人狼議事


241 線路上の雪燕

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視点: 人


【人】 仕立て屋 シビル

― 一等車両 個室 ―

[>>#3 雪燕は、迫る朝焼けを讃えるかのように汽笛を鳴らし、再び動き出した。
そのうちシビルの個室にも警官がやってきて、到着遅延の旨などを知らせてきた。]

……ああ、そうですか。

[返事して、個室を後にする警官を見送ると、シビルはトランクケースがきちんと締まっていることを確かめた。
>>6 コートの内ポケットに、先ほど紳士から受け取った二等車両の切符がある。

最後に窓をぼんやりと見つめてから、トランクケースを片手に下げてその個室を後にする。]

(76) es 2015/12/04(Fri) 20時頃

【人】 仕立て屋 シビル

― ラウンジ ―

[すでに他の客が湯気の上がるカップを手に、思い思いの雑談を繰り広げているようだ。
先ほどの事件を旅愁とするには相当刺激がありすぎる気がするが、無事に運行は続くので、安堵した人たちの口が緩むのは当然のことだろう。

シビルも温かい紅茶を受け取ると、口をつけかけたところにある男性に話しかけられる。恰幅の良い男で、いかにも気の良さそうな御仁だ。

「先ほどの騒動には、全く驚かされましたねえ」]

……そうですね。

(77) es 2015/12/04(Fri) 20時頃

【人】 仕立て屋 シビル

[「私は、スウェルグで上等の狐をコートに仕立ててもらおうと思っていたのですが、
鉄道警察に驚いて、狐が逃げちまったんですよ。」

全く運が悪かったと言わんばかりの表情を浮かべ、その男は深いため息をつく。]

……それは、それは。

[「仕方ないんで、また出直すことにしますよ。
あんな夜更けに落ち穂拾いの真似事など、あいつらも妙なことをしてくれますね。」]

…………そうですね。

[鉄道警察への軽い憤慨を気取ってみせるも、わははと体を揺らして男は笑った。
シビルは愛想笑いを浮かべることも無く、いつもの調子で淡々と同意を返す。

男は気が済んだのか、やがてラウンジを出て行った。
それを見送り、たっぷり待ってから、シビルは乗務員を呼び止めた。]

(78) es 2015/12/04(Fri) 20時頃

【人】 仕立て屋 シビル

 
あー……
ここで一番上等な酒を、ボトルでもらえるか。

[若干の困惑の表情を浮かべた乗務員は、それでも一番高価で味の良い酒を瓶で差し出してきた。
シビルは紙幣を惜しみなく渡し、瓶を受け取ると、グラスはいらぬと断ってからラウンジを出た。**]

(79) es 2015/12/04(Fri) 20時半頃

【人】 仕立て屋 シビル

― 二等車両 ―

[汽車の揺れは、ときおりしゃっくりを起こすかのように思いがけないものがあるが、それによろめき壁にぶつかるとも、シビルの表情はいささかも変わらぬことは無かった。

紳士から渡された、失くしたはずのシビルの二等車両の切符の番号を思い出す——何かを言うより先に、彼は自室へひっこんでいた。どこかで拾ってくれたのか、何なのか——シビルの行動には何の障害もなかったのだから、問題は無い。
だからやっぱり、神の導きなのだろうなと思うことにした。]

…………。

[切符に示された番号の部屋を開ける。
シビルは中に入るとトランクケースを傍らに置き、座席に深く座り込む。]

(83) es 2015/12/04(Fri) 21時頃

【人】 仕立て屋 シビル

………………。

[一つ、深く長いため息をついた。

「仕立て」は全て破綻して中止になった。
これが一時の延期か、永遠の延期になるかは、狐がどこまで逃げられるかどうかにかかるだろう。

果たしてどこから進路は間違っていたのだろうか。
シビルが二等車両の切符を失くした時からか、ニズ駅で伝言を受け取った時からか?
それとも——「家出少年」の足首を狙撃した時からか?]

…………。

[購入した酒瓶を開封しながら、麦畑に消えたらしい影のことを思う。
果たしてあれの結末は、シビルには分からぬことで、狙撃したことに関しても何の罪悪感も抱かない。
だがあの事態がなければ——

祖国に尽くし、祖国に裏切られた、哀れな狐を——
シビルの狙撃対象であり、古い友人であり、恩人でもある彼を思う。]

(84) es 2015/12/04(Fri) 21時頃

【人】 仕立て屋 シビル

 
………………。

[また一つ、深く長いため息をついた。
安堵の表情をうっすらと浮かべながら。]

(85) es 2015/12/04(Fri) 21時頃

【人】 仕立て屋 シビル

[うっすらと開いたままの扉が、汽車にゆられてきいきいと言う。] 
 
仕事がない。
これ以上の幸せは、ないな。

[うそぶいてから酒瓶にじかに口をつけ、ぐいとあおり呑む。
半分ほどまで減らすと酒瓶を抱え込んで目をつぶり、そのままシビルは寝入ってしまうのだった。

ばらつく髪やその頬を、朝日がなぞるように照らしていた。**]

(86) es 2015/12/04(Fri) 21時頃

【人】 仕立て屋 シビル

[>>#4 雪燕はスウェルグへ到着し、乗客を見送るように汽笛を鳴らした。
老齢の車掌が中途半端に開いている二等車両の個室の扉をのぞけば、その座席には半分ほど中身のある酒瓶が取り残されているのを見るだろう。]

(139) es 2015/12/05(Sat) 21時頃

【人】 仕立て屋 シビル

[スウェルグのある宿屋に、一人の人物がやってくる。
その人は宿を求めつつ、ここらで一番近い、海を見下ろせる場所はどこかとたずねていた。]

(140) es 2015/12/05(Sat) 21時頃

【人】 仕立て屋 シビル

 
[何かが海に投げ捨てられて、とぷんと小さなしぶきがあがる。
ガラス瓶だ。中には白い何かが数粒入っている。

それは、水平線を目指すかのように波間に消えた。**]
 

(141) es 2015/12/05(Sat) 21時頃

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