308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】
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[ その背中があまりに小さくて、
せめて少しでも楽にしてやりたくて、
背中をさすってやろうと思ったわ。
伸ばした手は強く振り払われた。
顔を上げたあの子はわたしを睨んだ。
汚れた口元をシャツの袖で拭いながら、
怒りに満ちた目でわたしを見ていたわ。
けれど、ほんの数秒後には、
すうっと力が抜けてしまったような目で、
小さな子のようにおいおいと泣き出したの。
まるで小さな子がするみたいに、
痛いくらいの力でわたしにしがみついて。]
[ ……かわいそうな子。
利口でやさしい、かわいそうなわたしの孫。
きっとあなたは理解してしまう。
わたしが何を選んでそうしたのか。
何と何を天秤にかけたのか。
わたしを憎み切ることもできずに、
こうして涙を流すことしかできない。
こうなることくらい、
ちゃんと考えればわかったはずなのにね。
だってわたしはあなたのNanaだもの。]
[ もう少し、広い世界と繋がっていられたら、
もう少し、違う今を迎えられたのでしょうか。]
[ それとももうどこにも、
正常な世界など残ってはいないのでしょうか。]
……ごめんね、
許さなくたっていいのよ。
愛してるわ、ジャーディン。
[ そう言って髪を撫でようとしたら、
どん、どん、と肩を叩かれたの。
わたしの胸に顔を埋めたまま、
あの子はこぶしを握って、強く、何度も。
ずいぶん長いことそうしていたわ。
あの子が自分から立ち上がるまでずっと、
されるがまま、片手は震える背をさすっていた。]
[ ただ静かに、その骨ばった背中を撫でていた。**]
― 大豆畑の中で ―
[とても寒かった。お腹も空いた。
何か食べたいと思う。辺りには枯れた草しかなかった。
手を振ると乾いたものが落ちた。
歩く。足の裏で何かを踏んで、頭からひっくり返った。]
あ゛ー……。
[上が見えるはずなのに、何も見えなかった。
目玉が裏返っていることに気づいたけれど、
戻し方が分からなくてそのままにした。
本当なら、上には何が見えるのだったか。
思い出せないまま、耳だけが草が揺れる音を拾う。]
[体温もない。声も聞こえない。
そこにあるのは言葉の羅列だと思っていた。
時間さえ明確に共有されることはなく、
それぞれが思うがままに文字を綴る。
寂しがりの人嫌いに都合のいい場所のはずだった。
Nanaはレストランに行けただろうか。
カレーの具は何になっただろう。
遠い地でも大豆は育つのか。
丸い目の暴君や笑顔の子どもたちは無事だろうか。
特別な日を迎えたふたりは共にいられるか。
名より先に覚えたアイコンやよく見かけたスパムだって。
助けを求める悲鳴の先も知らないままだ。
あれが生きている者の声であることに気づいたのは、
すべてがおかしくなり始めてからだった。]
[誰かが助かって、誰かが助からなくて、
そしてきっと誰もが苦しんでいる。
何も思わない訳ではないが、
思い浮かべるのはこの目に映した人のことばかりだった。
冷徹だろうか。無情だろうか。
それでも私は、最後まで人間だった。
人間だったから、悔いのない選択はできなかったし、
人間だったから、繰り返しても同じことをするだろう。]
[さむい。おなかすいた。]
[遠くからエンジン音が聞こえる。]
[あたたかい。もの。たべもの。]
[闇を裂くような光が満ちた。]
[たべたら、あたたかい?]
[たべ、]
[――ぐしゃ。]
["それ"の目が捉えてたのは、天井の染みだった。
それが天井についた染みだと認識するにはかなりの時間を要したようだ。
染みについても、それが知っていたかさえも、もう分からない。
それの喉から、小さな呻き声にもならぬ音が鳴り
それの目は、首が動かせぬばかりに少しだけしか見えない扉の上部分が見える。
感じもしない、"朝食の匂い"。
聞こえもしない、"誰かの声"。
見えぬ、"目尻の皺"を
それは、感じて、聞いて、見ていた。]
[微かに残る、それの意識が見せた思い出。
鼓膜を叩く、荒い息づかいさえの音さえも、現実か分からないほどに
"フローラ"は、何者でもなくなりつつあった。]
[世界の果てで綴られた、少女の短い物語の終止符は
"意識"の存在で成り立つのか、否か*]
[ばん、ばん、と扉を殴る音は止んでいた。
ただ、俺の引きつった嗚咽と
押し殺すような元帥の呼吸音だけが聞こえた。
「素手で目を擦るな」って言って、
元帥が差し出してきたタオルを容赦なく使って
漸く、俺は人間らしい思考を取り戻す。]
「恋人か?」
……片思いの相手。振られたけど。
「ここは、やめとくか?
あのゾンビを俺が倒してきてもいい」
何それ。やさしいな。
ありがと。でも。
[首を横に振った。]
俺が終わりにしてやらなきゃ。
[そう言い放った俺の目を、
元帥は、ひどく複雑そうに見ていた。]
[咀嚼音の響く部屋に耳を澄ます。
たぶん、食べるものがないから
沙良は仕方なく進の遺体を貪っているのだろう。
最初どんなきっかけでそうなったのかは、
わからないけれど。
大丈夫か、って元帥が俺を見てる。
大丈夫だって、と俺はただ頷いた。
頭の中がすっかり冷え切ってしまって
自分が自分じゃないみたいだ。
金属バットの柄を強く握る。
鍵を静かに開けて、
沙良の部屋の扉を、開けた。]
――沙良。
[名前を呼ぶ。
死体を貪るゾンビが振り返る。
名前を呼ばれたのがわかったから?
……ちがう。物音に反応しているだけだ。]
ごめんな。
[こっちに走ってこようとする沙良に笑う。
バットをまっすぐに突きだした。
沙良のみぞおちがべこりとへこむ。
ゾンビといえど元は人間だから、
俺の一撃でよろめかないはずもない。
そのまま怯んだ彼女の頭に、バットを振り上げた。]
ごめんな
[嫌な音がする。
進を殺した時よりも明確に
俺は人の頭蓋を砕いている。]
ごめん。
[沙良の喉から聞いたこともないような
きたない声が出てる。
痛い、助けて、おなかすいた、
そんな風に言っているようにも聞こえたけれど
ゾンビは喋れないんだから、全部俺の幻聴だ。
そのまま、大好きだった小さな顔にバットを叩き込む。
こうしないと何度だって蘇ってくる。]
……ほんとに、ごめん
[誰に謝ってるんだろうな。
うめき声さえも聞こえなくなって、
ばたばたと虫みたいに暴れていた手足が
かよわく床を掻くだけになっても、
俺はバットを振り下ろした。
これしか、俺が沙良にしてやれることはない。
抱きしめてやることも、キスすることも
なんにもできないんだ。
――ゾンビになってしまうから。]
[クシャミ、と元帥の声が後ろからする。
なに、と投げやりに問い返す。
もう死んでる、と言われて、
ようやく、俺は、沙良の顔を見下ろした。
鳥の巣みたいに散らばる亜麻色の髪。
枯れ枝のようにやせ細った手足に、血濡れた手。
潰れてしまった顔面。
もうぴくりとも動かなかった。]
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