は知らぬ振りをして相手から教わる形を取る。
話や趣味は通じるがほんの少し足りなくて、補足してやれば喜んで話を聞いてくれる、導いてやれる。

そんな存在を演じる事で私はグループで居場所を得ていたし、先輩にも可愛がられやすかった。やり過ぎると女を下に見てマウントを取りたがる男にばっかり好かれるけれど]


[アンタレスには、伴星がある。
あの大きな星が食を起こした時に姿を現す隠れたふたご星───ねえ、これ航くんとカイくんみたいじゃない?そう言いたかったけれど、莫迦な私は知らない振りをしてしまったから、言い出せない。
もしかしたら航くんは知っていたかもしれないけれど、口に出しはしなかった。

……いつかふたごは出会うことが出来るのだろうか。]

『離れててもちゃんと一緒なんだよ』

[思案の内に沈んでいた気持ちが浮上する。……え、と問い返したかもしれない]

『俺らは等しく、星の欠片なんだから』


[俺ら、でくくったものの中に私も含まれている?
果たして今の私もそうだと言えるのだろうか。この体は星に生み出された原子によって構成されている有機体と言えるのか、否、そんな話ではきっと、ない。
同じだ、ただ同じだと言ってくれているのだ。

呪わしい死者ではなく、『今日』を、そしてかつてを共に生きていたただの人なのだ、と。
喉がつかえてうまく返事が出来なかった。

赤い光を見つめる目の端が炎の粒に灼かれている。
涙が膜を張るように瞳を覆うそれがちかちかと瞬くようで、眩しくて。

それでも航くんのようだと思う赤い星を見つめる目を逸らす事が出来なかった。]


[───繰り返しの最初のあの日、この社で寄り添う二つの気配を感じた。
もし、この町に私や『アレ』と同じような存在が居たとしたら、今こうして共に星を見上げる私達を見出した時どのような感想を抱くだろうか。

『アレ』のように異質に過ぎる存在の思考は私には読めない。

あるいはあの夜の私であったなら、二人を分かつものを、死を、共に乗り越えた───同じように感じたかもしれない。
誰かに依らず独りで立っては生きられない私が、独りぼっちで投げ出された理不尽へのあの煮え立つような怒り、己への嘲り、痛みに灼かれる苦痛の果てに吐き出したように私たちを嗤うかもしれない。

いつか橙色と水色とで線を分かった私と彼が、同じ星の欠片であった事に辿り着いた物語を]


[黒く淀んだあの冷たい何かが、どのような意思を持っているのかを私は把握していた。誰かを取り込もうとしていた。そしてその上で己の領分ではない事として肯定した。

私のお星さまみたいな男の子を、私が明日へ進んで欲しい彼を、私に明日を約束してくれた彼女を、『アレ』は選ぶかもしれない。

私は『アレ』の差し出してくれた選択権を拒み、全てを任せた───あの場に居た誰かの明日を飲み込んで繰り返されて行く、今日を肯定して。
9月1日には辿り着けなかった私は、
9月1日を繰り返すこの町と、私とは違うあの存在と、とどまりたいと願う少年と、そして9月2日へと進もうとする彼らとを等しく肯定したい 

嗚呼だって、嘗てはきっとそれらも同じ  **]


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─ 5回目の9月1日・夏呼町 ─


[後ろから声を掛けられた。名指しで。]

 おあ…岸。

[こんな風に声を掛けられるとか、そうそうあることじゃない。
挨拶くらいはそうだな、岸なんかはこういう奴だからたまには。こいつのはつらつとした性格は俺からすれば爽やかすぎて嫌味にすら感じることもある。だから時々はこちらから見かけたら、見つからないように隠れたりもした。
…まあ、つまり、会いたくもないけど嫌いじゃあないってことだ。

矢継ぎ早に繰り出されるマシンガントークに気圧されながら、「なんで俺に」と素直に疑問だったけど。どうやら岸は借りたいものがあったらしい。なるほど、目的があったなら声を掛けられた理由もわかりやすいってものだ。]


[お望み通り紙とペンをやったら、岸が真面目くさった顔でなにか書き始めた。買い物メモにしては、やけに迫真だったし、よく立ったまま書けるなと思った。
それを覗き込むようなことはしなかったけど、貸したものが返ってくる頃には岸の表情はいつもどおり、に見えた。まあ、表情読めるほど知らないんだけど。]

 ……水難?って何。ああ、水か…。
 ふうん…

[といっても、この町で水場に近づかないってのは案外難しいんじゃないのか。と思ったりもしたが。岸の占いとやらを信じたわけでもないので言葉半分に頷くだけだ。
岸がわざわざ俺を占う理由もないし、世間話のつもりで話してくれたんだろうと思う。]

 …じゃあ、お前も気ぃつけろよ。

[挨拶程度に。

俺は岸の嫌味なほどに非の打ち所がない爽やかさに負けながら、図書館へと向かった。**]


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―9月1日―

[出口からのメールの後、また携帯のポップアップ画面にメッセージが飛び込む。
しかし、メッセージに既読の数は増えない。
グループチャットを開く気がないからだ。]

 …、…?

[岸千早、見に覚えのない名前に首を捻る。
さては生徒会連中が勝手に教えたのかと邪推。

しかし、『 昨日はありがとうございました! 』
と書かれていれば、そんな記憶はないわけで、
やはりまた出口のように相手を間違えているか、
はたまた、違う誰かに向けてだろうと考える。

そんな事を考えているうちに、
グループチャットからは追い出されたかしたようだ。

だから、宍井のメッセージもそれ以降のものも会堂航には届かない。]


[受験勉強の合間、居間に下りると母親は気合の入った化粧をして綺麗めな服を着て何処かへ出かけるようだった。まあ、――いつものことだから慣れたけど。
お昼ごはんとおやつは冷蔵庫にあるから、と言って出かけていった。

親父が根岸の家に行く時、こういう事を増えた気がする。]


 ―――

[冷蔵庫を開くと、目玉焼きとブロッコリーとソーセージとミニトマトが皿に。うん、朝食と同じだね。これにも慣れた。
静かなリビングで、テレビを流しながら昼飯を取る。

無意識に、ソーセージを残して流しに捨てていた。]


[食後、冷凍庫を開いて口直しとばかりに、ガツンとみかんを取り出す。コンビニで売っているものとは違って、5本いりの箱のものだから少し小さめのやつだ。

しゃり、と一口食べて、一度アイスをみつめる。
それから何もなかったようにまた食べ始めた。

そして、食べ終えれば自室へ向かってまた勉強をする。
受験生の夏休みらしい過ごし方をしている。
明日になれば、新学期だからね。
夏休みにいかに勉強してきたかが、
進路を左右するといっても過言ではないのだ。]






[文字や数字で埋め尽くされたノートを閉じて、疲れた目を休ませてもまぶたの裏にまだ英単語が飛んでいる感じがした。]


はー…

  ぁあ゛〜… づ かれ たぁ…あ…


[椅子の背もたれに全体重を乗せるように伸びをする。
長年付き合ってきた椅子は、ギギィィと錆びた螺子の音で返事をした。]


[親に祭りに行ってくるとは昨日のうちに言っていたから、二階の自室を出て階段を降り、リビングに顔を出せば、行く時間?とさっき帰って来た母親に尋ねられた。]


 息抜きがてらね。
 あ、ご飯いらないから。

[屋台でなんか適当に食べるのもお祭りの醍醐味だろうと。]


 じゃ、


[財布と携帯を、尻のポケットに突っ込んで家を出た。]


―祭へ行く途中のどこかの道―

[外はまだじわっと暑くて、家を出てコンビニとかに避暑りたい気持ちを抑えて神社へと向かう。

お互い受験勉強で忙しいだろうと連絡を取っていなかった秋山はどうしているだろう、あいつも実は祭りに行ってたりしないかな、なんて思いながら「1人」で歩いていく。]




               [ 蝉が鳴いている。*]


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秋山にメッセするという事が「頭から抜け落ちている」


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─ 5回目の9月1日・図書館 ─

[俺は図書館で本を読んでいた。なんだかよくわからない野草の図鑑だ。
机の上に置いていたスマホが震えて机を叩く。振動音が静かな図書館にやけに響いたので慌てて持ち上げた。

 『BBQやるから来てよ。めっちゃ肉食べれるよ。』

通知にあったのは、宍井からのメッセージだった。(
なるほど、なら俺は関係なく、鹿崎に用事だったのだなと思いそのままスルーを決め込もうとすれば続けざまに食いついた鹿崎と、その他の流れによっていつの間にか俺も頭数に入っていた。

最終的に俺は『わかった』の一言しか喋れなかった気がするけど。]



[BBQとか、そういうイベント事は好きじゃない。浮かれた頭で陽気な奴らが他人のことなどそっちのけで自分勝手に楽しくぎゃあぎゃあ騒ぐだけのアレだろうという偏見がある。

…だけどまあ、家にいるよりはマシか。と少しだけ肉を食いに来たと割り切ることにした。]


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─ 公園 ─

[みんなで肉を食べてる。正確には、肉以外にも色々あるけど。
今日俺をここに呼んだ最初の一人は、よく知りもしない先輩と一緒に嬉しそうに肉をつついてた。

その少し前。俺がこの公園に到着した頃。
俺が来たことを意外そうに、それか申し訳無さそうにする宍井に声を掛けられた。
『別にやな感じしなかったし。』
そう言おうと思ったのだ。]

 や、別に。
 お前に誘われたら大体のやつは断らないだろ。

[変な意味はない。 ないのだ。
 本当にこいつのことを俺は単に、良いやつだと…っていうと語弊があるけど。
 そういう奴だと思っていた。だって、そう思うだろ?**]


─ 5回目の9月1日 ─

[祭に到着すると、学校の生徒にちらほら会った。「かいちょーボッチ!?」とかストレートに言われると少し心が痛い。悪かったな。

何か腹に入れないと、と、屋台を見回す。チョコバナナ、フランクフルト、たこ焼き…などなど、目移りしまくけれど、いまいち財布に手が伸びない。


そんな時、BBQの誘いが来た。
出口か愛海あたりからだろう、きっと。

『ありがと。
じゃ、今から向かってもいいかい。』

ループの輪から外れた身のまま、公園へと向かう。]**


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ケント
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