308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】
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[ できるだけ静かにことを終える必要があった。
お隣のご主人はわたしに、
クーパーと一緒にバスタブに入るよう言ったわ。
指示された通り、クーパーの首輪を引いて、
空のバスタブに一緒に入ったの。
ご主人はクーパーを抱きしめているよう言った。
そして自らもまた、クーパーを抑え込むよう、
片方の手を体に、片方の手を鼻先へと伸ばしたわ。
そして、奥さんが手早くナイフを突き刺した。
クーパーの喉元を狙った手つきに躊躇いはなかった。]
[ 当然、クーパーはひどく暴れたわ。
大きな声で吠えさせないようにと、
鼻先をつかんでいたご主人は手を噛まれた。
それでもご主人は叫び声もあげず、
クーパーとわたしに覆いかぶさるようにして、
獣の体を抑え込もうと躍起になっていた。
逃げ出そうと藻掻く四肢が、固い爪が、
何度となくわたしの皮膚を破いていった。
それでもわたしは必死にしがみついていたの。
奥さんが片手でクーパーの頭を抑えて、
繰り返しナイフを突き立てるたびに、
生臭い液体がわたしに滴り落ちてくる。]
[ 彼が動かなくなったとき、
旦那さんは思い切り蛇口を捻った。
水がわたしたちの上に降り注いで、
バスタブに飛び散った赤を薄めていく。
奥さんの息は上がっていた。
ぜいぜいと肩で息をする彼女に、
ご主人は彼女の弟を呼ぶよう言ったわ。
それから救急箱を取ってくるようにも。
奥さんは何も言わずにナイフを置き、
代わりに外に置いていたバケツや、
鋸やハンマーなんかを中に引き入れた。
そして、弟さんを呼びに行ったわ。]
[ わたしはもう何も考えられなかった。
クーパーの亡骸を抱えたまま、
呆然と座り込んだままのわたしを、
ご主人は見下ろして静かに言ったわ。
このあとは我々でやりますから、
ケガの手当てをして、着替えて、
少し休んでくださって結構ですよ
その言葉の意味を、
ゆっくりゆっくりと咀嚼しているうちに、
奥さんが弟さんを連れて戻ってきたの。]
[ 彼女は部屋に戻ってきたあと、
動けないわたしの腕を取り、
バスタブの中から引っ張り出した。
その間も、傷の手当をされるときも、
わたしはされるがままだったわ。
最後の決断をしたのは自分のはずなのに、
心も頭もどこか遠くに置いてけぼりで、
この現状に追いつけていないようだった。
無意識に涙を流していたわたしに、
奥さんは一度だけ固い声で、
ごめんなさいね≠ニつぶやいた。*]
[ お隣のご主人と、奥さんの弟さんは、
わたしたちにビニール袋を渡して、
一度車でどこかへ出て行ったわ。
何かを処分するためかもしれないし、
子どもたちへのカモフラージュのためかも。
誰も詳しくは聞こうとしなかったし、
彼らはそう時間を置かず帰ってきたわ。
その一方で、
わたしと奥さんと、お父さんのお嫁さん。
3人で口数少なく作業を進めていた。]
[ どんな味でどんな食感なのか、
誰も知っているわけがないから、
どちらもわからないように、
ミンチにして濃い味をつけることにした。
例えば独特の風味がして、
何の肉かと話題になるのが怖かったのね。
電気がもう来ていないから、
どうやって火を入れるかという話だけど、
外に窯があるからそれを使うことにした。
やっぱりもう長いこと使ってなかったけど、
おじいさんのいたころは晴れた日に、
そこでピザを焼いて庭で食べたりしたの。]
[ ああ、懐かしいわ。
つぶやいたわたしの声は平坦で、
一緒にいたふたりは何も言わなかった。]
[ 冷凍のパイシートが、
電気の来なくなった冷凍庫の中に、
でろっと柔らかくなって残っていたの。
わたしたちはそれを、
ちぎれてしまわないよう慎重に広げて、
ミートパイを作ることにした。
他に入れる野菜も何もなかったし、
仕上がりは不安だったけれど、
生地に包まれて中身が見えないというのも、
わたしたちには都合がよく思えたのね。
生焼けになるのが怖くって、
わたしたちしつこいくらいに火を通した。]
[ 大した量でもない、うまく膨らまず平たい、
てっぺんのひどく焦げ付いた、
丸い不格好なミートパイがひとつできたわ。]
[ わたしたちは3人そろって、
疲れ果てたような顔をしていたと思う。
ふと振り返るとカーテンの陰から、
ウィレムがそうっとこちらを見ていた。
咄嗟にわたしは微笑んで、
大窓のほうへと歩いて行って言ったわ。]
今日は、少しだけれど、
ちゃんとごはんがあるからね。
ほら、皆を呼んでらっしゃい。
[ 数秒置いて理解したように、
ウィレムは踵を返して駆けてった。]
[ その背中を見送って、
わたしたちは食卓の準備をしたわ。
9人で食べると、
ほんの一口、二口ね≠ニ、
奥さんが疲れた声でつぶやいたの。
だからわたし、何気なく言ったわ。]
……わたしの分はいいから、
子どもたちに多めに切ってくださる?
[ ええ、深い理由なんてなかったわ。
そして、言い切ってから顔を上げたの。
すると、奥さんはじっとわたしを見ていた。
感情の読めない、深く暗い目をしていたわ。]
[外回りの日は簡単にやってきた。
気乗りしないお出かけ前の子供みたいに、
俺は緩慢なしぐさで持ち物を確認をする。
食料をいれるためのリュック。
あと、金属バット。
万が一にもゾンビの体液に触れないように
口元にはマスクをして、
長袖のパーカーにズボンを着用。
「準備できたか」という元帥と一緒に、
バリケードから外に出ていく。]
……へ、こうなるとゲームの中の世界みたい
[数日ぶりにみた外は、荒れ果てていた。
爆発物飛び交う戦場じゃあるまいし
建物こそしっかり残ってはいるものの
そこに人影は見えず
時折見えたかと思えばゾンビだったりする。]
「できるだけ日陰を歩けよ。
空からカラスが襲ってくることがあるらしい」
うへ。ゾンビカラス?
「わかんねえけど、
多分、人間の死体を食って
人の肉には慣れてるんじゃねえのかな」
うえーー…………
[やっぱ帰りましょうよ、って元帥に言いながら、
俺達は死んだ都内の中を歩いていく。]
[コンビニ、スーパー、デパート、
ドラッグストア。
そういったところを重点的に回りながら、
未回収の缶詰や、犬猫の餌
――水でふやかせばまだ食べられるそうだ、を
リュックの中に詰めていった。
病院なら院内食とかもあるかも、と
そう提言したが、止められた。
今や病院はゾンビの巣窟であるらしい。]
[店舗の見回りが終わった後は、
鍵が開いたまんまの家を物色する。
RPGの勇者が家の棚を漁っても怒られない状況。
体感してみて思うけど、めっちゃ気味悪いな。]
元帥ー、なんか面白い話して
「あるわけねえだろ……
! 誰かいる」
[さすがに咎めに来たのか、
足音が近づいてくるのが聞こえてバットを構えた。
……壊れた足を引きずってくるゾンビ一匹。
俺は、逃げよう、って言って、
元帥がその前にゾンビにバットを振り下ろした。]
[あっけなく殺されていくゾンビを目の前に
俺は何もいえず、そいつの姿を見ていた。
埃をかぶった机の上には夫婦の写真がある。
卓上カレンダーのとある一日が赤く花丸で囲まれていて
「結婚記念日!」と丸っこい字で書かれている。
倒れた女ゾンビの薬指には、指輪が光ってる。
台所の鍋の中には
食べられないまま腐っていったカレーが満ちていて
冷蔵庫を開ければ、小ぶりなケーキが二つ。
きっと、この女の人は旦那を待ち続けてたんだろう。
ゾンビになっても。
先日リンチにされたサラリーマンを思い出した。]
…………ナイスファイトォ
しかしやんなっちゃうわね。
こう……生活感のあるエネミーってやつですかぁ?
生前が偲べちゃうとさあ
「考えんな。基本的にこいつらは俺達の敵だ。
それ以上のことは邪魔になるだけだ」
[言いながら、元帥は
おはぎみたいになったゾンビに手を合わせている。
冷蔵庫傍の棚から、缶詰を見繕う。
盗むみたいにしてリュックに詰めた。]
[仲間からこんな話を聞いたことがあるんだ。
ゾンビ騒ぎになってから、
「絶対に離れない」って誓いあった男女が
翌日、女の方が感染してるってわかって
男が激怒した話。
”俺も感染してるなんて冗談じゃない”
そう言って男の方は女をリンチにして殺して――
結局、女とイロイロしてた男の方も感染してた、
そんなオチの笑えない話を
仲間たちは笑い飛ばして、酒の肴にしていた。]
[人間は慣れてしまう生き物だ。
なら、最終的に残酷なのは、
ゾンビと、人間と、どっちなんだろうな。
ゾンビを撲殺しても冷たい目をしたままの元帥に
それを眺めながら食料を漁るのをやめない俺に、
そんなことを思っていたよ*]
あ う ぁ
[言葉のかわりに呻き声を発し
涙のかわりによだれを垂らし
空虚な部屋の真ん中で
ゆらゆらゆれる 生きた屍がひとり。*]
[ 集まってきた子どもたちは、
皆驚いて目を丸くしていた。]
[ え、なんでぇ?≠ニ、
お隣の息子さんが素っ頓狂な声を上げた。
大学生なんて随分大人びて見えていたけど、
その様子はほんの小さな男の子みたいだった。
ジャーディンも驚いたように、
小さなパイが一切れのったお皿を見てたわ。
興奮した様子で口数が増えた息子さんに、
ご主人が一か八か外に出てみた≠ニか、
運よく野うさぎを捕まえた≠ネんて、
すらすらと無理のある嘘を告げていたけれど、
それが聞こえてたかどうかも怪しいくらい。
じいっと一点だけを見つめ続けていた。]
[ わたしはご主人のついた嘘が、
今にもバレるんじゃないかと心配したけど、
あまりにお腹が空いていて、
細かいことを考えられなかったからかしら。
それとも、本当は何の肉かだなんて、
彼らには思いつきもしなかっただけかも。
さほど気にする様子もなく、
子どもたちは小さなパイをぺろりと食べた。
あっという間に食べちゃったり、
もったいぶるように小さく切り分けたり、
それぞれのやり方でではあったけれど。]
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