156 カイレミネ島の雪
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−帰り道− [トレイルの家に行くミナカタを見送ると、自分は一度家に帰ることをにした。]
マドカの家に泊まるとは連絡してあるけれど…あんなことがあったし、心配しているかもしれないわ。
[自分にはいつも自分のことを考えてくれる両親がいる。それがどんなに幸福なことか、そんなことをつい考えた。]
夜にトレイルの家に行くにしても…。
[空っぽの冷蔵庫を思い出す。あれに頼るくらいなら、事前に自分の家で準備したほうがいいだろう。 昼ごはんは善処はしたものの、ありあわせのものになってしまった。]
…料理は、作れるのよ。
[できないことが多い自分だが。料理はできる。 昔とある男の子に食べてもらいたくて、必死に勉強したから。]
あれが私の全力だと思われたら、…困るわ。
[そんなことを呟きながら、我が家へ向かう。]
(0) 2013/12/22(Sun) 00時頃
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−自宅→外−
…少し、つくりすぎたかもしれないわ。
[台所には、下ごしらえが住んだ料理が、あとは火を入れるばかりになり、所狭しと並んでいる。 他にも飲み物や出来上がった料理がすでにバスケットに詰められており、少し悩んだ結果、すべて持って行くことに決めた。 別の入れ物を引っ張り出し、隙間なく詰めていく。]
どれがトレイルの好みかわからないし…まあ、余っても、ミナカタ先生がいるからいいわよね。
[20代も後半に入った成人男子の胃を過信しすぎたことを思う。 彼女は、何が起こっているのか知らない。]
(39) 2013/12/23(Mon) 10時頃
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−トレイルの家へ−
……。 [もう、不満を言う余裕は残っていなかった。 トレイルの家へ向かったものの、かの家へ近づけば近づくほど、風量と積雪量が増えているような気がした。 まるで何者かの怒りが、吹雪となって表れているかのように。 視界が雪で覆われ、慣れた道であるはずなのに自身がどこへとむかっているのか不確かになる。 そして他に防寒具がないとはいえ、この吹雪の中、ミナカタから借り受けたセーター一枚と言うのは、無謀すぎた。 両の手にかかる作りすぎた料理による重みも、彼女の体力を容赦なく奪っていく。
それでも離すまいと、感覚の失った手に力を込める。]
(40) 2013/12/23(Mon) 10時半頃
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[そして次の瞬間、
――――――――――――――意識が、途切れた。]
(41) 2013/12/23(Mon) 10時半頃
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−翌昼− [気付いたときはベッドの中だった。 起きたことに気付いたのか、近くの民家の夫婦が心配そうに顔を出す。どうやら雪道で気絶していたところを、二人に助けられたらしい。]
今、何時!?
[お礼の言葉もそこそこに、ハッと時計を見る。 一瞬夜の時間と勘違いしたが、外は吹雪いているものの、夜のとばりは降りていない。お昼を回っていることに気が付くと、慌てて駆け出そうとする。]
……っ。
[体が上手いように動かない。どうやら自分でも気づいていないうちに、ずいぶんと体力を消耗していたらしい。 起き上がろうとするのを見て夫婦は慌てて止めようとするが、その言葉に甘えるわけにはいかなかった。]
診療所に、行かないと…だから。
[目の前の少女が頑固であることは、若い夫婦はよく知っていた。]
(54) 2013/12/23(Mon) 22時頃
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[夫婦にせめてと、過剰なほど厚着を施され。 倒れたばかりのフラフラの体を押して、ひたすら歩いた。 走る体力は、もう残っていなかった。 二人は送ってくれると提案したが、この吹雪だ。これからもっとひどくなったら帰れなくなるかもしれないと、無理やり断った。
途中、道に見ているバスケットと、こぼれおちてぐしゃぐしゃになっている料理が落ちていた。]
………。
[何度も倒れそうになる体を叱咤しつつあるく。 幸い診療所の方へ向かうにつれ、吹雪は穏やかになっていた。 そして、何とかそこにたどり着いたとき、
それは、すでに終わっていた。]
(55) 2013/12/23(Mon) 22時頃
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−診療所−
何、でよ…っ!
[思わずこぶしで近くの壁に八つ当たりする。 誰よりも冬将軍を探すのに一生懸命だった。雪雫草の薬だって、率先して詰みに行ったのは彼だった。]
…なんでそんなヒューが、薬を飲んでいるのよ!
[昨日、彼と交わした言葉を思い出す。>>3:158]
『マユミ、俺が冬将軍だって可能性まるで考えてねーのかよ』
自分は何と返しただろうか。
『馬鹿ね。率先して自ら眠ろうとする冬将軍なんて、おかしいじゃない。』
[そう。そんなのおかしい。だから思っていた。 たとえ誰が冬将軍だとしても、おそらく彼だけは違うのだろうと。 なのに、そんな彼が今。―――冬将軍を眠らせるための薬で、眠っている。]
(56) 2013/12/23(Mon) 22時頃
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[しかしここで現実に失望して倒れ込むわけにはいかなかった。 自分の仕事をしなければと、ここに来た目的を思い出す、ふらふらと眠りに付いたヒューに近寄る。
ヨーランダ、ジリヤと、話に聞いてはいたが、実際に眠りに落ちている人を見るのは初めてだった。 本当にただ眠っているようなその姿に、今からむくりと起き上がらないかしら?とありえないことと思いつつ、そんな幻想を抱きそうになる。
震える手で、彼の体を丁寧に調べる。 本で読んだ知識を脳裏に浮かべながら、決死で間違えないように、一つ一つの工程を、慎重にこなす。
作業が進むにつれて、額に焦りが生まれ、瞳が驚愕に彩られていく。 何度も何度も確認し、他の可能性を考慮し、
そして一つの、結論を出した。]
(57) 2013/12/23(Mon) 22時頃
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ねえ、ブローリン。
[昨日からずっとここに立ち会っていたのだという彼に、声をかける。 少しでも気を抜くと、声が震えてしまいそうで、それを無理やり抑え込む。]
…一つ、お願いがあるのだけれど、聞いてくれたら嬉しいわ。
[彼が肯定してくれたのなら、そのまま続ける。]
あなたが今作ってくれている、雪雫草の薬ね。
明日飲むのは、私にしてほしいのよ。
[自分が今どんな顔をしているのか。 それを確かめる余裕は、無かった。]
(59) 2013/12/23(Mon) 22時半頃
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[何故?と聞かれれば、言葉がつまる。 口が鉛になったように、それを口にすることができなかった。 いっそ、昨日ヒューの次は私って約束したでしょ?と嘯いてしまいたかった。だが目の前の青年は、そんな言葉では決して納得しないだろう。 だから告げる。自分が分かったことと、それによって考えたことを。 そうでなくとも、おそらく自分が誰かにこれを伝えるチャンスは、ほとんどないだろう。]
あのね、ブローリン。聞いてほしいの。
―――――――――ヒューは、冬将軍だったわ。
(61) 2013/12/23(Mon) 22時半頃
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[彼はどんな反応をしただろうか?確かめるのが怖くて、そのまま言葉を並べた。]
でもね。雪がやまないのよ。 ヒューが眠ったのに!その後も、雪はどんどん降り続いているのよ。 ヒューは確かに冬将軍だった。おばあちゃんの本に書いてある通りだった、なのに!
[そこで感情的になっていた子をに気付き、声を潜める。]
…だから私思ったのよ、きっと。 これはあなた達が言っていた通り、冬将軍が複数いるか。
「私」が嘘をついているか、どっちかだって。
[涙が溢れそうになるのを懸命にこらえる。 駄目だ、こんなところで泣いてしまったら。きっとブローリンを困らせてしまう。]
(63) 2013/12/23(Mon) 22時半頃
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私ね。昨日のヒューの言葉が「冬将軍」の言葉とは思えないの。
[彼の言葉、表情の数々を。今でもはっきりと、思い出せる。 あの時あそこにいた彼は、「ヒュー」だった。]
そうなると冬将軍は、自分でも気づいていないうちに、誰かに取り込んでいるってことになるわ。その人の意識を、残したままね。 そうなるとね、今冬将軍の可能性が一番高いのは、きっと私なのよ。
[雪が振り始めてから、ヨーランダとジリヤに会ったのは誰だったか?
それは自分だと、彼女は言った。 自分もそうだと、彼は言った。
目の前の青年も当然その会話は覚えているだろう。]
(66) 2013/12/23(Mon) 22時半頃
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もし冬将軍が複数だとしたら。 ヨーランダとジリヤに出会っていたヒューは冬将軍で、同じように私も彼女らと出会っているわ。
そして冬将軍が一人だとしたら。 ヒューは無実で、私が自分でもわからないまま、「嘘の判定」を言っている可能性がある。
そして冬はまだ終わっていない。どっちにしても、私は私が冬将軍である可能性があると思っている。なら、
[そこで一瞬、息をのむ。]
次に飲むのは、私でいいと思うの。
[そう言って、ほほ笑んだ。]
(67) 2013/12/23(Mon) 22時半頃
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[これでいいと思った。 もし自分が冬将軍で。 そのせいで大切な誰かが眠ってしまうのなら、そんなのは耐えれない。
もしブローリンが渋るようなら、安心させるように笑顔を浮かべる。]
心配いらないわ。たとえ私が冬将軍じゃなかったとしてもね。 あなた達ならきっと、この冬を終わらせてくれるって信じているもの。 そうしたら、私はきっと目覚めるわ。それに…。
[少し言いづらいように逡巡したが、やがて意を決したように続ける。]
私、夢があるの。叶えたい夢。 だから絶対に眠ったままにはならないわ。どんなことがあっても目覚めてみせる。
[そして最後に悪戯っぽく付け加えた。]
私の大切な人ね、みんなちょっとお寝坊なの。 だからその人たちが眠っちゃうより、ずっとましだと思うのよ。
(69) 2013/12/23(Mon) 23時頃
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[もし彼が頷いてくれるようなら礼を言い、それでもなお反対するようなら、無理やり約束させた。]
この話、皆には内緒にしてね。 私が冬将軍なら、もし私が冬将軍じゃなかったらとか、余計な心配させてしまうの申し訳ないし。
…冬将軍じゃなくとも、結局起きるんだから、やっぱり余計な心配だもの。
[不意にトレイルとマドカの顔が浮かぶ。 二人とも、私が薬を飲むと言ったら、なんて思うのかしら。 止めてくれるのかしら?それとも仕方ないって、送ってくれるのかしら。 考えても仕方がない。二人に自分の考えを告げるつもりがない以上、その答えを確かめることはできないのだから。 送ってくれるのなら、それでいい。私も笑顔で受け入れられる。]
(でも、もしも止めてくれるのなら)
[…やはり私は、二人に言わないで眠るのが正解なのだろう。]
(71) 2013/12/23(Mon) 23時頃
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−その日の夜・自宅−
[その後家に帰ると、雪の中出て行った娘を両親が心配して出迎えてくれた。 心配かけたことを謝り、いつものように家族で食卓に付き、団欒を交わす。 両親には、何も言わなかった。
心の中でだけ、ごめんなさいと、ありがとうを告げた。]
(心配かけて、ごめんなさい)
(私の人生はあなた達のおかげで、とてもとても、幸せだったわ)
[ベッドに入ると、窓からずっと外を眺めていた。 際限なく振る白を。幼い頃から夢に見た光景を。
瞳に焼き付けるように。 ずっと、ずっと、眺めていた。]
(73) 2013/12/23(Mon) 23時頃
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−次の日−
[雪の結晶のストラップ。 それをお気に入りの紐に通すと、自らの首にかけた。 鏡に映すと、それはあつらえたかのようにぴったりだった。こんな時なのに少し嬉しくなる自分が、不思議だった。
自分は化粧はしない。肌があまり強くないのと、普段の気候だと、汗で流れた時の不快感の方が勝るからだ。]
(…化粧の一つでも覚えているような子だったら、私ももう少し、女の子らしくなれたのかしらね?)
[鏡の向こうには、一見華奢でお淑やかそうな娘が映っている。だがその娘が決してそうでないことは、自分が一番よく知っている。]
ストラップをくれた女性のことを思い出す。 とてもとても、きれいな人だ。外見も心も。 彼女も今、眠っている。
こうして彼女にもらったものを身につけていれば、少しでも彼女の強さに近付ける気がした。
化粧のしない自分にとって、唯一の戦装束であり。 死に化粧だった。]
(76) 2013/12/23(Mon) 23時半頃
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行ってきます。すぐ戻るわ。
[そう言って家を出た。行先は診療所。 そこで礼を言って薬を受け取った。 どこで飲もうかと考え、さすがに二日続けてブローリンに見届けてもらうのは気の毒だと、診療所を後にする。
足が向かった先は、海だった。]
…海は嫌いなのにね。
[それでも凍りついた海面の上に雪が積もり、その姿を覆い隠しているのを見て、少しさびしかった。
幼い頃に溺れてからずっと毛嫌いしていた母なる水面。なのに最後にここに来てしまったのは、きっとこの騒動が始まる前に、行こうとしていたのがこの場所だったからだろう。]
(79) 2013/12/23(Mon) 23時半頃
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−海− さてと、そろそろ行こうかしら。
[凍っているものは仕方ないと、腹をくくる。 思えば今まで自分の願いが成就したためしはなかった。
幼馴染が苦しんでいるのになにも出来なくて。 彼のために雪を見せてあげたくて、やっぱり出来なくて。 代わりにマリンスノーを夢見て、でも泳げなくて。 練習しようと海に入る決心をした瞬間、海は凍りつく。]
(しかも。ねえ、信じられる?) (マリンスノーって、生身の人間ではとても潜れない、深い場所でしか見られないんですって)
[それは昨日、眠る前にポケットから見つけた小さな紙切れ。 >>2:3図書館で見つけたそれは、彼女がずっと探し求めた欠片の一部だった。>>2:23]
(冬将軍が訪れなくても結局無理だったなんて。……本当に何もかも、叶わないのだから、嫌になるわね。)
[怒りを通り越して、なんだか情けなくなる。]
(81) 2013/12/23(Mon) 23時半頃
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(でも、) (それでも、どうか)
『大切な人が幸せにほほ笑んでいてくれますように。』
[幼い頃からずっと願っていたこの祈りだけは。 どうか、叶いますようにと。
頼むわよ、神様。
…そう、静かに祈りをささげ。
小鬢の薬を飲み干した。]
(83) 2013/12/23(Mon) 23時半頃
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[その瞬間、彼女は孤独だった。 永遠の眠りかもしれない旅路。それを見送る人は誰もいなくて。 それはとても心細くて、とても辛くて、 ―――とても、寂しい。]
(やっぱり、一人で眠るのは、嫌だわ)
[ブローリンには強がりを言ったが、自分が冬将軍だとしたら、もう目覚めることはないのだと、誰かが言っていた。 そして違っていたとしても、目覚められる保証はどこにもない。]
(怖い。怖い、怖い。) (こんなのいやよ、一人はさびしい。誰か一緒にいて。お願いお願いお願い――――!)
[それでも、薄れゆく意識の中、ぼんやり思ったのは。]
(こんなにつらい思いするのが、)
あの二人じゃなくて。 本当に、よかった。*
(87) 2013/12/24(Tue) 00時頃
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