人狼議事


254 東京村U

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視点:


[扉に鍵はかかってない。
中に入ると、リビングから話し声がした。

母親と、父親と二人の声。

……でも、おかしい。二人は、誰に向かって話してるの]

「ヒナコ、ご飯食べたらちゃんと勉強しなさい? テレビばっかり見てないで」
「はぁい」
「今誰か来たんじゃないのか」
「私見てくる」

[誰の声なんだろう、これは。
私の声のようで、私じゃない。違う、私の声じゃない。
聞こえる足音が、リビングを出てくる。
出てきた姿は、人の姿じゃなくて、薄い影のような]


メモを貼った。


メモを貼った。


[それは、にっこり笑った気がした]

 え、何?

[おいで、そんな風に手を振ったように見えた。
違う、「おかえり」だ。

なぜだか、直感でそう思ってしまった]

「ヒナコ? 誰が来たの?」

[母親の声。
もうその影は答えなかった。代わりに廊下の奥へと消えていく]

 、……ただいま。

[口から出たのは掠れた声だけ。
顔を出した母親が、帰った来た私の姿を見て、びっくりしたように目を見開いた]


「今帰ってきたの?」

[今のは、何。私の振りをして、ここにいたのは。
頷いてから、それから首を振って、廊下の「奥」、自分の部屋へと走り込んだ]

 ……「あなた」はここでしんだ人なの?

[部屋の中、明かりはついておらず窓からの月明かりだけが部屋を照らす。
影はもういなくて、でも、ぱたぱたと足音が響いた気がした]

 どうして、私の振りをしたの?

[問いかけても、返事はなかった。微かに、笑う声が聞こえた気がした]


【人】 お針子 ジリヤ

 
ら  ぶにゃ    ぶ  にゃん

   たの   に         たいの

(2) 2016/10/01(Sat) 01時頃

[影が、テラスに見えた気がして外へと出た。
廊下の方から母の私を呼ぶ声がする。

辺りを見回すと、フェンスの向こうに誰かがいた。

それは少し怖くて、腕を引っ張られる気がした。
右手と、左手と]

「だめ」
「そっちはこわいよ」
「あそんで」
「ここで」
「こっちにきて」

[右と左から交互に声がする。
左からの声は怖かった。

引いて行かれるのは怖かったけど、心配してくれるだろうか、なんて思ってしまって]


[黒く煤けたその場所は、まるで黒い沼のように見えた。足を取られたらもう抜け出せないような、そんな、気がしただけ。

ただ、右手を引っ張っていた影はフェンスの向こうには来られないみたいで、離れてしまった]

「いっしょに」

[ぞわり、とするような声が耳元で囁く。
しまった、と思ったときにはもう遅いんだって、誰かが言ってた気がする。

私の身体は、その数瞬後には地面近くの植え込みの上にあった。
視線の上、光る月とそれから、黒い煤けたテラスの端と]

「ごめんね。ごめんね。助けられなくて――」

[怖くない方の声が遠くから聞こえた気がした。
次第に闇に覆われていく視界。あそこから落ちたんだ、と薄れていく意識の中、思った]


[死ななかったのは奇跡だと、言われたらしいけれど、意識を失った私が知るのはまだまだ後のことだ。

植え込みがクッションになったことと、立木に引っかかりながら落ちたのが良かったらしい。
あの声が、助けてくれたのだろうか。

『私の身体』のことはさておき、今の私は別の場所に立っていた。
誰も気づかない、こんなに人は多いのに、誰も私を見てはくれない。

この場所を、私は知ってる。
「新宿」の街だ――**]


─ 回想:東中野のあるマンション ─

[見知らぬ女が、背を向ける
その隙をつく形で、東蓮寺もまた身を翻した。]

澪音ちゃん!!!

[従妹を一人にするわけにはいかない。
何よりも、彼女の言葉が真実と判明したからには。]


[ダッシュでエレベーターへと駆け込めば、一歩遅れた警官と女は機械の扉の向こうへと遮られた。そのままするすると、エレベーターは階下へ降り行く。]

別の家から?
ああ、あの、変な女を「入間さん」とか呼んだやつか。
澪音ちゃんを見ていた……?くそ。

[従妹の言葉に、低く短い悪態が落ちた。
澪音を見ていた、つまり監視していたということか。
彼女をどうしたいというのだ。
或いは、このまま彼女を返せば次は澪音すら別の誰かとすり替えられてしまうのではないか。そんな想像まで脳裏をよぎる。]


落ち着いて。
まずは、澪音ちゃんの無事を考えよう。
おじさんとおばさんは……俺が絶対に探すから。

[弱く涙声のようにも聞こえる声に励ますようにかける声は、半ば自分への鼓舞に似る。あの不気味さ、あの異様さは味わったものにしか分からないものだろう。
そう思うと、一人であの恐怖に耐えていたのだろう従妹が、痛々しくも哀れだった。]

そうだな。
今夜はとりあえずホテルでどうかな?シングルで。
お金のことは心配しなくていいから。

[ひとまず、どこかに部屋を取って泊まらせよう。
そう提案すると、従妹から思わぬ一言があった
それに短く苦笑してみせる。]


俺のところは…、狭いからなあ。
澪音ちゃんなんか、とても泊められないよ。
それに、あまり片付いていないんだ。

[だからと従妹の宿泊を渋ったには別の大きな理由がある。
東蓮寺の住まいは、十条にある。
正確には十条駅から徒歩10分ほど、築34年を数える古いアパートの一室である。部屋は狭く古めかしく、家賃は東京にしては破格に安い。
無論事故物件などではない、普通の部屋だ。
とはいえ擦り切れた畳敷きの、和式トイレの床にタイルが張ってあるような家に住みたいという人間は今や少ないのだろう。

東蓮寺の身なりは、収入に比較して随分と良い。
それは家賃などを削りきり、外見にばかりは金を費やした東蓮寺の見栄だった。鴨居には、部屋に似合わぬ洒落たスーツがハンガーにかけられている。
そんな部屋に従妹を招き入れたくはなかった。そんなところを、自分を良く見てくれている年下の子に見せたくなどなかった。]


メモを貼った。


だから、ごめん。
大体、従妹といっても女の子が無防備に男の部屋に泊まるなんて、言っちゃダメだよ。

[最後、冗談めかした言葉はどう取られたか。
ともあれ新宿に着いてから考えよう。そう一旦話を区切ると、従妹は再び黙り込んでしまった。沈み込む様子に、東蓮寺もまた思い悩む表情になる。

電車はほどなくして、新宿に着いた。
ホームに降り立った瞬間、どこか見知らぬ街に来てしまったような気がした。いつも使う駅なのに。
白昼夢のような妄想に首を振り、はたと従妹を見遣る。東蓮寺の顔色は少し悪い。照明のせいと見えただろうか。]


ああ……、いや。ごめん。
ホテル探そう。

[家に泊まりたいという従妹の言葉に、どこか上の空で首を横に振り、詫びる言葉を重ねて雑踏を歩く。階段を下りて右に曲がり、再び階段を上がって左に折れ………ここはどこだ?

知らない街。ここはどこだ?
いつしか雑踏のざわめきも遠くなっている。
どこだ?分からない。

ハッとして横を見る。
後ろを見る。
周囲を見回す。


   ──── 澪音が、いない。]


澪音ちゃん!???

[大きな声で呼んで、慌てて周囲を見回した。いない。
それどころか、ここはどこだ。
振り返ってみれば、続いていたはずの通路は行き止まりになっている。プレハブのような安っぽい壁が、頑として立ちふさがっている。
混乱して首を横に振れば、下り階段が見えた。
出口を求めて、そこに駆け込む。

降りる。
降りる。
降りる。
降りる………

出口には、つかない。]


[次は、慌ててスマホを取り出した。
従妹の連絡先をタップする。繋がらない。
呼び出し音すらしない。
何度か試して諦めて、次はLINEを立ち上げた。]

「変なところに出た」
「ごめん、大丈夫?はぐれてしまって」
「今、どこにいるのか分からない」

[そう送ろうとするが、メッセージが投稿出来ない。
オフライン表示ではない。通信は可能な表示だ。
それでも電波が通っていないかのように、まるで、]


 ………っ!


[ざわりと悪寒がした気がして、振り返った。
降りてきたはずの階段が消え失せている。
目を見開いて辺りを見渡せば、眼前には薄暗いどこかの見知らぬ風景が寒々として*広がっていた*]


メモを貼った。


メモを貼った。


メモを貼った。


お針子 ジリヤは、メモを貼った。

2016/10/01(Sat) 02時頃


【人】 お針子 ジリヤ

 
ら  ぶにゃ    ぶ  にゃん

   たの   に         たいの

(48) 2016/10/01(Sat) 02時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

― 早朝:渋谷・木露 流衣の宿泊部屋 ―

[それは木露 流衣の目には、はっきりと映っていただろう。
あるいは、周囲にいた人間の目にも見えていたかもしれない]

(49) 2016/10/01(Sat) 02時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

[木露 流衣が眠りから目覚め、瞼を開いたそのとき。

すぐ目の前に、"ソレ"はいた]

(51) 2016/10/01(Sat) 02時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

[きらびやかな空色のステージドレス。
ミニのスカートからすらりと伸びた白いタイツ。
差し色の赤いチョーカー。
猫耳のボンボン耳当て。

重力など存在しないかのように、"ソレ"は跳ね、踊り、舞った。
どこにもつながれていないマイクからは、しかし、ハッキリと、BGMを伴って街に流れるあの歌が流れていた]

(52) 2016/10/01(Sat) 02時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

♪らぶらぶにゃんにゃん、らぶにゃんにゃん
♪あなたのこねこになりたいの

(54) 2016/10/01(Sat) 02時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

["ソレ"は、前かがみに顔を近寄せた。

熱をおびない、無機質なつくられた笑顔。

閉ざされた口からは、しかし、はっきりと言葉が紡がれた]

(55) 2016/10/01(Sat) 02時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

ねぇ、木露先生。わたしを……抱いて。

(56) 2016/10/01(Sat) 02時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

[木露の反応はいかなるものだったのか。
なんにせよ"ソレ"は、無機質な笑顔を浮かべながら、
後ろ手に隠し持っていたキッチンナイフを振り上げる]

(57) 2016/10/01(Sat) 02時半頃

【人】 お針子 ジリヤ


シク           
         アイ
     
              クンネ

   フレ
         ラクル

(58) 2016/10/01(Sat) 02時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

[そのとき

            バチンッ


と、なにかが弾ける音が響いた]

(59) 2016/10/01(Sat) 02時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

[木露の目の前には、もうなにもなかった。

"ソレ"の気配は、朝日の中に溶けたかのように霧散し、

ただ平凡な朝の光景だけが、そこにはあった。]

(60) 2016/10/01(Sat) 03時頃

【人】 お針子 ジリヤ

― 同刻:練馬 賃貸マンション105号室 寝室 ―

あっ……!

[短い悲鳴と共に眠りから目覚めた。
なにかが弾ける音の感触が、まだ耳に残っている。
それはまるで、あのときのような――

恐々と、祈るような気持ちで、
枕元に置いてある1冊の本を手に取った]

……うそ。
な、なんで!?

[ページの隙間から、紫の煙が立ち立ち昇っている。

ラクガキだらけの『東京村』
更に1/4ほどの頁がぼろぼろにやけただれていた]

(65) 2016/10/01(Sat) 03時頃

お針子 ジリヤは、メモを貼った。

2016/10/01(Sat) 03時半頃


お針子 ジリヤは、メモを貼った。

2016/10/01(Sat) 14時頃


【人】 お針子 ジリヤ

―朝: 練馬 賃貸マンション―
『も〜、ほんと元気出しなって〜。
ゆうくん、平気だったんでしょ?』

うん、そうなんだけど······

[同グループメンバー“てるみー”(>>1:253)からの電話に応えながら、トーストの耳をちびちびかじる。女性スタッフが目の前でスクランブルエッグを調理してくれているが、至れり尽くせりな対応はかえって居心地が悪い]

(70) 2016/10/01(Sat) 14時頃

【人】 お針子 ジリヤ

[本郷からの連絡を受けたのは今朝はやく。

入間宅に警官を装って訪問したS面子が、入間祐輔の無事を確認したそうだ。連絡がつかなかったのは、携帯の電源が切れていただけ。顔を知っている面子も同行し、会員番号も暗証できたので、まず間違いないようだ。

ただ会員カードを紛失してしまったそうだが······]

(71) 2016/10/01(Sat) 14時頃

【人】 お針子 ジリヤ

[テレビから報道番組のニュースがながれる]

『ライブゲート代表取締役 赤羽忠雄さんが、東京都六本木の自宅で倒れているのを家族が発見し、搬送先の緊急病院で死亡が確認されました。死因は急性心不全でした。』

[赤羽の“対処”が完了していた。おそらくは立川も。
ため息を漏らして、チャンネルを無作為にかえる]

(72) 2016/10/01(Sat) 14時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

[殺したのは“もうひとりのあたし”だ。本郷には、自分が体験したことの一部始終をつたえたが、まもとに受け取ってはもらえなかった。

ジリヤを確保したとき、本郷たちが目撃したのは、窓から飛び降りる人影の背後のみ。ステージ衣装は目についたらしく、本郷は異常者の仕業だと決めつけている]

(73) 2016/10/01(Sat) 14時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

ええ!?
『解治』って、あの『解治』······
『解放治療カルテ』!?

『そうそう、うちに好きすぎてヤバイ子いるっていったら、四ツ谷くんが、遊びにおいでって。今日の昼からスタジオはいるってさ』

(74) 2016/10/01(Sat) 14時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

(四ツ谷くん? “シーシャ様”だよ!バカ!)
え、でも初めて知ったよ!?
輝美が知り合いなんて!

『前の打ち上げイベントで一緒に飲んでさ。ぶっちゃけ、うち興味ないし、あんたいってきなよ』

いくよ!
絶対いく!!

(75) 2016/10/01(Sat) 14時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

[電話を切ると即座に食べかけのトーストを口の中にねじこみ、ミルクティーで一気に流し込んだ]

えと、えと、着替えして、美容院いって、
"先生"に電話して、えーと、渋谷まで何分?
あっ、その前にシャワー!
先生の前に、自分でも調べなきゃだし!
ジーパンNGだよね!?ワンピ?ゴス?
あー、空色のしかない!
あっあっ!美容院!予約しなきゃ!

(76) 2016/10/01(Sat) 14時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

[目の前に出されたスクランブルエッグを
皿ごともちあげて、がばがばと口に流し込み、
頬張りながら席をたった]

ほひほうははへひた!
(ごちそうさまでした)

んぐっ······ま、間に合えぇぇ!!

[ワタワタとパジャマを脱ぎ散らかしながら
バスルームへ駆け込んでゆく]

(77) 2016/10/01(Sat) 14時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

あ············っ!

[右足に突然痛みが走った。
昨晩のあのときに傷んだ脛が青黒く腫れている]

······やっぱり、どっかにぶつけたかな?

[脛を擦りながら、空色に合うタイツ買わなきゃと考えていた]

(78) 2016/10/01(Sat) 14時半頃

お針子 ジリヤは、メモを貼った。

2016/10/01(Sat) 14時半頃


お針子 ジリヤは、メモを貼った。

2016/10/01(Sat) 15時頃


─ 出られない駅 ─

[また同じ夢を見た。他愛もない夢だ。

寝床で目を覚ます。見覚えのない天井。
板で出来た天井板は、押せば動く。
動いた先にあるのは真っ黒な闇の迷路だ。
左右も分からずに進む。

どこまでもどこまでも進む。
迷路の先は知らない街だ。
馴染みのある、あの緑深い田舎の町などではありえない。
人の行き交う、雑多でエネルギッシュな街でもあり得ない。

帰っておいでと呼ぶ声は、もう届かない。
そんなつもりじゃなかった。


 ─── ソンナツモリジャナカッタノニ。


[ふっと意識が覚醒する。
なんだ、眠っていたのか。…眠っていた?この状況で?

ゆるく見渡せば、やっぱりそこは駅構内のようだった。
見覚えがあるような見覚えのない風景。
照明は白々と点いているのに、奥が見渡せない。
辺りは明るいはずなのに、何故だか暗い印象がある。]


俺は、…──違う。違う。
出られないんじゃ…、

[ない?本当に?
自分もヤヘイと、あの狂人と同じじゃないのか。
出ないんじゃない、出られないんじゃないか。

あっちかも知れない。いや、こっちかも。
そっちの先はまだ手繰っていないのかも知れない…]


……違う!!

[違う。自分は彼と同じじゃない。
出られないんじゃない、出たくない。
そう出たくなかっただけだ。どこから?この場所から。

そこまで考えてしまって、一瞬息が止まった。
違う、そうじゃなかった。


絶対に出たくない───…んじゃ、なくて。
そうじゃなくて、今はまだ出られない。このままじゃ帰りたくないだけ。]


*

*

*


[東蓮寺の実家は、ごく田舎の古い寺だった。
歴史の長さばかりが自慢の、禅宗の古い寺である。

昔から馴染んだのは草の匂いと香の匂い。
読経の響きは子守歌より身に沁みついている。

町は皆、代々からの古い知人親戚で、琉衣は昔から「東蓮寺の跡取り息子」であった。何をしてもどこにいても、見知った人の目があった。

寺の跡取り息子、一人息子として、いずれは修行にそして住職に。そうして古い小さな、…居心地のいい狭苦しい優しい町で一生を送ること。そんな決められた未来に反発して東京に出たのは、高校を出て間もなくのこと。]


「俺は寺なんて継がない」
「俺は東京に出て、立派に稼いでいい暮らしをするから」
「だから、こんな古い田舎になんて帰らない───」


[父と大喧嘩をして、母に見栄を切って家を飛び出た。
祖父母は、その後何度も何度も手紙を寄越した。

お前は跡取り息子で、しかも一人息子だ。
お前が帰ってこないでどうするのか。
東京でどうせ大した仕事もなく苦労ばかりするのだろう。
おじいちゃんもおばあちゃんも心配しているから。
早く諦めて戻っておいで。

思わず愚痴を零したくなるほど、幾たびも。
未だに契約社員で、碌に将来も見えやしない力不足の自分を見透かすかの言葉が不甲斐なく情けなく、悔しくて。]


[もう、いいと。

もうやめてくれ────、
俺はここに、この街から今は出たくはないのだから。
せめてもう少し頑張って、


  ………… いずれ胸を張って帰りたいのだから、と。


それまでは帰らない。
帰りたくないと、意地を張り続けてきたのだけれど。]


*

*

*


[懐のスマホを取り出して画面を操作する。
従妹からの連絡はまだ来ていない。
通話をタップしてみる。やはり繋がらない。

ひょっとしてと思って、叔父と叔母にもかけてみた。
繋がらない。微かな期待はあったのだけれど。
では違うのか。彼らもここに迷い込んでいるわけではないのか。]


ああ…、くそ。澪音ちゃん…ごめん。


[新宿駅ではぐれてしまった従妹のことを思う。
彼女は一体どうしてるだろう。無事だろうか。
それとも同じく、どこかに迷い込んでいるのだろうか。

確かめる術はなく、連絡は相変わらず繋がらない。
あんなに不安そうにしていたのに。
助けてやらないといけないと思っていたのに。
不安と苛立ちで、スマホの"通話"の文字を何度も何度も指先で叩き、]


 ………っ!


[衝動的に画面を消して、端末を握る手を振り下ろす。]


はあ────、

[深くため息をついて、その場に座り込んだ。
普段なら座ることなど思いもしない駅の通路だが、今はもう気にする気にもなれやしない。

なんでこうなった。
どうしてこうなった。
こんなつもりじゃなかった。
こんな風に出たくないというのでなかった。

同じような言葉が、頭の中をぐるぐると回っている。
そんな時、ふと柔らかな声が耳の奥に蘇った。]

  『人って、いろいろねえ』

[フルーツ飴の、甘い微かな記憶と共に。]


[ここには、どこかは分からないけど入口があった。
あったんだろうと思う…多分。
では出口は?出口もあるんじゃないのか。
縋りたいのは微かな希望。僅かな望み。
まだ手繰らぬ先の道の向こう側。


   『出口も入口も、名前が違うだけかもしれないのに』


淡い、不思議なものを見つめるかの瞳で彼女は言った。
鈴里 みよ子。
その名前を選んで、さして期待もせずに通話ボタンをタップする。
やがて初めて反応を見せたコールの表示を、東蓮寺は手の中に凝然として*見下ろしていた*]


ジリヤは、ドリベル様に思いを馳せながら、渋谷の美容院で髪をセットしている。

2016/10/01(Sat) 16時半頃


メモを貼った。


お針子 ジリヤは、メモを貼った。

2016/10/01(Sat) 20時半頃


【人】 お針子 ジリヤ

― 午前:表参道・美容院 ―

[担当の美容師にいつも通りとだけオーダーし、
ネイビーブルーのスマートフォンに目を落とした。
受付前のソファには運転手として同行した本郷。
護衛半分、監視半分といったところだろう。今の状況では心強い。

Chromeアプリを開き、"ドッペルゲンカー"と検索する。
なにか少しでも知識をつけて、状況を理解しなければ――]

(105) 2016/10/01(Sat) 20時半頃

─ 出られない駅 ─

[呼び出しは随分と長く続いた。
普段なら諦めて切ってしまっただろう程の長さ。けれど今は、祈るような思いで呼び出しの表示を見つめている。この回線の向こう、声が、届くことを願って。]


  あっ………………


[自ら掛けたにもかかわらず、それでも。
実際に声が聞こえた時、あまりの意外さに、一瞬どう反応していいのかが分からなくなり、東蓮寺は狼狽えたように画面を見つめて息をのんだ。
ごくのんびりとした声が聞こえる>>*9
あたかも今が、常と変わらぬ日常の中にあるような声が。

呆然と「通話中」になった表示を眺め、そしてまた慌てて端末を耳に当てた。ひょっとしたらすぐにまた、切れてしまうかも知れないから。]


あの、みよ子さん、ですか?
東蓮寺です。これ、聞こえていますか…!?

あっ、すみません。いきなり。
えっと…俺、今ここが何時か分からなくて。
駅にいるはずなんですけど………、…おかしなところで。
ここがどこか良く分からなくて。

いきなり電話して変なこと言ってすみません。
悪戯とかじゃないですよ!

でも誰にも連絡が取れなくて。
どうしたらここから出られるかも分からなくて、そしたら、みよ子さんにだけ連絡が付いたんで…!


…っ、すみません。
出来ればどこかに通報とか捜索とか、何か………

[空いた左手を額に当てて、ぐるりと辺りを見回す。
目印になりそうなものも、見覚えのあるものもない。
ただここが、何かの駅であることは間違いがないように思う。
焦りと苛立ちが相半ばした表情で、手掛かりを探す。
何度見渡しても、そのようなものは何もないけど。]


何か、お願い出来ませんか。
ここは新宿のどこかかとは思うんですけど。
駅からどこか、おかしなところに来ちゃったみたいで。
ほんと全然、電話とかも繋がらなくて。

[実際、こんな話をされても相手は困惑するばかりだろう。そう理性は告げるものの、他にどういえばいいというのだ。状況と、道を失った自分自身への焦り、苛立ち、不可思議な状況への戸惑い、恐怖。そうした雑多な感情が言葉の端に滲む。]

お願いします、みよ子さん。
今までで連絡が付いたのは、みよ子さんだけなんです。
いきなりこんなの、信じられないかも知れないんですけど…っ!

[垣間見えた一筋の救いを手放すまい。そんな必死さで、漸く繋がった一本の電話の向こうに*訴えかけた*]


【人】 お針子 ジリヤ

[『ドッペルゲンガー』とは、医学的には「自己像幻視」という自分自身の姿を見る幻覚の一種であり、脳腫瘍によって引き起こされるケースが多いという。

また、オカルト用語としては、複数の場所で同時に同一人物が姿を現す現象を指すそうだ。こちらのドッペルゲンガーにまつわる伝承は、古くから世界各地に存在しているという]

(116) 2016/10/01(Sat) 21時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

[江戸時代の日本では「離魂病」という肉体から霊魂が分離・有形化したものと考えらえ、『影法師』『影の病』などの名称で呼ばれていた。

『日本古文献の精神病学的考察』という本は、この『影の病』の一例として、親子3代に渡って影法師を目撃して病死した家系が紹介されている。"見たら死ぬ"と言われるゆえんはここからだろうか?]

……影。

[ヤヘイの言葉を思い出し(>>1:276)、ゾクリと背筋が凍った]

(117) 2016/10/01(Sat) 21時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

[ドッペルゲンガーを扱った文学作品は数多い。かの芥川龍之介は、短編『二つの手紙』の中で、自分と妻のドッペルゲンガー現象に苦悩し、正気を失っていく青年の狂気を描いている。

ちなみに、芥川自身、自分のドッペルゲンガーを実際に目撃したと、ある座談会の場で述べたという。このようにドッペルゲンガー現象と遭遇した偉人は多く、エイブラハム・リンカーンもその一人だという。

芥川とリンカーン、そのどちらも自殺と暗殺という、壮絶な最期を遂げている]

(118) 2016/10/01(Sat) 21時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

[第三者を殺害するドッペルゲンガーが登場する文学作品として 『プラーグの大学生』があり、悪魔により奪われた青年の影が、影法師となり、青年が恋する女性の許婚を殺害する。結果、苦境に立たされた青年はこの影法師を射殺するが、魂を共有する影を破壊したことで青年もまた命を落としてしまう。

遭遇者が生存する作品にはアルフレッド・ノイズ『深夜特急』があり、"無限にループする異界"に閉じられた青年が己のドッペルゲンガーと対峙し、壮絶な殺し合いの末に帰還する。ただ、この帰還した青年が、本人なのか、それとも影法師なのかは、実際のところはっきりと明記されてはいない]

(119) 2016/10/01(Sat) 22時頃

【人】 お針子 ジリヤ

な、なにこれ
……死ぬことばっかり

[昨晩の記憶がよみがえる。
身体の芯が冷えてゆくようだった]

(120) 2016/10/01(Sat) 22時頃

【人】 お針子 ジリヤ

[美容師の呼びかけに、反射的に顔をあげた。

検索結果を追うのに集中したせいか、自分が今、どんな姿をしていたのか、すっかり頭から抜けていた。

敬愛する『解放治療カルテ』が芸能関係者だからという理由で我慢してはいるが、普段ならば、こんな少女趣味の強いワンピースなど、オフでは絶対に着ないのだ]

……ひぃぃぃいいいっ!!!

[思わず叫びながら目を覆ってうずくまってしまった。
鏡に映った、着飾った自分自身。
それはあたかも、あの"もう一人のジリヤ"のように見えた**]

(123) 2016/10/01(Sat) 22時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

―午前・原宿表参道―

もうヤダ……絶対にヤダ!
今日帰ったら即効捨てる、こんな服!

[ぷりぷりと怒りを露わにしながら、『解放治療カルテ』へのお土産を求めて表参道の街中を歩いていた。本郷は、周囲に警戒心をもたれないよう、ジリヤから数十歩離れた位置からついてくる。

人通りはさほど多くはなく、ハイソは街並みに似つかわしくない顔はすぐに発見できた]

あれっ、"山岸"……さん?

[あの居心地のよかった時間が脳裏をよぎり、ぽろりと口から言葉が漏れてしまった]

(125) 2016/10/01(Sat) 23時頃

【人】 お針子 ジリヤ

(え、なに……そんな普通なの!?)

[まったく動じることのない"山岸"の態度(>>126)は、まるで昨日の続きのようで、それだけでなんだか胸がすく思いがした]

(……やるじゃん、"山岸"のクセに)

うん、今日はただの買い物。
ヤヘイは……ちょっと、仕切り直しっていうか。
そっちは?まさか青山に引っ越しとか?

(127) 2016/10/01(Sat) 23時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

ラベイユ?
……そこなら知ってるかも。
たしか、あっちの方だったかな。
近いから、一緒にいこっか?
ちょっと道、入り組んでるし。

["山岸"の横に並んで歩き出す]

あー、まぁそうだよね。
えっ、じゃあ、まだあのカラスマンションに?
……大丈夫?あぶなくない?

目玉模様とか、カラスに効くっていうよ?

(135) 2016/10/02(Sun) 00時頃

【人】 お針子 ジリヤ

ナンパは……うん、気をつける。

[誘われたら断れないからな、と不甲斐なく想ったタイミングで、"山岸"の視線が逸れた。ケヤキ並木の上に巨大なカラスが一羽]

……ヒッ

[咄嗟に"山岸"の腕をとって寄り添った]

えっ、えっ……尾行って
それ、ヤバイじゃん……
顔おぼえられてるって……

(137) 2016/10/02(Sun) 00時頃

【人】 お針子 ジリヤ

見られたくねーもんって
……カラスだよね?

え、ちょっと……
カラスと張り合ってるの?

やめときなよ、突かれたら痛いよ?
きっとビンのキャップとかビー玉とかだよ……

[不安な表情で首を振る]

(138) 2016/10/02(Sun) 00時頃

【人】 お針子 ジリヤ

それに、その……

人、死んじゃってるんだよね。
……そのマンション。

笑われるかもだけど……
そういうの、けっこう本当にあると思うし……

[歯切れ悪く言いよどんだ]

(141) 2016/10/02(Sun) 00時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

う、うん……ちょっと、怖いことあって。
全然、寝れなかった。

そんなに顔色、悪く見えるかな?
やばいなぁ、これから人と会うのに……

[すこしでも温めて血色をよくしようと、頬に手をあてた]

(147) 2016/10/02(Sun) 01時頃

【人】 お針子 ジリヤ

わ、笑わないでよ……
今ちょっと、余裕ないし、
怖いの嫌だって、前言ったじゃん。

[腕をとったまま、すこしでもカラスから離れようと歩く]

えっ、ちょっとまって……
間違いなくなんかあるって、
それこそ首つっこまないほうがよくない?
もう警察が調べて、なにもなかったんでしょ?

["山岸"の言葉(>>145)に、ムッとした顔をする]

……心配しちゃ悪い?
だって、こんな話できる人……他にあんまいないし。

(148) 2016/10/02(Sun) 01時頃

【人】 お針子 ジリヤ

うん、ちょっと……じゃなくて、
すごくややこしくて、うまく言えないんだけど……。

[相談できる人間(>>152)、の言葉には首をはっきりと横に振る]

いないよ、そんなやつ。
周りには誰も……
あたしの話なんて……

(156) 2016/10/02(Sun) 01時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

1人ね、心当たりあるんだけど、昨日あったばっかりでさ。
まぁ、それはあんたもだけど……。

その人、すっごい頭いいけど、忙しそうだったから、
まずは自分で調べて考えなきゃって。

誰だと思う?ホラー作家のすっごい有名な人。
そう、木露先生!
どう?あんたも名前ぐらい知ってるよね?

昨日あの後、取材されて、名刺までもらっちゃったんだよ。
ヤヘイに感謝だよね。どう、すごいでしょ?

[ジリヤの頭の中では、木露は偉大な作家先生ということになっているようだ]

(158) 2016/10/02(Sun) 01時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

……性分かぁ。(>>153)
前も思ったけど、強いよね、あんた。
すごいっていうか、正直……うらやましい。

……その強さが、あたしにあったらなぁ。

[実感を込めてそういうと、深いため息をひとつ]

わかった、もう言わないよ。
代わりに、約束しよ?
無理しない。怪我しない。死んじゃわない。
絶対だよ?

……あたしも気を付けるから。

(159) 2016/10/02(Sun) 01時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

[Labeilleの看板が出ている店の前にたどり着いた]

あ、ここ、ここ。
なんだ、もうちょっと歩いてもよかったのに。

[ポーチから、ネイビーブルーのスマートフォンを取り出す]

あのさ、もしよかったら、交換しよ?
携帯の番号と、あとメアド。
いつかけてくれてもいいから。

(160) 2016/10/02(Sun) 01時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

[スマートフォンを操作しながら、できるかぎり自然な口ぶりで、一番言いづらいことを口にした]

あたしね……ジリヤっていうの。雪野瀬 ジリヤ。
まぁ……覚えなくていいけど。

(161) 2016/10/02(Sun) 02時頃

【人】 お針子 ジリヤ

[連絡先の交換を終え、山岸と別れると、大急ぎで本郷の元へ駆けより、車の中へ。『解放治療カルテ』がいるであろう新宿のスタジオへ向かう。

その車内で、交換したばかりの山岸のアドレスへ、2通のメールを送った]

(162) 2016/10/02(Sun) 02時頃

【人】 お針子 ジリヤ

『すっごい変なこと聞くけど、笑わないでね?
 ドッペルゲンガーって、本当にあると思う?

 あたし、見ちゃったんだ。どうしよう?
 あたしのドッペルゲンガー、人を殺しちゃったかも。

 どうしたらいいかな?』

(166) 2016/10/02(Sun) 02時頃

【人】 お針子 ジリヤ

『ごめん、今のやっぱなし。

 忘れて。またね。』

(167) 2016/10/02(Sun) 02時頃

お針子 ジリヤは、メモを貼った。

2016/10/02(Sun) 02時頃


【人】 お針子 ジリヤ

― 昼頃 新宿・某スタジオ ―

[演奏の合間を見計らって、ジリヤが『解放治療カルテ』メンバーの元へ小走りに駆けよってゆく。いまこの瞬間は、まだメディアによく映る空色のワンピースで着飾った、アイドルとしてのジリヤだった]

ごめんなさい!大変、おそくなってしまって!
キャンディ・ノヴァの雪野瀬ジリヤです。
今日は、お声をかけていただいて、とっても嬉しいです!
ありがとうございます!
『解放治療カルテ』の曲、どれも大好きで、
いつもよく聞いています。
あたしの憧れです。

あの、これ、つまらないものですが、みなさんで是非。

[すらすらと言葉を発しながら、表参道で買ってきたスイーツをテキパキと皿にとりわけてゆく]

(171) 2016/10/02(Sun) 02時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

[ライブで一方的に見知っているメンバーたちと、次々に挨拶を交わしてゆく(>>178)。その誰もが、キャンディ・ノヴァのジリヤと接している。それは本人がよくわかっていた。必要な挨拶は、ひとりでに浮かぶ笑顔と言葉に任せて、心の中は自由奔放に色めき立っていた]

(あー!シーシャ様!挨拶チャラい!想像どおり!

 ヴェス様、紳士!礼儀正しーい!

 ドラムくん、かーわーいーいー!)

[ただ一人、彼だけは違っていた]

(185) 2016/10/02(Sun) 03時頃

【人】 お針子 ジリヤ

[微笑みと共に紡がれたドリベルの言葉に、
余所行きの笑顔が凍りついた]

……えっ?

[気付かれるはずがなかった]

な……なんで?

[ライブに足しげく通い、最前列で熱狂していたのは、
ボロボロのダメージジーンズに、無地のTシャツ。
スニーカーにキャップ帽の、
あの"みすぼらしい方"のジリヤなのだから]

(186) 2016/10/02(Sun) 03時頃

【人】 お針子 ジリヤ

そ、そんな……だって、あたし、ちゃんと髪もセットして、
洋服だって、が、我慢して……
あっ、あっ、あの噂?あの噂、聞いたの!?
……あ、じゃなくて……そうじゃなくて。

[ネット上では、裏でジリヤが弾き語りをしていると見抜いた声が散見される。きっとそれだ、と自分を無理に納得さえようとする。焦るあまり、勝手に動いてくれるはだった口は鈍り、とたんに舌が回らなくなっていた]

(187) 2016/10/02(Sun) 03時頃

【人】 お針子 ジリヤ

し、知らない……?
そう……ですか。

[取り繕うシーシャの声と、後ろから聞こえた本郷の控えめな咳払いが耳に入り、はっと我に返る]

ごめんなさい、こっちもちょっと、勘違いしてしまって。
ドリベルさん、よろしくお願いします……

[そういって、丁寧に会釈するジリヤの胸は、奇妙な高揚感に包まれていた]

(189) 2016/10/02(Sun) 04時頃

【人】 お針子 ジリヤ

[スタジオのスタッフや他のゲストも合流し、ちょっとした昼食会がはじまった。ドリベルの隣の席に腰を下ろしたジリヤは、タイミングを見計らって、小声で話しかけた。緊張のあまり、声がすこし上ずってしまう]

あ、あの、さっきは、ごめん……なさい
ライブのときは、全然違う格好だから、
気付かれるはずないって……そう思って

(190) 2016/10/02(Sun) 04時頃

【人】 お針子 ジリヤ

……ごめん、なさい。
本当は、おしゃべり、すごくヘタクソ……なんです。
丁寧に話そうとすると、ぜんぜん。

あの、とっても、失礼かもですけど……。
崩して、話しても?

ど、どうしても……これだけは言おうって
決めてたこと、あって。

[紙コップに注いだ烏龍茶をゴクリと飲んで一息つける]

(191) 2016/10/02(Sun) 04時頃

【人】 お針子 ジリヤ

[誰にも崩した話し方をきかれないように、周囲の様子を伺い、口を開く]

……『解放治療カルテ』は、命の恩人。
例えじゃなくって。

この曲なかったら、あたし、きっと、いまでも意識なかった。
事故にあって、目が覚めなくって……
でも、11の頃にラジオで曲が流れて、やっと起きれた。

『解放治療カルテ』の曲は、あたしの命で。神で。世界。
真っ暗いところから、あたしを引っ張り上げてくれた。

だから、その曲をつくるドリベル様も、あたしの神様。

[真剣な顔で、ジッとドリベルの顔を見つめる。ふいにその表情がほころんだ]

……へへへっ、やっと言えた**。

(192) 2016/10/02(Sun) 04時半頃

お針子 ジリヤは、メモを貼った。

2016/10/02(Sun) 04時半頃


[そうだ、ここは新宿の街、だ。
私さっきまで家にいたよね?

テラスに出て、それから、手を引っ張られて、どうなったんだっけ?]

 あの、すみません、今何時ですか?

[道行く人に尋ねようとする。
答えてくれないそのサラリーマンは、忙しそうに雑踏の中へ消えていった。
はたと自分の格好を確かめると、家に帰ったままの姿で、まだ制服のまま。
肩に背負ったバッグからスマホを取り出すと、画面は黒いままだった]

 私、ひょっとして……寝ぼけてるのかな。

[一瞬、死んだ、なんて言葉を出そうになったけれど、意識的に言葉をすり替えた]


[新宿の街を歩く。
行き交う人の流れは、誰も私に気づかない。
誰も私を知らない。

私は、本当にここにいるのかな?]

「ごめんね」

[不意に声が聞こえた。同時に、右手を取る誰かの小さな手。
その手の感覚を知ってる。
『怖くない』方の手だ]

「ただ遊びたかっただけなのに」

[右側を見下ろす。
そこには、小さな影があった。違う、女の子? 私よりも幼い、小学生くらいの]


 あなたが、冷蔵庫開けてた子?
 ねえ、私どうなったの? さっき家にいたよね。
 どうして私の振りをしてたの?
 私を、落とそうとしたのはだれ?

[聞いても、答えなんて返ってくるとは限らないのに、少しほっとしたせいでつい口から出てしまった。
こんな、小さな子に]

「うん」
「遊びたかったの」
「こわいひと」
「ここは、シンジュク」

[たどたどしいような言葉で答えてくれる。
でもそれだけで、少し安心できた。
動けなかった私を、その子が手を引いて歩き出す。
素直について行くのは、「そちら側」には連れて行かないとわかっているからかも知れない]


【人】 お針子 ジリヤ

[想いを打ち明けながら、前髪の隙間からのぞくドリベルの切れ長な目を見つめていた。柔らかく細まり、暖かな声が、言葉が紡がれる(>>194)]

曲もそうだけど、歌詞がよくって。
みんなは、こわいとか、きもいとか、ひどく言うけど。

疵に触れてくれるっていうか、
痛みをわかってくれてるっていうか、
辛いのひとりじゃないんだなって、救われる。

あたしも、そんな曲、歌いたくって
作詞したりメロディつけたりしてるんだけど、
ぜんぜん……

ずっと不思議なんだ。どうしたら、あんな歌詞かけるのかなって。
勝手に頭の中で沸いてくる、とか?

(198) 2016/10/02(Sun) 11時頃

【人】 お針子 ジリヤ

……これからも、曲つくってね。
どんなことがあっても、
あたし、ずっと、聞き続けるから。

[メジャー進出の噂は、ジリヤの耳にもはいっていた。そのことでメンバー間の意見が割れ、亀裂が生じかけていることも。(>>1:33)自分と似た光彩を放つドリベルの瞳に、もしかして自分と同じハーフなのでは、など勝手な想像を膨らませながら、ドリベルへの想いを語ってゆく]

(199) 2016/10/02(Sun) 11時頃

【人】 お針子 ジリヤ

[ふとした折に、"シーシャ様"から、顔色の悪さを冗談まじりに指摘され、ジリヤは、はにかんで繕った。

はい、そうなんです。
ずっとスケジュールいっぱいで、全然寝れなくて。
お泊り?大歓迎ですけど、うちはマネージャー怖いですから。

[するとシーシャは続けて、うちにも寝不足が一人いて、とドリベルについて言及する]

え……パズル?
ドリベル様、パズルするの?

わぁ、なんかすごく……ぴったり!
知的っていうか、クールな感じ。
天才っぽい。

[知恵の輪でさえお手上げなジリヤは、羨望の眼差しでドリベルを見上げる**]

(200) 2016/10/02(Sun) 11時頃

お針子 ジリヤは、メモを貼った。

2016/10/02(Sun) 11時半頃


【人】 お針子 ジリヤ

[会話の途中、ネイビーブルーの携帯がメールの着信を知らせた]

あ、ごめん。ちょっとまって。
メールが……

[この携帯にくるメールは限られている。先ほど送ってしまって後悔したメールの返信が届いている。すぐに送りかえす]

(205) 2016/10/02(Sun) 13時頃

【人】 お針子 ジリヤ

(……あいつ、アリバイトか、身を護るとか(>>201)、
 なに、真に受けてんだが)

[思わず、安堵の笑みがこぼれた]

『返事ありがと。
 マネージャーいるし、一人じゃないから、へいき。
 そっちもカラスに負けないでね。
 
 「素顔連盟」は、絶対読んで!
 一発屋なんて言えなくなるから。

 落ち着いたら、またメールするよ。じゃね。』

(206) 2016/10/02(Sun) 13時頃

【人】 お針子 ジリヤ

― 新宿・某スタジオ・女子トイレ ―

[洗面台の鏡と向かい合って、髪をセットしなおす。ドリベル、そして山岸との出会いは、ジリヤに現実感をもたらし、心にゆとりをあたえていた。鏡に映る自分の姿には、どうにか耐えられる]

……ほんと、ひどい顔してんな。

[青白い顔にファンデを足すべきか悩んでいると、ポーチから携帯のコール音。しまった、と顔を歪める。本郷から借りた顧客連絡用の携帯を返し忘れていたのだ]

(207) 2016/10/02(Sun) 13時頃

【人】 お針子 ジリヤ

[顧客は待たせないのが鉄則。今、売りの仕事は休止中。断りの対応なら、ジリヤにもできるだろう。即座に本郷の携帯をとりだし、着信画面を確認した。その手がとまる]

……名前でてない。
誰だろう?

[本来ならば未登録番号など、かかってくるはずはない。だがジリヤには、一人だけ心当たる人間がいた。

応答のボタンを押す。]

(208) 2016/10/02(Sun) 13時頃

【人】 お針子 ジリヤ

もしもし? "ゆうくん"? >(>>204)

(209) 2016/10/02(Sun) 13時頃

お針子 ジリヤは、メモを貼った。

2016/10/02(Sun) 13時半頃


【人】 お針子 ジリヤ

[携帯の向こうから聞こえた声に、目をみひらいた。
頭が真っ白になる。なぜ女の声が?それもかなり若い]

……あ、あの、いえ
"ゆうくん"……じゃなくて、
祐輔さんなら、いませんけど。

あの……どちら様ですか?

(211) 2016/10/02(Sun) 13時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

それは……

[言いよどんだ。事情を知らない相手からの電話。
出るのではなかった、と心底後悔した。

そして、その直後に発せられた言葉が、ジリヤの胸を追撃する]

(213) 2016/10/02(Sun) 14時頃

【人】 お針子 ジリヤ

…………娘!?

[ざわりと全身が粟立った。激しい嫌悪感。
吐き気がして、たまらない。
思わず着信を切ろうと、終了ボタンに指が伸びた。

そのとき、"切るな"という"指示"が下る]

はいっ、もちろん。
つづけてください。

[鏡の中の自分は、口角を不自然にあげて、ぶるぶると震えていた]

(214) 2016/10/02(Sun) 14時頃

【人】 お針子 ジリヤ

探してるって……
ご自宅や、職場には、いらっしゃらないの?

[胸の中がざわざわと波打つ。
感じていた嫌悪感とは、また別の悪寒]

もうすこし、詳しく、聞かせていただけます?

(215) 2016/10/02(Sun) 14時頃

【人】 お針子 ジリヤ

……こちらも、"入間さん"の安否を確認したくて、何度もお電話したんですけど、繋がらなくって。直接うちの者がお伺いして、お会いできたそうなんですけど……。

[ごくりと唾を飲みこんだ]

名乗ってる頭のおかしい人って、
それ……成りすまし、ですよね?
普通に事件ですよね?

わかりました。もちろんです。
お会いできたら、すぐに伝えます。

(219) 2016/10/02(Sun) 14時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

……あの、こちらも確認をとらなければいけないので、
失礼ですけど、お名前……教えていただけます?

[既婚のこと、娘のこと、なにも聞かされてはいなかった]

(220) 2016/10/02(Sun) 14時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

……っ

[ぶっきらぼうに放たれた言葉に押し黙る。
その後のフォローも、さほど慰めにはならない]

はい、東中野のご自宅に。
昨晩の夜中、うちの者が。

入間祐輔さん、ご本人だったそうです。
顔を知っている者が確認しました。

ただ……実際、わたしが見たわけではないですし。
そうと知って確認をとったわけではないので……

[こちらのスタッフからすれば、あくまで顧客の中の1人にすぎない。事前にそうと知らず、用意周到な成りすましを見抜けるかといわれれば、怪しい]

(230) 2016/10/02(Sun) 15時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

……ど、どっちの

[脳裏にならんだ二人の入間祐輔。
片方が現れ、片方が消える。

                       ――影法師]

そんな風に、言わなくたっていいじゃないですか!!

[思わず叫んでしまった。その場にしゃがみこみ、膝を抱える
鼻をすすりながら、ちいさく「ごめんなさい」と付け加えた]

(231) 2016/10/02(Sun) 15時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

警察も?あの、ご近所の方は……だめですか。
そう……

あたしからは、逃げてください、としか言えません。
事情がわかるまで、無理はしないで。

こちらでなにかわかれば、連絡します。
この番号で大丈夫ですか?

(233) 2016/10/02(Sun) 15時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

みおん、さん。
可愛らしい、お名前ですね……

(……ゆうすけ。あんた、おおばか野郎だよ)

(234) 2016/10/02(Sun) 15時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

そ、それは……。

(今、大変な状況下にあるこの子に言うべきではない。
わかっていても、「どうして(>>236)」と問われた口は、
ぶるぶると震えながら答えてしまう)

見たんです。あたしも……
あ、あたしの"にせもの"を。

誰もわかってくれなくて、
こわくて、ただ、こわくて……

だから、ちょっと……感じ似てて
びっくりして……つい

(240) 2016/10/02(Sun) 16時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

夕方から……
なら、そうかも。

あいつら、なにも知らないで行ったから……
見抜けなかったんだ。

……うん、絶対、何も言わない。約束。

(241) 2016/10/02(Sun) 16時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

あの……みおんさん。

[ごくり、と喉をならした。
このまますんなりと帰って忘れることなど、とてもできない。
ましてや、ソレが入間祐輔のドッペルゲンガーなのだとしたら、
つながりの深い澪音も犠牲になるのではない?

ばくばくと早鐘のようになる心臓を押さえながら、おそるおそる口を開いた]

……今日、お会いできませんか?
午後でもいいんです。
どこか、落ち着ける場所で。

今、なにが起こってるか。
ちょっとでも、お話できたら……

[断られる。それを前提とした、すがるような提案]

(242) 2016/10/02(Sun) 16時半頃

お針子 ジリヤは、メモを貼った。

2016/10/02(Sun) 16時半頃


【人】 お針子 ジリヤ

……無事です、あたしなら。
動いてるのは、警察じゃなくて……

[どこから話したらいいか、説明に言いよどむ。
会って、ゆっくりと相談したい。
そう願っての提案は、予想に反して、すんなりと受け入れられた]

あ、ありがとうっ!
……ジリヤです。雪野瀬 ジリヤ。

今、新宿です。
ホテルとりますから、まずは駅で。

[時間と駅近の待ち合わせ場所を決めて、通話を切った。
午後からだ。今からいけば十分間に合う。
それまでにできることはないか、ジリヤは頭をめぐらせた――]

(255) 2016/10/02(Sun) 17時頃

お針子 ジリヤは、メモを貼った。

2016/10/02(Sun) 17時頃


お針子 ジリヤは、メモを貼った。

2016/10/02(Sun) 17時半頃


【人】 お針子 ジリヤ

― 新宿・某スタジオ・入間との通話前 ―

[ジリヤの曲も、いつか聴けたら(>>225)。
神と敬愛してきた男性からの思わぬ言葉に絶句し、
嬉しさと恥ずかしさで火照った顔を両手で覆い隠した]

……そ、そんな!?
あたしの曲なんて、ぜんぜんヘタクソで……

[こわごわと両手を下げて、目元だけを覗かせる。
その目頭は、わずかに濡れていた]

もう、やめなきゃ、って思ってた。
この"仕事"……あの、アイドルのことだけど
専念しないとダメだったから。

でも、ちょっとまた、やる気出た。
いつか、自信もてる歌ができたら、
そのときは……うん、約束。

(256) 2016/10/02(Sun) 17時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

[ドリベルがiPhoneの画面に映し出したパズルの写真(>>226)。
パズルは二十面体からはじまり、スライドするごとに、熊、鷹、へと形状が変わる]

……すっご。
これ、全部おんなじパズル?
カクカクからはじまって?
まだ続きあるの?

へぇ……不思議。
どういう仕組みなんだろう。
リンフォン?

[なんどもスライドを行き来させて、形状の変わり具合に驚く。
ごく自然な流れで、ふと疑問を口にした]

これ、完成したら、なんになるの?**

(257) 2016/10/02(Sun) 17時半頃

お針子 ジリヤは、メモを貼った。

2016/10/02(Sun) 17時半頃


お針子 ジリヤは、メモを貼った。

2016/10/02(Sun) 18時頃


─ 出られない駅 ─

[ほっとした。人の声がこんなにも心強いものだとは思わなかった。聞き慣れた同僚の声が、こんなにも日常を思わせてくれるものだとは。
東蓮寺は命綱のように、小さな端末を握りしめた。鈴里は、戸惑ったようだ。当然だろう、自分とて従妹の連絡を受けた時には戸惑ったものだ。

それでも悪戯と一蹴せず、話を聞いてくれる鈴里がありがたかった。出社、朝早く…彼女の言葉で、ようやく認識が”朝”に追いつく。]

目立つもの、は───


柱とか、普通の駅なんです。
でも標識だとか場所を示してくれるものは何もなくて。
階段……あっ、右側に階段があります。
昨日降りてきた階段かな…、…ちょっと良く分からないです。

俺、動かない方がいいとかあると思いますか?
ずっとあちこち歩いてみてるんですけど、全然出口が見当たらなくて。

[音がやや遠くなる。
切れそうになってしまっているのかも知れない>>*13
やはり電波が遠いのか。いつまた、この細い糸が切れてしまうかと思うと心配で仕方がなかった。自然特徴は忙しく早口になる。]


あっ、みよ子さん!!
もし出来たら、俺の従妹に連絡しておいて貰えませんか。
新宿駅ではぐれてしまったんです。
彼女、今大変みたいで心配していると思うので…!
名前は入間澪音。連絡先は───…

[果たして願いは聞き入れられたか、そもそも連絡先も聞き取れたか。ともあれ、願いを込めて伝言を託す。頼る先は他にないのだ。]

ごめん、って。
必ず帰るからって…おじさんとおばさんも探すからって。
みよ子さんにお願いすることじゃないかも知れないけど、すみません。

[早口でまくし立てる。いつこの通話が切れてしまうかも知れないのだ。ただ、ふ…っと、間を置くようにして投げられた問い>>*15
それに短く、音は途切れた。]


え………、みよ子さん。何言って、



  〜〜〜、出たいですよ!!そりゃあ!
  こんなところに長居したい人間がいると思いますか!


[八つ当たりめいた感情が爆発した。
大声で叫んでしまってから、あっと口を閉ざす。]


……すみません。でも、出られないです。
出たくないんじゃありません。

だって、そりゃそうでしょう!?
こんなところで、どこにも行けないなんて、
誰が望むと思いますか!??

[やはり口調は荒くなる。
それが誰の”望み”だったかなんて。どんな希望だったかなんて、その時思いすらしなかった。とにかく、ここから出たい。出なくてはいけない。そんな焦りにも似た気持ちが声を自然と大きくする。]


俺、出口探してみます……
だからお願いします、みよ子さん。

[自然と顔が俯いた。
しまいに出てきた声は、自分でも驚くほど*弱々しかった*]


メモを貼った。


ジリヤは、イルマミオンについて思いを巡らせている。

2016/10/02(Sun) 23時頃


[新宿の街を歩いていると、働いている人も働いていない人も眠っている人も、色んな人がいて、でも、その誰も私には気づかない]

 何で私、ここにいるんだろう……。
 あ、れ?

[駅の改札口から出てきた姿には見覚えがあった。
パパ、だ。私がいなくなっても、普通にお仕事には行くんだ、なんて少し思ったけど、違う。
パパは時間を気にしてるみたいだった]

 そういえば昨日は早かったんだっけ……。

[パパの後をついて行くと、少し大きなビルへと入っていく。
知らないビルで、パパの働いているビルじゃない。
営業回りではなかったはずだけど、不思議に思ってそのままついて行った。

もちろん誰も、私が見えないみたいだった]


[受付で話すパパの声は、焦っているような、緊張しているような声。
受付の人が示した場所を聞いてパパはエレベーターへと消えていく。

その後はもうついていけなかったけれど、受付のお姉さんが話していた言葉から察するに、「面接」に来たらしい。

なんとなく合点がいって、右手の方を見る。
女の子は、――顔は見えないけれど――どこか嬉しそうに笑った気がして]

「パパさん昨日話してたの。「おしごと」のこと」
「行ったフリ」「ゴメン」「明日メンセツ」
「ふふ」

[嬉しそうな声に、私も少し嬉しくなった。
でも、あなたは誰なの? って聞きたかったけど、聞かなくても良い気がしてきた]


【人】 お針子 ジリヤ

― 新宿・某スタジオ前 ―

[人々が行き交うスタジオ前の脇にただずみ、
車をとりに地下駐車場へ向かった本郷の迎えを待っていた]

……ドリベル様。
また、会いたいな。

[こんな気分で別れてしまったのは、ジリヤとしても不本意だった。

ところで、あの時に感じた違和感は、なんだったのだろう。(>>274)
なぜだかあの表情が胸に強く残り、ざわめいている]

(317) 2016/10/02(Sun) 23時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

[しきりに携帯を覗いて時間を確認する。
澪音は、もうこちらに向かっているだろうか?

澪音から"なりすまし"についての詳細を聞けば、本郷も動かざるを得ないだろう。シルバーケースが、裏社会の力を使って"入間祐輔の偽物"について洗えば、あの"もう一人のジリヤ"についても芋づる式に、何か掴めるかもしれない。

一抹の希望。ただそれ以上に強く抱いている感情、
それは恐怖だった]

みおんの家族……壊れちゃうよね。
……あたしの、せいで。

だって、あたしが……お、おとうさんを

(319) 2016/10/02(Sun) 23時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

[震える手で口をおさる。
今すぐ何もかも忘れて逃げ出したい]

なにされたって、仕方ない
そんなこと、わかってる……わかってるよ
でも……でも……

(321) 2016/10/02(Sun) 23時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

[身体の震えを抑えきれず、膝を抱えてうずくまった。
あたまの片隅に浮かぶのは、父の姿。
優しかったはずの父。目覚めた自分を抱きしめてくれた父。
だが、やがてジリアを忌避するようになり、そして――]

……ごめんなさい、ごめんなさい
汚らわしくって、ごめんなさい

なんでも言うことききますから……
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……

[その呟きは自分でも気づかぬうちに、
ひとりでに口から発せられていた]

(322) 2016/10/02(Sun) 23時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

― 新宿・某スタジオ前 ―

[こちらに向かってくる本郷の黒いセダンが見えた。
反射的に跳ね起き、車道に対して手を挙げた。
逃げ出したい、でも、逃げちゃダメだ。
本郷が傍にいれば、きっとなんとか耐えられる。
そう思った。

――だが黒いセダンは、停まることなく、
そのままジリヤの横を通り過ぎていった。

たしかに本郷の車であるはずなのに]

(323) 2016/10/02(Sun) 23時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

[車が横を過ぎ去る瞬間、ジリヤは確かに見た。

運転席でハンドルを握る本郷を。
そして、その隣の助手席に座る1人の人影を。
それは――]

(324) 2016/10/02(Sun) 23時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

『私はこの二つの幻影を、
 如何に恐怖に充ちた眼で、眺めましたろう。

 如何に憎悪に燃えた心で、眺めましたろう。

 殊に、妻の眼が第二の私の顔を、
 甘えるように見ているのを知った時には――

 ああ、一切が恐しい夢でございます。

                芥川龍之介 「二つの手紙」』

(327) 2016/10/03(Mon) 00時頃

【人】 お針子 ジリヤ

[それ(>>324)は、無機質な笑顔を浮かべるジリヤだった]

(328) 2016/10/03(Mon) 00時頃

お針子 ジリヤは、メモを貼った。

2016/10/03(Mon) 00時頃


【人】 お針子 ジリヤ

― 午後・某スタジオ→新宿駅 ―

[人が行き交う歩道の先に、新宿駅が見える。
もう2度と来ることはないだろうと思った、その場所が。

昨日、ここで必死になっていたことさえ、
とても昔の出来事のように感じる。

耳にあて続けていたスマートフォンをとうとうポーチの中にしまう。
繋がらない。本郷はもちろん、輝美にも、ゆにも、まゆみにも]

……居場所

なくなっちゃった。

[口角を引きつらせて震えている自分は、笑っているのか、それとも泣いているのか、自分でも、もうよくわからなかった]

(334) 2016/10/03(Mon) 00時頃

【人】 お針子 ジリヤ

[澪音と連絡をとった携帯に着信がはいった(>>320)
着信画面を確認し、おそるおそる応答を押す]

……もしもし?
あの、もうちょっとで新宿……です。

(335) 2016/10/03(Mon) 00時頃

お針子 ジリヤは、メモを貼った。

2016/10/03(Mon) 00時半頃


【人】 お針子 ジリヤ

[澪音の声が聞こえる。
震える手を押さえながら、唇をかんで思案する。
いま、なにをすればいい?]

あの……なら、東口のアルタ前広場で……
あたし、金髪で……あと、空色のワンピです。

(340) 2016/10/03(Mon) 00時半頃

【人】 お針子 ジリヤ

[アルタ前まで、もうすぐの距離にまで来た。
ジリヤは、すがるように、らくがきだらけの本を胸に抱きしめた]

(346) 2016/10/03(Mon) 00時半頃

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