241 線路上の雪燕
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車窓から差し込む光には、朱の色が混じっている。
黒い車体を眩しい程の夕日が焼き、
吐き出した真っ白な煙すらも桃や黄の色に染め上げていた。
車掌が袖口から白手袋に銀時計を滑らせ、
その蓋を開けば時刻は18時23分を指している。
汽笛が勢い良く鳴れば、乗客たちは車窓から見える風景が
随分と賑やかに、そして緩やかになっていた事に気付くだろう。
汽笛が鳴り響く。
ブレーキのかかった車輪が、線路と擦れ合う音が、
乗客の足下から伝わってくる。
滑り込んだホームには、Niz、と刻まれたプレートが
あちこちの柱に打ち付けられていた。
発車時刻、切符や手荷物の注意事項。
途中停車においての案内が声高々と伝えられれば、
列車の扉がばかりと開く。
先陣切って飛び出してくるのは、押し競饅頭に疲弊した三等車両の強者達だ。
(#0) 2015/11/30(Mon) 00時頃
「お疲れ様です、運転引継ぎの………、
何ですか、それは?」
ニズのホーム前方、制服を着た中年の男は
車掌がボロ切れ越しに指先で摘んだ細長い物に首を傾げた。
「トイレを掃除してたら見つけてね。わからないかい…鼠の尾ッポだ」
摘まみ上げたそれをぷらぷらと揺らし、車掌は顔を顰める。
1匹居たら7ダース、と言うだろう?
食堂車の者にはもう伝えたが、客室に入られたらコトだ。
毒餌の一番小さい奴を今すぐに。それと、
どんな子鼠でも見つけたらすぐ車窓から放り出して欲しい–––––
そう続けて、彼はホウキを片手に踵を返す。
「………で、その尻尾の先は何処に行ったんだよ?」
欠伸をしながら歩み寄って来た前任者の肩を軽く小突きながら、
中年の運転士は首を傾げた。
(#1) 2015/11/30(Mon) 00時頃
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