231 獣ノ國 - under the ground -
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……お腹の中でだって きみが望むなら。
[ でもその時は丸呑みでね? なんて言って笑おう。 梟>>252の食欲は旺盛で何よりだ。
僕の頭に八つ当たりみたいに爪を立てて 直立している兄さんは 彼女の言葉にぐるりと首を回す。 ごそごそ、もそもそ、嘴で羽の毛づくろいをして ]
『 キノウ? ヨル? シラナイナア。 ナンニモ ナンニモ シラナイナア。』
[ ”ガア!!!” とひとつ 大きく啼いて ”デキる兄”は 鳥のフリをしはじめる。
僕はといえば、流血覚悟の我慢大会。 はやく食堂に着いて、兄の気を引けるご飯にありつけると 良いのだけれど。]
(266) 2015/07/14(Tue) 01時半頃
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― 食堂 ―
[ なんだかとっても久しぶりに来た気がするけど 僕はいつも通りに素手で掴んだ果物をトレイに乗せる。
林檎、バナナ、蜜柑にキゥィ。 兄さんみたいにカラフルな 僕のトレイの上。
森で生きてた僕にとっては、これらこそがご馳走で 「ヒト」に捕えられてからは思い出したくもない 食事しか記憶に無い。 だから”料理”ってものを あまり良く知らないんだ。]
………………………。
[ ものすごく、ものすごおくマジマジと梟の皿>>255を のぞきこんでいたら 居心地の悪そうな顔が見えて
慌てて林檎を齧るけれど、茶色い”なにか”が気になる。]
(267) 2015/07/14(Tue) 01時半頃
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[ しゃく しゃく もぐもぐ ( じぃー… )
しゃく しゃく もぐもぐ ( ちらっ )
そもそもそれは食べ物なのか( だって何か黒いし ) 彼女がそれに手を付けるのはいつかいつかと気にしながら また、林檎の真ん中は兄さんの前に置いて ]
…………おいしいの?
[ 彼女がそれを食べ始めたのなら とっても怪訝な顔を 隠しもせずにそちらへ向ける。
……んあ、 と 雛鳥のように口を開けてみれば 親鳥がスプーンで運んでくれたりするだろうか。**]
(268) 2015/07/14(Tue) 01時半頃
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それは、難しいわ。 私は、うわばみではないもの。
[丸呑みで、なんてリクエスト>>266にはそう返した。 象を丸呑みしてしまううわばみの話は、第二図書室で読んだのだったか。 このあと行こうかしらなんて考える私は、第二図書室の惨状>>44>>45も、その犯人がここを去ったこともまだ知らない。 それに、お腹の中のあなたは、私を抱きしめてはくれないでしょう? なんてそんな言葉は、胸のうちに留めて]
そう? それなら、良かったわ。
[何にも知らないと主張する彼の兄は、私が思っていた以上に賢いようで。 声の大きさに閉口していたけれど、認識を改めなければならないかもしれない]
(269) 2015/07/14(Tue) 02時頃
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―食堂―
[しげしげと興味深げに覗きこまれ>>267、落ち着かない気持ちは加速する。 私の視線に気づいたフィリップは、慌てて自分の食事に戻るけれど、気にしている>>268ことは一目瞭然で]
私の両親は、人間なの。
[突然変異か、先祖返りなのか。ごく普通の人間の両親の間に、梟の私は生まれた]
だから、ずっと人間と同じ食べ物を食べて生きてきたから。 私にとっては、美味しいわ。
[向けられた怪訝な顔にシチューを口に運びながらそう言って。 開かれた口に、瞬きを一つした。 食べてみたい、ということなのだろう、これは。 しかし同じ鳥類とはいっても、梟と鸚哥では食べるものが随分違うはず。 しばらく迷って、これなら大丈夫か、とシチューの中のにんじんをフォークに刺して、フィリップの口元へと運んだ]
(270) 2015/07/14(Tue) 02時頃
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―― ? ――
…、なんで
[ 開かれる扉に、>>260その男の首もと、光る石を覗き込むよう。 ――「しおき」が、彼に下されるかもしれないのに、と。鱗の肌をびくりと震わせ、小さくその身を解放する。
なんで、おれをいかせてくれる? どうして、と。 問うそれに、こたえは果たして、あったろうか。 それでも小さく、目を細めてはぐるぐると空腹を叫ぶ奥、ありがとう、ともう1度、枯れた声に乗せながら。
その足を一歩と、そとへ踏み出す。*]
(271) 2015/07/14(Tue) 02時頃
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[さて、にんじんなら体に害はないと思うのだけれど、シチューの具として煮込まれたにんじんは、調理された食べ物を食べることのないフィリップの口に合ったか、どうか]
私はこのあと第二図書室に行くつもりだけれど。 フィリップは、どうするかしら。
[私はこれから活動時間だけれど、フィリップは違う。 無理はしないで、と伝えたけれど、彼はどうしただろう。 ともあれ、食事の後、第二図書室へと足を向けた私は、室内の惨状に驚愕することになる**]
(272) 2015/07/14(Tue) 02時頃
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―― → ――
[ ふみだした先。潮のにおいに目一杯と、息を吸い込みながら。 届いたなじみのその声>>263に、――もうひとつの“こえ”に、腹の底がぐう、と。 「満腹」になるはずの、そとへと向かう躯でないた。ふるさと。と、反芻して、かれのいきるばしょ、だろうかと。
それならそこにもし、行ったなら。……いずれ彼にであうことは? いついつ、なるのかも分からないけれど。]
きみも
[ 一緒に、と。手をのばしては、ああ。と、傷つけるだけの鮫の鱗をただ、下ろし込んだ。 ――いつか、すきにいきる君をどこかで。見れたらいいのに、と。足を“そと”へ踏み出しながら。こえを、*]
(273) 2015/07/14(Tue) 02時頃
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