202 月刊少女忍崎くん
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花園ちゃんに向き直っると、 お好み焼きがほとんどなくなったのを確認する。]
さて、俺の出番も近くなってるしっ
そろそろまた回るかい?
[回るといっても、行き先は講堂だけど。と付け加え、 ワクワクした様子で(怯えた反動、実際デカイ)伝えた。*]
(16) 2014/11/17(Mon) 22時半頃
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ああ…。
頑丈だった縁が崩れたのは他でもない書生さんの…。
でもその理由が切ないな。
[しかも相手の父に反対されていたのか、と
肩を叩かれ紡がれた言葉に頷いた>>3:*38]
さすが星野しのぶ先生。
これいつか読み切りに、いやマーマレードでは切なすぎるか…。
[微笑む相手に投げた言葉に、考えこむように腕を組む。
彼のアシスタントを始めてからというものの
自然と日常生活の中でもネタを探すようになってしまったのは
アシスタントあるあるであろう。
少し離れた場所にいる級友の不可思議そうな表情は目に入っていない。]
おお。あー…っ。
そ、そういえば鷹野と一緒じゃないんだな。
[大丈夫か?>>*1と聞かれて打撲程度の白銀を思い出し
現在の自身の恰好を見やって慌てる。
近頃は忍崎の隣にいつもいる印象が強い小さな存在が
見当たらないことに今更思い至って、そして安堵した。]
いや、大丈夫だとは思うぞ。ほら。
[一応冷やしておくように湿布渡したし、と。
ここら辺かな、と暗幕をぺらりと捲ってみせる。
光に溢れる暗幕の外側、忙しそうに小道具を修繕していたり
次のお化け役がスタンバイしている中に
ひとり椅子に腰かけている白銀が見えただろうか。]
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ふむふむ……、それに加えて今回の企画ですよね。 身体がいくつあっても足りないかもしれませんね。
[ 他にも色々、と>>14。下手するとかなり忙しかったかも。 今日に会ってから伝言を頼んだのは榊原くらいだったか ]
落ち着けて、心のオアシスみたいな子ですかぁ……。 そういえば、いつも周りはちょっと騒がしかったかもですね。
[ 遠い目をする彼>>15に。 やっぱり癒やしを求めてるのかな、なんて考えて。 そんなタイプが周辺に居たかどうかを、思い巡らせる ]
案外、身近な人物にいるのかもしれませんよ。
[ 何気なく思った言葉、幼なじみとかそういうイメージで ]
(17) 2014/11/17(Mon) 23時頃
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[ 放送>>3:#1が鳴り響く ]
書道部のパフォーマンス……。 あ、保くん達とも知り合いだったんですか。 やっぱり袴を履いて大きな筆でおっきな字を書くんですよね。
[ テレビでちらりと見たことがあるイメージ ]
[ メールの届いた様子>>15に、はい、どうぞと微笑んで。 確認している間に、ほとんど空になった皿と箸をまとめる ]
そういえば、センパイの出番は何時くらいからなんです?
[ 真理もだんだんと交代予定の時間が近づいている。 もしかしたら直接は見れない、かもしれない ]
はい、行きましょうっ。
[ 講堂だよ、と言われれば同じように心を踊らせつつ頷く。 真理がこの時間を楽しんでいるのは、また事実だった ]
(18) 2014/11/17(Mon) 23時頃
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[身近に>>17、なぁ。
基本うろちょろしている生徒。 常日頃から傍にいる奴といえば、 多くは忍崎んトコか、もしくは ――]
(19) 2014/11/17(Mon) 23時半頃
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[丁寧にまとめられた空容器を何気なく取れば、流れるようにほいと近くのゴミ箱へ。息の合った動作。そんな仲良しのような些事も気にしない。
講堂へと足を向ければ歩幅を合わせ、 思い出しながら質問に応える。]
えーっと、時間は書道部が終わった後辺り、かな。 交代時間は、、、あっ。
[ど忘れした。どう、なってたっけ。たぶん、]
...そっちは大丈夫大丈夫。
着替えの時間あるから体育館には行けなくて、 講堂にはちょっと早めに行っとかないとなのがなー。
リハもね。 関係者って言ったら花園ちゃんも通してもらえるかもよ?
[心なしか、彼女のうきうき気分が伝わってきて、 過ごすに心地良い時間が流れていると感じていた。*
(20) 2014/11/17(Mon) 23時半頃
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― 第二体育館 ―
[それはパフォーマンス開始の時間。きっちりにはじまる。]
お集まりのみなさま、ありがとおっ!!
人楼高校書道部一同だ!!
お時間はあんまりとらせねーので〜
ゆっくり楽しんでってくれよ!!
[「どっちだよ!」というヤジの様な笑い声がとぶ。ははっと笑い声も漏らしながら。]
そんじゃっ
これより書道部のパフォーマンスを開始するぜっ!
[書道部部員の声が響いた。
マイクを放送部から借りてきた部員に渡す。この後音響もやってくれるらしく、ありがたいことこの上なかった。―― まあ、放送設備をよそもの(特に栗栖辺り)に任せるのに不安があったのだろう。]
[書道部員が初期配置につく。
体育館の中央には、したじきの上におかれた大きな半紙があった。
今回パフォーマンスに参加する書道部員は10名だ。
その奥には和太鼓。部長とタモツが撥をもってそこにつく。
紙の側、5人がバケツと大きめの筆をもってしゃがむ。
そして残りの三人は紙の前に、大きめの団扇をもって仁王立ちだ。栗栖はこのグループ。
すう
ひとつ呼吸を整える。
どこどんっどこどんっ 太鼓の音とBGMが流れ出すと、]
ソイヤッ!
[楽しげに合いの手をあげ、踊りながら、紙を団扇で仰いでゆく―――…]
― 少し前の話: 夏の甲子園 ―
[本番当日。
その日もテンションは今日と同じようにあがりまくっていた。
選曲をしたのは栗栖だ。
最初は「アップテンポがいい!」とか言っていたくせに、候補をあげてみると中身は渋かった。 それでも話はどんどん盛り上がり、こうして完成の日の目を見る。
筆組の5人は、紙に背景を書いてゆく。
暗い藍色の空、薄紫の山、青い海。
薄墨でかかれたそれは、雄大だ。
開始直後の踊りや背景が終わると次は文字のターンだ。]
『はいっ!』
[掛け声と共に 紙の上を、灰色、藍色と水色が走る―――。
藍色と水色は左右に分かれるように色を重ねていく。
灰は空を、藍はその色を受けて輪郭づく山を、水色は海を。]
♪ お〜〜とこはァ〜〜 まぁ〜〜つり を〜〜
[会場に、某さぶちゃんの演歌が鳴り響く。
それに合わせて、部員は掛け声を忘れない。]
[手は太鼓から筆に持ち替えて、青色が入ったバケツを持った保と、緑色のバケツを持ったゴロウが並ぶ。
一礼と共に紙の上を歩いて、保はゴロウよりも紙の中心部で止まる。
ひとつ、息を吸ってから]
はいっ!!!
[掛け声と共に2色が勢いよく紙の上に落ちる。
青色の筆が走らせる。リズムに乗るように膝を上下させながら、「海の神」と書いていく。
自分の斜め左上ではゴロウが緑色で、「山の神」と書いている。書き終えるタイミングはほぼ同時。]
[海の神、山の神、
歌詞に倣いつつ作られる達筆は観客の目を引いた。
何せ部長とタモツという二大エースの文字だ!かっこよくないはずがない!
曲にのせ続くパートは、海の神、の横に「命を本当にありがとう」と書く部員、スペースを開けて左側、「燃えろよ」と歌詞を書いてゆく部員、その間を縫うように、赤い点が、ぽつぽつと落とされてゆく。
赤い点は栗栖の担当だ。
てんっ
てんっ てんっ
左から右へ、順々に。合計で5つ落とされる赤い点。それが落とし終えたのと文字が完成したのは同じだった。]
[次は落とされた赤い点に右から左へ。点の周りに花が咲く。
花火の芯と、花びらだった。
大輪の花火は数人がかりで同時に並んで書いてゆく。リズムに乗った一糸乱れぬコンビネーション。 どんどんと、合計で4つの花火が完成してゆく。
と、同時に。
紙の中央、あいたスペースに大きく堂々と「 祭 」の文字を書くのは部長であるゴロウだった。力強い筆遣いと共に発される太い声は会場に響く。]
[歓声湧く中、自分が「これが日本の」と書き始めれば、
横から署名を細めの筆で書き始める。
平行するように下へと下る。
栗栖が落とした赤い点を、日本の「日」の真ん中の横棒にして書いていくのがポイントだ。]
…はぁ、
[熱い体育館の中、法被姿とはいえ汗がじわじわと滲む。紙の外にはけて額の汗を拭う。
最後のシメに「祭だよ」の「だよ」の部分を書かなければならない。
まさにこの合作の書の最後といってもいい。
その時は、自分“1人”がこの紙の上に立っている状態になる。]
(よしっ)
[気合が入る。
「祭」の文字が書き終わり、すれ違うように紙の上を歩く“2人”。]
(ふたりいいぃぃいい?????)
[視界の右になぜか、もう書き終えたはずの栗栖の姿。
その手には、「海の神」を書き終えて端に避けていたはずの青色バケツ。]
(なんでそれを お前が持っている!)
(栗栖ぅぅぅうううぅぅうううう!!!)
[無言の訴えは、テンションがいい感じで上がったお祭り気分の彼女には
届かなかった。]
「 大 漁 」
[歌詞に合わせた「 大漁 」の文字。
海と同じ色でゴロウのかいた「祭」の下にでっかでっかと書きだした。
勿論文字バランスは考えたつもりなので、そこまでおかしくもないはずだ。
タモツの訴えは無情にも届かなかった。楽しげに楽しげに、文字を書く。
――― タモツだけではない。ほかの部員も目を丸くしている所から、これは全員にとって予想外の行動だったのは明白だった。]
[書道パフォーマンス甲子園には評価項目がある。
文字の美しさ、パフォーマンス、紙面構成、情感・詩情、など。
そして同時に 減点対象 もある。
たとえば、 パフォーマンス計画書と明らかに相違する揮毫を行った場合 とかだ。…つまり。今の栗栖の行動はしっかりと減点対象なわけで。
演技が終わった後の講評でもしっかりと言われてしまった。]
[それだけが理由ではないだろうけど、結局は参加賞におちつく。
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そして帰り際、
部員…特にタモツの怒りのオーラはさすがに感じ取れたので、すごくばつの悪そうな表情をうかべていた。]
ご ごめんなさい…
[しおらしげな謝罪。]
……、……。
[パフォーマンスが終り、閉会式が終り、帰り道に至るまで。
保は終始、無言、だんまりを決め込んでいた。]
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