168 LOVEorDEATH2〜死者は愛を知りたいようです
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それじゃ、さようなら。 ――もう、彼女泣かせるんじゃないわよ。
[後ろを向いたまま振り返らずに手を振る。その背中は、完全な拒絶を示していた]
(意外ね、あんな泣かせ方してたのに)
[影木の部屋を出て扉を閉める。しばらくは何事もなかったかのように歩くが―― そうしていられる限界は、すぐに訪れた]
(241) 2014/03/22(Sat) 22時半頃
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受付 アイリスは、メモを貼った。
2014/03/22(Sat) 22時半頃
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……ふっ。
[涙など出ない。それどころか、おかしくて高笑いさえ出てしまう。 こうなって初めて、気づいてしまったのだ。 このゲームの誰もが気づいてはおらず、なおかつ誰も説明しなかった事に。
それは――最後の二人になった時点で負けだと言う事。
思い浮かべれば、耳に届いた本田の恋心>>2:53、偽りから本物に変わりつつある白石の慕情>>13。 どだい大人数で、恋をする対象がぶつからない筈がないのだ。 そうしてあぶれた余り者が最後に集まっても―― そこには打算が含まれてしまう。 つまりその2人がその後いくら恋をしても、扉が開く事はない]
(242) 2014/03/22(Sat) 22時半頃
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(相思相愛でなければ扉は開かない、 打算や取引による偽りの恋は許されない。 つまるところ――)
[何の事はない、これでチェックメイトだ。 白い空間の中に"再現"された自分の部屋、中心まで歩いていく]
……はっ。 もう、いっか。
[――どうでも。 笑いを止めて、最期の言葉を告げた。そのままベッドに身体を投げ出す。 凍てついていく心は、全ての気力を奪っていった*]
(243) 2014/03/22(Sat) 22時半頃
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受付 アイリスは、メモを貼った。
2014/03/22(Sat) 23時頃
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―現在・真墨の自室―
[ノックの音を耳が広い、真墨は部屋の扉を開く。 そこには、先程とは構図が逆で、田端が部屋の外に立っていた。>>235]
…いますよ。
[影木と何を話したのか。>>172 影木が部屋へ入ると同時に真墨はその場を離れたので、彼は聞いていない。だが、物事が好転したのであろうということだけは田端の顔色から想像がついた。]
格好悪くなんか、ないです。 喜怒哀楽があるのは、人間として―――当たり前ですから。
[それは、あらゆる感動の欠落した己を言い表す言葉の裏返し。]
(244) 2014/03/22(Sat) 23時頃
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ボクには無理なことを、田端さんはできるから。 田端さんは人を好きになることができる人だから、生き返って貰いたい。 あそこで声をかけたのは、それだけの理由ですよ。
[『より多くの人を生き返らせる』。これが『善い』行いだというなら。 これもまた、真墨のいびつな『人らしさ』へのアプローチだった。 だが、そんな真墨の言葉を田端は否定する。『真墨は優しい』と。>>236]
―――優しい?
[小さく、戸惑う。 そんなことを言われたのは、初めてだ。 しかし、それを問う前に田端との会話は終了していて。]
……こんな部屋を心に持つ存在が、優しいわけないでしょうに…
[その言葉は、椅子と布団しかない張り子の部屋に弱々しく消えた。]
(245) 2014/03/22(Sat) 23時頃
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受付 アイリスは、メモを貼った。
2014/03/22(Sat) 23時頃
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―回想・本田とリビング―
[ガタン!と音を上げて、本田がリビングのテーブルを蹴飛ばしながら立ちあがろうとする。>>56 その反応と、綺麗にメイクされた目を見開いて真墨を見るその表情から、るりと本田が知り合いだったのだと察した。 それも、ただの知り合いではなく。 とても、親しかったのだと。]
『…先輩、死ぬ前に、るりに、会ったんですか?』
…それは…
[呼びなれたように出てくるあだ名での呼び方に、推測は間違っていなかったと確信した。 その質問に答えようとした矢先に―――そこへかかる野太い誘い声。>>46]
(246) 2014/03/22(Sat) 23時頃
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―回想・早川の部屋―
[勢いよく飛び込む本田の後ろから小さく真墨も入室した。>>64 部屋には酒の匂いが充満していて、>>62 真墨にはその匂いを嗅いだ時点で意識がふわついて仕方がない。 アルコールを勧められれば、謹んで辞退し、]
…ウーロン茶。
[リパブリック・函館、もといさいとう天使に居酒屋店員よろしく注文をつける。 その姿の情けなさたるや、大学で強引にテニスサークルの新歓コンパに誘われた垢抜けない新入生に近かった。]
(…うわ、すご。)
「隣でペースを上げて缶チューハイを呑む年下の女子に胸中で感嘆の声を上げるも、自分がそんな風に飲めるわけはないのだった。>>70]
(247) 2014/03/22(Sat) 23時半頃
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―ちょっと前―
……ああ。 どう、経験したいことは見つかったかしら、少年。
[本田に引きずられるようにしてきた少年に、そう]
(248) 2014/03/22(Sat) 23時半頃
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―回想続き・早川の部屋―
お酒は…飲めないっす…
[酒の席について経験を問われれば、弱々しく、白石へと返事を返す。>>248 ほろ酔い気分に出来上がって上機嫌の本田がぺらぺら隣で会話をしていた気がするが、真墨はくらくらする脳内を制御するのに必死だった。 部屋の空気が水色とピンク色に見えて仕方がない。 ふぅ、と吐く息が熱を帯びている。 クラリと目眩すら感じさせる自意識をなんとか繋ぎとめると、早川が用足しのために席を立つようだった。>>81]
えっと…ボクも…
[ろれつの回らない舌をなんとか動かして、早川の後に続いて真墨も部屋を抜ける。 そうして外の空気を吸えば、身体に染みたアルコールの空気が抜けていく気がして。 加水分解、と脳内が意味不明な文字を吐きだす。 早川が水を用意しているのも気付かず、真墨も早川と入れ替わりにリビングからダイニングへ。>>99]
(249) 2014/03/22(Sat) 23時半頃
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―回想続き・ダイニング―
[がちゃん、とリビングの方からグラスの割れる音がしたような気がしたが、シンクに手をついてアルコールの催す目眩にじっと耐える真墨はリビングへと向かう気力はなかった。 しばらくたってリビングへと戻れば、そこには割れたグラスなど欠片もなく。]
…気のせい、だったのか?
[もう、酒臭い部屋に戻る気にはなれず。 手持ち無沙汰の右手が、おもむろにリビングのテレビを操作する。]
『―――家族から捜索願の出されていた18歳・男子高校生の捜索が、引き続き行われています。目撃証言の「川に大きなものが落ちる音を聞いた」という情報から、××川周辺の捜索が中心に行われており―――』
[テレビの情報を聞きながら、真墨はそれが無駄であることを知っていた。 薄ぼんやりとした死の記憶をたどれば、増水した川の流れで真墨の身体はどこまでもどこまでも漂っていた。 今更川底をさらったところで、出てくるのは精々所持品の携帯電話か財布くらいだろう。 テレビに夢中になっていた真墨には、本田が洗面所へと向かうのすら気付けなかっただろう。]
(250) 2014/03/22(Sat) 23時半頃
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―回想・リビング、本田と―
[背後で洗面所から意を決した誰かが飛び出してくれば、流石に鈍感な真墨でもその音に反応する。>>188 テレビをリモコンでオフにして、リビングに居るもう一人の人物を見る。]
…本田、さん。 その、大丈夫?かなりペース早く空けて―――
[間をもたせるような口任せの話題をすっとばして、本田はずい、と歩み寄る。 パーソナルスペースなどクソ喰らえ、とばかりに。 それは、真墨の苦手な距離感で。]
(251) 2014/03/23(Sun) 00時頃
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『先輩が、何考えてんだかわかんないけど、あたしは伝言なんか受け付けない。 自分で答えを返して。 人に託すなんてのは、ずるいよ。』>>188
[それは、きっぱりとした拒絶の意思表示。 真墨には、その姿がまぶしくて、目をそらさずにはいられない。]
死んだ人は、誰かに想いを託すものだよ。 …でも、そうか。 それは…困ったな。
[まったく困っていないような口ぶりで、本田へと言葉を返す。 本田との会話が終われば、そのまま自室へと向かうだろう。]
(252) 2014/03/23(Sun) 00時頃
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……大丈夫かなあ、あの子。
[動くもののない部屋で、日本酒を舐めながら。 なんというか――恋愛以前に、人生について悩んでいたような少年に、懸念を抱くのではあった。 なんといっても、自分が焚き付けたような部分はあったから]
(253) 2014/03/23(Sun) 00時頃
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―現在・真墨の自室―
[部屋に一人。田端が居なくなり、扉も閉じて。 田端と話した言葉を思い出す。 影木の時と同じく扉越しの会話だったけど、そこには決定的に違う何かがあった。 その何かの正体は、真墨にはまだ掴めないまま。
会話を、ゆっくりと思い出す。]
(254) 2014/03/23(Sun) 00時頃
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[天井が揺れる。目を閉じれば、自分の体が浮いているような浮遊感。 意識は浮いたり沈んだりする。 ふいに隣の人のぬくもりが揺れた気がした。]
―――。
[無意識にその体温を手で追いかける。 その手に温かさがふれたなら、それを抱き寄せようとして。]
―――……。
[それはほぼ無意識で、それはほぼ本能で。 そのまま意識は溶ける。 白石はそばにいてくれただろうか。自分の情けない姿を見て、失望しないだろうか。 溶ける意識の最後の一かけらで、何故かそう思った。]**
(255) 2014/03/23(Sun) 00時頃
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―回想・田端の部屋の前―
『それじゃさ、そのままちょっとだけ、話聞いてもらっても良いかな。』>>118
[飽きたらどっかいっちゃってもいいから、と付け加える田端の声を聞く。 無論最後の一言は本心ではないと分かった。 だから、真墨も扉を背もたれに床に座り込み、]
―――どうぞ。吐き出す先があるほうが、いいでしょう。
[適切な答えが返せるかは、真墨も自信はない。 ポツリポツリと、まるで自分の心を整理するように流れてくる田端の言葉を、真墨は背中と扉越しに聞く。]
『…戻るつもりないって言ってる人がいてね。』(>>147)
[それは―――影木のことだろうか。 真墨自身は戻る『つもり』のあるなし以前に、戻『れない』側だったので候補の外だった。 自分以外に、戻ることを諦めた人物は、真墨には影木しか思いつかなかった。>>2:104]
(256) 2014/03/23(Sun) 00時頃
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―たぶん現在?りびんぐ― ―ねえ、さいとうさん。 "人を好きになることができる人だから、生き返って貰いたい"…って。進村くんに言われたんだけど…どういう意味だろう。さいとうさん、わかる?
[はんぺんをつまむ箸をとめ、りびんぐの片隅の天使をみるけど、ぴくりともしない。]
"生き返って欲しい人"なら分かるし、"互いに好きになれれば生き返れる"なら分かるんだけど。なんかこう、ニュアンスが引っかかるっていうか。
裏返しちゃうとさ…
[そこから先は、口にすることができなくて。言葉を飲み込む。さいとうから、答えが返ってくるはずもなく。考えたところで答えがみつかるはずもなく。閉ざされた白い扉に視線を向けると、ふたたびはんぺんに箸をつけた。]
(257) 2014/03/23(Sun) 00時半頃
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― ちょっと回想/リビングで本田と ―
はぁい♪
[神様、と呼ばれれば最初からそこにいたかのように返事をする。(>>192) いつの間にやら、ソファーに座る本田の隣りで、寝そべり伏せったまま、気だるそうに一緒にテレビを見ていた。 問いかけ、続く言葉をじぃと聞くも、本田が言い終わればふふっと笑いがこぼれ落ちる。]
どっちでもいいなら、答えないでもいいよね♫
[知りたいと、思っていないならば、答える必要もないだろうと意地悪く哂う。 そうして本田と同じようにテレビを見つめたまま、くりんと首を傾げて。]
ユーが見たいもの、見つからないね? どうしても見たいなら、ミーが見せてあげても……、
[ゆっくり本田の方へ視線を移すと――眠っていた。]
(258) 2014/03/23(Sun) 00時半頃
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って、はやっ!?
えっ! さっきまで、五秒前ぐらいまで、ミーと話してたよね? 寝つきめちゃくちゃいいね、ユー!
[驚いて目をしばらく瞬かせていたけれど。]
……、疲れちゃったのかな? 慣れない空間に、慣れない人たちとずっと一緒。 当たり前だよね。
[ぽんとその手に一度だけ前足を重ねたけれど。 それ以上騒ぐことはなく、またどこかへ姿を消した。*]
(259) 2014/03/23(Sun) 00時半頃
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『その人が居ないもしもの世界を想像したら、いやだなって思っちゃったの。』>>149
[会話の中で不意に紡がれたその一言が、真墨の心に深く突き刺さる。 何故か、それだけが気にかかってしまう。]
『進村くん、知ってる?』
[続く言葉に、ハッと意識を取り戻し。 問いかけられたということを、真墨は数拍遅れで認識した。]
え、そ、そうですね。 多分カミサマさんの言う「天国」とボクらの持つ「天国」のイメージが、若干違うんじゃないでしょうか。
[ここから消えるということこそが、一般的な言葉でいうところの「天国」…後戻りのできない成仏の状態になるのではないか。 出目獅子がここを「天国」と言ったのは、真墨たちラブゲームの参加者が命を落としたから、そんな人たちの集まる場所として「死後の世界」という概念を端的に説明するために「天国」という言葉を用いたのではないか。 「地獄」でも構わないだろうが、悪い行いをして命を落としたのでなければ、納得できない人もいるだろう。語感として、「天国」の方が受け入れやすいだろう。
そんなことを真墨は考えたものの、説明が長くなるのでかいつまんで説明するにとどめた。]
(260) 2014/03/23(Sun) 00時半頃
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―よし、ご馳走さま。
[手を合わせ、食器を片付けてシンクを磨いておく。]
『おでんご馳走さま、美味しかったよ。』
さいとうさん、これ作った人に渡しといてね。
[名前を記すのは躊躇われて、それだけメモに書き留めると、さいとうさんに押し付ける。リビングにまだ人影はみえない。青い扉に背を預け、帰ろうと言ってくれた人の姿を待っていた。**]
(261) 2014/03/23(Sun) 00時半頃
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[田端の話は続く。 心情の吐露は、心の中から湧き出る悲しみが抑えきれないものであることは明白で。 そんなにも、他者への感情を募らせることができるものが―――]
『勝手な思い込みをとっぱらってみたらさ。 その人のこと、あたしきっと、好きなんだ。
うん…好き、なんだ。あたし。』>>153
[恋なのか、と。 手の届きそうな、届かなそうな。そんな砂を噛むような感覚を、真墨は味わうことになる。]
『側にいたらきっと、傷つくのに、傷つけけちゃうのに。側に居たいって思う。 …ワガママだよね、こんなの。』>>154
[その言葉は、いつか誰かから聞いたそれと似ていて。]
(262) 2014/03/23(Sun) 00時半頃
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――え、
[潰れて、寝ていたと思っていたところから]
え……ええ、あの……!?
[掴まれて。押し殺した声は、通らない。 ほとんど、無意識であろうことは、様子から察せられたけど]
いや、待ってくださ……あの、ちょっと……!!
[抱き寄せられて、その先は。 抵抗しようとしても、所詮は女の力――では、あった]
(263) 2014/03/23(Sun) 00時半頃
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貴女が本当に好きなら、いいんじゃないでしょうか。
(『――君が望むなら、いいんじゃない?』>>1:604)
誰かを傷付けずに生きてる人間なんて、どこにもいませんよ。
(『誰かを傷付けずに生きてる人間なんて、どこにもいないのよ。』)
[そんな、人生の先輩の受け売りを、返すことしかできなくて。]
(264) 2014/03/23(Sun) 00時半頃
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[抱きしめたぬくもり身じろぎする。 そのぬくもりを、ほぼ無意識で落ち着かせようと背を叩く。
それはまるで子供に対するようにも思えたかもしれない。 ゆっくり抱きしめたその背をなでて、落ち着かせようと。 もちろん意識はなかったのだけど。]**
(265) 2014/03/23(Sun) 00時半頃
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水商売 タバサは、メモを貼った。
2014/03/23(Sun) 00時半頃
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[そうして、訪れる沈黙を埋めずに部屋の前で座り込んでいれば。 唐突に、部屋の前に男性が訪れる。>>172 アルコールの匂いを漂わせてはいたものの、その目は何かを決意した目で。]
…それじゃ、ボクはここで…
[もう、自分はここにいる必要はない、と。 真墨は、引き際良く自室へと退散する。]
―回想・了―
(266) 2014/03/23(Sun) 00時半頃
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水商売 タバサは、メモを貼った。
2014/03/23(Sun) 01時頃
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…何かあった?
[待ち人は、どこか塞いだ様子にみえて、自然と口をついて出たのは言いたくても言えなかった言葉。]
気のせいならいいんだ。 話したくないなら、聞かない。 …でも、話したくなったら教えてね。 あたし、ちゃんと逃げずに聞くから。
[手を伸ばし、肩に腕を回して。頭を引き寄せると、髪の毛をそっと撫でる。]
(267) 2014/03/23(Sun) 01時頃
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…怖い?
[どれくらいそうしていただろう。青い扉を前にして、あたしの中にもう迷いはなくて。隣に立つ人を見上げ、蒼い双眸をじ…と見つめる。]
あたしは、怖くない。
[きっぱりとした声で、言い切る。]
忘れないって、言ってくれてありがとう。もし、影木さんの方が忘れちゃってて、ひっぱたいても思い出してくれなかったら、そのときは泣いちゃうかも。
[冗談まじりにくすりと笑う。]
(268) 2014/03/23(Sun) 01時頃
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あたし、影木さんのこと好きだよ。
[忘れないように、だいじに、だいじに、繰り返して。]
忘れちゃっても、きっと思い出すから。 …信じてる。
[影木さんのことも、自分のことも。大丈夫、信じてる。 重ねた掌をぎゅうと強く握りしめ、そして…青い扉に手をかけた。**]
(269) 2014/03/23(Sun) 01時頃
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―現在・自室―
[田端の言葉が、耳に残る。]
(『その人が居ないもしもの世界を想像したら―――
―――いやだなって思っちゃったの。』>>149)
……そんなこと、考えたことも…
[なかった。 この空間にいる全ての人物も、とても好意的に思っていた。 でも、所詮は他人。居ても居なくても、真墨の世界に影響はない。]
こんな考え方、『ダメ』なんだよな…
[『生き返る』意志もなく、『恋をする』ことも叶わず。 この白い部屋で消えてなくなることを、真墨はすでに覚悟していた。]
(270) 2014/03/23(Sun) 01時頃
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