114 bloody's evil Kingdom
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[触れることのかなわぬ王女の傍に寄り添っていれば、
また一つ命の輪が切れたのを感じる]
…………。
[その命の輪が誰のものであったのかは、
意識を集中せずとも判った。判っていた。
悲しい、という感情は生まれない。
ただ彼の人が心安らかであればいい。
自分のように寂しさからの妄執に取り憑かれていなければいいと。
それだけを、ただ想った――]
|
――朝・三階私室――
[ヨーランダが討たれたとの報告を受け]
……そう。
[頷き、軽く瞑目する。 仲魔がまた一人、減った。]
ミッシェル。ヨーランダ。
[仲魔を悼む気持ちなど持ち合わせていないモンスターは ただ中空にその名前を、呟いて。]
(@0) 2013/02/24(Sun) 13時頃
|
― reminisence/研究室 ―
[一仕事終えて、息を吐く。
妙な疲労感と頭重感。吐く息が少し熱い。
傷のせいか。
切り上げて休もうか、そう考えて―――]
……ノックくらいせんか。
[医師の目には当然入っただろう。
ピッパの遺体を包んだ白い布。
恐らく彼女が死んだことをまだ知らぬのではないか。
そう思い、丁度いいから話を……と思った瞬間。]
―――…おい、医者…
[倒れるミナカタの姿。
その後ろから現れる――青年の姿。]
― reminisence/研究室 ―
[名前も顔も見覚えのない騎士だ。
だが――羽ばたいた鳥。それで察しがついた。
ピッパとコリーンに何かしたという、騎士。]
……ふ。
ふふ、ふふふ……
[加担疑惑―――そう言う青年に嘲う。]
地下牢への招待券かね?
あそこも中々素敵な場所ではあるが――
今は遠慮させてもらおうか。
仕掛かり中の仕事が気になるんでな?
[ひゅ、と風を切って薬瓶が飛ぶ。
医師に避けろよ、と無茶なことを思いつつ。
割れた瓶の中身が床を溶かす。
飛沫でも飛んで騎士が撤退してくれればいい、そう思ったが。]
― reminisence/研究室 ―
―――ッ、ぐ、ぁ
[想像以上に青年の動きは素早かった。
断ち切られる神経。
下肢の力が一瞬で抜けて、斃れる体。]
[ …やくそく、だよ。 ]
[――――…急速に闇に飲まれる意識の中で
それだけははっきり聞こえた。
けど、それはもう。]
……、ごめ……ね…
[果たせない。
―――…頬を伝う暖かい感触も、もう感じることは出来なかった。*]
[王女の唇が自分の名前を調べるのを聞いて、
寂しさにしぼんでいた心は花が開くように暖かくなった]
ここに、いるよ。
[瞑目する眸。
決して彼女が死を悼んでいるわけではないと識っている。
それでも囁かずにはいられなくて。
風に乗せて、そっと紡ぐ。此処にいると。傍にいると。
ああ、だけど。
眸が再び開いても、そこには自分は映らない――**]
― 研究室 ―
[おかあさん。
呼ばれた気がして、頭を擡げた。
声は聞きなれているのに、妙な違和感。]
―――…ぁ
[死んだはずの女騎士が其処にいて。
そして生きていたはずの私が其処にいて。
それはつまり。]
……上手くいった、か。
[人工生命――ホムンクルス。
少し信じられないような気持ちで、動き回るピッパを見た。]
[言動は少し幼いようだ。
これは――生きていたら今後の研究に
面白い材料になったろうが。]
……つまらん。
[死んでしまっては弄繰り回すこともできない。]
しかし、これ程上手くいくとはな。
奇妙な生命体にでもなる可能性のが高いんじゃないかと
思っていたんだがな……
[余程強い怨念でも篭もったんだろうか。
そう思い、しげしげとピッパの顔を眺めた。
わんわん泣き始める様子に苦笑する。]
……そういう面白い言動は、
私が生きてる時にしてくれ。
[頭を撫でてやることも、慰めることもできない。]
[研究室には再び自分ひとり。
何に触れられるわけでもない。
所謂精神体になったことに興味は沸いたが、
それよりも―――]
……。
居ない、んだな。
[おかあさん。
本当にそう呼んで欲しかった姿は、無い。]
―――…10年も経てば、消えてしまうものなのかね。
それとも……
約束破ったこと、怒ってる?
[返らない答え。虚しいだけの問い。]
[私も一緒に逝くから―――]
[ だめだよ。 ]
[思わぬ強い口調。
まだまだ赤ん坊だと思っていたのに。
髪の色も、瞳の色も似つかぬ子だったけれど
利発そうな瞳の光だけは強い繋がりを何時も感じていた。]
[ 人をたくさん助けるんでしょ? ]
[ できることがあるなら、やらなきゃ。 ]
[立てられた小さな小指。
絡めてやる。]
[ やくそくだよ。 ]
[―――――最期の、大切な約束。]
……。
[暗澹たる気分を払うように立ち上がる。
自分と同じ死霊の気配はあちこちにある。
生前は人が減ったような感じがしたが。]
―――…女王様の首とってもなぁ。
こんな様子じゃ呪いの幽霊城だぞ。
こんなとこに人が集まるのかね。
……生きてるうちは見えないからいいのか。
[自分も生前は指の先程も感じなかった。
だから普通の人には大した問題ではないのかもしれない。]
|
――王城一階・廊下――
…? ……???
[鳩が豆鉄砲を食ったような顔、というのは モンスターにも存在するらしい。 その屈託ない所作で武器庫の方向へ向かうピッパを 思わず早足で追いかけ、壁際に押しつけようと]
貴女、死んだんじゃ……?
(@1) 2013/02/24(Sun) 14時頃
|
― →貴賓室 ―
[見知った顔があっても、話すことも出来ない。
研究室に居ても道具に触れるわけでもない。
暇つぶしに事の成り行きでも見守るか。
そう思い、ふらりと城内を歩く。]
―――…あぁ、うん。
[ちょっと羨ましくなるような肢体の持ち主が
形容し難い格好で出てくる。]
……。
そういうものってな、隠すからこそ
価値があるんじゃないのかね……
[呆れ顔。
ミナカタの行動には、同情的な視線を送った。]
|
そうね、私も会いたかったわ。 貴女の死体を見た時に不満だったから。
問いに答えなさい。 貴女、死んだ筈よね? どうして生きてるの?
[このモンスターに霊の類を見る力はない。 触れる感触も生きている者のそれ。 ただ以前と違うのは、 牙を剥くような鋭い眼差しを向けてこないことか]
(@2) 2013/02/24(Sun) 14時頃
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[ふわふわと王女の傍を漂う魂は、
死んだはずの友人――否、友人だった人――の姿に、
同じく眸を見開いた]
ピッパ……。
[何でも相談に乗ると言ってくれたあの日が、
まだ一週間も経たぬと言うのに遠い落日に思える。
ピッパの顔に浮かぶ表情は、恋狂うそれ。
自分も覚えのある感情に、ちりっと胸が痛む。
会いたかったと、
その想いを伝えられる彼女が羨ましく、そして妬ましい]
私は声を届けることも、
触れることも叶わないのに――。
[もうあの眸を見てくれる事はない。
あの唇が愛してると言ってくれる事はない。
そんなことは判っているのに。
それでも縋りついてしまう愚かさに、自嘲う]
だからせめて、
少しだけ……。
[そのぬくもりを分けてほしいと言うように。
するりと入りこむ、ホムンクルスの身体。
意識を奪うようなことはしない。
ただそこにあるだけ。
空っぽになった胎からの中へ、そっと宿る。
とくん、とくん…と聞こえる心臓の音。
もはや自分には存在しない音に安らぎを覚えて、
赤子のように身を丸め、蹲る。
ピッパの皮膚越しに触れる王女の暖かさに、
女はほぅっと。漸く安堵の息を吐いた]
|
錬金術師、か―――
[最後のパピヨンの名前。ロベリアから城の主要人物のことは聞いていたから、そう思い当たる。]
奇跡、としか言い様がない。
[軽くかぶりを振り]
そうまでして 貴女は何の為に生き返ったの?
私の首を討つためかしら?
[ふわ、とピッパの髪を撫ぜ 挑発的な笑みを。]
(@3) 2013/02/24(Sun) 18時頃
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ふぅん……。
[自身の名を出さないピッパに、 軽く相槌を打っては、そっと口接ける。 モンスターを討つ、と その口調から彼女が 誰かしらの標的を定めているのは分かる。]
―――…
[触れるだけの口接けは、 媚薬も、何も 注入しない。 ただやわらかな唇同士が触れて 離れる。]
(@4) 2013/02/24(Sun) 18時半頃
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[ピッパの呪詛は聞こえたかどうか。 ふんわりと微笑むと]
そのドレス、似合ってるわよ。
[そんな言葉を投げかけて、彼女が武器庫に消えるまで背中を眺めるつもり。]
(@5) 2013/02/24(Sun) 19時頃
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――兵舎近く――
[ピッパが勢い良く兵舎に向かっていく姿を 遠目に眺める。]
面白いものが見れそう。
[今、モンスターの討伐で騎士達の姿は兵舎に少ない。 それでもドナルドが援軍を呼ぼうとするのなら]
――それは野暮ってものじゃない?
[ぱちん、と指を鳴らせば、 兵舎の戦力たちはドナルドを除いて 皆深い眠りに就いていく―――]
(@6) 2013/02/24(Sun) 19時半頃
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― 貴賓室 ―
[医師が丁寧な手付きでピアスを外すのを見ていた。
たゆん、と。
ゼラチン菓子が震えるように揺れる双丘に
ぷに、と人差し指を伸ばしてみる。
―――無論触れられるわけはないのだが。]
……。
うーむ。
この母乳を出させてる何か、
ちょっと研究させてもらえばよかったか。
[ちょっとしたおもちゃが作れたかもしれない。
尤も魔族特有の何かが使われているのだとしたら
徒労に終わっただろうが。]
― 貴賓室 → ―
[廊下を団長室の方に駆けていく姿。
幽霊か化け物かと襲い掛かる兵士を薙ぎ倒していく。]
……昨日死んだとは思えん元気の良さだな。
[頑丈そうな女騎士の素体を元にしているし。
まぁ、当然といえば当然かと思わないでもない。]
あまり暴れ狂ってまた死ぬような真似はするなよ。
……といっても聞いちゃおらんだろうがな。
[怒涛のように駆けていく姿にやれやれと溜息。]
……。
やっぱり、未完成で良かったよ。
死んでも取り戻せるんじゃ……
生きるってことの意味が無い。
[兵舎じゃ今頃ドナルドに切りかかっている頃か。
それを見届けようとは思わない。
彼女を信じていないわけではないが―――]
死ぬってのは……
何度も経験するもんじゃあないな……
[もしそうなってしまったら、女騎士に掛ける言葉もない。]
|
――兵舎近く――
逃げたわ……
[逃げ腰で駆けていくピッパに、小さく溜息を漏らす。 折角、死と生、どちらが残るか そんな見ものだと思ったのに。]
……つまらない
[唇を尖らせた。]
(@7) 2013/02/24(Sun) 21時頃
|
……重い、な。
[取り戻しのつかないことだからこそ。
奪うことの重みを知る。]
馬鹿弟子はどうしてるかね……
未だ補佐殿の尻を追いかけてなきゃいいが。
[死んでまで妄執に取り憑かれることには
なっていないだろうかと僅かばかりの危惧。
そうなってたら叱ってやるかと小さな吐息。]
|
――兵舎・団長室の窓の外――
楽しそうな試合だと思っただけよ。
[ピッパが逃げ出した窓からひょっこり姿を現して]
変に邪魔が入るよりいいでしょ?
[ゆったりと微笑む。 それが見ものとして面白そうだった、 なんて言葉は口にしない。]
でも残念だわ。 遊べない子ね。
[頬に人差し指を添え、幻滅したとばかりに]
(@8) 2013/02/24(Sun) 21時半頃
|
|
驕りは死に繋がるのも覚えておくことね。 私にも言える言葉だけれど。
[くすくすと笑いながら コリーンに謂われた指摘を思い出す。]
ええ、覚えておくわ。
[頭を撫でられれば目を細め]
愚策じゃないことを祈るわ。 それが遊戯のクライマックスに なるかもしれないのね。
[城で反旗を翻す人々を除けば 他の民に力は殆ど無いと言っていい。]
言いたいこと? 愛してる、とでも言っておけばいい?
(@9) 2013/02/24(Sun) 22時頃
|
……聞こえるのか。
[瞬く。
生者とは接点を持てないと思っていただけに、
自分の声を聞き当てられて酷く驚いた。]
一度死んだせいか?
それとも器のせいか……?
[元々の資質とは知らないから、首を捻る。]
……殴りこみにいく時点で賢いとは言えんが。
まぁまるきりの莫迦でもなかったな。
[逃げたと聞いて頷く。姿が見えているのかはわからないが。]
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