254 東京村U
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……っ
[ぶっきらぼうに放たれた言葉に押し黙る。 その後のフォローも、さほど慰めにはならない]
はい、東中野のご自宅に。 昨晩の夜中、うちの者が。
入間祐輔さん、ご本人だったそうです。 顔を知っている者が確認しました。
ただ……実際、わたしが見たわけではないですし。 そうと知って確認をとったわけではないので……
[こちらのスタッフからすれば、あくまで顧客の中の1人にすぎない。事前にそうと知らず、用意周到な成りすましを見抜けるかといわれれば、怪しい]
(230) 2016/10/02(Sun) 15時半頃
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……ど、どっちの
[脳裏にならんだ二人の入間祐輔。 片方が現れ、片方が消える。
――影法師]
そんな風に、言わなくたっていいじゃないですか!!
[思わず叫んでしまった。その場にしゃがみこみ、膝を抱える 鼻をすすりながら、ちいさく「ごめんなさい」と付け加えた]
(231) 2016/10/02(Sun) 15時半頃
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警察も?あの、ご近所の方は……だめですか。 そう……
あたしからは、逃げてください、としか言えません。 事情がわかるまで、無理はしないで。
こちらでなにかわかれば、連絡します。 この番号で大丈夫ですか?
(233) 2016/10/02(Sun) 15時半頃
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みおん、さん。 可愛らしい、お名前ですね……
(……ゆうすけ。あんた、おおばか野郎だよ)
(234) 2016/10/02(Sun) 15時半頃
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そ、それは……。
(今、大変な状況下にあるこの子に言うべきではない。 わかっていても、「どうして(>>236)」と問われた口は、 ぶるぶると震えながら答えてしまう)
見たんです。あたしも…… あ、あたしの"にせもの"を。
誰もわかってくれなくて、 こわくて、ただ、こわくて……
だから、ちょっと……感じ似てて びっくりして……つい
(240) 2016/10/02(Sun) 16時半頃
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夕方から…… なら、そうかも。
あいつら、なにも知らないで行ったから…… 見抜けなかったんだ。
……うん、絶対、何も言わない。約束。
(241) 2016/10/02(Sun) 16時半頃
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あの……みおんさん。
[ごくり、と喉をならした。 このまますんなりと帰って忘れることなど、とてもできない。 ましてや、ソレが入間祐輔のドッペルゲンガーなのだとしたら、 つながりの深い澪音も犠牲になるのではない?
ばくばくと早鐘のようになる心臓を押さえながら、おそるおそる口を開いた]
……今日、お会いできませんか? 午後でもいいんです。 どこか、落ち着ける場所で。
今、なにが起こってるか。 ちょっとでも、お話できたら……
[断られる。それを前提とした、すがるような提案]
(242) 2016/10/02(Sun) 16時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 16時半頃
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……無事です、あたしなら。 動いてるのは、警察じゃなくて……
[どこから話したらいいか、説明に言いよどむ。 会って、ゆっくりと相談したい。 そう願っての提案は、予想に反して、すんなりと受け入れられた]
あ、ありがとうっ! ……ジリヤです。雪野瀬 ジリヤ。
今、新宿です。 ホテルとりますから、まずは駅で。
[時間と駅近の待ち合わせ場所を決めて、通話を切った。 午後からだ。今からいけば十分間に合う。 それまでにできることはないか、ジリヤは頭をめぐらせた――]
(255) 2016/10/02(Sun) 17時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 17時頃
お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 17時半頃
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― 新宿・某スタジオ・入間との通話前 ―
[ジリヤの曲も、いつか聴けたら(>>225)。 神と敬愛してきた男性からの思わぬ言葉に絶句し、 嬉しさと恥ずかしさで火照った顔を両手で覆い隠した]
……そ、そんな!? あたしの曲なんて、ぜんぜんヘタクソで……
[こわごわと両手を下げて、目元だけを覗かせる。 その目頭は、わずかに濡れていた]
もう、やめなきゃ、って思ってた。 この"仕事"……あの、アイドルのことだけど 専念しないとダメだったから。
でも、ちょっとまた、やる気出た。 いつか、自信もてる歌ができたら、 そのときは……うん、約束。
(256) 2016/10/02(Sun) 17時半頃
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[ドリベルがiPhoneの画面に映し出したパズルの写真(>>226)。 パズルは二十面体からはじまり、スライドするごとに、熊、鷹、へと形状が変わる]
……すっご。 これ、全部おんなじパズル? カクカクからはじまって? まだ続きあるの?
へぇ……不思議。 どういう仕組みなんだろう。 リンフォン?
[なんどもスライドを行き来させて、形状の変わり具合に驚く。 ごく自然な流れで、ふと疑問を口にした]
これ、完成したら、なんになるの?**
(257) 2016/10/02(Sun) 17時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 17時半頃
お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 18時頃
─ 出られない駅 ─
[ほっとした。人の声がこんなにも心強いものだとは思わなかった。聞き慣れた同僚の声が、こんなにも日常を思わせてくれるものだとは。
東蓮寺は命綱のように、小さな端末を握りしめた。鈴里は、戸惑ったようだ。当然だろう、自分とて従妹の連絡を受けた時には戸惑ったものだ。
それでも悪戯と一蹴せず、話を聞いてくれる鈴里がありがたかった。出社、朝早く…彼女の言葉で、ようやく認識が”朝”に追いつく。]
目立つもの、は───
柱とか、普通の駅なんです。
でも標識だとか場所を示してくれるものは何もなくて。
階段……あっ、右側に階段があります。
昨日降りてきた階段かな…、…ちょっと良く分からないです。
俺、動かない方がいいとかあると思いますか?
ずっとあちこち歩いてみてるんですけど、全然出口が見当たらなくて。
[音がやや遠くなる。
切れそうになってしまっているのかも知れない>>*13
やはり電波が遠いのか。いつまた、この細い糸が切れてしまうかと思うと心配で仕方がなかった。自然特徴は忙しく早口になる。]
あっ、みよ子さん!!
もし出来たら、俺の従妹に連絡しておいて貰えませんか。
新宿駅ではぐれてしまったんです。
彼女、今大変みたいで心配していると思うので…!
名前は入間澪音。連絡先は───…
[果たして願いは聞き入れられたか、そもそも連絡先も聞き取れたか。ともあれ、願いを込めて伝言を託す。頼る先は他にないのだ。]
ごめん、って。
必ず帰るからって…おじさんとおばさんも探すからって。
みよ子さんにお願いすることじゃないかも知れないけど、すみません。
[早口でまくし立てる。いつこの通話が切れてしまうかも知れないのだ。ただ、ふ…っと、間を置くようにして投げられた問い>>*15
それに短く、音は途切れた。]
え………、みよ子さん。何言って、
〜〜〜、出たいですよ!!そりゃあ!
こんなところに長居したい人間がいると思いますか!
[八つ当たりめいた感情が爆発した。
大声で叫んでしまってから、あっと口を閉ざす。]
……すみません。でも、出られないです。
出たくないんじゃありません。
だって、そりゃそうでしょう!?
こんなところで、どこにも行けないなんて、
誰が望むと思いますか!??
[やはり口調は荒くなる。
それが誰の”望み”だったかなんて。どんな希望だったかなんて、その時思いすらしなかった。とにかく、ここから出たい。出なくてはいけない。そんな焦りにも似た気持ちが声を自然と大きくする。]
俺、出口探してみます……
だからお願いします、みよ子さん。
[自然と顔が俯いた。
しまいに出てきた声は、自分でも驚くほど*弱々しかった*]
ジリヤは、イルマミオンについて思いを巡らせている。
2016/10/02(Sun) 23時頃
[新宿の街を歩いていると、働いている人も働いていない人も眠っている人も、色んな人がいて、でも、その誰も私には気づかない]
何で私、ここにいるんだろう……。
あ、れ?
[駅の改札口から出てきた姿には見覚えがあった。
パパ、だ。私がいなくなっても、普通にお仕事には行くんだ、なんて少し思ったけど、違う。
パパは時間を気にしてるみたいだった]
そういえば昨日は早かったんだっけ……。
[パパの後をついて行くと、少し大きなビルへと入っていく。
知らないビルで、パパの働いているビルじゃない。
営業回りではなかったはずだけど、不思議に思ってそのままついて行った。
もちろん誰も、私が見えないみたいだった]
[受付で話すパパの声は、焦っているような、緊張しているような声。
受付の人が示した場所を聞いてパパはエレベーターへと消えていく。
その後はもうついていけなかったけれど、受付のお姉さんが話していた言葉から察するに、「面接」に来たらしい。
なんとなく合点がいって、右手の方を見る。
女の子は、――顔は見えないけれど――どこか嬉しそうに笑った気がして]
「パパさん昨日話してたの。「おしごと」のこと」
「行ったフリ」「ゴメン」「明日メンセツ」
「ふふ」
[嬉しそうな声に、私も少し嬉しくなった。
でも、あなたは誰なの? って聞きたかったけど、聞かなくても良い気がしてきた]
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― 新宿・某スタジオ前 ―
[人々が行き交うスタジオ前の脇にただずみ、 車をとりに地下駐車場へ向かった本郷の迎えを待っていた]
……ドリベル様。 また、会いたいな。
[こんな気分で別れてしまったのは、ジリヤとしても不本意だった。
ところで、あの時に感じた違和感は、なんだったのだろう。(>>274) なぜだかあの表情が胸に強く残り、ざわめいている]
(317) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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[しきりに携帯を覗いて時間を確認する。 澪音は、もうこちらに向かっているだろうか? 澪音から"なりすまし"についての詳細を聞けば、本郷も動かざるを得ないだろう。シルバーケースが、裏社会の力を使って"入間祐輔の偽物"について洗えば、あの"もう一人のジリヤ"についても芋づる式に、何か掴めるかもしれない。
一抹の希望。ただそれ以上に強く抱いている感情、 それは恐怖だった]
みおんの家族……壊れちゃうよね。 ……あたしの、せいで。
だって、あたしが……お、おとうさんを
(319) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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[震える手で口をおさる。 今すぐ何もかも忘れて逃げ出したい]
なにされたって、仕方ない そんなこと、わかってる……わかってるよ でも……でも……
(321) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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[身体の震えを抑えきれず、膝を抱えてうずくまった。 あたまの片隅に浮かぶのは、父の姿。 優しかったはずの父。目覚めた自分を抱きしめてくれた父。 だが、やがてジリアを忌避するようになり、そして――]
……ごめんなさい、ごめんなさい 汚らわしくって、ごめんなさい
なんでも言うことききますから…… ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……
[その呟きは自分でも気づかぬうちに、 ひとりでに口から発せられていた]
(322) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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― 新宿・某スタジオ前 ―
[こちらに向かってくる本郷の黒いセダンが見えた。 反射的に跳ね起き、車道に対して手を挙げた。 逃げ出したい、でも、逃げちゃダメだ。 本郷が傍にいれば、きっとなんとか耐えられる。 そう思った。
――だが黒いセダンは、停まることなく、 そのままジリヤの横を通り過ぎていった。
たしかに本郷の車であるはずなのに]
(323) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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[車が横を過ぎ去る瞬間、ジリヤは確かに見た。
運転席でハンドルを握る本郷を。 そして、その隣の助手席に座る1人の人影を。 それは――]
(324) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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『私はこの二つの幻影を、 如何に恐怖に充ちた眼で、眺めましたろう。
如何に憎悪に燃えた心で、眺めましたろう。
殊に、妻の眼が第二の私の顔を、 甘えるように見ているのを知った時には――
ああ、一切が恐しい夢でございます。
芥川龍之介 「二つの手紙」』
(327) 2016/10/03(Mon) 00時頃
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[それ(>>324)は、無機質な笑顔を浮かべるジリヤだった]
(328) 2016/10/03(Mon) 00時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/03(Mon) 00時頃
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― 午後・某スタジオ→新宿駅 ―
[人が行き交う歩道の先に、新宿駅が見える。 もう2度と来ることはないだろうと思った、その場所が。
昨日、ここで必死になっていたことさえ、 とても昔の出来事のように感じる。
耳にあて続けていたスマートフォンをとうとうポーチの中にしまう。 繋がらない。本郷はもちろん、輝美にも、ゆにも、まゆみにも]
……居場所
なくなっちゃった。
[口角を引きつらせて震えている自分は、笑っているのか、それとも泣いているのか、自分でも、もうよくわからなかった]
(334) 2016/10/03(Mon) 00時頃
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[澪音と連絡をとった携帯に着信がはいった(>>320) 着信画面を確認し、おそるおそる応答を押す]
……もしもし? あの、もうちょっとで新宿……です。
(335) 2016/10/03(Mon) 00時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/03(Mon) 00時半頃
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[澪音の声が聞こえる。 震える手を押さえながら、唇をかんで思案する。 いま、なにをすればいい?]
あの……なら、東口のアルタ前広場で…… あたし、金髪で……あと、空色のワンピです。
(340) 2016/10/03(Mon) 00時半頃
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[アルタ前まで、もうすぐの距離にまで来た。 ジリヤは、すがるように、らくがきだらけの本を胸に抱きしめた]
(346) 2016/10/03(Mon) 00時半頃
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