190 やどかりさまの、暇潰し
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……
[呆然とカラダが運ばれていくのを見る。
隣では菅原の形をしたエイリが何か漏らしている。
その内容だけが何時もの日常だった。]
おい。
キスでも何でもいい。
目覚めるなら目覚めさせてくれ。
……どういうことだよ、こりゃァ。
[流石に予想外の状況すぎる。
所謂幽体離脱というやつなんだろうか。
己の手を見る。思い切り透けていた。]
水か
[視線をグラスへ移す。
水のないグラスをじっと見つめた。
誰かが水をどうにかした訳じゃないだろう。
そんな動きをしているようには見えなかった。
で、あれば自然と蒸発した、のだろうか。]
幾ら暑さと言えど、
そんな事は……
[ほぼ、ありえないと言っていいだろう。
周囲の面々を見回した。
今、部屋に居る面々を。]
あ?
[ 今まで聞こえなかった音。
いやそれは声だ。
はっきりと聞き取る事が出来た。
周囲の面々とは異質のそれ。]
おい。
おまえ、誰だ。
俺の声が聞こえるか?
[必死で辺りを探る。]
誰か……
今の声が、
[皆へ声を掛ける。]
そ、……る
きっ……、――。
[しかし何故か思い切り、音が掠れた。
ぎょっとして、喉に手を当てる。]
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