254 東京村U
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多分これが、当たりだ。
[山岸五郎の呟きは、誰にも聞かれる事はなかっただろう**]
[ハナコちゃんのことを、お兄さんの声が少し小さく響いた。ハナコちゃんは気にせず右手を引っ張って進んでいて、聞かれたことには一度だけ振り向いたけれども、笑っただけ]
……私も、よくは知らないんです。
時々、家の冷蔵庫が開くようになって、私ママかパパが閉め忘れたのかなって思ったけどちがくて。
でも、怖いって言うより不思議なだけだったんですけど。
昨日帰ったら、ママとパパがもう帰ってきてて、誰かと話してるんです。
「私」がそこにいて、会話をしてるみたいに。
そしたら、出てきた「私」はただの影だった。
あそぼうって、私の部屋に逃げ込んだから、後を追って、それから、――テラスに。
[そこから先を良く覚えてない。
誰かに、引っ張られて、それから]
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