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[──カタン、
カップの中身≪コーヒー≫を飲み終えた彼は
消えた一切れに対し追悼の呪文≪ゴチソウサマ≫を。
まずまずの味だったと、そう認めてボンヤリ考える。
眺めるのは猫≪ラルフ≫と兎≪リー≫が向かった先。]
…トコロデ、餓鬼モコンナ珍妙ニ
巻キ込マレルトハ運ガ無イナ。
[コポコポと水の中に落ちるような音。
それと共に現れた英雄≪ハカタノ=シオ≫は目の前の
すももタルトを一切れ触れ、塊≪ソルト≫にする。]
問オウ。餓鬼ハ何ガ笑ウト思ウ?
[画面≪スクリーン≫を見ていない筈の英雄≪ハカタノ=シオ≫は
まるで何かを知っているように笑う。
否、単に彼もまた暇なのかもしれない。
塊≪ソルト≫の欠片を拾いあげて掌に握り締めるが
あらまあ不思議≪ナニコレ≫。其処に何もない。]
[こんな状況で休めている と言うなんて、一体どのくらいの忙しさだったのか。]
生前、大変だったんだな…
[思わず、柄にもなく労るような声をかけて
話題が紅茶に移れば、こくり 首を縦に動かした。]
ああ、美味いな…
久しぶりに良いものを口にした。
[嬉しそうに、頬をゆるませて。
だが、‘調味料’の単語には首傾を傾げた。]
砂糖とか、か?
僕は基本入れないが…
[紅茶に入れる調味料=砂糖
多くても2〜3個程だろうと思っている僕は、彼の『かなり』のレベルがどれほどかは知らない。]
カルヴィンの頭を撫でた。
な、何をする…っ!
[異質な声に、瞬きひとつ。
どうやら、目の前の男は普通じゃない物を飼っていたらしい。]
…餓鬼は止めろ。餓鬼は。
[どいつもこいつも。
一瞬、問いかけを無視してやろうかと思ったが
その方が子供っぽいのでやめた。]
さあ……?
僕は先見の明も無いから分からん。
が、望むべくはあのハートの女王が地に伏すことだな。
[( そうなれば、僕は笑うだろうさ )
…それも、思いっきり。
会えず終いのアリス
その者は、女王に成って
代わりに盤上を支配できる可能性を持つ。]
アリスには勝ってもらいたいものだな。
[言って。目線は、ヘクターの手の中。
この世界では不思議じゃないのかもしれない、魔法のような幻術にほんの少しの間、囚われて。]
………お前も、結末を見に行くのか?
[恐らくは、そうなのだろうと予測しながら訊ねる。
肯定が返ってきたのなら、引き止めはしないだろう。
僕は、ただその時を待っているだけだから。*]
いや、目の前に頭があったから撫でたくなった。
血も涙も無い組織≪ブラック・キギョー≫だからな…
乙はそれでも頑張る≪テイジキタク≫がな。
…下手すると1日の給料がマヨネーズ一本だけだが。
[栄養ドリンク≪ゲンキノモト≫がお友達状態な程には
そりゃあ大々的に疲れていますとも。
お客様は神様です!
マヨネーズに全てを捧げます!
白に忠誠を誓います!
終電無いので泊まります!
電車が止まっても走ります!
打刻切ってから仕事します!
給料は一本のマヨネーズとお客様のありがとう!
残業代はマヨネーズ!!
…こんなである(抜粋)
労わる声を聞けば苦笑するしかない。]
ふむ…無糖≪ノン・シュガー≫か。
こうも香る物なのだな。初めて知った。
[紅茶の大惨事≪エキタイ=ミ=エマスカ≫はきっと
彼は知らないだろう。語る方も恐ろしいが、
ヘクターの世界では以下略である。
今は入れてないが本来ならばコーヒーに
マヨネーズが以下略であってだな。]
失敬、餓鬼デハナクテ…カルヴィン、ダッタナ。
イケスカナイ奴ハ好キダ。
[クククッと笑う英雄≪ハカタノ=シオ≫は
彼の望みを聞くと面白いと言うように。]
マァ飲ミ込マレナクバ上手クイクダロウヨ。
吾トシテハドウ転ンデモ構ワナイガ。
吾モ、乙も行かん。
[元に戻ればヘクターはやれやれと。]
久し振りに働かなくて済むのだぞ?
動く方が面倒だ。
[そう言って、無糖≪ノン・シュガー≫チャレンジ。
…味がないと言って難しい顔をするだろう。*]
[『いけ好かない』
決して良い意味ではない言葉だが、自分にとっては褒め言葉。この席に着いてから初めてにっこりと機嫌良さげな笑みを浮かべ、彼(=英雄)の方を見やる。]
…僕も、物分かりの良い奴は好きだよ。
[同じように真似て言葉を返し。
『飲み込まれなければ』とのことには、内心で頭を傾げる。まあ考えても分からないし、わざわざ訊く程でもないだろうと自己完結。
続いた言葉
[淡々とした話し方が人間味を帯び、声音が元に戻れば]
……ヘクターか?
不可思議なモノを身に宿しているんだな
[気味悪がるでも、興奮するでもなく。
ただ、純粋な興味をもって言った。]
[ストレートの紅茶を飲んで眉を寄せた彼に]
大量の砂糖に慣れてしまえば
近い将来糖尿病になるぞ…。
[…なんて。
今更しなくて良い心配を口にし、ケーキと一緒に飲めば丁度だろう?と声を掛けたか。*]
今度が無い事を祈っているよ
俺がここに来たから良いが、もしも隣に眠る妻がここに来ていたと思うとゾッとする
[どうして自分がここに居るのか、それはわかったものではないが、彼女が居ないのならば安心出来る
気を付ける、なんて言われればクスクスと笑ってその頭を撫でてやろうか]
何、今はこれが食えただけで満足だ
なかなか美味しいぞ。食べるか?
[ポップコーンをナイトメアに差し出してはみるが、それは受け取ってくれただろうか
そのままの意味だと言われればそれまでで。彼等が自分とは違う世界から来た者だなんて簡単には信じる事も思考が繋がるわけでもなかったのだが]
あぁ、一緒だな。いや、一緒ではないのかもしれない
この悪夢はこういう世界なのだから。朱に交われば赤くなる…と言うのかもしれないな
[フッと鼻で笑えば後ろから聞こえてくる足音に振り向いて]
おや、“不思議の”
キミもこちらに来たのか。いや、知ってはいたけれどね
[他の者がこちらに来ない辺りから察するに誰も観客席に来ようとはしないのだろう
舞台に上がるか、それともあの場に留まるか。どちらもサイラスにとっては考え難いものではあったが、彼が今居る以上それが事実なのかもしれない]
すまないね、不思議の
いや、すまないとも思っていないのかもしれない
招待状は書いたが、血まみれになってしまったのだ
[嘘は言っていない。勿論彼のために何度も何度も書き直して完璧に出来上がった招待状は今、舞台の上で自分の屍と共に地にまみれてしまっている]
それに、殺したのはキミの仲間の兎だ
恨むならそいつに言ってほしいものさ
[彼が本気で自分の招待状を欲しがっていたか、と聞かれればそうではないのだろうが。それでも、嫌味ったらしく言ってしまわずには居られずに]
それはさて置き
不思議の。これは食べるかね
[手に持つはポップコーン。ナイトメアが全て食べていなければまだ残りはあるはずだが、それを彼は食べようとしただろうか**]
ホウ?面白イ奴メ。
[英雄≪ハカタノ=シオ≫はクスクス笑う。
声を返せば空になった皿の上へナイフと
フォークを静かに置いた。
行くか行くまいか聞かれた言葉への
返答と共に理性が元通り≪フヘン≫になる。]
…あー、確かに乙だ。あれ≪ハカタノ=シオ≫は乙であって乙ではない、いわゆるもう一人の自分という奴だな…。
[受け継がれた血筋≪ヒーロー≫の力というべきか。
おかげで異様に元気≪ビョウ=キ・ナラズ≫なのだから
いつ倒れても可笑しくないのに凄いところ。]
糖尿病≪ブラッドロリ≫は……嫌だな。
[甘いケーキを口に運び、続けて無糖を飲む。
…こういう嗜みもあるのか、とヘクターは真顔である。
(砂糖は大体硬弾丸魔撃になっている)]
― 城壁前 ―
[あいも変わらず不意打ちなんて頭にねーと言うような
でかでかとした開戦の声
……あいっかわらず……(気持ちいい奴。)
す、と目は落とし。 対峙する双刀の黒髪を見りゃぁ、
あん時の続きのような戦いが始まろうとしていることに
縁のようなもんも感じつつ。]
因果がやり合うよーになってんのか…
[不思議と鏡、混ざり合うよで混ざる事のない世界。
中途半端なキャストが最初におん出されたってーのも]
―――なかなか言い得て妙だねぃ。
[はふ、と吐く息は湿気を含んで薄闇に溶け、
僕は白兎と向かい合う僕の命に視線を戻す。
――――現実味なんて、まるでない。]
あんたに盗まれた覚えはねーんだけどなー。
[ ”命を預ける”だの ”盗む”だの。
ふわり舞うショールをひっ捕まえて、聞いてやりたい。
そんだけの覚悟は一体どこから湧いてんだ って。
( まあでも。 ……いっか。
ひでー奴じゃあ、なさそーだし。)
僕の命を持ってる事をアリス達は知っているのか、
それすらも知らない。 餓鬼に遊ばれる駒のような命。
撃たれて死んだ筈の自分の命が弄ばれてるってーなら、
強ち悪夢も間違っちゃいないのかもしれないが。
さく、さく、ゆっくりと草を踏む音は
目の前の光景とはひどく乖離していて
命を取り合う2人の風は 僕の髪も耳も揺らさない。
静かに ひどく静かに、僕は兎とアリスを見ていた。]
――― ぁ、落ちた。
[白兎が作った落とし穴
そこにひょいと近づきのぞけば、覗き返すような深淵。
こんなん、どー戦えっつーのよと
至ってマトモな人間の僕は
ふらつきながら声を上げる兎
生きて会いたかったねぇ、もーひとりの兎。
[にや、と笑ってみせたのは
アリスを屠ろうとする者への、薄い意地のような手向け。
木に凭れた猫
もし目が合えば ちょいちょいとひとつ
”下” を指さして見せて。
長い耳は、口をあけた昏い穴に 吸い込まれる。**]
メモを貼った。
( ははっ。
預かった命を返す術。持ってんのかよ。)
[持ってないだろ、と声に出さずに、
唇だけを僅かにゆがめた。
(――あいつに会えるように
してくれるわけでもないだろ)
殺人は殺人だ。それ以上でも以下でもない。
目覚められないのは、自業自得だ。自業自得だけれど。
アルヤスの吐く宝石の様な言葉一つ一つを
豚の餌にしてやりたい。
……こうまで素直にひとを「嫌いだ」と思ったのは、
どれほど久しぶりだっただろうか。]
[鮮やかに、猫が躍った。
扉が現れ、兎がそれを回避し「変な力を使うな」と喚く
(まったくだ、と白兎に同情した)
アルヤスはそれに言い返して(まるで子供のようだ)]
[ラルフは静かに、息を吐く。
……きっと、あの男の纏う空気は、
ドブの底で生きてきた生き物には、清すぎるのだ。
(そう、それに触れるには”手遅れ”なまでに。)
冷めた目で”アリス”を見てから、
ただ、白兎と女王を見届けている。
たんたんと、場を見続けている。]
[白兎が落とし穴をつくると、
その中に落下していくアリス。
鏡の国がどのように始まるかしらないが、
随分とらしいじゃないか、なんて肩を竦めた。
隣で、李の小さな感嘆の声が聞こえた。]
[指差し、落ちていく
アリスを追いかける兎なんて、斬新だコト。
[そういいながらも、ラルフも気紛れについていく。]
せめて薔薇の中じゃなきゃいいね。
[そんな言葉が真実になるのは、
そんなに未来の話ではなく
ふわりと高所から落下したならば、
そこは黒薔薇の園だった。
最初から身構えていたこともあり、
落下自体は失敗せずに、そのまますとんと降り立つ。
(もしかしたら、三月兎を踏んづけるなんてことが
あったかもしれないが)
それから、その場から少しだけ離れて。]
『……覚悟は、出来てるんだったよな。
"アルヤス"。
…………、おわらせてくれ、よ。』
[そう云う、白兎の仕草はひどく緩慢で
ひどく、辛そうで。
ラルフはその時初めて、
「この劇、趣味悪いな」と、小さく呟いた。
こんな胸糞悪い体験をするからには、
「彼ら」は生きて帰ればいいと思う。
こんな冷たい場所で、終わってしまわずに。**]
だーってこれを見届けに来たんだろ。
俺も、あんたも。
[ ひょいと踏み出した一歩。”次の句”
僕のロングブーツと一緒に 扉が作った闇に溶ける。
どーせまた落ちるんじゃねーのとは 思っていたけど]
うっわ、可愛い耳して えげつねーのなぁ。
[茨の生け垣に すと、と降り立って
薔薇園で棘にヤられてる姫を見りゃあ、危機感というよりはこんな場所に落とした彼の趣味に感心した。
(手前にもにたよーなブツが付いてる事はあえて無視だ。)
いやまあいい。
僕はそんなことよりも、更に趣味の悪い奴が居るって事を
忘れるべきじゃなかったんだ。]
ぅげ、!!!! っは。
[真上から両肩に乗る”何か”
痛いよりも先ず衝撃に襲われて、微かに前につんのめる。
ひょい、と ”それ”は 僕の肩から軽快に跳ねて
すぐ隣に華麗に着地しやがった。]
…………………。
[怒りだとか呆れだとか色々通り越して、コメントに困る。
ぱんぱん、ぱんぱん、両肩をはたいて
肩口をちょいっと引っ張って足跡の有無を確認。
それから漸く出た言葉は ]
なー、にゃんこちゃん。お前、ともだち居ないだろ。
[そんな歳に見えねー、でけえ、と揶揄ばかりされる目を
横一文字にほっそーくして 長い尻尾をはたいてやった。]
それでも尻尾がぷらーんぷらんしてるなら、先っぽを右手でギュッ。**
[同じ場所から落下したなら、落ちるところも同じだろう。
――というわけで、李の肩を踏んで見事着地したラルフは
うげ、とか、は、とかいう兎を無視して
とんとん、とブーツの底を鳴らしている。]
同じところにつったってるアンタが悪い。
[そう言ったところ、ともだち居ないだろ、
というお小言が返って来たので肩を竦める。
数年前に裏切りましたが何か。]
[大きな瞳をうっすーく横一文字にして
こちらをねめつける様子にしれっと無視を決め込んでいたら
ぺしりと尻尾をはたかれた。
少しだけ痛いのが不思議。
続けざまに先っぽをぎゅっとされれば、]
! っ、も、う、それどこじゃないでショー
見届けるんじゃなかったんすか?
それとももっぺん耳攻められたいの?
[びくっと背筋を震わせながらも、
戦いの方を指差した。]
[鏡が罅割れる音が響く。
何が起こっているのか、
この血の香りが濃い薄暗い薔薇園では
はっきりとは見えなかったものの
アルヤスの髪がふわり、小さなランプの火のように
白金の色を取り戻すのを見た。]
――あ、 あれっ……
[ぎらり、煌めく鏢には見覚えがある。
俺の武器じゃん、と
歯噛みしたい気持ちを隠さずに
ぎゅうと、拳を握った。]
剣だせるなら俺の武器いらんだろ……! ずりィ…
[皿だの剣だのを虚空からとりだす姿を思い出しながら、
むう、とちょっとむくれた顔で言う。
そうしている間にも、白兎とアリスの会話は続く。
覚悟はできてるんだろ、という言葉
ラルフは静かに目を伏せた。**]
【人】 記号の妖精 ミーム 誇る?はっ、そこらのと一緒にすんなよクソ (60) 2015/06/30(Tue) 16時半頃 |
【人】 記号の妖精 ミーム 傍観者が役者気取ってんな!! (61) 2015/06/30(Tue) 16時半頃 |
………そー… さ、ねぇ。
[ ”見届けるんじゃあなかったのか”
指し示すゆびの先。僕の意識はもんやりと霧がかっていて
返事は精彩を欠く。
あそこで行われてんのが僕に無関係だったなら
(なに、なに、きもちーの?)なーんて茶化したり
(黙れクソ猫噛み切るぞ!)なーんて尻尾をガブリする事も
もしかしたらあったかもしれないけれど
はぁ、と溜息ひとつ、 両膝折ってしゃがみ込む。
( なあ、ばからしーよなあ。 )
( 馬鹿らしい。馬鹿らしい。
妙な期待を半分なくなったあの肩にのっけんのも
妙な感情を白兎の変わらぬ表情の中に探すのも
とーんでもなく 野暮だ。)]
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